2008年09月21日
【店舗数:226】【そば食:400】
長野県木曽郡木曽町
すんきそば
アワレみ隊が5年ぶりに天幕合宿を敢行した。最後に行ったのが2003年の10月、南乗鞍だったので、本当にまるまる5年ぶりの開催だ。そして、今回復活の場として選んだのも、南乗鞍だった。
木曽福島で食料品の買い出しを行ったのち、2台の車で南乗鞍のキャンプ場を目指す。その途中には蕎麦の産地である開田高原があるので、当然お昼は蕎麦でも手繰るべえ、という算段だ。
とはいっても、まだもうちょい蕎麦シーズンには届かない。薫り高い新蕎麦を、というわけにはいかないのは承知の上だが、気分は蕎麦一筋だった。開田高原、といえば忘れてはいけないのが名物の「すんきそば」。かぶ菜を乳酸菌発酵させた漬物「すんき」が載った蕎麦だ。以前開田高原を訪れた時に、「高原食堂」で食しているので体験済み。なんだか、最近無性に酸っぱいものを食べたい。いや、妊娠したとかそんなんじゃなくて、なんとなく体が酸っぱい物を欲している。その証拠に、最近は1日二回黒酢を飲んでいるくらいだ。そんなわけで、ぜひともすんきで身も心も乳酸菌発酵していただきたい次第。
訪れたのは、「まつば」というお店。前回訪問時には法事のため休業、ということで空振りに終わった店だ。今回はちゃんと「営業中」という看板が誇らしげに店頭に掲げてあった。
店内は結構広い。公式サイトを見ると、2階には大広間もあるという。団体観光客にも対応できるお店、ということか。もともと、「ドライブインかいだ」というお店だったのが、蕎麦店に変身したらしい。
これだけたくさんの客を収容できるくらいだから、蕎麦はどこかの工場製を仕入れて使っているんじゃないの?と思ったが、手打ち、しかも自家製粉をしているというから驚きだ。
お品書き。
冷たいそば、温かいそばと記されている裏には、「定食」というのもあった。ざるそば定食、かけそば定食など。何がどうなれば「定食」を名乗れるのかとよく読むと、定食には「ご飯、サラダ、そば豆腐、小鉢、漬物」がつくそうだ。ざるそばをおかずにご飯を食べるというのはちょっと想像しづらいシチュエーションだ。かけそばならまだわかるんだが。ざるそばをずるずるッとすすって、もぐもぐしながらお茶碗に手を伸ばし、ご飯を一口・・・飲み込んだあとは、サラダを一口・・・うーん、取り合わせが難しいな。単に自分の発想が貧困なだけだろうか?
壁には張り紙有り。10月5日にはそば祭りがあるらしい。通常900円の蕎麦が500円になるのだから、相当太っ腹な企画だ。そりゃ「ぜひお越し」したくなるな。
それにしても10月5日にそば祭りか。この開田高原は高地だけあって蕎麦の収穫が早いんだな。
ざるそば。このお店には「もりそば」という概念がないので、必然的に海苔がのっかったざるそばとなる。900円とは結構なお値段だが、盛りはそれなりにある。お品書きには「ざるそば二枚組」というものも存在するが、普通の人ならこの一枚で十分なはず。
「期間限定」ということで壁に貼ってあったメニュー、「きのこそば」1,200円。どんなそばなのかと思ったら、蕎麦が見えないくらいたっぷりときのこが盛りつけられた温かいそばだった。きのこには全く疎いので、これが何のきのこなのかはわからん。椎茸やエリンギ、舞茸のようなスーパーに売られている類ではないことは確かだ。恐らく近隣で採れたものなのだろう。「おお、山あいの蕎麦屋に来たな」という旅情を感じさせてくれるいっぱい。また、この気前の良い盛りも喜びを増幅させる。秋だけのお楽しみ、ということでこのいっぱいは十分季節感を満喫できるだろう。値段はちと高いが、それに見合った満足感が得られるのではないか。
さておかでんが頼んだのは当然すんきそば。
長野の漬物・野沢菜は都心でも買える。お隣の国韓国のキムチだって当たり前のようにスーパーに並ぶ。しかし、この「すんき」はそう簡単には手に入らない。食べられる時に食べておかなければ。
うん、酸っぱい。これぞすんき。しゃきしゃき感が心地よいし、酸っぱさが体に染み渡る感じ。「高原食堂」で食べたすんきよりは酸味が控えめ。熟成度合いによって酸っぱさは変わるのだろう。ということはこのお店のすんきは浅漬けか。
すんきのインパクトが強いので、蕎麦の風味は正直いってよく分からない。だから、極上の蕎麦で作る料理ではないだろうな。蕎麦が負けて、もったいない。新蕎麦の季節直前にすんきそばを食べて、ちょうど良かったのかもしれない。
三度目の訪問となる開田高原だが、相変わらず気持ちの良い空間だった。今度は新蕎麦の季節にまた訪れてみたいものだ。
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