蕎麦てりあ 代官山

2011年01月18日
【店舗数:265】【そば食:465】
東京都渋谷区代官山町

もりそば 大盛り

20110117-006

代官山で3日がかりの研修。

研修資料一式の中に、わざわざご丁寧に「代官山周辺ランチマップ」なる手作り資料までもが用意されていた。そこには徒歩10分圏内、1,000円以下を目処に50軒あまりのお店紹介がずらり。むむ、悩ましい。

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悩ましすぎて、むしろ研修がはかどった。中途半端に悩ましいと、研修そっちのけで「今日のお昼はここにして、明日はこっちにするとバランスがいいぞ」などと考え込んでしまう。しかし、笑ってしまうくらい選択肢が多かった分、考えるだけ無駄だわーと諦めがついた。

たくさん紹介されている中で、代官山の駅前に蕎麦屋があるとの記述があった。「福屋」という店名だが、手打ち蕎麦をやっているらしい。この日の食事はそこに決定。

しかし、いざ行ってみたら「福屋」というお店は見つからず、その代わりに「蕎麦てりあ代官山」という店が見つかった。場所を間違えたか、それとも店名からリニューアルしちゃったのか。どっちかは不明だが、とにかく蕎麦を食べるという当初目的は果たしているので、ここで食事としよう。

一階はラ・ボエム。

蕎麦てりあ 代官山

「蕎麦」と「カフェテリア」を併せた新しいスタイルのお蕎麦屋さん、ということで、だから「蕎麦てりあ」。蕎麦と犬(ヨークシャーテリア)で蕎麦てりあ、というわけではないようだ。
蕎麦は日本の古典芸能というか「いかにも日本食」的な食べ物。これを破壊し、新たに創造したいという欲求はクリエイターなら誰しも持つだろう。このお店も、その類のようだ。暖簾が下がっているようなお店ではなく、洋装で、カフェっぽくもあり、ギャラリースペースにもなるようなお店で蕎麦を出す。このミスマッチが良い、と。

さすが代官山だな。

しかしどうしても放置できない記述が。「蕎麦てりあ」の店名のところに、「究極の十割そば」と書いてあるのだった。究極、と名乗って究極であった試しが無く、この言葉は安易に使うべきではないと思っているのだが堂々と名乗っちゃった。あー、大丈夫かなあ。

蕎麦てりあの店内

店内は白い壁がまぶしい。椅子や机の形態からもオサレ感がにじみ出ており、オサレとは無縁なおかでんにとっては別世界の光景だ。なんかイケてるリア充っぽい人がちょっと机から斜めに座りつつ打ち合わせやってたりするし。

「こういうところの蕎麦って美味いわけないんだよな、ケッ」

などと勝手に敵対意識を燃やそうとしてしまうが、待て、無駄に敵を作ってどうする。

このお店、ケチをつけようと思ってもケチなんてつけられない事情がある。「究極」とまで謳っている十割蕎麦だが、お値段なんと500円なのだった。なにそれ。しかもランチタイムはサービスで、炊き込みご飯または大盛りが無料なのだという。つまり500円で十割蕎麦大盛り。これ、「究極に安い」十割蕎麦なんじゃあるまいか?

隣のイケてるねえちゃんたちは生野菜がふんだんに載っているそばサラダ(800円)なんぞを頼んでおったが、ここは敢えてド直球で「もりそば。大盛りで。」と場に似つかわしくない野太い声で注文。

多分、こういう店だからこそ「オサレな注文をさらりと華麗にキメる」ってのがいいんだろう。でも、初めて訪れた店だからなんの小細工もされていない蕎麦を食べてみたかった。しかも「究極」を名乗るんですぜ。これはもう、もりそば以外あり得ないだろう。なんか損した気分だがこれは仕方がない。

なお、蕎麦なのだが、お品書きによると「ナノテクノロジーを駆使し」とものすごい事を書いてあった。おおう、カフェ風なお店で油断させておいて、ナノテクとな。

なんでも、その「ナノテクノロジー」とやらで「甘皮とダッタンそばを混ぜた」んだそうだ。へー。おかでんでさえピンと来ないくらいだから、普通の人はもっと訳判らんと思う。つまり、製粉する際、蕎麦を極限まで細かく粉砕したって事か?安保闘争では政治をフンサイできなかったので、その恨みを今ここで蕎麦粉に!みたいな?

もりそば・大盛り

そばアップ

もりそば・大盛りサービスで500円。

器はカフェめし風に紡錘形だったりフォークが添えられていたりするんじゃあるまいかと思ったが、もりそばに関してはこれまでの伝統と格式に敬意を表して普通のせいろだった。

大盛りにしてはあまり量が多いとは思わなかったが、だとしても代官山という立地で、500円で、蕎麦、しかも十割蕎麦を出すというのは相当な努力だと思う。素直にそこは褒め称えたい。

ただ、気をつけないといけないのは「十割蕎麦」とは蕎麦の種子を製粉したもの100%、というわけではないということだ。よーくお品書きを読んでいると、ダッタン蕎麦の新芽も含まれているらしい。種子だけでなく芽も入っているのか。

なんでも、ダッタン蕎麦の新芽はルチンが通常の100倍~200倍入っているんだと。なるほどー。でも、それがこの蕎麦の中には微量入っているだけだろうから、実際この蕎麦自体のポテンシャルは不明。

あと、お品書きにはこんな記述も。「お客様の声を受けて初めて蕎麦の形になる。『打ちたて』『切りたて』『ゆでたて』の三拍子」

どうやら、「京橋恵み屋」方式の「蕎麦玉をスタンバイしておいて、注文があったらゆで釜の上に設置された『ところてんマシーン』で蕎麦玉を押し出し、そのままにゅるりと出てきた麺をゆでちゃう」パターンのようだ。

で、「究極の十割」というのは何でだろう?その蕎麦マシーンが究極っぽいでしょ、ということなのか、味そのものを自慢したいのか、ルチン豊富であることを言いたいのか。

そういうことを考えながら食べていくと結構楽しい。「まさかこのつゆが究極というわけあではあるまいな!?」とか。

蕎麦湯

食後に蕎麦湯がでる。

せっかくだからドリップコーヒーを煎れる時のヤカン(正式名称不明)みたいに口がじょうろのように細長く伸びている湯桶、なんかだと面白かったが、ここも正当派だった。

この蕎麦、蕎麦そのものの味はともかく、何しろつゆが甘かった。すき焼きの割り下になるんじゃないか、と大げさに感じてしまったくらい甘い。しかし、割り下にするほど味が濃くもなく、微妙なつゆ。

そんなつゆを蕎麦湯で割ると、なんだかいい感じのお吸い物みたいになってしまった。それそのものは悪くない味なのだが、蕎麦食べ終わってお吸い物的な汁を飲みたくはない。最後まで飲まずに残してお店を後にした。

女性向けの、蕎麦はそれほど好きじゃないけどヘルシーらしいから気になってます、という人が喜ぶ店だと思う。がっつり蕎麦喰いたいぜ、という野蛮なおっさんが来る場所ではないと思う。また、そういう人が期待する「究極の十割蕎麦」でもなかった。

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