2012年09月26日
【店舗数:---】【そば食:515】
東京都中央区築地
もりそば
おかでんには姪がいる。先日3歳になったばかりだ。さすがに3歳にもなってくると、いろいろなものを食べるし、いろいろしゃべるようになる。そんな状況に戦々恐々としているのは、何を隠そうおかでんだ。
このコーナーで何度も掲載しているが、おかでんは12月31日に年越し蕎麦を打つのが恒例行事となっている。毎度毎度、いい加減な蕎麦打ちをやって、でき上がった蕎麦を「連帯責任だ!」と家族全員におみまいする。家族はすっかり恐れをなしてしまい、おかでんやりたい放題。おかげで、年を経るうちにどんどん蕎麦打ちのお作法が雑になっていき、今じゃ蕎麦を打っているんだか、何をやっているんだかわからない謎の儀式と化している。
しかし、今年は立派に成長した姪っ子がいる。うっかりまずい蕎麦なんて食べさせたら、「おいしくない!」とか「いらない!」なんて言われてしまうかもしれない。「裸の王様」の寓話のように、子供は正直だからだ。3歳ごときのクソガキに己が蕎麦を批判されるのは耐え難い屈辱だが、「正直な感想」ならば仕方がない。ぐっとこらえるしかない。
いやいや、そこで「ぐっとこらえる」覚悟を決めるのはまだ早い。幸い、12月31日までまだしばらく猶予がある。この期間を使って、ちゃんと蕎麦打ちを習い直した方がよいのではないか。
そんなわけで、「築地そばアカデミー」というところがやっている蕎麦打ち講習会を受けてみることにした。蕎麦打ち体験教室は過去何度も通ったことがあるが、それもはるか昔の話。今じゃすっかり技術を忘れてしまった。というか、技術というものを特に身に着けていなかったことに今さらながら気づいた。観光客相手の体験教室なので、「とりあえず蕎麦がなんとなく打てればOK」というレベルになっているからだ。それでは「技術」は身に着くわけがない。
一方「築地そばアカデミー」は初心者・初級者向けの講習会を1か月に1度やっており、その講習会が今回のターゲット。毎月参加すれば、12月末までには4回受講することができる。4回、みっちりと習えばなんとか様になる蕎麦が打てると思う。多分。おそらく。
ちなみにこのアカデミー、プロとして開業する人にも教えていたりして本格的。お金さえ払えば、みっちりとマンツーマンレッスンも受けることができる。さすがにおかでんはマンツーマンまで本腰入れる気はないが、初心者・初級者向けの技術はしっかり我が血肉として体得したい。
築地の社会教育会館、という公民館みたいなところが会場だった。立派な料理教室部屋が用意されていた。ここで、18時から21時過ぎまで講義とお手本、実習、試食までをこなした。
ちなみに初心者コースは、蕎麦粉200gに小麦粉50gの二八蕎麦。2人前~3人前のボリューム。これが初級者コースになればその倍の量(5人前~6人前)を打つことになる。おかでんはイチから手堅く勉強したかったので、初心者コースを選んだ。
蕎麦打ちの話の詳細は割愛。加水率の調整が1グラム単位というのが新鮮な驚きだった。水を数滴、追加で足すだけでぜんぜん雰囲気が変わる。
おかでん、250gの粉を前に悪戦苦闘。相当先生の手助けを受けた。こりゃ、とても一回の講習だけじゃ、ダメだ!何回も受講しないと、手順が覚えられないし、テクニックが身につかない。参った。縦1.5mm×横1.3mmの角形に蕎麦を仕上げることがなんと難しいことよ。
でもひとつ言えるのは、今おかでんが所持している蕎麦包丁はなまくらだ、ということだ。プロが使うような蕎麦包丁、初めて手にしたが、結構重たい。でもその重たさが、切れ味につながっているのだな。おかでん蕎麦包丁の場合、きっちり麺を切ることができず、麺がくっついてしまっているもんなぁ。
自分で打った蕎麦は家に持ち帰り。その代り、先生が打った蕎麦は試食として供された。
うん、結構旨い。オーストラリアはタスマニア産の蕎麦粉を使ったということだが、なかなかこの時期にしては蕎麦の香りがして、おいしかった。
先生は大鍋で蕎麦を2回に分けてゆでていた。一回目と二回目は蕎麦の硬さが違っていて、大変に興味深かった。同じ蕎麦でも、ゆで方次第で全然様子が違うものになる。理屈では分かっていたが、実際に食べてみたらなんと異なることよ。おかでんとしては、やや硬めの方が口に合った。
家に帰ってから、自分で打った蕎麦をゆでてみた。でき上がった蕎麦を手繰ってみたが、あんまり麺が長くなかった。ずるずるッとすすり上げるにはいまいち至らない長さ。うーん、なんでこうなってしまったのだろう。翌月の講習でここはしっかりと習いたい。
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