手打ち蕎麦 銀杏(01)

2012年12月05日
【店舗数:323】【そば食:547】
東京都江東区大島

せいろ

かけそばが250円の立ち食い蕎麦屋

江東区の清澄白河に用事があったのだが、時間に随分と余裕があったので、その間に蕎麦屋をハシゴしてみることにした。西大島の「銀杏」と、森下の「京金」の二軒。

最近体重が増えて増えてたまらんので、西大島まで歩いていくことにした。神田から延々、1時間以上かけてお店に向かう。街歩きはもともと好きなので、こういう機会があるとありがたい。微妙にJR線との接続が不便な路線である都営新宿線沿線の蕎麦屋だからこそ、歩こうという気になるってもんだ。

歩いている途中、東神田で立ち食い蕎麦屋を発見。見てみると、かけそばが250円と非常に廉価だ。種物はかき揚天そばが340円、まいたけ天そばが360円など。うーん、安い。

そんな値札の上には、「とにかく最高の味」と書かれていて、面白い。「とにかく」という言葉つくところに、自己陶酔感があって、素敵だ。

一昨日、「いわもとQ」で立ち食い蕎麦屋の一歩先を行く蕎麦、というのを目の当たりにしたばかりだ。それとの比較を兼ねて、ここで蕎麦をいっぱい所望・・・ということも考えたが、やっぱりやめにした。これ以上食べるのはよせ。

西大島

西大島の界隈は、道路が碁盤目状にまっすぐ伸びていて、整然とした町になっている。両国のあたりからずっとまっすぐなので、正直歩いていて飽きてきた。はるか彼方までまっすぐ道が延びているのだから。

そんな中、神田駅から1時間10分程度でお店の近くに到着。

銀杏外観

西大島駅から歩いて来たわけではないので、ここが駅前一等地から見てどういう位置関係になるのか、よくわかっていない。でも一つ確実に言えるのは、ド住宅地ってことだ。こんなところに蕎麦屋、作っちゃうかぁー。凄いな。

お店は外観からは蕎麦屋とはわからない。コンクリート打ちっ放しの建物で、場所柄、おしゃれな一戸建て住宅のように見える。もちろん、暖簾が下がっているし、「商い中」の看板は出ているし、営業時間の案内も小さいながら掲示されている。蕎麦屋であるよ、というサインは出てはいるのだが、だとしても地味だ。

お店の名前は「銀杏」。「いちょう」ではなく、「ぎんなん」と読むので注意。お隣の神社にいちょうの木があることから名付けたらしい。

銀杏店内

店内に入ってみる。うお、外観に負けず劣らずおしゃれだ。いわゆるニューウェーブ系蕎麦屋みたいに気合い入れて内装にこだわりました、という雰囲気ではなく、ナチュラルメイクでおしゃれになりましたといった風情。屋内もコンクリの打ちっ放しで、それと対比するように竹の壁と木の階段が設置されている。

一階は二人掛けの席が8卓。3人以上のお客さんがやってきたら、席をくっつけるのだろう。でも、5人以上は無理。その場合は2階席にお通し、ということになる。二階席はどうなっているか気になるが、一人で訪れている限り二階に上がる機会はないだろう。

天井は二階まで吹き抜けになっていて、開放感が非常にある。これ、冬は結構冷えるんじゃないかと心配になるが、あれれ、そういえば今はもう冬だったっけ。全く寒く感じないから、これはこれでよいのだろう。

黒いバインダーのお品書き

お品書き。黒いバインダーにとじられているという変わった作り。表紙に「お品書き」とさえ書いていない無骨なヤツ。

ん?お品書きとは別に、もう一冊小ぶりなバインダーがあるぞ。こちらには表紙が付いている。「銀杏希和子ギャラリー 蕎麦 酒肴 編」だって。

メニューが可愛い
カラフルかつ繊細なメニュー

その「銀杏希和子ギャラリー」なるものを開けてみた。わっ、カラフルな絵がいっぱい!

これ、お品書きの中から一部をピックアップして、「希和子さん」なる方が絵にしたものだった。優しいタッチで、見ているとこっちまでほんわりしてくるし、注文してみたくなるメニューに仕上がっている。これは素晴らしい。絵も良いのだが、料理それぞれに希和子さんのコメントが書かれているのが楽しい。たとえば、「白子の天ぷら840円」では、希和子さんはこう書き記している。
「ふわふわで、口の中でとろけるんです。泣くほどうまい。」
「声を大にして言いたい。私は白子が大好きです!きっぱり。ちなみに、ビタミンDたっぷりで、カルシウムの吸収を助けるそうですよ。」

個人的感想から、豆知識の披露まで。ホント、読み応え・見応えあるギャラリーだ。

今回の訪問が夜だったら、お酒を飲みながらさぞや「何を注文しようか」と悩みまくっていたんだろうな-。でも今日はこの後所用が控えているので、お酒は無しだ。

ちなみにおかでん以外のお客さんは3名、それぞれお一人様での来店だったが、誰もお酒は飲んでいなかった。さすがに住宅地の中の蕎麦屋、昼酒をかっくらっている人はいないか。

希和子さんの絵が無かったとしても、このお店の酒肴は魅力的だ。でもなー、夜にこの界隈を訪れる機会なんて無いもんなー。困ったな。

せいろ
せいろアップ

この後もう一軒蕎麦屋に行くこともあって、大人しく「せいろ」(787円)を頼もうと思ったが、生粉打ち田舎蕎麦(1,155円)も気になった。ちょうど、「二色せいろ」というのがあった(1,155円)ので、それを頼んでみた。しかし、あいにく既に品切れとのことで、諦めてせいろを注文。

おっと、14時前に暖簾が引っ込められたぞ。このお店、14時半までが昼営業と聞いていたのだが、ラストオーダーは30分前が目安らしい。危ないところだった、後もう少し遅かったら入店できないところだった。
さて、出てきたせいろそばだが、見た目は平凡な箱盛り蕎麦。しかし、いざ食べてみたらびっくり、これはすごい美味いぞ。口に含んだ直後の香りの強さ、そしてワンテンポ遅れての蕎麦の味の強さ。両方ともかなりのものだ。思わずのけぞってしまったくらい、美味い。

しまったなー、この蕎麦が出てくるんだったら、さっき希和子ギャラリーで見た酒肴も絶対美味いぞ。今からでも遅くない、酒と一緒に一品料理を頼んじゃえYO!と悪い囁きが聞こえる。しかし、あれれ、もうラストオーダーになっちゃったんだったっけ。おかでんの悪巧み、実行されずに終了。

箸がとても使いやすい

最後までおいしく蕎麦をいただいた。何がいいって、箸がいい。先端の方が細くなっている箸で、このおかげですのこの隙間に挟まった麺もきれいにすくい取る事ができる。my箸でこういうの、買ってもいいなあと思った。

蕎麦湯は濃厚

蕎麦湯は濃厚ポタージュ。さっきまで一気呵成に蕎麦を手繰っていたので、蕎麦湯が出てくるとほっと一息つかせてくれる。

蕎麦ぜんざい

一息ついて油断していたところに、「デザートです」とお皿が運ばれてきた。えっ、せいろにデザートが付くんですが。そりゃありがたい。

見ると、ぜんざいですね、これ。そのぜんざいの上に蕎麦の実が振りかけてある。「蕎麦ぜんざい」というと、そばがき団子がぜんざいの中に入っている物を想像するけど、これはちょっと変わった蕎麦ぜんざい。

食べてみると、これまた美味いんだわ。いやはや、もう一度びっくりしちゃった。蕎麦の実がパリパリに炒ってあって(ひょっとして揚げたのか?)ぜんざいのまったりねっとりした甘さと食感に非常にミスマッチで、それ故においしい。クランキーチョコレートのねっとり、サクサクを想像すればいいかな・・・いや、それは明らかにおかしい。無理がある。気になるなら、お店に行って食べてみてください。美味いから。

このお店が近所にある西大島住民は幸せだ。足繁く通うことができるからだ。こういう蕎麦屋が近所にも一軒あればありがたいんだけどなー、とおかでんの近所を見渡すが、あいにくそういう店は一軒もなし。うーん、残念。

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