2013年01月20日
【店舗数:346】【そば食:578】
東京都杉並区井荻
そば豆腐、田舎せいろ、月の輪

環八沿いの町、井荻に降り立った。今日は西武新宿線井荻駅から徒歩3分ほどのところにある「みわ」というお蕎麦屋屋さんにお邪魔する計画。
おそらくこの辺・・・と思って歩いていたら、ありましたありました、アパートの1階だけど、木造建築なお店発見。
「蕎麦農家の軒先をイメージした」という事らしい。風情があって良い雰囲気。店内で頂く蕎麦に早くも期待感が高まる。

11時半の開店とほぼ同時に入店したので、当然お客さんはおかでんただ一人。まずはゆっくりとお品書きを吟味させてもらう。
出されたお品書きにびっくり。ぶ厚い木の表紙/裏表紙で構成された本になっているぞ。それぞれ、まな板くらいの厚さがある。よいしょ、とその表紙をめくりながら、注文するものを検討する。
面倒だけど、こういうプロセスがあるとちょっと楽しくなってくる。

頼んだのは、「そば豆腐」(400円)とお酒「月の輪」(500円)。本当はお酒は「鷹勇」を頼もうと思ったのだけど、品切れということで「月の輪」にした。
お通しとして、昆布を煮たものがついてきた。
月の輪、500円と廉価な割にはおいしかった。安くておいしいお酒に出会うと小躍りしてくなってくるよな。まあ、小躍りは大げさとしても、お酒を一献、二献と傾けるとほんわかしてくる。BGMのチェンバロの音色を聴きながら、まったりとしたひとときを過ごす。
そば豆腐は蕎麦の香りがじわじわと香り、いい感じ。それに加えて、そば豆腐の上にぱらぱらと振りかけられた蕎麦の実がカリカリとした食感と香ばしさをプラスしてくれるので良いアクセント。わさびのぴりっとした味と相まって、うーん、これはおいしい。
ところでそば豆腐ってどうやって作るんだろう?今まで何度か食べた事があるけど、作り方まで気にしたことは無かったぞ。家に帰ったらCookPadか何かで調べてみようっと。
[ps]調べてみたところ、「そば粉、水、片栗粉」を混ぜて固めたものだそうです。予想以上にシンプルなんだな、そば豆腐って。

卓上に置いてある七味唐辛子と爪楊枝。
こういう入れ物をシンプルなものではなく、陶器を選んでいるところにこのお店のセンスが伺える。なんだか暖かいなぁ。


このお店には3種類の蕎麦がある。
- せいろ 800円
- 手碾きせいろ(味・香りが違います) 900円
- 田舎せいろ(手碾きの黒いそば 一日限定10食) 1,000円
今回は「手碾きせいろ」を頼むつもりで頭の中でシミュレーション済。そば豆腐食べて、お酒飲んで、おもむろに「すいません、手碾きせいろを」と注文・・・という流れ。そして手碾きせいろをつるつるッと手繰る、と。
しかし、先ほどやって来た二人のお客さんが、着席するやいなやお品書きも見ずに「田舎二つ!」と注文したのにはびびった。おおう、これで残り田舎せいろの残りは8つ。
こうなると、何だか不安になってきた。僕も田舎せいろ頼んでおいた方が良いんじゃないか、と。
気持ちが揺らいでいる間に、どんどんお客さんがやってきた。やばい、このまま目の前で田舎せいろが売り切れるのを目の当たりにしてしまうのは何だかすごい損した気分だ。田舎せいろ、YOUも頼んだ方がいいんじゃないか?
結局、「場の雰囲気とおかでんの勝手な強迫観念」によって、シミュレーションを軌道修正。ハイ店員さん、僕、田舎せいろ食べます。
まもなくして出てきた田舎せいろは、黒々とした太麺で、いかにも!田舎!という風情。これは食べ応えありそう。
蕎麦を手繰ってみると、最初は蕎麦の香りがしないので「あれっ?」。でも、一口、二口噛みしめると蕎麦から香ばしい香りと味がふっと湧いて出てくる。この蕎麦、良く噛めば噛むほど旨味がでる。思わず笑みがこぼれる。
殻ごと碾いているので、時々「チリッ」とした食感がある。それがいかにも田舎を食べている感じでいい。
結構ボリュームがあり、また、よく噛んで食べているせいもあって、なかなか量が減らなかった。食べ終わった時の満足感はなかなかなもの。

食後、蕎麦湯が出てきたのだけど、器の取っ手部分が面白かったので写真を撮っておいた。縄文式土器か何かか、これは。
取っ手を持つとぽっきり折れてしまいそうで心配したが、見た目以上に頑丈だったので問題無く蕎麦湯を頂くことができた。体が温まって大満足。わざわざ井荻まで来た甲斐があったというものだ。ご馳走様でした。
コメント