ガレットリア

2013年10月06日
【店舗数:356】【そば食:591】
東京都渋谷区松濤

ハムとチーズのガレット、オーガニック豆乳のカフェオレ

ガレットリア

渋谷に用事があるといっても、大抵が駅からセンター街方面に向けて移動してきた。もしくは円山町界隈をうろつく程度。その中間にあたる、松濤エリアは全くの未開の地だった。正直、用がない。松濤といえば、東京都心を代表する高級住宅地。僕みたいな貧乏人が足を踏み入れる機会なんてないに等しい。せいぜい、豪邸を冷やかしに行く程度のことだ。

でも最近、東急百貨店本店に併設されている「Bunkamura」でコンサートを聴いたり、アートを見たりするようになったので、松濤エリアを歩く機会も増えた。実際、つい先日は松濤散歩の途中で「ローリング蕎麦ットJ」という蕎麦屋に出会ったわけだし。まあ、でもこのお店は俗っぽすぎて、一般的な松濤のイメージとはかけ離れてるけど。実際住所そのものも松濤じゃないし。

で、そんな「渋谷歩きが増えたおかでん」に対して、つい先日まで松濤に住んでいたブルジョア(?)さんから密告が入った。「ガレットリア、という店が松濤にあるよ」と。それは、おかでんがFacebookでパンケーキを食べた話を書いた事に対するコメントだった。

そういえば、蕎麦粉で作ったクレープ「ガレット」が今後流行の兆し、ってのはどこかで聞いたことがある。流行り物のパンケーキを食べるんなら、ガレットも食べておかなくちゃダメかな、という気がしてきた。

ただしその方(女性)は、こう付け加えた。

「とにかく女性受けの良いお店だから、お一人様より気になる女の子と一緒に行ければバッチリ。」

なるほど。逆に言えば、男一人で行くと浮くよ、という訳だ。とはいっても、「ガレット食いに行こうぜ」と言えるような女友達を持ち合わせていないおかでんのこと、結局従来の「蕎麦喰い人種行動観察」同様、一人での訪問と相成ったのだった。寂しい?いや、全然寂しくない。だって、こういう生活があまりに長すぎたので、もう既に解脱の領域に到達しつつあるもので。

「ローリング蕎麦ットJ」からさらに神泉駅方面に深く歩いて行ったところに、ツタが絡まる建物がある。そこが、教えて貰った「ガレットリア」。ああ、ここなら何度も横を通った事がある。女性客しか店内にいない店じゃん。まじですか、今日これからここに入れってか。うわあ。しかも店頭には行列ができてるし。何の度胸試しだ、これは。

ガレットリア説明

とはいっても、ガレットを食べる気でここまでやってきて引き下がるわけにはいかない。大人しく行列の最後尾に並ぶことにした。なあに、行列といっても、4組10名くらいの待ちだ、きっとすぐだろう。

・・・と思っていた。時刻は17時前と中途半端なタイミングだったし。しかしそれはおかでんが女性に対する認識が大甘、という証明になった。こういうオサレな店で、ガレットなりクレープなりを食べつつお茶してみ?そりゃ、長居するぜ。ビジネスマンがドトールやマックなんかでPC広げて長居する、それよりも長い時間席を温め続け、友達との交友を温め続けるのだった。客回転が悪い悪い。結局、40分くらい待っただろうか?まいった。

待っている間、入口にある口上なんぞを読んで待つ。

せっかくだからガレットについて予備知識をここで仕入れておこう。
ガレットとはフランスの北西部に位置するブルターニュ地方発祥の素朴な伝統郷土料理。そば粉から作られるものをガレットと呼び塩味の食事として提供するのに対し、小麦粉から作られているものはクレープと呼び甘いデザートとして提供するのが一般的です。

というわけで、このお店ではガレットとクレープ、両方を売っているお店ということになる。逆に言うと、この2種類しか売っていない。もちろん、どんなトッピングをするかによってメニューはいろいろあり、選ぶ楽しさはある。

ちなみにおかでん、ガレットという料理は知っているし見たこともあるが、食べた経験は一度もない。とはいえ、味の想像は容易につくものだ。蕎麦ピザの類、を想像しておけば間違いあるまい?

ガレット製造中

店頭では、ガレットがまさに焼かれていくのを見る事ができる。

クレープ同様、生地を鉄板の上にのばす。で、その上にチーズやハムなどのトッピングを施し、ちょっとだけ四隅を折りたたんで四角い形に整形したらでき上がり。シンプルな料理だ。

ガレットリアメニュー

店内は写真撮影禁止なので、せっかくのガレットの写真は掲載できず。

というか、実は堂々と撮影しちゃってた。

撮影禁止、の掲示はお会計の時のレジカウンター上にあったので、撮影後に気がついたというわけ。ちょっとタイミングが遅い。

「撮っちゃったもん勝ち」と開き直りたいところだが、それはモラル欠如っぽいのでやめとく。実物を見たい方はぜひお店へ行ってみてください。

ベーシックなガレとは、「ハム・チーズの蕎麦粉のガレット」という。これが850円。ペラペラの生地の上にたいしたことない具が載って850円だから、相当強気の価格設定だ。場所代雰囲気代込み、と割り切らないと到底承服しかねる値段。

季節のガレット、というのも何種類かある。この日は5つのガレットがラインナップされており、「鴨のローストといちぢくのガレットベリーソースで仕上げて・・・(1,300円)」なんてメニューがあった。何だよ語尾の「・・・」って。何か言いたい事があるならちゃんと言ってくれよ。PL法に問われるぞ。問われないけど。

結局、ピザの上に何が載っても許されるように、ガレットにおいてもトッピングされる具の自由度は高い。だったら、女性が大好きなアボカドなんかも載ってもおかしくないよな、と思ったら案の定「季節のガレット」にアボカド入りのやつがラインナップされていた。

さて、どうしよう。何を頼もうか。

「ガレット、デザートクレープ、ドリンク」の組み合わせで2,000円という「コース」がメニューにあった。なるほど確かにこれはお得だし、このお店の雰囲気を把握するには最適だ。でも、17時という中途半端な時間に中途半端におなかいっぱいになり、中途半端に散在しちゃうのも悔しい。そんなわけで、メニューの先頭にある「ハム・チーズの蕎麦粉のガレット(850円)」と「オーガニック豆乳のカフェオレ(550円)」を頼んだ。しめてお会計1,400円。うわあ、おやつとして食べるにはちょっと高すぎるな。まあ、この日おかでんは朝飯・昼飯抜きで忙しかったので、「自分へのご褒美」ってことにしよう。そうでもしないとどうも納得感が薄い。

届けられたガレットは、本当に料理名通り。蕎麦粉クレープの生地の上にハム、チーズが載っている。彩りでパセリが散らされては、いる。以上。これをフォークとナイフでいただく。

味は、まあ、物足りないピザって感じ?生地が薄いので、満腹感はない。かといって、小腹を満たすにしちゃ高額だし、どうも落ち着きどころがなくって気持ちのやり場に困る。やっぱりこれは女性向けの食べ物だな、と再認識した。もちろん男が食べたって全く違和感がない食べ物ではあるが、多分大半の男性諸君は「物足りない」と感じることだろう。お店で食事をすることが、友達とのおしゃべりやくつろぎと一体化している女性だからこそ、こういうメニューが許容されるんだと思う。

美味いんだけどね、やっぱり価格がネック。多分半額にしたってペイできる商売だとは思うので、本格的な流行に向けて、今後ガレット業界がどう動いていくのか、楽しみだ。でも、パンケーキが流行したって価格破壊が生じなかったように、ガレットも強豪他店との過当競争なんかにはならないまま「人気だ、流行だ」とマスコミにはやし立てられるのだろう。

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