2015年04月18日
【店舗数:---】【そば食:652】
東京都中央区銀座
酒菜九点盛り、サバの棒寿司、春の山菜サラダ、フォアグラ大根、プレミアム肉そば(冷)、自家製ジンジャーエール、スパークリングウォーター、ウーロン茶、蕎麦茶
上司と面談ついでに、外でお食事をすることになった。この上司とは以前「俺のそば」に行ったことがあるのだが、その「俺のそば」がつい最近店名を変えてしまった事は小耳に挟んでいた。なので、その真意を確認するため、二人で現地に向かうことにした。
お店の名前は、「俺のそば GINZA5」だったものが「そば 俺のだし GINZA5」に。ほとんど変わってないじゃないか、と思うが、おでん屋業態である「俺のだし」の一部門、という扱いに変更となったようだ。別に廃業してしまったわけでもないし、他店に買収されたというわけでもない。
何でこんな名前になったんですか?と店員さんに聞いてみたら、「いろいろありまして」と言葉を濁して詳細を語ろうとはしなかった。さらに「やっぱり『俺のそば』って名前だったら、単なる立ち食い蕎麦屋と勘違いされちゃったんですかね?」と質問を重ねると、明らかにイヤそうな顔をされた。すんません余計なことに興味持っちゃって。
店名は変わったものの、お店のスタイルは変わっていない。店内に入ると、まず「お蕎麦ですか?」と店員さんに確認される。蕎麦だと言えば、立ち食い蕎麦屋としての利用になる。お酒と一緒に、「俺の○○」店舗特有の安くてうまい酒肴を楽しみたければ、「お酒が飲みたい」と伝えればよし。ええと、お酒を飲まない僕の場合はどう答えればいいのかな。
「食事がしたいので」
言った直後に、我ながら変な回答になったな、と思った。
19時頃の訪問だったが、お店はほぼ満席。繁盛しているようだ。しかも2時間弱の滞在の間に、隣の席の客は2回転していた。酒を出すけど立ち食いスタイルなので、客回転がとても早い。「俺のそば、という店名じゃ儲からないので店名を変えた」というわけではなさそうだ。
ラミネート加工してあるメニューの他に、手書き毛筆のメニューが豊富にある。以前よりもメニュー数は増えているようだ。店名が変わったことで、和食が増えたのかな・・・と思ったが、よく読むと相変わらず洋食のエッセンスが組み込まれているメニューもそこそこある。
お酒も以前より取り扱いが増えた・・・かな?清酒だけでこれだけ揃えているのだから立派だ。
こちらがラミネートされたレギュラーメニュー。おっと、このお店といえば是非頼みたい「酒肴九点盛り」だが、お値段が1,180円。去年7月時点で880円で、8月には980円だったと記憶している。じりじりと値段が上がっていることがうかがえる。ゆでガエルがどこまで耐えられるか実験、なんて形容するのはちょっとお店にかわいそうか。もともと、9種類もの酒肴が盛りあわさったものを、880円で売るってことがやりすぎだったんだ。適正価格に向けて是正中、といったところか。
おう、蕎麦も値上がりしたのか。看板商品である「俺の肉そば」が700円。昔は500円だったんだけどなぁ。これもまた、以前が安すぎたんだ。
お酒が入った上司が、店員さんに「蕎麦・・・値上がりしましたよね?」とよせばいいのに質問しちゃったのだが、店員さんはすっとぼけて「いや、それほどでもないですよ」と回答になっているようないないような事を返答していた。
ドリンクメニュー。乾杯酒として、スパークリングワイン2種類、スパークリング清酒が1種類ラインナップされている。そのスパークリング清酒は、今はやりの獺祭なんだが、お値段はかなりよろしい。1合1,200円だ。上司は「どうしようかなあ、せっかくだから頼んじゃおうかなあ」としばらく思案した末、「ええいせっかくだ!」と言いつつこの獺祭を頼んでいた。何がどう「折角」なんだかよくわかんないけど、このサシ飲みの場をそういうスペシャルな場だととらえてくれたのだとしたら嬉しいことだ。
どうせ僕はお酒飲まないわけだし、相手は上司だし、高い酒を飲んだならそれは全額上司が払うことになる。僕はひたすら、380円のジンジャーエールとかウーロン茶とかを飲み続けるだけだ。
最初の乾杯はジンジャーエールと生ビール。
これが値上がりした酒肴九点盛り。これで1,180円なのだから、まだまだお得感は拭い去れない。十分魅力的といえる。ただし、二人の来店でこれを頼んじゃうと、コイツだけで結構おなかが満たされてしまうので注意だ。
春の山菜サラダアンチョビソース。
「おっ、山菜があるじゃないですか!」
今年、すっかり山菜を食べそびれていた僕がすばやく反応。なので頼んだメニュー。えぐみなどなく、さっぱりと美味しく食べられるのが素敵。しかし、ジンジャーエールを飲みながらこれを食べるというのはどうもそわそわしてしまう。
「やっぱりここに来たからには、フォアグラ!いっときましょう!」
と上司がニコニコしながら仰る。さすがわが社の管理職、プライベートではBMWを乗り回すお方なだけある。太っ腹ァァァァ。
・・・ということで頼んだのは「フォアグラ大根」、480円。やっすぅ。
「限定5食にチャレンジしてみようと思うんだよね」
上司はそう言いつつ、鯖の棒寿司を注文した。
「何かお祝い事があったら、昔はよくこれを食べたもんだよ。おかでん君とこもそうだったんじゃない?」
上司は岡山県出身で、僕の出自とかぶるのだが(僕は生まれは岡山、育ちは広島)、そんなのは初めて聞いた。せいぜいばら寿司を作るくらいだなあ、おめでたい時は。
「そうか。山側と海側とじゃ、文化が違うのかな」
上司はそうつぶやきつつ、棒寿司を飲みつつ角ハイボールをぐいっとあおった。
シメ用として蕎麦を頼むことにしたんだが、どうも周囲のお客さんを見ていると、大きく四角い平皿に盛られた肉そばの売れ行きが大層よろしいようで。なんだ、ありゃ。
そういえば、店内の壁に「一周年記念、プレミアム肉そば」なるものがあるという貼り紙がしてあった。どうやら、みんなプレミアムな夜を堪能してらっしゃる模様。ならば僕らもそのビッグウェーブに乗るしかないか。
蕎麦よりもうどん派なんだよね、という上司にお伺いを立て、「いいよ頼んじゃえ、せっかくだから」という「せっかく」ワードをいただき、オーダーしてみた。
で、出てきた肉そばがこちら。プレミアムだぜ!
なにがどうプレミアムなのかというと、肉がA5ランクの牛肉だということらしい。ひょーう。
甘辛く牛肉を煮込んでいるという点では、まさに牛丼の肉。しかし、さすがに肉が大きいし、柔らかく筋張っていない。これぞプレミアム、ってわけだ。
一人でこの料理を頼むのは、さすがに無理だ。お値段が1,000円をはるかに超えちゃってるから。でも、こうやって複数名で訪れた宴会のシメとしては、おめでたい感じがしてよいんじゃなかろうか。どうせ割り勘すりゃ、負担額としてはしれているわけだから。
ただし、肉が大きくなって良い部位を使っている分、肉は肉、蕎麦は蕎麦って存在が分離してしまっている状態。なんてこったい。もう少し渾然一体になった方が、料理としては楽しめる気がした。
お酒を一人で結構お飲みになられた上司閣下は、そのまま店から出て徒歩数十歩のところにある、丸の内線銀座駅の改札に吸い込まれていった。便利なもんだ、お住まいは荻窪の方向なんで、終点までどうぞごゆっくり。
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