祇園そば店

2016年10月15日
【店舗数:405】【そば食:667】
静岡県伊東市湯川

かけそば

伊東駅ロータリー

天城山登山のために、伊豆半島の伊東にやってきた。

早朝の新幹線に乗り、朝7時45分には伊東に到着。ここから天城高原行きのバスに小一時間揺られて登山口へと向かうことになる。

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朝ごはんは一応家で食べている。とはいえ、これから7時間の縦走旅。栄養をきっちりとっておくに越したことはない・・・とふと目をやると

祇園

「そばうどん 祇園」の看板。

伊東駅には、昔ながらの風情を残す立ち食い蕎麦屋が現存していた。こりゃあいい、バス出発までのわずかな時間、つるつるッと栄養チャージするにはもってこいだ。

これがJR系列の会社がやっているチェーン展開全開の立ち食い蕎麦屋だったら、見事に「見なかったふり」をしてスルーしていただろう。今更ここで食べるまでもないからだ。しかしこのお店はどうやら地元のお店っぽい。チェーン店ならではの、資金にものをいわせた「秋のおすすめそば」みたいな広告が一切ない。色気はないけど、むしろこういう方が嬉しいものだ。一期一会感があるからだ。

このお店はホームからでもバス乗り場からでも食べることができる。バスがやってくるのを警戒しつつの食事なので、改札を出てから食べることにする。

メニュー

メニューは、かけが340円、きざみ(油揚げ+わかめ)が400円など。天ぷらは450円、天玉になったら520円だ。ワンコインで食べられない。ちょっと都心のお店と比べると割高感がある。伊東だと過当競争がない分、「妥当な金額」で売られているということだろうか。

思いつきで食べることにしたので、450円の天玉を買う気にはなれなかった。なので、一番安い「かけそば」を頼んでみた。

お持ち帰り容器が30円であるけど、まさかバスの中に持ち込むということはありえない。そんなことをやったら、交差点を曲がったとたんにバシャー!アツー!となる。

かけそば

さすがに伊東とはいえ、「わさび蕎麦」とか「アジの干物トッピング」というのはないのだな・・・と思いながら待っていたら、蕎麦が出てきた。

何の変哲もない、立ち食い蕎麦。ザ・立ち食い蕎麦っていうのが潔くてすてきだ。

ずるずる。

バスの到着を気にしながら、蕎麦をすする。

おっと、バスが一台やってきた。あれかな・・・

蕎麦を食べ終わる。つゆを最後のダメ押しで一口飲む。うん、おいしかったご馳走様。さて行こう。

と、ここでハッとわれに返った。蕎麦の味がどうなのか、ということを全く意識せずに、ただただ機械的に飲み込んでいた自分。不味いなら不味いって感想を持てばまだしも、何一つ感慨も抱かず、バスのことだけ気にしながら喉に流し込み、胃袋に押し込んでいる自分。

何やってるんだ。もっと味わえよ。急がなくていいんだから。

もっとも、味わったからといって、この蕎麦が飛びぬけて美味いということはない。まあ、それなりの味だ。しかし、そうやって食をおろそかにしている自分が、なんだか悪いことに思えてきた。いかんなぁ。
しかしそれと同時に、「これぞ立ち食い蕎麦の真骨頂だ!」とワクワクしたのも事実だ。こ難しい顔をして、「蕎麦ってものはだね、風味が命だから」なんて語ってみたり、蕎麦のコシがどうだの、つゆのダシがどうだのなんて考察するのではなく、「時間がないから飲み込みました☆」というこのストレートっぷり。これぞ立ち食いって感じ。これまでの僕にはない、体験だった。

バスに乗り込んでみてから、改めて先ほど食べた蕎麦のことについて思いを馳せてみた。どんな味だったっけ?しかし、残っているのは口元のほんのりかつおだしの香りと、みぞおち辺りが暖まっている感触だけ。でもそれで良いのだと思う。ざっくばらんな立ち食いなんだから。

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