自作手打ち蕎麦(20)

2016年12月31日
【店舗数:—】【そば食:671】
岡山県某所

鴨南蛮蕎麦

蕎麦粉

今年もこの時期がやってまいりました、年に一度の手打ち蕎麦。

今回で栄えある20回目となる蕎麦打ちだが、身についたのは技術ではなく「脱力」だった。昔はやれ蕎麦粉は特上でなければならないとか、生地が乾燥するから暖房を切れ、とかカリカリしながら打っていたものだが、今やすっかり脱力してしまった。良くも悪くも、適当。

蕎麦粉も、ここ数年の傾向どおり特上のものは使っていない。毎年、千葉県銚子市の古川製粉から取り寄せているのだけど、普及品である蕎麦粉「石上蕎麦粉」を今回も採用。家族に振る舞うにはこれくらいで十分だろう、という料理人として舐めきった対応だ。

蕎麦粉1キロに、割粉500g、打粉500gのセット。

だしをとる

せめてだしはちゃんととらなくちゃ、というのが良心だ。今年は家族からのリクエストで鴨南蛮にする予定で、鴨肉のうま味で全部を覆い尽くすぜー、ごまかすぜーとやってもいい。でも、だからといって「ほんだし」のようなものでだしをとるのはちょっとどうかな、とは思う。年末だし。縁起物の食事だし。

というわけで、礼文産の昆布と、かつお節(これはどこ産だか忘れた)でちゃんとだしをとる。ちゃんとだしを取りすぎて、若干つゆにとろみがでてしまったけど見なかったことにする。

生地をこねる

蕎麦打ちについては、元祖脱力系宗家を標榜するおかでんの前に怖いものなしだ。今更途中経過を写真でお伝えするまでもあるまい。淡々とうち、とっととまとめる。

「水回しは、蕎麦粉同士がくっつきたがっているのに沿って手を動かしていれば自然と生地が固まってくる」

という教えを忠実に守り、昔はひたすらザラザラと蕎麦粉をこねくりまわしていたものだ。で、全然固まらないのでウンザリ。しかし今やそのあたりも適当で、頃合いを見て「えいやっ」と生地をまとめ、一つの玉にしてしまっている。

「いい加減だなあ」だって?バカいっちゃいけない、この「頃合いを見る」っていうのが熟練の技だ。脱力系宗家をなめんな。

ピーナツ最中を食べる

ふた玉、生地をまとめたところで一旦休憩。千葉名産ピーナツ最中を食べる。このあたりも脱力系に開眼した証だ。昔は、「早くしないと生地が乾いて風邪をひく!」なんてわあわあ言ってたのにな。

ちなみに生地は蕎麦粉500g、割粉250gの1玉あたり750g。ちょっと素人が扱うにはデカいんだが、2回で全部の蕎麦粉と割粉を使い切ってしまいたいので、逆算してこういうことになる。

世代交代

これまでと違う展開が今年はある。これまではおとなしくしていた姪どもが、「やりたいー!」と言い出したからだ。

上の姪、7歳。昨年までは、父親(僕の兄貴)に「おじちゃんの邪魔をしちゃダメだ」と抑止され、遠巻きに見ている程度だったが、今年はもう小学生。そろそろ父親の歯止めも解除されたようだ。

やりたいっったって、生地を捏ねるところはやらせたくない。ぐちゃぐちゃになってしまったり、ひっくりかえされるのが怖いからだ。しかも、上の姪がやっているとなると、必ず下の姪(3歳)も駄々をこねてやりたがる。3歳なんてわがまま放題のお年頃だぞ?粉モノを触らせたらどうなることか。

そんなわけで、生地を捏ねるところはやらせなかったのだけど、伸ばしと、切るところは一部やってもらった。

3歳の姪は、麺棒をころころと転がしただけで満足するような状態。この工程をそもそも理解できていない。なので、形だけやってもらって終わりにした。しかし、理解できていないついでに、生地に指を押しつけ、爪を立てて穴をあけやがった。あっ、こいつめ!

上の姪は、さすが小学1年生。まだまだガキだと思っていたけど、手ほどきすれば律儀に蕎麦をのばし、切ってくれる。おじさんがちょっと見ない間に大人になってきているなあ、と呆れる。

あと数年もすれば、完全に世代交代になるのだろう。僕は蕎麦粉の調達と、蕎麦打ちのサポートに徹し、メインの蕎麦打ちは娘二人がやるのだろうな。で、家族全員で「いやあー、おいしいわねえ。おじちゃんが作るのよりよっぽどおいしいわ」などと嫌味を込めた冗談を言われ、僕は静かに傷つき、おかでん家での居場所がなくなった気になるという。

食材準備

蕎麦打ちを終え、キッチンで具の準備。

ここまでやって、蕎麦を盛りつけるところまでが本当の蕎麦打ちだ。

今回は鴨南蛮なので、鴨ロース、長ネギ、水菜、そして柚子を用意した。鴨つくねもあるのだけど、そちらはフライパンで炙った後につゆにドボンしてある。うまみをつゆに移すためだ。

鴨南蛮2016

おかでん家の2016年年越し蕎麦、「鴨南蛮蕎麦」でござい。

何年前だったか、鴨南蛮を作った際に「タイ産鴨肉」だったことがある。で、火を通したら肉がチリチリになってしまい、頭を抱えたものだ。

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その点今年は国産の鴨肉が手に入り、縮むことなくおいしい肉に仕上がった。ひとまず良かった。

蕎麦は脱力して打った割にはかなり良かったと思う。太さがバラバラなのはご愛敬だが、おいしく出来た。あんまりこねくり回さない方が、風味が飛ばなくて良いのだろう。

年々、おかでん家で僕の居場所がなくなっていくだろう。これが世代交代ってやつだな。まあ、それは当然の流れなので、少しずつ姪どもに技術を伝承していきたい。




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