奥藤丸の内第八分店

2020年07月04日
【店舗数:437】【そば食:727】
山梨県甲府市丸の内

鳥もつ丼セット、もりそばセット

コロナの間隙を縫って、甲府へ。感染が拡大中の東京モンが他県でうろちょろするのはよくないので、ご時世柄おとなしく過ごした。

そもそも甲府に行こう思い立ったのが、ホテルチェーンの「ドーミーイン」が全国の宿で格安プランの提供を始めたからだ。コロナも一段落しつつありますね、じゃあぜひドーミーインをご利用ください!ということで起爆剤にしたかったんだと思う。しかし、現実は酷なもので、コロナウイルスのほうが起爆しつつある。(この日、東京は100名を超える陽性患者が出て、小池都知事が「不要不急の他県への移動は避けるように」と記者会見で述べた。そのニュースを僕らは山梨県で見た)

一泊二日で、ドーミーイン名物の夜食ラーメン「夜鳴きそば」無料+朝食付き。これで2名税込み7,000円。こんなので儲かるとは思えないけど、僕が愛するドーミーインが格安ならばぜひ使いたい。目的は、大浴場でひたすらお風呂に入って「整う」ことだ。最近、テレワーク続きでなんだか頭の中がモヤモヤしているので。

おとなしく過ごす、といっても当然ご飯は食べる。レンタサイクルを借りて、甲府市街の南にある「専心庵」に行ってみることにした。行動を一緒にしたいしからのリクエストだ。

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ここの蕎麦は美味しかった記憶がある。

電動アシスト付き自転車を漕いで、住宅地の真っ只中にあるお店へ。すると驚いた、店の外にまで行列ができているじゃないか。なんだこりゃあ。そんなに繁盛店だったのか。

コロナ対策で、入店者数に制限をかけているのだろうか?それとも、中にみっちりとお客さんが入っているのだろうか?

立ち食いそば屋ではないので、店の外に行列ができているようじゃ、どれほど待たされるかわかったもんじゃない。もともと人混みは避けたい時期だし、僕らは東京モンだということを意識すると、ますますそうだ。このお店は諦めた。

専心庵を諦めたので、その代替案として「奥藤」に行くことにした。甲府駅前にあるお店はいつでも行けるので今回は避けたい。せっかくレンタサイクルを確保しているんだし、もうちょっと違うところに行きたいものだ。

その観点でざざっと調べてみたら、奥藤の分店を見つけた。そうだった、奥藤って暖簾分けをしたお店があちこちにあるんだった。

ちょうど「自転車で行くには手頃で、しかし駅から歩いていくにはちょっと遠い」というおあつらえの場所に、「奥藤丸の内第八分店」がある、というのがわかったので、そこに行くことにした。

訪れてみると、かなり渋い店構え。出前もやっていそうな、オールドスタイルなお店。・・・と思ったら、本当に出前用のスーパーカブが勝手口の前に停まっていた。あ、出前やってるお店か。

しかもその勝手口からご主人らしき人が出てきて、男らしい顔つきで一服始めなすった。さあて、どうしようかこのお店。僕はちょっと入るのをためらった。

「冷やしたぬきそば」がおすすめメニューのトップに出てきているし、それ以外もせっておメニューをおすすめしている。キリッとした蕎麦店とはまるで違う、庶民の味方な雰囲気だ。

ちょっと躊躇するけれど、いしがどんどんお店の中に入っていったので、僕もそれに従う。

店内は、こじんまりしている。狭い。

たたきの部分に長机、お座敷は床面積の都合上、4人がけ机が2つと片面だけ人が座れる長机が1つ。

コロナ対策ということもあって、扉は開けっ放し。7月初旬ではあるけれど、既に蒸し暑くなっている。真夏になるとどうなるのだろうか。

メニューが居酒屋みたいに短冊で貼ってある。しかし、セット内容を几帳面に書き記してあり、お店の真面目さが伺える。

居酒屋でよくあることだけど、卓上にメニューがあって、それとは別のメニューが壁の短冊に書いてあって、しかも壁面ごとに書いてあるメニューに違いがあって困惑させられる。その展このお店はセットメニューは赤く縁取られた白い短冊、単品は黄色い短冊と書き分けられていてすごくわかりやすい。

サービスセットが7種類並ぶ。

「サービス」と言われると、これを頼まないという選択肢は事実上ない。

「親子丼セット」や「天丼セット」であっても、鳥もつ煮がついてくるというのが面白い。このお店においては、鳥もつ煮はド定番なのだった。しかし、かつカレー丼セットには鳥もつ煮がついてこない、というのもちょっと面白い。かつカレーだけは鳥もつと相性が悪かったのだろうか?

お飲み物1杯、おつまみ2品、それに蕎麦がついて1,500円。安いなあ。

しかもおつまみに「チキンかつ」みたいにガッツリ食べる系のものまで含まれている。

僕だったらどれを頼むだろうか。えーと。

・・・あ。ソフトドリンクがどこにもなかった。だめじゃん。

鳥もつ丼セット。1,000円。

別に丼にするほどお腹が空いていたわけではないけれど、連れのいしが「もりそばセット」を頼んでいたので、差別化を図ってみた。

この見てくれは、鳥もつ丼がメインで、蕎麦がおまけみたいに見える。「なぜここにお味噌汁がついていないのだろう?定食じゃないの?」と勘違いしてしまいそうだ。

それにしてもこの鳥もつ、いいね。

おそらくオーダーが入ってから一回一回作っているのだと思うけど(甲府駅前の奥藤本店がそうだった)、もつのつやつやした照りと、ビシッとハリのある外観が素敵。もちろん、見た目どおりに食感も良い。

作り置きしておくと、どうしてもだらんとしてしまうのがもつの定めだ。僕なんか、自宅で月に一回は盛大に鳥もつ煮を作るけど、だらんとなるのが嫌なのでつゆにヒタヒタに浸かったタイプの煮物を作っている。なにせ、「肉のハナマサ」で500グラム以上、一度に鳥もつを仕入れてくるので。

こちらはもりそばセット。ひょうたん型をした器に盛られているのが楽しい。

愛知の方では、「ブラジャー丼」と呼ばれる、丼が2つくっついた形の器が存在する。それで2色丼を提供するわけだが、それを思い出した。でも、方や蕎麦、方や鳥もつ煮というのはなんともミスマッチだ。酒の肴と、締めが同時に出てきたのに等しいから。

鳥もつ煮は、やっぱり丼のほうがうまいと思った。蕎麦を辛いつゆにつけて食べる、その後甘辛い鳥もつ煮を食べる、という食べ方を交互にやっていると、どうも落ち着かない。白米が途中で挟まる、丼のほうがワンクッションあって味のメリハリがつくかな、と思った。ただし、お腹は一杯になる。

店の外観・内装から「オールドスタイルな蕎麦屋で味はまあまあなのかな」とか失礼なことを考えてしまったけど、おいしくいただくことができた。いやー、大満足。ありがとう奥藤。

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