一由そば(03)

2020年08月08日
【店舗数:—】【そば食:727】
東京都荒川区西日暮里

太蕎麦普通 ジャンボゲソ天

2020年8月。世の中はおっかなびっくりでコロナ自粛から立ち直ろうとしていた。お盆の帰省は早々に諦めていたが、だからといってどこか旅行に行くわけでもない。

東京都以外では「Go To トラベル」などという浮ついたキャンペーンが行われて、国の税金を使って格安で旅行に行けるようになったが、東京都は相変わらずの警戒モードだ。

食事だってそう。外食するときは、やっぱり気を使う。お店の換気はされているのか、衛生状態はどうなのか。後年になってみると「何を大げさな」という笑い話になるのかもしれないけど、少なくとも2020年8月の空気感というのは、そういう状況だった。

週末。夫婦で午前中から予定が入っていたけど、朝ごはんをゆっくりと食べる暇がない。じゃあいっそのこと家ではなく、外で食べみよう!ということになって、「一由そば」に行ってみた。僕は3度目だけど、パートナーのいしは初めての訪問となる。

本来24時間営業のお店だけど、コロナ自粛の関係で夜間は営業を停止していた。しかし、緊急事態宣言が解除されてしばらくして、また24時間営業に戻している。

コンビニじゃあるまいし、24時間もお店を開けていてお店は儲かるのか?・・・と思うが、これが夜中でもガッチリお客さんがいるのだから驚かされる。日暮里という街は、不夜城と呼べるような飲み屋街ではないのに。近所にラブホが何軒かあるので、その前後にでも食べているのだろうか?と勘ぐりたくなる。

でも実際は、当然そんな前後に蕎麦をたぐるカップルなんているわけもなく、本当に老若男女問わず愛されている。女性客が結構いる立ち食いそば屋、というのは珍しい。

今回僕のお目当ては、「太蕎麦」を食べることだった。

「コシが強い、田舎蕎麦風」と書いてある。確かに、太そうだ。

ネットの記事で「立ち食い蕎麦界のラーメン二郎」などと形容しているものを見かけた。それはさすがに大げさだと思うけど、たしかにここまでごつい蕎麦を立ち食いで、というのはお目にかかったことがない。稀有な存在だと思う。

立ち食いというのは、急いで食べるものだ。茹でおきの麺を温めなおすだけだとしても、太い麺は時間がかかる。こういう麺がバーンと用意されているのは、「急いでいない人でさえ、わざわざ食べに来る自慢の蕎麦」だ、と自覚しているからだ。

正直言って、僕はここの蕎麦とつゆをそこまで美味しいとは思っていない。

しかし、兎にも角にも、「ジャンボゲソ天」がある、というのが素晴らしい。ガツンとゲソが入ったかき揚げで、160円。

「ジャンボゲソ天そば」というメニューがあるわけではない。店員さんに蕎麦の量を指定したのちに、トッピングとして数多あるメニューの中から厳かに「ジャンボゲソ天」を指定する。つまり、このオペレーションは、「ジャンボゲソ天をダブルで!」なんていう夢のトッピングもできる、ということだ。素晴らしい。

実際にそうやっているお客さんは見たことがないけれど、ジャンボゲソ天にコロッケを添えているお客さんは見かけた。働き盛りの男性は、こういうガッツリ系をさらりと自然体でやってのける。

ほぼ唐辛子の種、という薬味入れが特徴的で面白い。

太麺にしてはみたけれど、食べにくくなっただけという印象だった。立ち食い蕎麦というのは、オーダーから飲食、退店までをタンタンターン!とテンポよく進めたいものだ。だから、麺は中くらいの太さで十分で、ズゾゾゾゾ、と手繰りやすいのがよいと思った。太いと、モグモグと食べることになる。これは若干テンポが悪い。

だとしても、ジャンボゲソ天はやっぱりいいよな。揚げ物を蕎麦にトッピングすると、揚げ油の味がつゆに伝染してうまくなる。それが、ジャンボゲソ天の場合、ゲソのダシもつゆに混じり、旨さが倍増する。

朝9時。温かい料理をズドンと胃袋に収めると、活気が湧いてくる。さて今日も一日、健やかに過ごしていきますかね。

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