自作手打ち蕎麦(24)

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2020年12月31日
【店舗数:—】【そば食:734】
東京都某所

ゲソ天蕎麦

2020年の年末は、新型コロナウイルスの影響で帰省が吹っ飛んだ。いろいろ影響があったけど、その最たるものが「あれ?年越し蕎麦、どうしよう?」というものだった。

蕎麦打ち道具は全部岡山の実家に置いてある。かれこれ18年くらい使っている、年季の入ったものだ。まさかこんなに蕎麦打ちが続くとは思わなかったので、全部東急ハンズで買い求めたものだけれど愛用してきた。

もちろん、今住んでいる東京の家には、蕎麦打ち道具なんて何もない。置き場くらいはクローゼットの最奥とか、ベッドの下とか、我が家の暗黒エリアに確保できるとは思う。しかし、そんなところに一度押し込んだが最後、引っ張り出すのがおっくうでそのまま日の目を見ないことになる可能性が高い。

いや、そもそも蕎麦打ちなんて年に何度やるんだ?っていう話だ。蕎麦を打ちたいんだったら、もう少し機材面で楽なうどんを作ってからにしろ、俺。

とはいっても、ここまで手打ち蕎麦にこだわってきた21世紀のおかでん、今更市販の蕎麦に戻るわけにはいかない。今年も、ありもので蕎麦を打とうと思う。

驚いたのが、かれこれ10年以上お世話になり続けている、千葉県にある「古川製粉所」のサイトがクローズしていたことだ。営業を停止したのか、それともサーバ不調なのかはわからない。しかし、待てど暮らせどサイトが復活する気配がない。今年は古川製粉所を諦めることにした。

他に、特に蕎麦粉を買うあてがないんだけどなぁ・・・とあれこれ調べていたら、「水府愛農会 そばとぴあ」というサイトを見つけた。

茨城県の常陸太田市の所在らしい。「常陸秋そば」の産地だ。今回はここで購入することにした。

ここに決めたのは、少量から購入できることと、蕎麦粉のほかに割り粉・打ち粉がセットになった品が売られていることだ。今年の大晦日は夫婦ふたりで過ごすので、1キロ単位の粉はいらない。その点、ここだと蕎麦粉400g+割り粉100gの二八蕎麦が打てる状態でセット販売されていてありがたかった。

面白いもので、蕎麦粉だけでもいろいろランクが選べるだけでなく、挽き方の選択もできるようになっている。

細挽き
粗挽き
玄そば挽きぐるみ細挽き
玄そば挽きぐるみ粗挽き

の4種類から1つを選ぶ。折角なので僕は、風味を活かした蕎麦にしたくて「玄そば挽きぐるみ細挽き」を選んでみた。

こね鉢なんてあるわけがないので、ボウルで生地をこねることになる。

蕎麦粉と、割り粉を混ぜたところ。

水回しをする・・・

のだけれど、ボウルでやるのはとても難しい。蕎麦打ち用のこね鉢と違って、底が深いボウルだ。両手を突っ込んで、わさわさと粉を混ぜるということができない。片手で練るようになる。

なので、水回しと練りを同時にやっているような状態になった。大丈夫か?この蕎麦。

しかも、水の加減が難しかった。というか、ミスった。

まだあともう少し水を足しても良いな、と思って少量足したら、一気に生地がベタベタになってしまった。なんでだ?

どうやら、ボウルの底には凹凸がついていて、その窪んだところに「隠れた水」が存在していたらしい。もっぱらボウルの側面を使って捏ねていたので、後半になって一気に水分量が増え、大変なことになった。これはこね鉢ではありえないトラブルだ。まいった。

しょうがないので、打ち粉をちょっとずつ足していき、蕎麦玉の硬さを調整した。こんなことをやっちゃ駄目なんだけど、しょうがない。

蕎麦打ちで「菊練り」という技法がある。

ねじりながら生地を練り、生地内の空気を抜くやり方だ。しかし、そんなことはボウルじゃできないので、諦めた。単なる「蕎麦団子」の出来上がり。

この巨大蕎麦団子を、これからダイニングテーブルで伸ばしていく。

実家のテーブルで蕎麦を打つなら全然平気だけど、毎日8時間以上座ってテレワークをやっている机で蕎麦を打つというのは、なんだか変な気持ちだ。俺様エキスが染み込んだテーブルだ。

生地をどうやって伸ばすか、ということについては、パートナーのいしがサランラップの芯を用意してくれていたので解決。

この芯、かなり硬くて頑丈なので、体重をかけても平気っぽい。

生地をぐいぐい伸ばしていく。

小さい棒なので、小回りがきく。なので、長くて重たい棒よりも、はるかにやりやすかった。

しかし、この棒を転がしたところは、くっきりと生地に「わだち」ができた。これはまずい。このままだと生地が破れてしまいそうだ。

ヤバかったので、極限まで薄くのばすのはやめにして、そこそこの厚みでご容赦願うことにした。

生地をたたんで、切る行程に入る。

もちろん普通の万能包丁で切る。

が・・・おっと、これは思ったよりも切れない。なまくら包丁の蕎麦切り包丁よりも、スパッとイケるのだと思っていたけれど。

よく見ると、こういう包丁というのは刃先が反り返っているのだな。蕎麦を切る場合、真四角の、反りがまったくない形でないとうまく切れないことを今更悟る。

刃先をギコギコ軽くゆすりながら、麺を切っていく。

麺を切るための「こま板」なんて家にはないので、包丁の向きはばらつく。えーい、今日は乱切り蕎麦じゃー。

というわけで、切り終えた蕎麦。今年はやたらとぶっとい。うどんのようだ。

こま板がない中蕎麦を切っていると、集中力が後半切れてきて雑になってしまった。

蕎麦を茹でる。

できるだけ大きな鍋を使って茹でようと思ったら、我が家では北京鍋を使うしかなかった。

北京鍋で蕎麦を茹でるとは、シュールな絵面だ。

過去何年も、鴨南蛮を作ってきた僕だが、今年はゲソ天蕎麦だ。初の試み。

このゲソ天は、日暮里にある立ち食い蕎麦屋「一由そば」でいしが買ってきてくれたものだ。

このお店の名物は「ジャンボゲソ天」なのだけど、この日は「ジャンボ」の扱いはなく、単なるゲソ天だけがあったそうだ。大晦日なので、ものすごく売れるからだろう。

一由そばは、いろいろな種類がある天ぷらのテイクアウトをやってくれるのでありがたい。今回、初めてその仕組を使った。

さあて、2020年大晦日の年越し蕎麦ができましたよ。

蕎麦前として、油揚げを炙ったものを用意しておいた。

蕎麦は、案の定バラバラで太麺。でも、挽きぐるみの蕎麦なので、むしろ野趣ある味わいに仕上がって、とても良かった。これはうまい。しっかりと、蕎麦の味がする。

ゲソ天蕎麦

ゲソ天と、たっぷりのネギをのっけていただく。

ゲソ天を浮かべたり沈めたりしながら、油の旨味をつゆに伝染させていく。刻一刻とかわっていくつゆの味が、また愛しい。

これは、これまで作ってきた年越し蕎麦よりよっぽどうまい。まさか自宅で、これだけ上出来の蕎麦ができるとは思わなかった。満足だ。

なお、翌日お昼に、残った麺でもう一度かけそばを作った。その時は、茹で上がった麺が短くなっていた。一晩置くと、麺の長さをキープすることはできなかった。

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