
11:24
ゆるやかに丘を登っていく道。
みかん畑があちこちにある。
空が広く、ゆるやかな傾斜のこの曽我丘陵は果樹園を作るのに最適だ。日当たりがとても良く、冬でも温暖。
以前よく通っていたカフェが、「小田原あたりに果樹農園を作る」という計画を持っていた。あんなところに果樹園?なんで?と不思議だったが、じっさいにこの土地を歩いてみて納得だ。みかんをはじめとする柑橘類の畑だらけだからだ。

11:26
エバラ食品工業株式会社中央研究所、の看板があった。
焼き肉のたれでお馴染みのエバラだけど、こんな場所に研究施設があるのか。レシピは極秘の秘伝のタレで、内密にしておきたい・・・などという思惑がある、のか?

11:30
太い車道、細い車道、舗装されていない道。この界隈にはいろいろな道がある。
ガイド本に従って歩いているものの、「なんでこの道を通ることにしたのだろう?」という理由がわからないことが多い。
もちろん、そんなことを考えるだけ無駄で、著者が「道が3つあったので、たまたまこの道を選んだ」だけ、なんて理由だろう。
なので、スマホのGPS画面を見比べながら、ぴったりガイド本に示されたとおりに歩く必要はない。でも、あんまり自分のフィーリングで歩いてしまうと、今回のハイキングの達成感が減りそうだ。
今回はオリエンテーリングをやっているという気持ちで、道を探して歩いていく。

11:31
途中、農家さんが軽トラを走らせるために作ったような道を歩く。

11:33
なんでこんな道がルートとして設定されているのだろう?と思ったら、眺めの良い場所に出た。
ああ、これは気持ちがいい。
まさに丘陵、って感じで、開放感がある。山奥感がないのも、僕にとってはちょっとめずらしくて楽しい。
ただ、これだけ開放感があるとなると、暑い時期には到底このルートを歩くのは無理だ。冬の山歩き用に、今回低山専門のガイド本を買って正解だった。

11:40
遠くに見える丘。あそこまでこれから歩いていくことになる。そしてその向こう側が、相模湾だ。

一方、西の方を見ると、雪をまとった富士山の姿が見えた。
でも、富士山よりももっと目を惹いたのが、その手前にあるボコッと異様に盛り上がった山。なんだあのカッチョイイ山は?知らなかったぞ。
調べてみたら、「矢倉岳」という山だった。標高870m。
この山も低山の一つだ。いずれ登ってみたい。でも、東京からここまで、公共交通機関を使ったら遠いなぁ。子どもの保育園送迎時間の範囲内で行って帰ってくるのは無理っぽい。

丘の上にでたら、「おおいゆめの里」というエリアになっていた。
「花の里ゾーン」「森の里ゾーン」「水辺の里ゾーン」など、いろいろ区分けされているっぽい。

11:44
おっ、丘の上に出たので、今度は丹沢山系も見えるようになってきた。
端正な姿でみんな大好き、大山の姿が見える。

果樹園、畑の中になにやら建物が見える。
老人ホームにしては色気がある建物だな、と思ったら、「いこいの村あしがら」という名前の温泉宿泊施設だった。
町営の施設かな?と思ったが、民間の施設のようだ。辺鄙な場所、とまでは言わないものの、ここによく施設を作ったものだ。富士山の眺望が良いとはいえ、観光地とは言い難い場所だ。
でも、結局コロナの影響もあって2021年に閉館となり、一旦大井町がこの施設を買い取ったのち再度民間に提供したようだ。

左側には「里山シェア」ということで家庭菜園があり、右側には「四季の里直売所」という農産物直売所。
のどかだ。
山歩きをやっている、という実感がまったくない。
(つづく)
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