ばばろあがこねていた粉をダッチオーブンに入れる。
ダッチオーブンは底面だけプレヒートしてある。だから、フライパン的利用方法になる。
ある程度火が通ったところでターン。なんだか巨大ホットケーキを作っているようだが、いったい何ができるというんです?
ばばろあによる粉料理ができるまでの間に、もやし炒め。
これまた朝ごはんっぽくない料理だが、お手軽な料理のひとつとして。
でき上がり。両面をきつね色になるまで焼いた小麦粉料理。
これが以前からばばろあが言っている「バノック」なる料理なのだろうか?
CWニコルの文献をあさってみると、バノックについて彼はこう述べている。
イヌイットのバノックは白い小麦粉とベーキングパウダー少々に水を混ぜて、厚い生地になるまでこねる。その後、ラードかアザラシの脂を薄くひいた鉄のフライパンに入れ、弱火でこんろ(最近ではコールマンのこんろが多い)にかける。生地の表面に小さな穴ができるまで待ち、ひっくり返して裏を焼く。裏表ともにこんがりと焼き色がつき、パリパリとしてきたら、焼き上がりだ。
バノックは地元でとれた肉や魚とともに食べる。イヌイットは甘いものが大好きなので、ジャムをつけて食べるのも好きだ。ピーナッツバターも人気がある。
なるほど、やはりばばろあの料理はまさしくバノックなのだろう。
イヌイットがパンを焼かないのは、気温がイースト菌が発酵する温度にならないからなんだそうだ。
イヌイットにならって、ジャムを付けて一同いただきます。
味についてはクッキーを食べている感じ。結構大きなバノックだけど、四等分すると結構あっけなく食べることができた。餃子とかもやし炒めといった副食類があってちょうどよかった。
朝ご飯を食べ終わったら、お昼まで特に何もやることなし。タープの下でだべったり読書したりして時間を過ごす。
おかでんは朝っぱらから白ワインを飲んでいる。うう、朝からキクなぁ。
白ワインを瓶ごとラッパ飲みするひびさん。
もちろんやらせ写真ではあるが、実際にごくごく飲んでいたのであながちやらせではない。
こんな巨大な瓶のワインなんて重いしかさばるし飲み終わった後持って帰らないといけないし、邪魔なこと極まりない。だが、「スゲーでかいワイン瓶が売られているぞ」というのがなんだか珍しく、うれしかったので、買った。真っ赤に塗って顔を書いたらダルマにもできる、そんな丸い瓶。案の定最終日、ごみになって大層邪魔になった。
お昼近くになったので、お昼ご飯の準備開始。
お昼はダッチオーブンのオーブン機能を使ってピザを焼こう、という話になった。
ダッチオーブンの底とふたに炭を配置し、プレヒートする。
本当は厳密に温度管理をするべきなんだろうけど、適当に炭を並べ、適当にプレヒートするのだった。なあに、適当でもなんとかなるもんだ。
さすがにピザ生地を一から練るということは今回はしなかった。既に丸くなっている生地を購入してあるので、そこにトマトソース、とろけるチーズ、それに具をぱらぱらと。
焼けた。
案外簡単に焼けるもんだ。そのでき栄えにびっくり。もっと焼きむらができたりするんじゃないかと思ったが、ダッチオーブンは均等に熱を加えてくれていた。さすが鋳鉄製。だてに重たいわけじゃない。
青空の下焼き立てのピザを食べる。
うまい!
これはうまい。さくっと焼けて、とろーりとろける。ピザの理想形じゃあないか。
一同感動する。
こちらは余った玉子を使って自分用オムレツを作った人、しぶちょお。一人で食べていた。
「これは我慢ならん、もっとピザが食べたい!」
とおかでん地団駄。そういえばセンターハウスに冷凍されたピザ生地が売られていたっけ。買ってこよう。ついでに冷えたビールも!
「まだ食べたいぞこの野郎」組のおかでんとしぶちょお、2名でセンターハウスへと走る。
買ってきたピザ生地に、余った食材を乗っけて食べる。今回は無印良品製の「イタリアンハーブミックス」を買ったので、それを振り掛けてみる。うん、バジルの香りをはじめとし、いろいろなハーブの香りがしてよろしい。大変気に入った。
もちろん、ビールも大いに気に入った。ピザにはワインもいいけど、ビールもよく合うよな。ビール万歳。天気が良いと、ビールが2割がたうまく感じるな。
早めのお昼ご飯にしたのは、午後からは「秋の味覚狩り」という無印良品主催のアウトドア教室に参加するためだ。午後1時にセンターハウス集合、ということだったので、早めにした。で、ビールも飲んでやる気満々。ビールは余計かもしれないけど。
センターハウスから見上げると乗鞍岳がきれい(写真上)。あと、右手を見ると木曽御嶽山もはっきりと見えた(写真下)。さすがに標高が高いところにあるキャンプ場なので、風光明媚だ。
センターハウスに集まったアウトドア教室受講者は、ワンボックスカーに乗せられて移動となった。ゴトゴトと揺られること数分、森の中に停車。
今回のターゲットは主にきのこ。まずはスタッフさんからきのこの生える場所や取ってよいきのこ(毒キノコではないもの)を習う。
キノコ狩りといえば、テレビで「松茸名人」が松茸ハントをやっているのを見たことがあるくらいだ。松茸取るのはずいぶんと難儀していたっけなあ。
そういうイメージがあるので、そう簡単にきのこなんてのは生えていないんだろうと勝手に思っていたが。
いやいや、あるぞあるぞ、探せば探した分だけ、見つかるぞ。あんまりチートモードでのプレイといった感じではないのだが、汗をかいた分出てくる。ボクたちはやればできる子、という感じ。
ただ、そのうちの半分以上が「取っちゃダメなきのこ」、つまり毒キノコなわけであり、なかなか世の中うまくいかないものだ。毒キノコは自分が採取されないことを知っているからか、えらそうに目立つところにふんぞり返っている。
それぞれの戦利品を手ににこやかにほほ笑むアワレみ隊一同。
やっぱり食べ物が絡むと人間情熱を注ぐもんだ。
なめこも発見。
「味噌汁の具として最適!」
ということでテンションが上がる一同。
下ばっかり見ていてはいけない。上には山ぶどうが潜んでいるから。
数名がかりでツルを引っ張り、実を引き摺り下ろした。山ぶどう、ゲット!
思いがけない戦利品の数々にほくほくしながらセンターハウスに戻る一同。参加した人全員がそれなりの量を確保できたようだ。
しかし、いったんここできのこは全部ひとまとめにされ、この山の生き字引であるキャンプ場支配人の査定が入った。支配人はもともと地元の人だ。
「これは食べられる」
「これはダメ」
支配人が一つ一つ、きのこをチェックしていく。
ばばろあが「ダメ」とされたきのこを手に、支配人に「これは食べられそうに見えるんですけど、ダメなんですか」と聞いた。すると支配人は「わからないものは基本的に食べない。」とすっぱりとした回答を返した。なるほど、うっかり食べて万が一死んだらもったいない話なので、「誰かが食べた」実績が明確にないきのこは食べられそうでも諦めるのが正しかろう。
仕訳されたきのこは、そののちにグループごとに山分けされ、みんな等しくお持ち帰りができるようにされた。
四人ともなれば結構な量のきのこが配賦された。
われらが戦利品を前に記念撮影。してやったり、という顔を一同しているのは、山ん中を彷徨って探しまくった結果だからだ。
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