さあ夕食タイムですよと。
宿の夕食は質素であってもおいしいと思えるのは、きっと「宿に泊まっている」という魔法にかかっているからだろう。どんな料理が今日は出てくるのかな、とワクワクしながら食堂に向かうのは、なんだかこそばゆい。宿メシの定番である茶わん蒸しが付いてくるかどうか、なんてどうでもよいことを考えるだけでうれし恥ずかしくなってしまう。
固形燃料を使った料理が何か、なんて考え出した日にゃ、それだけで30分は議論ができそうだ。
「山の宿だからたぶんイワナが出てくるぞ。あと、場所柄こんにゃくが出るかも」
なんて想像をたくましくする。
夕食の品々。
イワナ塩焼き正解。刺身こんにゃくは鯉の洗いと一緒に添えられていたので正解。鯉が出てくるとはちょっと予想していなかった。鯉は長野県のイメージが強いからだ。あと、なるほどこれが出てくるよね、と納得したのがご当地名物の花豆。
乾杯!
お酒が飲めないしぶちょお以外はビールで乾杯。
宿メシは酒飲みにとってはたまらん酒肴が並んでいる状態だが、しぶちょおを見ていると「ご飯をモリモリ食べるにも最適な料理」なのかもしれんと思えてくる。
ただ、宿の場合、「ご飯先に持ってきてください」と言わない限りはご飯が出てこないのが普通。宿の夕食というのはお酒をたしなむ人がとても多いことがうかがえる。
ひびさんがイワナの骨抜きを敢行。見事骨を身から取り外して見せた。
鮎の塩焼きで骨抜きをするのは見たことがあるが(おかでん自身はできない)、イワナで同じことをやってみせたのは初めて見た。
ご飯とお味噌汁。
しこたまご飯を食べていたしぶちょおから何周もの周回遅れでようやくたどり着いた、シメの聖地。
お味噌汁は山椒が効いていて面白い味だった。おいしい。
デザートはメロンとぶどう。デザートまでついて至れり尽くせりだ。
さすがにこれは食べられなかったので、ぶどうはお部屋にお持ち帰り。
食後、この宿の名物である大風呂に行ってみる。webや書籍などで一度この風呂の写真を見たら、そのインパクトで記憶にとどまること請け合いだ。おかでんもこの宿を覚えたのは、その特異な形をした風呂の写真があったからだ。
まずは階段を下り、渡り廊下を歩く。
この風呂の特異な点は、前述の「渡り廊下」が風呂の上を通っていることだ。つまり、風呂を道路とすると、通路が歩道橋のように風呂をまたいでいるのだった。なんでこんなつくりになっているのか、謎すぎる。
風呂を乗越たところで階段があり、そこを下れば脱衣場。脱衣場と風呂場は仕切りがなく、そのまま風呂にどぼん。
浴槽は二つあるのは共同浴場と同じ。檜造りの床が温かみを感じさせる。
風呂に浸かりながら上を見上げると、先ほど歩いてきた歩道橋が見えるからなんだか不思議な光景だ。
片方の風呂は石臼からお湯が注がれていた。もう片方はせいろから。一風変わっている。
まあ、しょんべん小僧からお湯が注がれていたら仰天だが、さすがにそのようなことはない。
大風呂の光景いろいろ。
貸切露天風呂にも行ってみた。
こじんまりしたスペースに湯船と、カラン。
ふつう露天風呂は一階にあるものだけど、ここは二階の中途半端なところにあった。
翌朝になってみてみたら、貸切露天風呂はこんな外観だった。中庭部分にむりくり作りました感ありあり。さすが温泉旅館だ、増改築はお手の物だぜ、といったプライドを感じさせる。
この露天風呂ができたせいで、三階部分の客室の窓は斜め下が見えないように遮蔽物が作られている。そりゃそうだ、ここで遮蔽しておかなかったら見え放題だもんな。
こちらは屋内の貸切風呂。お相撲取りだったら一人で精いっぱいな大きさの湯船。
今日一日お風呂を行脚して疲れたおかでん、ぐったりしています。
今日はいい夢見られそうだ。でも、体がほてっているので、汗をどっぷりかいて逆に悪夢を見るかもしれないけど。
2007年09月24日(日) 2日目
翌朝。
大風呂に通じる通路の窓から外を見たら、共同浴場と大風呂の建物はつながっていた。たぶんこの直下に源泉が湧出しているからだろう。
ちなみに大風呂は基本的に混浴。もちろん女性専用時間が存在するが、早朝だったり夕食時間中だったりと不遇。じゃあ混浴にチャレンジすることは可能かというと、ちょっと解放感ありすぎて女性にとってハードルが高すぎるのでNGだと思う。よっぽど度胸がある女性でないと無理。わがアワレみ隊の女性陣ももちろん混浴には対応できず。
朝食は夕食から一変、いたってシンプルなもの。おしんこがエラそうに中央に鎮座しているくらいだ。おかずが多すぎて、ご飯何杯お代わりすればいいんだと悩むことを考えれば、これくらいシンプルな方が却ってありがたい。
朝食のあれこれ。
接写する必要性なんてこれっぽっちもないのだけど、なんだかこのころのおかでん、いちいち写真を撮らないと気が済まなかったようだ。
寝た後になって気が付いたが、この宿では「健康敷き布団」というのが使われていた。そういえば食器洗いのスポンジのように凹凸があったな、と思ったのだが、確かに寝心地が良かった。家にもひとつほしい。
健康敷き布団とはこういうものらしい。
当館では敷ふとんにオリジナルの「健康敷ふとん」を使用致しております。
敷ふとんの表面の凹凸は指圧効果があり、適度な硬さは快適な寝心地をお約束し、疲労回復やストレスの解消にお役にたつと考え御用意致しました。
どうぞごゆっくりお寛ぎくださいませ。
チェックアウト後、解散までの間にどこに行こうかという話になった。その際、この近くにある「川中温泉」に行ってみよう、ということになった。川中温泉は「日本三大美人の湯」と言われている名湯。以前、「日本三大の旅」の際、時間の都合により行くのを諦めた場所でもある。そのときのリベンジマッチ、というわけだ。
しかしいざ行ってみたら、カーテンがかけられてひっそりしていた。どうやら日帰り入浴は受け付けていないらしい。がっかり。諦めて川中温泉を後にした。
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