ひたすら観光、ただただ観光

日本三大巡りの旅

日 時:2004年(平成17年) 09月19日~23日
場 所:関東以西の観光地各所
参 加:おかでん、しぶちょお(以上2名)

例のごとく、連休直前になっても旅の企画は何一つ固まっていなかった。今回は4泊5日の日程が組めるという長期休暇であり、何か豪快な事をやりたかった。しかし、そのやりたいという気持ちだけが空回りして、前日になっても「実際に何をやるのか」「どこに行くのか」さえ決まっていないありさまだった。この年のGWに、「東北道の駅106カ所完全制覇」という超巨大企画を実施したばかりであり、そのときの達成感と余韻をまだ引きずっていたからだろう。道の駅企画に匹敵する何かをやりたい。そういう希望だけ強く持ちつつ、無駄に日々が過ぎていた。

「旅の開始予定日」の前日になって、ようやく具体的なアイディアが固まってきた。アワレみ隊BBSのアワレみ隊新規ツアー相談スレッドが急激にレス数を増やす。

231: 名前:しぶちょお投稿日:2004/09/18(土) 19:25

「日本三大○○の旅」
大きいことはいいことだ?を合言葉に集められた日本三大○○。
はじめ二つは異論なく決まるが最後の一つは諸説紛紛。
そんな三大○○をまわり、アワレみ隊が3つに決定してしまおうという企画。
もちろん決めるためには、候補地すべて見てまわらなければならない。
いったいいくつの三大○○をまわることができるのか。

ってな企画はどうよ。
えらい走り回るぞ、これは。

233: 名前:おかでん投稿日:2004/09/18(土) 20:00
>>231
企画として面白いと思う。よく見つけてきたな、こんなの。

しかし、ターゲットが散漫になるなあ。大移動になるぞ、これは。東北道の駅以上だ。

234: 名前:しぶちょお投稿日:2004/09/18(土) 20:06
まあ、あげてある中の3つくらいに絞って同時に攻略していこうという形か。
それでも日本全国回る羽目になるから、
それがつらければ狭い範囲でまわれそうなものからやっていくでも可。

たとえば、日本三大稲荷を決めるのかヨってばあいは、
候補に上がるのが
京都市・伏見稲荷大社を筆頭に
宮城県岩沼市・竹駒神社
茨城県笠間市・笠間稲荷神社
愛知県豊川市・豊川稲荷大社
岐阜県平田町・千代保稲荷
奈良県新庄町・瓢箪山稲荷神
岡山県岡山市・最上(さいじょう)稲荷
佐賀県鹿島市・祐徳稲荷神社
とまあ、このくらい上がってくると。

これだと、佐賀県だけが離れてる。
がんばって佐賀にも行くとして、
三大稲荷というからにはお稲荷さんがたくさんあるだろうということで、
それぞれの稲荷で数を数えて上位3つが三大稲荷ってことでいいね
いや、違うぞ、アワレみ隊的には。
っていう企画かなと。

235: 名前:しぶちょお投稿日:2004/09/18(土) 20:13
//(現状リンク切れ)

この人、上手くあつめてるなと。
でも行ってるわけじゃない。
やっぱり行って判断しないと。

誰かが決めなければならないことなのデスヨ。

236: 名前:おかでん投稿日:2004/09/18(土) 20:13
案としては日本三大の旅でOK
あとは、どれを対象にするか、だな。

259: 名前:おかでん投稿日:2004/09/18(土) 21:32
今回企画をやるにあたっては、「本州限定」にしても全部回りきるのは無理と思われる。
(三大○○にしたとしても、それ以外にしたとしても)
東北を今回は除外、かねえ。GWにさんざん走り回った場所だからな。

ただ、東北はやっぱり「秘境」であるのは事実。
最終結論はもうしばらく保留。

263: 名前:おかでん投稿日:2004/09/18(土) 21:47
●日本三大○○巡り
・三大と認定されているものを見て、どれがNo.1か品評する。
・ただし、本州地区にて三大、が完結しているものに限る。

しぶちょおの移動開始は、そちらもあまりに早朝発だとしんどいだろうし、任せます。
僕としては、朝7時過ぎ以降であればいつ到着してくれても構わない、というスタンスでいます。

あと、課題としては、東北をターゲットゾーンに入れるかどうか、という点がある。
どれくらい行程に時間がかかるのか、というのと、日本三大、が東北を除外した場合
どれだけ種類が減ってしまうのかの吟味が必要だな。

265: 名前:おかでん投稿日:2004/09/18(土) 22:30
//(現存しないURLにつき省略)

に、北海道・四国・九州沖縄を除いた「3大」の表を作ってみたモノを格納。
ご確認を。東北のものは、色つき表示。

とにかく数が多い。5日間で回れるものではない。
東北を除外するのも手だが、それよりも宗教系が多すぎるというのも一因としてある。
宗教系(16種類)をばっさりと切り捨てれば、随分と身軽にはなる。

266: 名前:おかでん投稿日:2004/09/18(土) 22:36
東北がらみと宗教系を外すと、3大チャレンジは全部で29になる。
ただし、「三大ダム」のうち、「福島県」の奥只見ダムは、群馬県側から
入るために除外しなくても問題はない。

ということで、29+1の30で、30×3=90カ所巡り、というのはどうだろうか。
5日間の行程があるとはいえ、初日と最終日は相当時間的制約があることから、
はっきりいって1日平均18カ所巡りなんて無理だ。1時間に1名所ずつ巡って、ようやく
18カ所。所用時間18時間。んな、アホな。東北道の駅以上の「無理な企画」だ。

もう少しシェイプアップしないとダメかな。
でも、中には「三大工業地帯」みたいなどうでもいいものもあるので、そういうものを除外
していけば(もしくは素通りするだけで良しとする)、もう少しシェイプアップは可能。

ああ、なお、265記載の三大表は、季節がらみのものとか、積雪量や風速といった
「記録モノ」、山に登らないと行けないようなモノ、「日本三大」ではないモノは
除外しています。

267: 名前:おかでん投稿日:2004/09/18(土) 22:47
さっきの表、間違いがあったので修正版を再度アップロードしといた。
対象となるのは25だね。奥只見ダムをもし入れるとすれば26。

25×3=75+α

一日当たり15箇所(および食事など)

ぬお、これも相当ハード・・・。

あらかじめ宣告しておきますが、おかでん病み上がり(現在はまだ病気中)での企画に
つき、途中でリタイアしちゃうかもしれんです。その点はあらかじめ謝っておきます。

この企画の最大のネックは、「日本三大朝市」なんだよな。
朝に、その地にいなければならないという時間的制約がきつい。
輪島なんて、能登半島の先端だし、困る。
輪島、高山とハシゴできれば良いけど、それだけの時間的余裕があるかどうか。

269: 名前:しぶちょお投稿日:2004/09/18(土) 23:16
当初のおいらが提案した奴から一歩後退してるかな。

日本三大の法則ってのがあって、
日本三大の第一法則
日本三大の一つを名乗るのは、一番でも二番でもなく三番以降である
 日本三大の第二法則
日本三大の一つを名乗るもの同士、他の二つは一致する
日本三大の第三法則
三番は複数なければならない

このうち、第三法則をアワレみ隊で追及してみたかったのだ。
第一法則のとおり、大概日本三大を名乗っているものは
それを名乗ること自体に胡散臭いものが多い。
そこでアワレみ隊が胡散臭いものめぐりをして、
この不毛な3大論争にピリオドを打つという企画にしたかったのだな。

でも3大めぐりをするだけでも十分企画としては成り立つと思うので、
今回はこれで行きますか。

270: 名前:おかでん投稿日:2004/09/18(土) 23:23
なるほど、そういう趣旨だったのか。それはそれで面白そうだが・・・
ホントに対象を限定しないとダメな企画だな、それは。

ええと、とりあえずバージョンアップしたですよ、資料。
今度は都道府県別の対象を記載してみた。複数「三大」にて重複して記載されている
ものもあったので、トータルではやや減少。対象は73。(食べ物含む)

色つきのものは、「三大」だけど、4つ目が存在していたため(しかも本州圏内)、
1テーマにつき4カ所の指定がされているもの。
「三大」制覇をテーマとした場合、1テーマにつき4カ所行かなくてもいいだろー、
ってなるので、目印をつけておいた。
暇が無くなってきたら、カットされる対象ですね。

271: 名前:おかでん投稿日:2004/09/18(土) 23:30
これはどうやら全国名物勝ち抜き選手権は無りっぽそうだな、そんな暇なさそうだ。
ところで、埼玉県って「三大」がないのだな・・・
さらば、行田市のゼリーフライ。

初日の行程はスゴク難しくなりそう。東京タワーとか東京都庁とか、余計な観光名所が
入ってしまっているので(当然上に上がらんといかんだろ?)、東京は昼頃離脱?

明日朝は勝浦で朝市?

新潟に行かなければならないため、必ず群馬で関東地区をフィニッシュさせないと
いけない。このさじ加減が難しい。

なんやかやで、関東脱出に1日半は要するわけか。うわぁ、フィニッシュ無理そう。

276: 名前:おかでん投稿日:2004/09/18(土) 23:57
テントマットはしぶちょお側で用意してくれ。寝袋、ライトも忘れずに。
テントは僕のやつがコンパクトでいいけど、どうしようかな。
この調子だと、恐らく企画時間切れもしくは企画終了が中国地方近辺になる。
となると、公共交通機関を使って家に戻ることになるわけで、あまり荷物を大きく
したくないというのはある。ま、テントくらいだったらいいか。

277: 名前:しぶちょお投稿日:2004/09/19(日) 00:01
テントはいつものでよければ4人用積んでおきます。
マットもあわせて準備しておきます。
ではおやすみなさいzzz

279: 名前:おかでん投稿日:2004/09/19(日) 07:47
さらに修正版のエクセルデータをアップしました。
間違い修正や手直しなど。

奥只見トンネルは新潟県に移設。
あと、「三大美人の湯」から松ノ湯温泉削除。

ちなみに、三大美人の湯・川中温泉は一軒宿で、日帰り入浴は14:30まで。
これも時間的制約がきつい場所であるよ。

道の駅の場合、徹夜してでも先に進むことは可能だった。
しかし、今回、「夜中に現地についてもしゃーない」場所が結構あることから、
行動時間は日中帯に限られそうな気がする。

当初案はしぶちょおが提案した

「3つ以上ある『日本三大名所』を全て回って、アワレみ流で3つに絞り込んでしまおう」

であったが、おかでんの解釈ミスもあって企画は軌道修正。今回は「日本三大名所」と呼ばれているところをできるだけたくさん回ろう、という企画になってしまった。すなわち、上記BBSのやりとりをあらためて整理すると

  • 2004年9月19日~23日の4泊5日の行程
  • 「日本三大」と名の付く名所、旧跡、銘菓などを体感しまくる。
  • ただし、東北地方に関するもの、神社仏閣の日本三大などは時間の都合で割愛。対象は25名物合計75カ所。
  • 「三大」と名乗っているものが4カ所以上あるものについては、そのうち3つを体感すれば良しとする。その3つのなかで、ランキングをアワレみ流でつける。
  • スタート地点は埼玉県のおかでん邸。ゴールは・・・山口県岩国市の錦帯橋(日本三大奇矯)となる見込み。

ということになる。アワレみ隊初の「観光だけしかしない」企画。今までは、ひたすら観光地を素通りする企画だったが、今回は真逆だ。どうだ、やるときはやるぞアワレみ隊も。

2004年09月19日(日曜日) 1日目

出発

前日の夜急きょ決まった企画であったが、当日は朝9時にきっちりとしぶちょおが関東まで車を転がしてきた。愛知から約5時間近くかけての移動だ。まずこの段階でしぶちょおは多大なるお疲れさまとなる。「昔は下道を使ったんだけどねぇ、今は時間が無くって」

と高速道路を使ったことを残念がる。そういえば、昔彼が上京するときは、必ず車で、かつ下道利用だったっけ。

旅はこれからだ。

「じゃ、とりあえず『道の駅たじま』に移動って事でOK?」
「おい!またか!」

あの怒濤の一週間、「東北道の駅完全制覇」から4カ月が経過していた。また、あのような旅が同じメンツで始まる。

簡単に駐車場でミーティングを行い、9時15分出発。

まずは給油

行き当たりばったりを信条としていて、あまり企画の先の先までは敢えて考えないようにしている。そうしないと、「あれっ」という意外さが楽しめないからだ。特に今回は企画を考えるので精いっぱいで、一体どういう順番で「日本三大」を巡るのかすら、考えていない。

ただ、一つ言えるのは、「すげえ走ることになりそう。」ということだった。まずは、ガソリン給油で今後の展開に備える。

これから考えられるルートとして大きな制約になるのは、神奈川県に「東京湾アクアトンネル」があるということだ。ということは、アクアラインを使って神奈川から千葉に入らなければならないことになる。で、あれば、今日は東京都→神奈川→千葉、という順番で観光地を巡っていくのが妥当ということになるだろう。

まずは、「日本三大超高層建築物」の一つである東京タワーを目指す。

【No.01 日本三大超高層ビル(その1):東京都庁 庁舎(東京都) 09/19 10:14】

10時14分、新宿にある東京都庁に到着。地下有料駐車場に車をとめ、地上に登ると、そこには青空に吸い上げられそうな東京都庁がそびえ立っていた。

東京都庁

見慣れた光景ではあるが、いざこれからこのてっぺんに登るとなると、心が躍る。さあ、アワレみ隊初の試みである「観光しかしない旅」の開始だ。まずは東京の眺めを満喫しようではないか!

都庁からの眺め

庁舎ができた時は、お金の無駄遣いだの、知事室にシャワールームがあるのはけしからんだの、いろいろ言われていたもんだ。でも今やすっかり観光地となってしまっている。ほんの僅かながらも、都の財政に寄与していることは・・・ないか。何しろ、この最上階の展望台は入場無料。高層ビルの展望台というのは大抵入場料を取るものだが、ここは無料開放と非常に太っ腹だ。

「どうせ無料なんだろ?」ということであまり期待しないで展望台に降り立ったのだが、いえいえこれがどうして、素晴らしいんでござんすよ。東京の眺め、ばっちり。東京と名の付くところは大抵ここから見えちゃうんじゃないか、というくらいぐわーっと何でもかんでも見えちゃう。特に西東京側は、住宅地が広がっていて高層建築物がないので、「気持ちいい!」と叫びたくなるくらい遠くまで見ることができる。これで無料は、お得としかいいようがない。青春18きっぷを使って上京するような、節約東京観光旅行にお越しの方にもぜひこっそりお勧めしたい。

べつにこっそり、でなくてもいいのだが。

ただ、この東京都庁はツインタワー形式になっているのが景色を妨げる最大の要因になっているのは残念なところだ。北側のタワーに登っていれば、南タワーが邪魔をして南方が見えない。その逆もしかり。エレベーターに乗るときは、どっちの方角をじっくりと観察しちゃうのか考えた上で、タワーを選択した方がいい。

お土産物屋を冷やかしつつ、正味20分ほどで都庁1階に下りてきた。

「いやー、予想以上に素晴らしかった」
「良かったねえ」

交互に、お褒めの言葉を口にする。しかし、まさかしぶちょおと二人で、こんなユルい企画をやっているとは思わなかった。朝っぱらから、二人で東京都庁の展望台。うわ、ありえねぇ。

【No.02 日本三大タワー(その1):東京タワー(東京都) 09/19 11:34】

奇妙な感じに囚われつつも、車を駐車場から引っ張り出して次の目的地に向かう。次は、「日本三大タワー」の一つである、東京タワーだ。

東京タワー

「日本三大タワー、ってどこだよ?」
「えーとね、東京タワー、京都タワー、千葉ポートタワー。」
「はぁ?京都タワーが入ってるのか。何だそれは。大体、何をもって『日本三大』とみなすんだ?高さ、じゃないよな」
「知名度、かな?」
「そうだとしても、千葉ポートタワーなんて知らんぞ。おかでん知ってるか?」
「名前くらいしか聞いたことがない」
「一体いつの時代に制定されたものだよ、これ。だいたい、通天閣や名古屋タワーが入っていないのはなぜだ」
「通天閣は『閣』であって『タワー』ではない、とか」
「まさか、そんな基準で決めているわけではないよな。やっぱりあらためてこの『日本三大』ってのはいい加減だなあと思うよ」
「んで、そのいい加減っぷりをわれわれがこの企画で赤裸々に暴く、と。社会派企画ってことで」

うん、何となく企画の方向性が固まってきたような。・・・って、ホントかよ?

駐車場入り口

東京タワーすぐ脇の駐車場はさすがに満車だったので、近くの駐車場に行けと指示された。東京タワーは丘の上に建っていて、狭い道が複雑にうねっている。その中を走りながら、駐車場へと向かう。

車中、しぶちょおから

「なあ、本当に東京タワーのてっぺんに登るの?東京タワーに来ました、見ました、ああ素晴らしいですねえ、ではさようなら、じゃ駄目なの?」

という話が出てきた。確かに、その意見はごもっともだ。タワーの展望台を往復するだけで相当な時間がかかるというのは表向きな話で、実際のところお金が馬鹿にならんのでイヤなところだ。タワーに登るだけで820円かかるし、駐車場代だって馬鹿にならない。「東京の景色は、さっき都庁で見たからねえ・・・」というのがわれわれの正直な気持ちだ。ぶっちゃけ、行くだけ無駄。

「ま、とりあえず駐車場には車を停めようや。記念撮影しなくちゃいかんから」

と、地下駐車場に車を突っ込む。駐車場の入口にはオッチャンが控えていて、駐車券を渡す・・・のかとおもったら、何だ、東京タワーの展望台行きチケットを売ってるのか。動揺しているうちに、大人2枚、しめて1,640円のチケットを購入するはめになってしまった。ありゃー。

東京タワーと記念撮影

「しゃーない、これも日本三大を楽しむため、と思って諦めようではないか」

苛立ちを隠せないしぶちょおをなだめる。それにしてもこの旅、今後こういうのがずっと続くんだよな。観光地巡りだから。入場料だけで、一体どれだけのお金を使うことになるんだ?計算する気にさえなれない。

先ほどと比べ、さらに澄み渡った青空に東京タワーは突き刺さっていた。赤い鉄骨が非常に映える。建物を撮影するとどうしても暗くなるが、鉄骨建造物だと比較的きれいに撮れる。さあ、これからあの地上150mにある大展望台に向かうぞぅ。今日二回目の観光だぞぅ。

「とはいっても、いまいち盛り上がらないのはなぜ?」
「820円もするからだよ、入場料が。高すぎる。半額でも十分だ」

確かに高い。しかし、この混雑っぷりはどうだ、お上りさんやガイジンさんがいっぱいいるではないか。少なくとも、需要と供給という考え方においては、820円というのは「安い」のであろう。いい商売してるよなあ。

東京タワーご案内

820円というのは、あくまでも地上高150mにある大展望台に行く資格を得るためのお金だった。さらにその上、250mにある特別展望台に行くためには別途費用がかかるという。まだ財布からお金を抜き取ろうとしやがりますか。

「特別展望室に、行く?・・・って愚問だな」
「ぜっったいに行かない」

ノッポン

東京タワーのマスコットキャラクターらしい着ぐるみが、子供たちの相手をしていた。

こんな可愛くないマスコットを見たのは初めてだ。東京タワーのように頭を尖らせる事、が伽卓ターデザインをした人に与えられた条件なんだろうけど、それにしてもこれはあんまりだ。名前を「ノッポン」と言うらしい。「のっぽ」と「日本」とをかけあわせたのだろうが、何だかこれまた投げやりな名前。通好みな人からすれば、味わい深くてとても良いキャラ、ということになるのだろうが・・・。

でも、子供にはそこそこ人気があったようだ。子供は、着ぐるみであれば何でも好きなのか?

このノッポン、趣味は日光浴だそうで。へぇ。

地上150mにある大展望台

地上150mにある大展望台へ。エレベーターに乗るまで、行列ができていたので10分ほどの待ち時間となった。築何年だかもうわからん状態のタワーに、いまだに行列を作って登る人が後を絶たないというのだからすごい。東京という立地条件、知名度、東京観光の象徴的位置づけってのがお客を吸い寄せるのだろうか。

・・・その現状に甘んじまくってはやうん十年、という気配があちこちから臭ってくるのが結構驚きだった。兎に角スタッフの数が多い。そして動作が緩慢。サービスレベル(内容とクオリティ)が、明らかに時代遅れなのだった。

「こんなに人が多いから、チケット代が高いんだ。スタッフの数半減でいいだろ。役に立ってないぞ」

と思わず毒舌を吐く。ただ、少なくとも東京タワー側からすれば、この値段設定であってもちゃんとお客さんは来ているわけであり、これ以上努力しなくてもいいということなんだろう。観光地のお店で愛想が悪くたって、一等地ならば商売がある程度は成り立つのと一緒。

もちろん、不景気だのなんだので客足は以前と比べて減っているはずであり、それなりの改善努力はしているのだろう。ただ、その努力が今の時流にまだ合致していない気がする。

東京都庁からの眺めを「無料で」楽しんで、そこからハシゴしてきたわれわれからすれば、強い不満が残った。

LOOK DOWN

150m下を眺める。LOOK DOWN

こういうことができるのはタワーならでは。都庁ではできない。

東京タワーを下から見上げる

東京タワーを下から見上げる。

以前、人生に絶望した人がこの鉄骨をよじ登ったというでき事があったが、感心させられる。それだけのガッツと体力があるなら、まだまだ十分この社会で生きていけると思う。今その人は何をやってるか知らないが、頑張って生き抜いて欲しい。

【No.03 日本三大盛り場(その1):浅草(東京都) 09/19 12:26】

東京タワーを後にし、次のターゲットを目指す。

雷門

「東京都には3つの『日本三大』があるんだけど、その三番目だね。『日本三大盛り場』の浅草へGO」

ナビシートに座りながら、パソコンをいじるおかでん。今回は、東北道の駅企画の時みたいに交互に運転することはない。

しぶちょお:運転するひと。おかでん:行き先指示するひと。

という役割分担が明確になっていた。

「日本三大盛り場、って一体なんだよ。大体、『盛り場』ってもう死語じゃないか」
「学校の校則に書いてあったなあ。『盛り場には父兄同伴でないと行っちゃいかん』みたいなことが。で?盛り場って一体なんだ」
「さかってるところだろう?」
「何だそれは、ヤラシイところか?」
「かもしれん」

いい加減な会話をしているが、確かにわれわれ、昭和40年代末に産まれた世代としては実感の無い言葉だ。後日、盛り場について調べてみたらこのようないい文献を発見したので、参考として掲載しておく。

変わる盛り場 盛り場の変貌・・はじめに(現在リンク先現存せず)

「大体、日本三大盛り場って何だ。浅草って時点で既に間違っていると思うが、残り二つは何よ?」

しぶちょおが前方から目を離さずに運転しながら、静かに興奮する。

「えーとね、京都の新京極通りと、大阪の千日前」
「一体いつの時代に制定されたんだよ、それ。江戸時代とか明治時代じゃないのか?」
「多分ね。繁華街、という意味においては、新宿渋谷池袋あたりが日本では最大級だろうし。浅草てアンタ」

まあ、そんな事をいいつつ、車は雷門の前に到着。

「で?車どこに停めればいいんだ?」

「あ、いけない。駐車場探さないと。・・・といっても、何をもって盛り場と見なせばいいんだ?ビルでも、タワーでもない『地域一帯』がポイントだったらなあ・・・困ったな。とりあえずぐるっと回りながらコインパーキングを探そう」

駐車場

結局、浅草花やしきの裏側にある、非常に狭い路地のコインパーキング場に停めた。このあたりは中級以上のテクがないと、車をこすってしまうので要注意だ。

「で・・・どうしたもんかね」
「とりあえず、浅草寺に行ってみよう」

浅草寺の境内

参道のすごい人混みをかきわけつつ、浅草寺の境内にやってきた。お昼時だというのに凄い参拝客だ。さすが日本三大盛り場だけある・・・か?

「イベントが無い状態において、一日平均の1平米あたり人口密度って点では日本三大に入るかもしれんよ」

「日本三大盛り場」という命題を咀嚼しようと、あとづけで無理矢理それっぽい理由をつけようとしてみる。

無駄な事だ。結局、日本三大と名がつく以上は、そこに行かねばならんという事実は変わりないのだ。それが今回の企画。

浅草寺境内の模様

バシバシ通り過ぎる人の間隙を縫って、セルフタイマーで浅草寺境内の模様を撮影。

「どうだ、盛り場っぽくなったか?」

しぶちょおに撮影したばかりの写真をチェックしてもらう。

「んー。単なる縁日の境内って感じ」
「なにー?」

参道を歩く

まぁしゃあないわなあ、ということで浅草寺から引き上げる。何も、無理して「盛り場」っぽくする必要はないわけで、現実をビシッとファインダーに収めることもわれわれドキュメンタリー作家としては重要なことだ。

・・・いつドキュメンタリー作家になったんだ?

「そのカメラの三脚の首を曲げて、こうやって、脚を伸ばして・・・これでセルフタイマーを撮ったらどうだ?」

しぶちょおが何やら奇妙な提案をした。何を言ってるのか意味がわからないまま、セルフタイマーをセットして言われるままに構える。三脚の脚を思いっきり伸ばして、カメラを自分たちの前方斜め上45度くらいから見下ろす位置にセットだ。一体これで何ができるというのか。

カシャ

あー、なるほど。できあがった写真を見て多いに納得。これだと、通りの人混みも写るし、自分たちも写るというわけだ。ナイスアイディアだ。

三脚のチューニングが難しい

ただし、相当三脚のチューニングが難しい。

三脚の角度をきつくしすぎると、ご覧の通り自分たちと地面しか写らなくなる。そして、周りから好奇の目で見られる。

何度かやってみたが、人混みの中で三脚を天高く突き上げるのは非常に恥ずかしかったので、3回やってやめにした。相当これは勇気がいる行為だ。

ほら、写真ではガイジンさんが「何だありゃ?」とカメラ目線でこっち見てる。

浅草大勝館

もう12時を回っているので、駐車場への帰り道がてらお昼ゴハンを食べる場所を探すことにした。

参道周辺だとどうしても観光地物価になってしまうだろうから、一本外れたWINSあたりを散策してみる。

すると、「浅草大勝館」という大衆演芸場を発見した。華やかなのぼりがはためいている。

「おお!これぞまさに盛り場・浅草って感じじゃないか!」

妙に納得してしまい、ここであらためて記念撮影をすることにした。さっきからこの二人、分刻みで記念撮影しとるな。愛しあっとるのか、君らは。

「んー、人通りが多いなあ。三脚設置して大丈夫かな?」

と独り言をつぶやいたら、しぶちょおが

「三脚を手にすりゃいいんじゃないんか?」

とまたもや新提案。今度は、三脚を水平に構えるという実用新案特許ものだ。

写真を撮ってみて、これまた納得、感心。見事に撮れていました。使えるぞ、このテクは!三脚だと、どうしても低いところから高いところを見上げるようなアングルになってしまう。しかし、これだと水平に人物が写るので、威圧感がない。これからこのテクを使っていくことに決めた。

びっくり食堂

さてお昼ゴハンなのだが、いまいちピンとくるお店がみつからず、右往左往した。この辺りは競馬を楽しみにやってきたオッチャンたちが多数おり、飲食店でも競馬中継がTV放映されているようなところだ。ちょっと入りにくい雰囲気がある。

あと、こういう場所柄食べ物の値段は安いと思ったのだが、案外そうでもないようだ。「びっくり食堂」というお店を発見し、「おっ、ここはきっと安くてボリュームが多いお店に違いないぞ」と期待して近づいてみたのだが、店外にあたメニューを見て「なんだ、普通のお値段だぞ」とがっくりして退却。「あまりに普通な料理とお値段だった」ので逆にびっくりしてしまった。

すしの秀光

商店街を歩いていたら、「すしの秀光」というお店を発見した。回転寿司ではない、ご主人が握ってくれるカウンター席のこじんまりした寿司屋だ。

寿司屋といえば、地味で渋い店構えなのだが、ここは妙に開放感ある色合いと作りだ。

ふと、足を止める。

ボラ30円

ええ?

「ボラ30円」「にぎり10ヶ280円持ち帰り」

だって?何だそりゃー。かっぱ寿司でもあり得ないお値段ではないか。

「うわ、ここまでくると逆に怖くて店に入ろうという気にならんな」
「一体どんなネタを使っているんだろう?確かに、怖すぎる。ボラ100個食べても、3,000円にしかならんぞ」
「まあ、ボラっていう魚は一般的にはあまり食べないから・・・安いのは判るけど」
「で?入る?」

考え込んでしまった。本当に入っていいんだろうか。B級グルメは大好きだが、この安さはとっても怖い。店が比較的新しくて怪しい雰囲気がないので、まだ怖さが緩和されているわけだが・・・

えい。

結局、中に入ることにした。他にめぼしいお店があるわけでもなし、ここで30円のボラを食べなかったら後で後悔しそうだ。

ビール

といいつつ、ビールを飲んでいるのは何だ。

いや、まあお約束ってことで。

旬の握り1人前を握って貰うことにした。「にぎり10ヶ280円」は書かれているとおり、お持ち帰り専用ということで店内では食べられないとご主人は言う。変なルールだ。

「安く値段設定しすぎちゃって。お店で食べられたら商売にならないから、お持ち帰りだけにしてるの」

と気さくなご主人は言う。確かに、客単価280円で30分とか1時間、狭い店内で粘られたら商売あがったりだ。お持ち帰りだけにしようという気持ちもよくわかる。でも、いくらなんでも1カンあたり28円で寿司を提供するってやりすぎだ。

旬の握りは10カンで700円だった。結局、280円寿司は「客寄せパンダ」だったわけだが、それでも10カン700円っていったら1カンあたり70円。相変わらず激安だ。スーパーのパック詰めにぎり寿司並ではないか。

ちなみに、壁のホワイトボードによると「7カン450円、10カン700円、13カン1,000円、15カン1,400円」となっているらしい。妙な金額の上昇カーブだが、登場するネタの種類が違うのだろう。なにしろ、7カン450円ということは1カンあたり64円。激安だが、13カンから15カンに増えるときは、一気に1カンあたり200円の増額となっている。一体何が載るのだろう?

旬の握り1
旬の握り2

無駄な計算はともかく、お寿司を食べようではないか。

10カン中、まずは5カンから。

シャリは結構大きめに握られていて、おなかに溜まる。腹ぺこキッズも大満足だ。ネタは・・・値段の割には大きく、立派だ。鮮度はちと怪しいものがあるが、かっぱ寿司などに代表される100円回転寿司屋と比べるはるかに満足度が高い。

この10カンに、ボラを単品で追加してもらって、おなかいっぱいになってお店を後にした。ビールを飲まなかったしぶちょおは、お会計が11カンで730円。うーん、安い。

このお店は、隠れたお勧め店舗といえるだろう。ただし、あくまでも「B級グルメ」であることを理解したうえで。

神奈川県を目指す

これにて、東京都はクリア!お疲れさま!
わー

車中で盛り上がる。われわれの感覚としては、いまだに「東北道の駅」のイメージが残っていた。だから、一つの都道府県をコンプリートして次の場所に移る、ということはとてつもないヨロコビであった。

まだ初日の昼下がりだというのに、二県目に突入できるなんて!

「よーしよーしよーし」と言いながら、車は首都高速湾岸線に乗って、時速300km/h(自称)で一路横浜へ。湾岸ミッドナイトならぬ、湾岸アフタヌーンだ。

【No.04 日本三大工業地帯(その1):京浜工業地帯(東京都・神奈川県)  09/19 14:19】

これまた非常に難しい被写体だ。「何をもって工業地帯と見なせばよいのか?」と考え込んでしまった。

ガントリークレーン

とりあえず、つばさ橋から見えたコンテナの荷下ろし場の写真を撮影。・・・こんなもんで「工業地帯」と言えるのだろうか。怪しい。

「三大工業地帯って言葉、小学校の社会科で習った時以来だよ」

「そういえば、そうだな。日本三大って小学校でも習う事だったんだな」

あらためて、感心する。しかし、あの当時習っていた社会科の内容って、今となってはほとんど使い物にならなくなっているんだろうな。水揚げの多い港とか、そういうのはころころ変わっていく。

前方に横浜

前方に横浜の町が見えてきた。

これからは、神奈川ラウンドに入る。とはいっても、ターゲットになる「日本三大」は二カ所、「横浜ランドマークタワー」と「東京湾アクアトンネル」だ。一気に見て回ってやるぞ。

大黒PA

とはいっても、いまいち「それっぽい」日本三大工業地帯を撮影できていなかったので、とりあえず大黒PAで下りてみた。高速道路上だと、フェンスがあるし徐行できないし、撮影が難しい。

・・・下りたけど、工業地帯はどこ?どこにも見えないんですけど。

がっかりして、また高速道路に戻る。

京浜工業地帯

もう一度撮影にトライ。

んー、これをもって工業地帯と呼ぶのはちょっと語弊があるような。

「ま、いいや。これで京浜工業地帯はクリア、ね。」

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