ひたすら観光、ただただ観光

2004年09月23日(木曜日) 5日目

能登半島の朝

最終日の朝を迎えた。

最終日、というのはあくまでも「こちらの都合」によって制定されたものであって、決してこの旅のゴールを意味するものではない。何しろ、全体の半分も進めずに時間切れ終了、となるわけだ。こんな中途半端な企画は今までに、アワレみ隊でやったことがない。

「で、どうする?」

朝日を浴びて、気持ちのいい窓の外を眺めながら考えてしまう。この旅の終わり方について、だ。今までだって、サイコロ2のように「未完企画」は存在する。しかし、結果だけでいえば不完全だったが、ヘロヘロに精神がくたびれ果て、「もうギブ」と心の底から叫べる環境だった。ここで終わっても仕方がない、という感じだった。

今回はどうか?・・・単なる時間切れ。楽しい企画だったけど、達成感はイマイチ足りないし、未完で終わってしまうことに対する悔しさも同じくイマイチ足りていない。なんとも中途半端な気持ちであった。

「第二弾、やることになるのかねえ。。。」
「やるしかあるまい?」

それほど二人とも、この企画の続編に乗り気ではないのだけど、このまま終わるのもなんだか落ち着かない。「とりあえず第二弾はいずれ近いうちに」という事を決定した。

「こんなの、早いうちに続編をやらないとやる気がどんどんうせてくるからね」

おかでんは言う。実際、そんな感じだ。

「第二弾、いきなり初日は近江牛ステーキの夕食からスタートできるんじゃないか、これだったら」

これからの予定されている西日本地区「日本三大」名所を見ながら、気持ちを鼓舞させた。心は既に第二弾に向かっている。そうでもしないと、「この4泊5日は一体何だったのか」ということが気になってしまう。

「近江牛ステーキの翌日は、神戸牛ステーキだ。肉づくしだな」
「そりゃすげぇや」

なんて会話をする。今日は、朝この宿を出発後は「輪島朝市」>「愛本刎橋」>「称名滝」を予定している。時間に余裕があれば、福井県敦賀の「気比(けひ)の松原」、「愛発関」にまで足を伸ばそう、という話し合いをしているが、さてどうかな。

朝風呂を浴びにいくおかでん

朝風呂を浴びることができるというのが、温泉宿の特権だ。広々とした湯船に足を伸ばし、ゆったりと青空を見上げる。いいねぇ。気持ちの良いひとときだ。・・・今更気合い入れたって、どーせ全部の名所はクリアできっこないんだ、ここは気が済むまで温泉に浸かっていようじゃないかアハハ。昨晩眠り込んでしまった余波で顔はむくみ気味、顔のリンパ腺をマッサージしながらぼんやりと時間を過ごす。

風呂上がり、ふぃーと言いながらいい気分で朝食会場に向かう。その時、後ろからついてきていたしぶちょおが「おい、ちょっとカメラ貸してくれ」と急に変な事を言う。ン愛護とかと思ってカメラを貸したら、いきなりおかでんの背中を撮影しはじめた。何をするんだ、一体。

浴衣が逆

「浴衣、表裏逆を着てるぞ」

満足行く写真が撮影できたあと、ようやくしぶちょおは種明かしをした。あら、確かに。ぼーっとしていたので気が付かなかった。写真を撮影するまで説明しないんかい。

朝食

朝食。

うーむ、お茶碗をしぶちょおに渡したら、案の定ご飯をてんこ盛りに盛られてしまった。朝からハイカロリー。

この朝食、お皿数が多くて豪華に見えるが、よく見ると決してそうではないという作り。こういうのは上手い演出だと思う。地味だけど、実際問題として朝ご飯ってこれくらいの量と種類で十分だよな、と思う。

食堂から見た宿泊棟

食堂から見た宿泊棟。天気が良かったので撮影してみた。窓ガラスの縦縞が見えちゃってるけど。

この食堂の奥には、野外結婚式場とバーベキュー場があるらしい。ということは、バーベキューをしながら結婚式が挙げられるということか!誰かやる人いないものかね。永遠の愛を焼き肉の「あーん」で誓いあい、結婚指輪の替わりに食後のブレスケアで。

グラウンドゴルフのコース

昨晩、真っ暗な中でチェックインしたので周囲の状況が全く判っていなかった。チェックアウトして駐車場に出てみると、目の前にはグラウンドゴルフのコースが広がっていた。まだ朝早いのに、カパーンと球を転がしている人がいっぱいいる。このいこいの村では、滞在型であれこれ遊ぶのに向いているんだろうな。でも、残念ながら僕らはそんな余裕はないのですよ、最終日であっても。

ま、朝になって周囲の施設を間近に見ることができて良かった。昨日のうちにこういうアトラクションを見かけていたら、「もう今日はいいじゃん。ちょっとゴルフで『アワレみオープン』でもやるか?」なんて言葉が出てきたかもしれない。

最終日出発

最終日も、あくまでもストイックに。さあ、輪島の朝市に向かうぞ。昨日の高山朝市のように、のんびりしていたら店じまいになってしまう。

【No.32 日本三大朝市(その3):輪島(石川県) 09/22 09:46】

日本三大朝市、三番目。輪島朝市に到着だ。

輪島朝市

輪島市街に入ったところに、輪島警察署があった。その警察署の前には、エンジンをかけて今まさに出発しようとしているライトバンの姿が。ライトバンの中には、交通取り締まりをするであろうお巡りさんがてんこ盛りだった。

「うわあ!今まさにねずみ取りに行こうとしている警察がいるぞ!気をつけろしぶちょお。いつどこで遭遇するかわからんぞ」
「いっぱい乗っていたなあ」
「乗っていたな、しかも、やる気満々な顔をしていたぞ。ニコヤカに談笑していたけど、ありゃ英気を養っている顔だ。捕まるなよ?」
「もちろんだ、捕まってなるものか」
「物陰には気をつけろ?何かあるぞ」
「おう、任せろ」
「背後にも気をつけろ?どこに居るかわからないぞ」
「そうだな」
「少なくとも輪島市内のどこかにこれから潜伏するのは間違いない、われわれはさりげなく、目をあわせないようにして脱出しないと」

東北道の駅で2回も警察にお世話になった経緯から、ねずみ取りには非常に神経質になっている。しつこいくらいに、お互い「気を引き締めよう」と確認をとりあった。

海沿いの有料駐車場に車を停め、朝市会場である通りに向かった。「三大」の中でも最大の規模を誇る朝市だ。いや、活気があるねぇ。 道路の両側にずらりと並ぶ露天が数百メートル。まっすぐな道なんだけど、端から端が見えない。売られているのは、カニ、海老、サザエ、乾物といったところ。「おにーさん、買うてって」とさかんにおばちゃんから声をかけられるが、いやぁさすがに生ものはちょっと。乾物は乾物でかさばるし。でも、雰囲気は十二分に楽しむことができた。

「写真を撮ろう」ということで、浅草方式で三脚を斜め前方につきだし、一枚。さすがに5日目になると手慣れたもんだ。それをみていた露天のおばちゃんから「ほー、偉いこと考えたなあ」と声をかけられ、とたんに恥ずかしくなったが。

輪島朝市を1往復し、お買い物はしなかったものの十分に満喫することができた。「じゃあ、この勢いを駆ってそのままもう一度高山朝市を」というブラックなジョークもでたが、それだけはご勘弁を。またお昼になっちゃう。

これにて、「三大朝市」はクリアしたことになる。最終日にして、ようやく「わぁ、3つそろったよ!」なんてはしゃいでいるんだから全然この企画駄目駄目じゃん、と思うが今となっては後の祭り。

「うーん、順位をつけるとしたら・・・どうかなあ、輪島、勝浦、高山の順かな」
「まあ、そりゃそうだろうな。高山なんてお店が一軒もでていなかったんだから」

これで「クリア」と称しているのだから、その内容が非常に胡散臭い。

有磯海サービスエリア

次に目指す場所は、富山県の「三大奇橋」である「愛本刎橋」だ。webで調べる暇がなかったので、それがどんなものなのかまではわからない。黒部川にかかっている橋であることは間違いなく、カーナビにもその名前が記されている。とりあえず、黒部に向かう。

輪島から、今来た道を引き返す。あー、半島というのはこういうところが不毛だ。今朝通った道、そして昨日夕方通った道、さらに、昨日昼下がり通った道・・・とどんどん逆流していく。一度、金沢の近くまで南下してから、北陸自動車道に合流して東へ。ああ、面倒臭い。

途中、休憩で富山県の有磯海サービスエリアに立ち寄った時は、既に時刻が12時半になっていた。げげぇ、今日は午前中1カ所しか名所を巡ることができなかった。何じゃそりゃーっ。

「おい、今日はとりあえず愛本刎橋と称名の滝に行ければいいだろ。でも、ちょっとやばいかもしれんなあ」

今日が最終日ということもあって、この後解散後にスケジュールがばっちり控えていた。しぶちょおは、ひびさんと滋賀県のあたりで合流し広島に帰省する予定があるし、おおかでんだって自宅に戻って、明日からの仕事に備えないといけない。最終リミット時間が16時富山駅、と想定していたので、これはちょっと微妙に厳しくなってきた。おかしい、今日という今日は余裕なスケジュールを組んだはずだったのに、またもや時間が逼迫してきた。この企画は、まったくもって時間が読めない。・・・つーか、「単に観光地を巡る」という企画なのだが、実体は「ひたすら日本中を車で移動しまくる」ものだった。「くまなく移動」と表現しても大して間違いはない。そりゃ時間がかかるわけだ。

「第三回料理開発研究会全国大会グランプリ受賞」

今日のお昼ご飯は、富山できときとな(富山弁で新鮮な、という意味)寿司でも食べようと思っていたのだが、このサービスエリアになにやら怪しい立て看板があった。

「第三回料理開発研究会全国大会グランプリ受賞」

何だ、そのグランプリとは?グランプリ料理の名前が、「ブリ街道『ノーベル夢御膳』」というらしい。うわ、怪しい。お値段が1,000円というのは高からず安からず、判断に困るところだ。

よく見ると、下には「第二回最優秀賞『華懐石 利家とまつ御膳』」「第一回最優秀賞『日本海 海華御膳』」も書かれている。おい、第一回から第三回まで、有磯海SAのレストランが独占してるじゃないか。ますます怪しい。

そもそも、料理開発研究会って何よ。このSAのレストラン内シェフ同士で競い合ってる自己研鑽の会だとか言うんじゃないだろうな。

これを見て、急にムラムラとお試ししてみたくなった。写真の見た目はおいしそうだし、思いっきりはずしても、まあいいや。話のネタにはなるだろう。お昼時だったし、これ以上時間のロスはしたくなかったので、ここでお昼ご飯をとることに決めた。

レストラン

レストランはごく普通のサービスエリアにありがちな作りだ。こんなところで「グランプリ」がでるとは・・・。
と、はなから薄ら笑いを浮かべつつ、二人とも「ノーベル夢御膳」をオーダー。

食券を買うところで、「すいません、僕グランプリ作品を一つ」と店員さんに声をかけた。さすがに、ちゃんと通じて「ノーベル夢御膳」と書かれた食券を渡してくれた。

ノーベル夢御膳

さて、こちらがそのグランプリ作品。

見栄えがいいですな。「大変熱くなっていますので気をつけてください」と店員さんが言ってもってきた蒸し寿司が猛烈に湯気を上げている。この蒸し寿司、目玉焼きを中心に富山地方の10種類の具が入っているという。これが、ほっこりふっくらしておいしい。酸っぱさは抑えてあって、誰でもがニコニコしちゃうような暖かさとおいしさだ。

それに、珍味の蔵出し、ということで白海老お造り、白海老昆布締め、白海老素揚げ、飛騨牛の昆布締め、山くらげのみそ漬けが。おい、これは一品一品がとてもおいしいぞ。それぞれちょっとずつしか量がないのだが、満足感がすこぶる高い。ああ、こりゃいいや。

それにブリと水菜のカルパッチョ、海老のすり身入りみそ汁、小鉢がつく。これらは相当盛りつけに手間がかかる料理だが、サービスエリアのレストランで提供するとは偉い。いや、馬鹿にしてましたけど非常においしいです、これ。まいりました。脱帽です。拍手です。

馬鹿には見えないデザート

椅子に座りつつも、心の中でスタンディングオベーションしていたら追い打ちがかかった。お盆が片づけられ、デザートが供されたのだ。普通、こういう慌ただしいレストランだったら、メイン料理と一緒にデザートが来ると思っていたのだがまさか別に持ってくるとは。これまた意外だった。手が込んでるなあ。

いや、手が込んでいるのはそれだけではない。なにやら、お盆には何も盛られていない謎のガラス皿が。

「?」

シロップらしきものだけは用意されている。まさか、「馬鹿には見えないデザート」なのではあるまいな。

店員さんが、「こちらとこちらをお皿にあけて、よく混ぜてください」と言う。半信半疑で言われるままにやってみたら・・・

フルーチェみたいなのができた

あら不思議、フルーチェみたいなのができたぞ。へへー、A液とB液を混ぜたら固まりができるって、なんだか面白いな。これもまた、演出だよなあ。よくやるよ、このレストランは。最後に、大沢野特産のいちごジャムをぽとんと純白のキャンバスに落として完成。

「へぇ」ボタン連打。

このレストランを経営しているのは、「(株)ホテルニューオータニ高岡」というところらしい。おそらく、東京赤坂のニューオータニの系列なのだろう。ニューオータニの名前を冠する以上、下手な料理はだせんぞ、という気合いが感じられた。いや、ごちそうさまでした。

「思いがけず美味いモノに出会ったなあ」「これは意外だった」

めいめい、驚きと喜びを興奮しながら伝えあった。

後で調べてみたら、こんな記事を発見した。

ノーベル街道に思いを馳せる『ブリ街道「ノーベル夢御膳」』
(URL現存せず)

全国料理開発コンテストって、全国のサービスエリアやパーキングエリアのレストラン全般が対象だったのか!それで第一回目から三連覇とは恐れ入る。次のコンテストは2006年。さて、驚異の4連覇はなるのだろうか。非常に楽しみだ。4連覇達成の折りには、またぜひ食べに訪れたい。

<筆者注>

愛本刎橋
愛本刎橋

本当はこの後、愛本刎橋に行っているのですが、なぜか文章がすっぽりと抜け落ちています。実際には行きましたので、ここに表記しておきます。

【No.34 日本三大名瀑(その3):称名の滝(富山県) 09/22 15:30】

称名の滝に向かう

気が付いたらもう夕方、の部類にさしかかってきていた。明らかに、二人とも「解散して帰らなくちゃいけない」時間から遅れてしまっているのだが、ここまできたらやめられない、とまらない。予定通り称名の滝に向かった。宇奈月の資料館見学で想定外の時間を食ってしまったのが、遅延のもっぱらの原因だ。

しかし、道中どんどん雲行きが怪しくなってきた。下界は晴れ渡っていたのに、山にとりつくころにはすでに辺り一面どんよりとしたガスがあたりを覆っていた。

今回の企画のオーラスだというのに、これはちょっといただけない雰囲気だ。もう少しスカッとした終わり方をしたかったのだが。

称名の滝解説

称名の滝は、4段の滝で全落差350mの巨大な滝となっている。標高1,400mから1,050mまで一気に落ちるのだから豪快だ。さすがは日本三大名瀑!と言われるだけのことはある。

ただ、問題なのはこの滝を見るために、駐車場から1.3km歩かなければいけないということだった。近くまで道はできているのだが、狭い谷筋のため駐車場スペースを確保できなかったらしい。駐車場は滝から相当離れたところにある。

あたりは濃い霧に包まれている

「行くのか?」

しぶちょおが顔色をうかがってくる。あたりは濃い霧に包まれている。視界は相当に悪い。滝見台までてくてく歩いたからといって、滝がまともに見られる保証は全くない。坂道を往復30分、歩く覚悟があるか?ということだ。

「行くしかあるまい。この企画最後だもんな。中途半端には終わるわけにいかないだろう」

ここで言うしぶちょおの「行くのか?」という言葉は、「本当に歩いて滝のところに向かうのか?」という意味であると同時に、「近くに行かなくても、この駐車場に来たということで『滝を満喫した』という扱いでクリアにするのもありじゃないか?」という意味あいも含まれている。このホワイトアウトした状況を見ると、その考えには大いに賛同したいところなのだが、悩んだ結果「突撃しよう」ということになった。

「たぶん滝は見えないんだろうなぁ」とぼやきながらも、二人は坂道の歩道を早足で歩く。谷の対岸すら、あまりよく見えない。

治山しまくり

立山界隈ではよくあるのだが、とにかくここは治山しまくり、されまくりだ。あちらこちらで、一大土木ドキュメンタリーが展開されているのだが、この称名の滝下流でも同じことが行われていた。歩道とは別に、二重三重に工事用車両が通行する道路が用意されていて、あちこちで土木工事が行われていた。

上流でしっかりと川の流れをコントロールしておかないと、大雨が降った後などには下流域に甚大な被害がでてしまう。何しろ、このあたりの川はどれも源流地点から河口まであまり距離がない。ストーンと一気に高度を下げるタイプの川ばかりで、ものすごい急流となる。何かがあったら、大変だ。

こういうのを見ると、人間ってなんて必死な生き物なんだ、と思う。必死に大地に逆らうけど、結局は勝てない。この治山事業だって、いずれ日本の人口が減少していったら、放棄されることになるのだろう。

称名滝解説

称名滝は、立山にその源を発する称名川の流れが立山の大噴火による溶結凝灰岩をV字型に150米も深く侵蝕した称名廊下の末端から落下する大瀑布である。

この滝は、四段に分かれ、第一段は40米、第二段は58米、第三段は96米、第四段は126米で、これが連続して一条の滝となり、最上部の瀑流落差30米を含め、その全落差は350米を有している。

また、直径約60米、水深6米の滝壺に落下する水は、すさまじい自然の力を誇示している。
称名滝を含む称名渓谷は、自然景観に優れ、学術的価値も高く、又保護すべきものとして、国の名称及び天然記念物に指定されている。

驚いた。滝も天然記念物になるのか。

滝が近づいてきた

滝が近づいてきた。

ざー

という音は前方から聞こえてくるのだが、何が何だか、もう。

この写真、滝から200mたらずのところから滝方面を撮影しているんだけど、ごらんの通り。

一面の真っ白世界。

僕らの頭も真っ白。

滝見台

平坦な道ならともかく、さりげなく、しかし確実に疲れる坂道なので「どこでけりをつけて引き上げるか」ということばかりを考えながら歩いた。これだけの霧だと、どう考えても絶望的だ。滝壺間近に近づいても、きっと滝を見ることはできないだろう。そもそも、これだけの巨大な滝を見るのであれば、ある程度距離をおいて見ないと全貌がわからない。この霧だと、どうにもならないことくらい想像すれば簡単にわかったことなのだが・・・。

引くに引けず、結局行き止まりである「滝見台」までやってきた。うん、案の定まったく見えない!

滝見台には、滝が見えないのを覚悟の上でわざわざ駐車場から歩いてきた観光客がちらほらいた。みんな、一様に「やっぱり見えなかった!今までの徒歩は何だったんだ!」と大笑いしていた。もう、ここまで来ちゃったら笑うしかない。

記念?撮影

「称名滝」と書かれたプレートの前で、記念?撮影。

ちょうど正面に滝が見えるはずなんだけどねえ。

いや、そもそも晴れていれば駐車場からでも滝は見ることができたんだけどね。(へべれけ紀行#001を参照)

「心の目でみたことにしよう」

といいつつ、滝があると思われる空間をぎっ、とにらみつけた。

すぐ間近に滝があるはずなのに、これだけ近づいているのに全く滝があることに気づかない。それくらいの霧だ。晴れていれば、滝壺から舞い上がる水しぶきにびっくり、なんていうシチュエーションなんだけど・・・今じゃ、体中どこでも霧でびっしょりだ。

微妙な顔

「・・・・」

何だか煮え切らない状態で、引き上げる。こうなることはわかっていたのだが。

「アワレみ隊企画らしい、といえばらしいよな。最後、きっちりとオチをつけるという」
「オチたか?まあ、このトホホな状況をオチとみるかどうか、だな」
「愛本刎橋にしろ、称名の滝にしろ、ラスト2でメロメロ」
「煮え切らないまま第二弾に続く、というわけか」
「待て。第二弾は称名の滝から再スタートか?」
「・・・えー。いいんじゃないのか、ここはもう。満喫したってことで。次は別のところからスタートしようぜ?そんなこと言い出したら、高山朝市ももう一度ってことになっちまう」
「うわ、それはやめておきたい。高山と称名の滝だけで1日食ってしまうではないか」

称名滝展示館

駐車場脇に、「称名滝展示館」という施設があったので、そこであらためて滝のお勉強。

「見ろ!これが滝の全貌だ!これが本当は先ほどの滝見台で見えたはずなんだよ!」
「山の輪郭すら見えなかったけどな。そうか、こうだったのか。じゃ、これで滝を見たってことでいいね?」
「いいよ。何も問題ない。要は満喫できたかどうか、だから」
「満喫したね?」
「したよ。もう十分。これ以上ないくらいに」

適当だ。称名滝はいい滝だとは思うが、この企画第二弾の時にはもう勘弁してくれ。

富山駅

最後、富山駅まで送ってもらって、解散となった。

しぶちょおは広島に帰省、そしておかでんは東京へ。

富山駅から、ほくほく線に乗って越後湯沢経由で帰った。正味4時間足らずで帰宅。近いもんだ。

第二回・・・?やるの?

4日目夜の段階では、「こりゃもうパート2をやるしかあるまい」という雰囲気だった。しかし、今日、朝から夕方まで走り回っても3カ所しか訪問できなかったのはちょっとやる気に陰りを招くでき事だった。しかも、「現存していない愛本刎橋」「てくてく歩いたけど全く見ることができなかった称名滝」と立て続けにダメージを食らってしまったのも、やる気ダウンの要因だ。

次回、やるのぉ?

まだ現時点では、わかっていない。やるとしたら、悔しいけど称名滝から再スタートだ。わざわざ富山まで繰り出して、そこからスタート!その面倒臭さを考えただけで、ますます「次回はもうないな」という気はしている。

アワレみ隊日本三大巡りの旅~最終結果

要した日程:4泊5日
出発地:埼玉、終了地:富山。
埼玉→東京→神奈川→千葉→茨城→栃木→群馬→新潟→長野→群馬→山梨→静岡→愛知→三重→愛知→岐阜→石川→富山
「日本三大」満喫数:33カ所34名所(中田島砂丘と南遠大砂丘をダブルカウント)
「日本三大」種別毎クリア数:4(名湯、トンネル、奇橋、朝市)
未完「日本三大」地点:31
未完「日本三大」種別:18
つづく・・・?

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