珈琲屋OB-003

『ぱいんじゅーす+モーニング』
(東京都足立区西保木間)

過去2度訪問し、感動すら覚えた喫茶店「珈琲屋OB」。悪ふざけ感が全面に出ているお店だと、「その手には乗るか!」という気持ちになるのだが、このお店は絶妙にそういう印象を与えていないから好きだ。たまには無理矢理でも機会を作って、訪れたい場所。

#0039 珈琲屋OB-001

#0039 珈琲屋OB-002

今回、このお店にはモーニングがあるということを知り、休みの日の朝にお出かけしてみることにした。

メニュー

ボリュームの多いパフェやドリンク目当てに若い人が大勢やってくるお店、というイメージだったけど、休日の朝は常連のとっつぁんやマダムが主体。お店に備え付けのスポーツ新聞をお互い譲り合いながら読んでいるのが印象的。客同士が「よっ」「おう、おはよう」とあいさつしあっているし、店員さんとも親しくあいさつをしている。

お店のお品書きを見ると、昔の「木の板」からラミネートされた紙に変更になっていた。いろいろ改変を繰り返しているうちに、さすがに木の板では修正ができなくなってきたのだろう。

モーニングサービス、という文字が見える。

開店から11時までの間なら、ドリンクを注文すれば「とーすと&ゆでたまご」が無料でサービスされるのだという。

名古屋の喫茶店のように「無料」なのだな。これはすばらしい。「モーニング時間帯は安く食べ物と飲み物をセットにできます」というのとは違う。

モーニング

せっかくだから、量が多いドリンクにしたい。

どれが多いのか、メニュー上でははっきりと明示されていない。なので、「値段が高いドリンク」を選んでみた。値段が高いということは、当然量が多いはずだ、というバカでもわかる論理だ。

頼んだのは「ぱいんじゅーす」。630円。

で、届いたのがこれ。

相変わらずの、ピッチャー風のガラス容器に入っての登場。堂々としている。

そしてその横に、6枚切りと思われるトースト1枚と、ゆで卵。シンプルだけど、こちらも堂々としている。

スプーンが出てきた

朝だから体を温めて・・・なんて言わせない。氷どっさりのぱいんじゅーすは、飲んでいるうちに体を心底冷やしてくれる。冷えた体を温めるために、トーストをかじる。いや、トーストでは体は温まらない。

周囲を見渡すと、常連さんたちはみな一様に300円の「ぶれんど」や「あめりかん」を頼んでいた。この値段でとーすととゆでたまごが食べられるなら、大変にお得だ。間違っても、氷をガラガラといわせながら冷え冷えしたじゅーすを飲んでいる客はいない。

隣の常連さんから、「お兄ちゃん、何飲んでるの?すごいねえ」と声をかけられた。朝の時間帯、こんなものを頼むやつはいないのかもしれない。

そういえば、先ほどからガラガラと氷を鳴らすのに使っている金属棒、これはなんだろう?

引っ張り出してみたら、スプーンだった。パフェ用のものらしいが、単なるストレートぱいんじゅーすである私の飲み物には不必要なものだった。いや、「氷をガラガラ鳴らすため」のものか。

モーニングの時間が過ぎ、昼頃になると若い女性たちが客層として増え、大きなパフェを前に歓声をあげていた。いずれはおっさんおかでん、あのパフェを頼んでみなければなるまい。そしてまた、常連のとっつぁんに「何それ?」と言わせてやりたい。

(2016.12.18)