「山」なのに「人波」にもまれる俗っぽい登山【高尾山】

2012年のゴールデンウィークをノープラン(略してGWNP)で迎えたおかでんは、「それで本当に人生ハッピーなのか?」と自問自答をしていた。どこかに出かけなくちゃ!休みがもったいない!でも、どこに?悶々としているうちに、どんどんお休みの残日数が減ってくる。どうしたもんかな、と考えながら家でゴロゴロしつつビールを飲み、また一日が過ぎていく。ああ、いかんなあ。酔うとますますどうでもよくなってくる。

こういう時、車が手元にあれば「ちょっくらドライブがてら遠方にでも行こう」という話になるのだが、あいにく車は昨年に手放してしまった。というわけで行ける場所は近場限定となる。「蕎麦屋に行って、昼酒+蕎麦」でも、と考えたが、なんだか昼間っから酔っぱらうのも面倒くさいし、なによりも不健康っぽい。もっと健康的な何かをしてみたい。

そこで思いついたのが高尾山だった。ミシュラン・グリーンガイドにも紹介されている観光スポット、として名高い。そんなグリーンガイドは見たことも読んだこともないのだが、なんかいつの間にか権威になってしまっているので、まあいいや。それはともかくとして、高尾山だったら交通の便は至極だし、日帰り登山が余裕でできるし、何よりも近場だし。今回旅先に指名するには最適な場所だった。

ターゲットとなった高尾山だが、途中まで登って下山したことは何度もあるが(高尾山ビアマウントオフなど)、山頂まで行ったことは一度もなかった。今回、山頂まで行けば初登頂ということになる。よし、ここにしよう。今年のゴールデンウィークは高尾山で決まりだ。

2012年04月30日(月)

高尾山口駅

09:57
京王線の高尾山口駅のホームを降り立ったら、既に人がいっぱい。ホームからあふれそうだ。平日朝の通勤ラッシュと見まごうばかりの人、また人。一体何があるんです?

「なぜ山に登るか、と聞かれたら、『そこに山があるからだ』と答える」というセリフがあるが、ここには「そこに山があるから」な人がなんと多い事か。あ、自分もそのうちの一人か。

1号路入り口の警告

10:12
高尾山には登山道が1号路~6号路、稲荷山コース、と合計7本ある(高尾山口方面から見て)。さて、どこから登ろうか。

さすが登山客がいっぱいいる高尾山。上記登山道のほかに、山の中腹までケーブルカーとリフトも運行されている。楽して途中まで行きたい人は、ぜひどうぞ。

おかでんの登山パターンとしては、「楽に登れるなら楽してしまえホトトギス」。ケーブルカー乗っちゃいなYO!というささやきが頭の片隅に聞こえる。でも、高尾山自体がそれほど標高が高い山ではない(599m)ので、そのまま徒歩で登ってしまえジュウシマツ。高尾山登山のメインルートである1号路で登っていくことにした。

緑の一号路

10:17
一号路は道がよく整備されていて、舗装までされていた。というわけで一見楽勝に見えるルートなのだが、結構傾斜がきつい。うっかりにおにぎりとかミカンを落としてしまったら、そのままコロコロと麓まで転がっていきそうだ。

なるほど、これで納得がいった。なんでケーブルカーおよびリフトが高尾山の中腹までしか動いていないのか、ということに。この高尾山、中腹までが結構きつい傾斜になっていて、そこを過ぎれば傾斜が緩むのだろう。だから、一番きつい山麓から中腹までケーブルカーとリフトで楽ができる、というわけだ。

途中から地面が見える道になった

10:33
さすがに途中から舗装ではなくなり、地面が見える登山道になった。結構な数の人が歩いているわけだが、人の歩みで「わだち」ができてしまわないのか心配になる。

歩いていると、あちこちで「山ガール」の姿を見ることができた。そうか、噂には聞いていたが、実在するのをわが目で確認したのは初めてだ。この山ガール、一体どこら辺に出没するのだろうか?やっぱり高尾山みたいに低山で日帰りができるところが主な出没エリアなのだろうか。

山ガール目当てで登る山ボーイ、というのは実在するのかどうか気になる。「山おっさん」なら結構いるのだけど、若い男性っていうのはあまり目にしなかった。いまどきの若者は一体どこで何をしているのだろう?

眼下の景色

10:34
結構標高を上げてきた。今日は曇りで見晴らしがあまりよくないが、結構風光明媚であろう場所まで登ってきたぞ。

心の目で絶景を満喫する。・・・といっても、頭の中でひらめいたのは新宿副都心のビル群の風景。あまり絶景とはいえないな、これでは。

ケーブルカー乗り場は大混雑

10:50
ケーブルカーとリフト乗り場に到着。ケーブルカーとリフトは併走しているわけだが、料金は同じ片道470円。その時の気分に応じて乗り分ければよろしい。

それにしてもすごい人だ。代々木公園目指してデモ行進をやっているような状態。ちょうど前日夜、テレビ東京系列の「もやもやさまぁーず2」で高尾山が紹介された、というのも人の多さの要因だろうが、それを差し引いても人が多い!さすが高尾山・・・というかメガロポリス東京。

このすぐ近くにある展望台は、夏期の間だけ「ビアマウント」としてビアガーデンが営業される。「ビアガーデン」が日本語に訳すと「麦酒庭」なら、ここは「麦酒山」なのでビアマウント、というわけだ。ナイスなネーミングだと思う。もし今日が夏だったら、登山は中止にしてビアマウントでビールぐびり、というのも良かったかも。でも、お一人様ビアガーデンって相当ハードル高いな。さすがのおかでんでもやってみたことはないし、やろうとしたことすらない。

サル園・野草園

10:56
道中、焼き団子の屋台などがある。今朝から何も食べていないので団子でエネルギーチャージをしたかったのだが、団子にも行列ができていたのであきらめた。まあ、山頂に行くまでまだお店は何軒かあるだろうから、そこで食べればいいさ。人でいっぱいの高尾山だ、茶屋については心配いらないだろう。

サル園・野草園があった。登山客がここに立ち寄るのだろうか?それとも、「山に登る気満々だったけど挫折した人の収容所」なのだろうか?なぜこの地にサル園があるのか、謎だ。

たこ杉

10:57
たこ杉、という木がある。なんで杉なのに蛸なんだろう。あ、ひょっとして「蛸」ではなく「凧」なのか?いや、でも、空高く舞うようには見えないフォルムなんだが。

たこ杉の口

10:58
あ、なるほど。根元のところに、タコの口(漫画でデフォルメされたもの)のようなでっぱりと穴が開いているのだった。これがあるから「たこ杉」なんだな。「美人過ぎる●●」というのが一時流行ったが(「美人過ぎる市議」とか「美人過ぎる海女」とか)、この大木は「タコ過ぎる木」だな。なんでも市指定天然記念物なんだって。

門

11:00
鳥居のようなものが見えてきた。そうだった、この先には薬王院というお寺があるんだっけ。サル園があったと思ったら次はお寺。いろいろ飽きさせないものだな、高尾山という山は。こういうところが「ミシュラングリーンガイド」に評価されたのだろうか?

男坂と女坂の分岐

11:04
ここから道が分岐している。「男坂」と「女坂」の二つに分かれていて、どちらを通って行っても山頂に通じる。この先にある薬王院が女人禁制であり、女性は「女坂」を通ることしか認められていない・・・というシチュエーションを想像してしまうが、もちろんそんなことはない。見ていると、どっちの登山道も男女まんべんなく歩いていた。

階段があるのが男坂

階段がないのが女坂

11:04
写真上:男坂。別名「百八段階段」。写真下:女坂。

階段をえっさえっさと登って、「短距離だけどキツい上り坂」なのが男坂、坂だけで構成されていて、楽だけど大回りというのが女坂ということらしい。

ここに来て思い出した。そういえばおかでんが幼稚園の時、家族に連れられて高尾山に登ったことがあった。その時は女坂を登って、途中でおかでんがあまりの辛さに泣き出して登山終了Uターンとなったはずだ。子供にとって、なんでこんなしんどいことをしなくちゃならないんだ、って理解できなかったんだ。山頂にたどり着いたとしても、何かご褒美がもらえるわけでもないし。そんな少年が成長し、おっさんのおかでんが今こうして高尾山に登っている。しかも自発的に。どうしてこういうひねくれた大人に成長しちゃったんだろうね。我ながら不思議。子供おかでんの思考の方が、非常に素直だと思うんだが。

今回のおかでんは男坂を登る。ワイルドだぜ~。

茶屋が並ぶ

茶店の店頭

11:09
階段を登り切ったところには茶屋が並んでいた。おめあての焼き団子も売られていたので、買おうかどうしようか悩む。しかし、ここで団子食べたらまったりしてしまい、山頂に登るのが面倒臭くなりそうだ。ゆっくり休めそうな場所もないし、パス。せっかく何かを食べるなら、ビールも一緒に飲みたい。その「何かを食べる」というのが団子で良いのか議論の余地がある、というのもパスした理由の一つ。団子でビールが飲めるか!団子といえばほうじ茶あたりが相性よろしいに決まっているだろうに。

チューチューワイン

11:10
団子を売っている茶店の傍らで見つけた面白いもの。

「チューチューワイン」。ウィダーインゼリーみたいな容器に入っているワインだ!これなら立って飲んでも大丈夫、登山しながら飲んでもこぼれない!画期的商品かも。ちなみに200gで400円。

おかでん、買え!買っちゃえ!珍しいね、と感心するならとっとと買え!

一昔前のおかでんなら確実に購入していたはずだ。しかも、赤ワインだけだとバランスが悪いから白ワインも、なんていいながら2本購入とか。しかし、結局両方とも買わないところが老衰著しい2012年度バージョンおかでん。「ビールと違うんだぞ。ワインだったら本当に酔うじゃないか」なんて言いながらスルー。スルーしながら「このワインはすっぱいに違いない」と負け惜しみを言っておく。まるでイソップ童話のようだ。

ここまで車は入れるらしい

11:13
建物の傍らに車が停まっていた。そうか、ここまで車で来ようと思えば来れたのか。全部荷物は「強力(ごうりき)」に背負われて運び込んでいるのかと思った。でも、登山道は人であふれかえっているので、車を動かせるのは早朝か日没後だけだろうな。

車の後ろに交通安全祈願のステッカーが貼ってあったが、さすがに高尾山のものだった。そりゃそうだ、成田山だったり川崎大師だったりするわけがないよな。

薬王院の仁王門

11:14

薬王院の仁王門。ここが山の中にあるとは思えない繁盛ぶりだ。高尾山を知らない人に

「ほら、初もうでの写真だよ。でもみんな正月とは思えない軽装でしょ?こういう格好をして参拝するのがこのお寺の流儀なんだよ」

と言ったら、ひょっとしたら信じるかもしれない。それくらい人が多い。

天狗の像

11:15
高尾山は修験道の道場だけあって、薬王院の境内には天狗の像がいくつも立っていた。羽が生えているので、外国人からすると天使のように見えるだろう。でも、天狗の顔はいかついし、鼻がそそり立っているし、なんて汗臭いフォルムのエンジェルなんだ、という感想を抱くだろうな。

天狗注意

11:17
このあたりは天狗がよく出没するらしい。「天狗注意」の標識が出ていた。もし天狗に遭遇してしまったらどうすれば良いのだろう?ビーフジャーキーあげたら喜ばれるかな?

急ぐとも 止まって一礼 ご本尊

「急ぐとも 止まって一礼 ご本尊」

だって。おかでんもその言葉にならって、一礼。「泊まって一礼」せよ、と言われたらちょっと困ったカモ。

石段に行列

薬王院

11:20
御本堂は大混雑。そして、奥之院を経由して高尾山山頂へと向かう道は渋滞のため立ち往生するというありさま。いくらゴールデンウィークといえ、こりゃあんまりだ。一体高尾山はどれだけの人が一日にやってくるのだろう?ますますその疑問が膨らんでいく。




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