
あれもこれも目移りするけど、悩んでも始まらない。えいやっとチョイスした。
買ったのは以下の商品。
・ハーフポンドリブアイステーキディナーセット(コーン、マカロニサラダ、ミネラルウォーター付き) \1,250
・ハーフポンドチリドッグ(ミネラルウォーター付き) \800
・ジャンボターキーレッグ(ミネラルウォーター付き) \1,100
一気にミネラルウォーター3本ゲットだぜ。いらんいらん、そんなにいらんわ。
ターキーレッグは事前情報がなかったし、買うつもりはなかった。でも、行列に並んでいるときにこいつを買っている人をみかけ、そのこん棒のようなサイズにびっくりした。だから買った。一度見てしまったら、買わずにはおれんだろうさすがに。

なにしろこのサイズだ。
これで人を殺すことは多分できると思う。食べ物じゃないな、「鈍器」だ。
こういうのをむしゃぶりつくって、さすがアメリカ人野蛮だぜ。農耕民族日本人の発想にはないワイルドさだ。

ジャズの生演奏が大音量で鳴っているステージ近くに座り、食事をする。
音量が大きすぎて、お互いの声が聞き取りにくい。彼らの演奏が終わったら、「よくぞ終わってくれました」と違った意味で拍手を送ってしまったくらいだ。
ちなみに演奏は日本人だった。どこかの大学のジャズ研究会だろうか?
それはともかく、問題のターキーレッグ。パサパサだなこの肉。ビーフジャーキーを食べているみたい、といったら言いすぎだが、喉がやたらと渇く食べ物だ。で、筋が肉の内部あちこちに潜んでおり、鶏肉のような素直さがない。食べにくい。
なるほど、七面鳥が日本では流行らないわけだ。これをクリスマスに食え、と言われたらちょっと面倒。アメリカ人がびっくりする、「日本人はクリスマスにケンタッキーフライドチキンを食う」というのは納得といえば納得だ。

リブアイスステーキ。ハーフポンドだから200グラムオーバー。「屋台で提供される」肉としては明らかに量が多い。「どうだこの野郎」感が素晴らしい。われわれは感動に打ち震えた。さっきのターキーレッグもそうだが、「日本では普通ありえない」料理がこうも簡単にガツンガツンと出てくるのは、さすがアメリカ、さすが基地としかいいようがない。
苦労してでもこの地を訪れた甲斐があった、というものだ。
肉は、筋だらけとか硬くて噛み切れない、といったことはなかった。鉄板の上で雑に焼いてるっぽかったけど、ご覧の通り火の通り具合はとても良かったと思う。さすがバーベキューの本場アメリカ、ということか。
とうもろこしの輪切りがついているところがいかにもアメリカンだし、いいぞいいぞ、こうあるべきと思っているものがすべて具現化されてる感じ。

チリドッグ、中身がみっちり。
パンの密度が濃いし、ソーセージもぎゅうぎゅうに詰まった感じ。それに加えてチリがどっぷりとかかっているのだから、食べ応え十分だ。味も濃いし。
これだけでもおなかいっぱいになれる。
大満足して、食事を終えた。しかし、基地に到着早々おなかいっぱいになっちゃったけど、これでいいのだろうか。

スターバックスがワゴンでお店を出していた。
こんなサービス、あるんだ!
さすがにメニューは限定されていたけど、「基地内でスタバ」というもの珍しさでここも行列ができていた。
なんか限定ドリンクがあったような気がするけど、忘れた。


やたらごつい消防車がドヤ顔で展示されていた。
なんだこのバンパーのデカさは。デコトラ並だ。火事で崩れ落ちた建物の瓦礫に突撃でもする気だろうか。
基地内限定の車だけど、ちゃんとナンバープレートはつけられているんだな。でも、「U.S.GOVERMENT」「FOR OFFICIAL ONLY」「NAVY」といった文字がプレートには書かれてあった。

基地の中を散策してみることにする。
奥深くまでは侵入できず、主に居住区とされているエリアだけ公開されているようだ。細長く、基地の中を歩くことができる。
基地のごく一部しか公開されていないはずなのに、それでも相当広い。
入ってはいけないところがあちこちにある。でも、銃を持った兵士が立って警備しているようなことはなく、結構のんびりとした雰囲気だ。

道路脇の芝生エリアで、迷彩服を着た兵士が2名、機関銃を操作していた。
ポーズを決めて見せたり、機関銃をばらしたり組み立てたり。
みんなものめずらしくて立ち止まってその様子を眺めていた。
兵士の脇には弾薬箱があり、「よろしければチップをお願いします」という紙が。
おかでんは大層よろしかったので、チップを払った。
そうかー、兵士はこういうところでお小遣い稼ぎをするのだな。
ちなみに、「子供が機関銃を手に記念撮影していた」ということを問題視する市民団体が出てきて、後日ちょっとした新聞沙汰になってたな。別にいいじゃねーかと思う。こういうのも「軍靴の音が聞こえる」とかなんとかいうのか。そんなん、基地側の問題じゃなくて、基地内にわざわざ足を踏み入れた人の問題だろ。

マットを敷いて、くんずほぐれつを展開している隊員もいた。
きゃははは、と歓声が聞こえる。
「やーめーろーよー」
「よぉーし、今度はボクが相手だ!」
やめろやめろ、変なBL的妄想をするのはよせ。
鬼教官みたいな人がいて、襲い掛かってくる生徒ども次々押さえ込んでいた。でも、へとへと。何しろ、8月頭という一年で一番暑い時期に、炎天下だ。いくらマッチョイズム全開の軍隊とはいえ、これはきつい。
若干動きが緩慢になってきていたので、「よし!今がチャンス!俺がお前をなぎ倒す!」とおかでんが乱入してもよかったが、たぶんボコボコに倍返しされるだろうな。で、基地内で軍人に手を出した、ってことでアメリカで軍法会議にかけられたりして。


さすがに建物の中にズカズカと入ることはできない。
建物の作りが、「日本の建築文法」とはちょっと違ったロジックなので、外見からそれが何の建物なのか類推することが難しい。
二人を悩ませたのが、この建物。
「コモドール マシュー・C・ペリー/ジェネラルメス」
と書かれている。何だこれ。
もちろん中には入れないし、近寄れないように手前のところで立ち入り禁止のテープが張られている。
「銭湯かしらねー?」
通りすがりのおばちゃんが無責任な推理をする。いや、さすがにそれはないだろう、アメリカ人だぞ?銭湯には入らないぞ。
後になってよこさんが調べてくれたのだが、「ジェネラルメス」というのは隊員食堂のことだったらしい。あ、そうなんだ。で、「マシュー・C・ペリー」というのは、皆さんご存知、ペリー提督のこと。そうか、黒船来航に日米の歴史は端を発しているわけで、そのありがたい名前を隊員食堂に頂戴した、というわけか。
入り口には、宝船に乗る七福神と、日米国旗の絵が描かれていた。面白い。

建物内に入れないので、お手洗いは屋外に設置された仮設トイレということになる。
当たり前だが、全部洋式。おお、やっぱりアメリカだもんな、とこういうことにさえ感心する。でも、それよりももっと感心したのが、仮設トイレの脇には手洗い場が用意されていたということ。ご丁寧に鏡付きだ。日本って、こういうのはありそうでない。やっぱり軍隊だから、衛生管理は徹底しているのだろうか?

広い駐車場がある。基地そのものが広いので、車で移動することも多いのだろう。
そのあたり一帯が、なにやら煙で満ちている。そして、肉が焼けるアメリカンな匂いも。
あれっ?ここでもたくさん屋台が出ていて、肉をバンバン焼いてるぞ。
てっきり、さっきわれわれが食事をしたテントだけが、アメリカン屋台なのかと思っていた。でもそれは早とちりで、実際はこの基地内いたるところで屋台があるのだった。食べるところは本当に困らない。というか、多すぎて困る。
われわれが食べたところは、オフィシャルな屋台のようだ。で、それ以外の店は、やりたい隊員がやりたいようにやる、個人経営のお店っぽい。



肉を焼きまくるアメリカ人たち。
たくさんお店があるのだから、もう少し奇をてらってもいいのに、多くの屋台がうれしそうに肉を焼いていた。この人たち、肉を焼きたくて仕方がないんだなきっと。


より大きいポテトチップの袋、パレットごと山積みされている巨大ゲータレードボトル。
やっぱりやつらはスケールが違う。こんな物量作戦の国と戦争して勝てるわけがない。しかも竹槍で戦おうとしていたんだから、無謀にもほどがある。
もし北朝鮮の軍人がこのお祭りを見たら、衝撃と羨望と空腹と絶望で失禁して卒倒するに違いない。こんな国を敵国とするなんてむちゃだ、と思うことだろう。中国国境の川を渡ろうとして銃殺される人続出だな。


がっつり焼かれるTボーンステーキ。
単なる「ステーキ」が売られているのではなく、Tボーンステーキが売られているあたりが肉食の国の屋台って感じでいい。こういうこだわりは、日本ではあまりない。
店頭では、もぎった食券が貼り付けられてあったのだが、そこには「medium」「well done」という記述があって、どちらかにチェックをつけるようになっていた。なんと、この屋台は焼き方の指定ができるのか。やるぅ。

店先に何かポンプ付の大きな箱があるので何かと思ったら、マスタードとケチャップのボトルだった。これで好きなだけYouの味付けにしちゃいな、ということだ。スケールがでけーないちいち。

とにかく、基地中いたるところがゲータレードだ。
ゲータレード(を製造販売するストークリー・ヴァンキャンプ社)は米海軍と独占供給契約でも結んでいるのではないかと思った。それくらい、ゲータレードだらけだ。
でも、ごく一部、コカコーラを売っている屋台も存在したので、決して「ゲータレード以外売ってはいけない」というわけではないようだ。
つまりは、アメリカ人は激しくゲータレードを愛している、っていうことだ。
ちなみに、ゲータレードは世界シェアNo.1のスポーツドリンクなんだそうだ。アクエリアスでも、ましてやポカリスウェットではない。

ジャンボターキーレッグは、先ほどわれわれが食べた屋台のスペシャリテだと思っていたのだが、さにあらず。あちこちの屋台で売られていた。どうやら、アメリカではあの「鈍器」は当たり前のようにバーベキュー屋台で取り扱うブツらしい。
ちなみに、参考までにこのお店のメニューは以下のとおり。
ジャンボターキーレッグ \1,000
鶏の串焼き \600
リブアイ串 \600
ハーフポンド フットロングフランクフルト \600
生ビール \350
缶ビール \300
ゲータレード(700ml) \200
ミネラルウォーターもしくは缶ソーダ \100
ほかのお店も大体この相場感は守られていた。長い歴史があるイベントなので、回数を重ねるうちにどこのお店も横並びになっていくのだろう。
「うちはいい肉を使っているので割高だぜ」
みたいなお店は、ざっと見た限り見当たらなかった。
そういえば、「◎◎牛使用」みたいな、産地表記をしている銘柄肉のお店は皆無だったな。アメリカ人の場合、そういうブランドはどうでも良いものらしい。
「\100=$1」という記述がメニューにはあったので、おそらくドル払いも可能なんだろう。ちょうど為替レートがお会計に都合が良かった相場タイミング。

勝手連的な屋台があるだけでなく、オフィシャルな屋台もあちこちにある。
オフィシャル屋台は、ネイビーフレンドシップデーのロゴとともにきれいに作られたメニュー表が店頭に張り出されている。だから、どういうものが売られているのかに興味津々なわれわれにとってはとてもありがたかった。
なにやら行列ができているお店がある。「クラブアライアンス」というお店だ。右サイドは、「アメリカンスタイルバーベキュー」のお店で、左サイドには「シャーキーズバー&ブルワリー」とお菓子を売る店(無名)があった。
「クラブアライアンス」でネット検索してみたら、メインゲート脇にあるクラブの名前だった。つまり、基地内で実店舗を持っているところが、今日にあわせて屋台を出している、ということだ。
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