食べてばっかりというわけにもいかないので、しばらく散歩してみることにする。先ほどまでは各国ブースのメニューばかりに目がいっていたが、もう少し視野を広げてみよう。
先ほどの蒙古飯の店員さんたちは、モンゴルの民族衣装を着ていた。青とオレンジのコントラストがとても鮮やかできれいだ。
このお店はとても長い行列が絶えなかったので、結局どんな料理があるのかさえ知らないまま一日を終えてしまった。モンゴル料理って何だ?羊料理と牛乳を使った料理かな。
こちらはベトナム語学科。
おー、女の子たちがアオザイを着ている!
体がすらっとして見えて(実際にもすらっとしているのだろうが、さらに、という意味)、とてもきれいな服だ。もともと南国ベトナムの服なので、この季節に日本で着るにはちょっと寒いと思うのだが、よく頑張っていると思う。
各国料理を舌で楽しむ他に、目で楽しむことができる。五感に訴えかけるねぇ。
おっと、この横断幕の色は。ロシアだな。
なにやら女子高生ルックをした売り子さんが客引きをしていた。ありゃ一体なんだ?自分とこの妹を連れてきて、お手伝いさせているのか?
・・・あー、わかった。TaTuだ。
このロシア語学科のお店の前には、マトリョーシカ(ロシアの入れ子式こけし)をかたどったメニュー看板が。とっても可愛い。そうか、メニューって、ロシア語ではこういうスペルになるのか。
ロシアといえば、やはりなんと言ってもボルシチ、ピロシキ。そのほかにも、ロシア風水餃子のペリメニ、クレープのブリヌイなどが用意されていた。
・・・おっと、忘れちゃいけない、メニュー欄の一番下には、ウォッカの文字が!そうだよな、ロシアといえばある意味最も有名なのがウォッカだ。ウォッカをベースにしたカクテルも各種用意されているらしい。
トルコ語ってあったんだ。知らなかった。
トルコ語学科は、「世界三大料理の一つ」であることを高らかに宣言し、「たべてイスタンブール」というなんとも脱力系な店名で挑んでいた。
ちなみに世界三大料理とは、フランス、中国、トルコ。
トルコ料理って「世界三大料理」という割には日本人に馴染みが薄く、「えっと、シシカバブ?」という程度だ。
ということで、お勉強タイム。トルコ料理の代表的なものを列記してみましたー編。
キョフテ:トマト味の肉団子
チョルバ:トルコ特有レンズ豆のスープ
シガラボレイ:チーズとパセリのトルコ風春巻き
ストラッチ:米を牛乳で煮た甘くておいしいデザート
ぬぅ、実物を見てみないことには全然想像できないし、名前すら覚えられぬ。
でも、「世界三大」と言われつつもここまで知名度が低いというのはちょっと異常。いずれ、出遅れ銘柄として一気に急浮上して人気を博すかもしれないので、今のうちにトルコ料理に精通しておくと相当格好いいかも。
シシケバブを焼く学生さん。
んー、端から見ると休日のバーベキュー、としか見えない。
イタリア語学科は、どうしても割を食ってしまった感じがする。メニューはミートソースやアラビアータ、ティラミスなど。イタリア料理はメジャーすぎて、日本の一般家庭にも浸透しすぎていて、「今更この外語祭で食べなくても」という気にさせられる。
僕も当然、スルー。
あ、でも後になって気づいたのだけど、ここでワインを飲みつつ、ブルスケッタ(2種類で150円)を楽しむ、というのはゆったりと時間を過ごす上で楽しいかもしれない。
建物の中に侵入してみたら、そこは学食だった。メニューが張り出されていたので、思わずこちらも激写。
何だぁ?最近の学生はええもん食っとるのぅ。ハンバーグステーキ336円。海老フライ294円。さすが学食、値段は相当に安い。ほうれんそうのおひたしやひじきといった小鉢は52円だし。
こういう食事に慣れ親しんでしまうと、外食って凄く高く感じるだろうな。そういえば僕も、学生時代って外食はほとんどしなかったなあ(居酒屋を除く)。せいぜい、松屋やガストくらいだった。それを考えると、今の生活ってぜいたくになったもんだ。
いやいやちょっと待て、学生といってもぜいたくだぜ?何だこりゃあ、「北海道うまいものフェア」だって?学食なのにフェアやっとるのかね、最近の大学生協は。
札幌ジンギスカン399円お皮切りに、鮭親子丼504円!おい、500円オーバーの丼なんて注文するリッチな学生っているのか?・・・いや、最近の学生さんの懐事情は詳しくないので、これくらいは余裕なのかもしれないけど。僕が学生の頃は、学食にかけていたコストって400円前後だった記憶が・・・。30円のみそ汁をつけるかどうかで悩んだ末つけない、っていうような状況だったわけで。
それにしてもほっけの開き189円っていうのも安いねえ。まあ、腹ぺこざかりの男子学生は魚よりも肉!って感じだとは思うが。へぇー、ほぉー。
引き続き、世界食べ歩きの旅に戻ろう。
見ていて気づいたのだが、この模擬店はなんといっても「持ち歩いて食べることができる気軽な料理」が好まれるようだ。どっしりと腰をおちつけないと食べづらいもの・・・例えばご飯物・・・などは、あまり流行らない。僕自身、「アレも食べたい、これも食べたい」という気持ちが強く、ゆっくり座って食べるものやおなかに溜るものというのは有り難くない。
あと、既に日本において著名な国の料理もそれほどウケがよくないような気がする。先ほどのイタリア料理もそうだったが、今目の前にしているインド料理屋もそう。「カレーねぇ・・・外語祭にまできてカレーっていうのもイマイチ新鮮味がないねぇ」というのが一般的な認識だろうか。
とはいっても、インド料理はカレーばかりではない。むむ、サモサとかシャリマティーという見慣れないメニューもあるぞ。特に解説があるわけでもなし、一体どんな料理なのかがさっぱりわからない。
えーい、サモサ150円と揚げチャパティー100円、買っちゃえ。2品買って250円。お安い。
こちらが揚げチャパティ。
チャパティといえば東南アジアからアフリカまで広く食べられているパンの一種。・・・いや、厳密に言うとパンではないかもしれない、小麦粉を薄くのばして焼いたものであって、イースト菌が入っていないから。インドでは主食に近いんじゃないかな。
この揚げチャパティ、バターが添えてあった。スナック感覚で食べる主食って感じ。
この蕎麦の実みたいな格好をした揚げ物がサモサだった。
インド風コロッケ、といったところか。
こんな揚げ物天国を見てしまったら、がぜんビールを仕入れたくなった。インドのお店はビールが400円とちとお高かったので、別の店を物色。すると、フィリピン語学科ではサンミゲルが300円であることを発見。サンミゲルは特段珍しくないビールではあるが、まあいいや。ただ、ビールだけ買うというのは何だか飲んべえチックで恥ずかしかったので、フィリピン料理も物色してみることにする。
学生さん、販売に力を入れていて、遠巻きに物色している人にもメニュー表を手渡していた。注文待ち行列をスムーズにさばくための工夫でもあるし、メニューを手にしちゃった以上何か注文しなくちゃ、という気にさせられる強制力もある。うまい商売だ。
フィリピン料理って全然知らなかったのだが、いろいろあるもんだな。アロスカルド?パンシットモロ?初めて聞く名前ばかりだ。
結局、パンシットビーフン200円を購入した。
戦利品を並べてみる。おお、豪華?だ。
これ全部で750円。拍手!
「では首検分じゃ」
といいつつ、サンミゲルをぐいーっと。
あともう一週間、二週間もすると寒くて外でビールなんて飲めない季節になるんだけど、今日はぎりぎりセーフだ。天気が良かったこともあり、それほど寒い思いをせずに、ビールを大変満足しながら頂いたのでありました。
もちろん、各国からの戦利品をつまみながら。
遠くの野外ステージでは、各国学科の学生さんたちが自分の学んでいる国の文化や言葉を紹介していた。それを遠目で眺めつつ、楽しい一時を過ごす。
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