スパイシーな夜を、貴方に。(四川料理/知音食堂)

第03夜:四川料理/知音食堂@東京都豊島区
[2007年09月15日]

前回のスパイシーナイツは池袋のタイ料理屋だったわけだが、「タイ料理=激辛」を期待していたわれわれにとっては「うん、普通においしいネ」で終わってしまい大変に不本意な状態なのであった。

「タイ料理が駄目なら、次はどこへ行けばいいんだ?辛い料理ってどこだ?」

たくさんある料理のうち、「これは辛いヨ」というお国料理は山ほどある。しかし、「全般的にどれを頼んでも辛いやんけうひゃー」というのは、ありそうで案外ない。

「メキシコ料理って辛いのかなあ。あんまりよくわからん」
「でも、タコスとか辛くないし」
「うーん」

そんな会話をしながら歩いて駅に向かっていたら、怪しいお店を発見したのだった。「知音食堂」と書かれている。何が怪しいのかはうまく表現できないのだが、恐らく黄色い看板に赤い字、そしてその字は太字の明朝体というコーディネートが怪しかったのだろう。今時池袋駅すぐ近くで「食堂」という言葉もなんだか怪しい。

店は狭い階段を下った地下一階。中はどうなっているのかさっぱりわからない。しかし、判ったのはここが四川料理の店だということだった。

後日、ネットで調査が進められ、ここの四川料理は本格的であるということ、青島麦酒が280円で飲めるということが判明した。280円?安い。安すぎる。中国料理店で青島麦酒頼むと、大抵500円はとられるぞ。半額近いではないか。それだけでも食指が動いた。むむむ。

20070825-8

このお店を「第三回目のスパイシーナイツ候補店」にすることと決定づけたのは、さかのぼること一カ月前に開催された別のオフ「麦酒飲み人種行動観察会」での出来事だった。

このオフは、2時間まで「樽生」(ビール、と書かないあたり怪しい)が100円で飲めるというお店でしこたま飲むぞ、という会だった。しかし2時間を超えると通常料金に戻ってしまいお得感が無くなるので、われわれもきっぱり2時間で切り上げたのだった。

しかし、「2時間あっという間だったねー、飲み足りなかったねー」という話になり、じゃあ青島麦酒280円で飲めるお店に行くぞ、と酔った勢いでわーっとこの知音食堂に行ったのだった。だから、今回のオフ会の前に既に1度訪れた事がある。

そこで青島麦酒をラッパ飲みし(グラスは出てきたのだが、「スタイニーボトルだ」とかなんとか言って使わなかった)、料理を注文したのだが、おかでんリクエストで出てきたのが写真のこれ。歌楽山椒子鶏。日本語訳では「歌楽山唐辛子と山椒の鳥肉炒め」となっている。

栄えある第一回のスパイシーナイツが開催された老四川で注文した、「辣仔鶏」(鶏肉と唐辛子・山椒の炒め)と同じものと言って良いだろう。しかし、なんなんですかこの赤々とした色あいは。値段が2,880円とべらぼうに高いので何か怪しいと思ったが、大皿にどかんと盛られ、しかも見えるのは一面の唐辛子。

いちめんのとうがらし いちめんのとうがらし かすかなるむぎぶえ

思わず山村暮鳥の詩を詠んでしまったくらいだ。

歌楽山とは四川省にある山だそうで、よくは知らぬが唐辛子の産地なのだろう。わざわざその名前を銘打っている料理ということなので、「本場の唐辛子を輸入して使っているんですよ」ということなんだろう。値段が高いのは、量もさることながら「本場の食材を調達しているから」なのかもしれない。

これのせいでわたくし、丸二日間おなかがしくしく痛かったです。お尻が痛いんじゃない、おなかが痛いんだ。多分、胃腸の粘膜が炎症を起こしたのだろう。

まず1日目は、当日食べた料理のせいで。
2日目は、ビニール袋でお持ち帰りにした残り物の歌楽山唐辛子のせいで。

これぞ究極のスパイシー也。

第一回目で四川料理は体験しているので、本当は「スパイシー世界味巡り」のようなことをやりたかった。しかし、ここまで僕を苦しめた料理を出すお店とは一度お手合わせを願わないと気が済まない。

スパイシーナイツ第三回は、知音(ちいん、と読む)食堂で決まりだ。さあ、行くぞ。

知音食堂へのアプローチ

知音食堂は、「えっ、こんなに池袋駅から近いの?」というところに存在する。池袋自体が雑多な町であり、巨大ターミナル駅の割には小さいお店や怪しいお店がたくさんあるようだ。「ようだ」と伝聞調なのは、ディープ池袋を僕自身がまだ把握しきれていないからだ。

知音食堂は駅の北口すぐ、ちょっと小さめな脇道に入ったところにある。吉野屋のすぐ裏手というところからも、「好立地」であることがわかる。

陽光城

しかしさすがはディープ池袋。

吉野家のすぐ隣には、陽光城という中華食材店が営業をしていた。スーパーで売られているような日本産中華食材ではない。本場から輸入している「ホンモノ」の食材たちだ。値段もめっぽう安い。

前回のスパイシーナイツの帰りがけ、僕はここで具入りラー油と豆豉を購入したっけ。そのときは確か二つで500円程度だったと思う。大瓶だったのに。安い。池袋一等地という地価の高さを一体どう克服しているのか、謎でならない。日本価格にしないで、現地価格に適正利益をのっけました、という状態だ。もうける気がないのか?

しかもこのお店、24時間営業だ。ああ、なるほど、深夜にお仕事をしている中国系の方々もいるので、夜中も営業しているということか。

知音食堂外観

知音食堂看板

さてこちらが本日のターゲット、知音食堂だ。ネットで調べていて気づいたのだが、この近くに「知音食品」というこれまた中華食材を扱っているお店があるんだという。その飲食部門がここ、知音食堂ということになる。後で知音食品に行ってみることにしよう。

看板がなんとなく怪しい。一度来たことあるし、事前にネットで調べているので入ろうという気になるが、この看板で、狭い階段を下りた地下一階というシチュエーションだったら、「通りすがりの人」は絶対に入らないと思う。

しかし、ちゃんと店頭には味のある看板が出ていて一応は客を呼び込む努力はしている。「正宗四川料理」と小さく書かれているのがそそられる。要するに、「うちは正しい中華料理を出すぜ」というわれわれに対する宣戦布告だ。ありがたい、ジャパナイズされた中華料理にはもう飽き飽きしてるんだよ。

知音食堂のお隣には「金王府」という中華料理店

知音食堂の並びには、これまた中華料理のお店があった。しかもここも地下一階にお店があって、ちょっと怪しい雰囲気は同じ。

「延辺料理 北方料理」と書かれている。そのときは何のことか判らなかったのだが、「延辺」とは中国吉林省東部の、北朝鮮に接している一帯を指すという。朝鮮族が多く住んでおり、甘辛酸っぱい料理が特徴なんだとか。辛いものは本当に辛いらしいので、これは次回スパイシーナイツの候補地としておさえておこう。

しかしまあ、直線距離で50mちょっとのところで、中華料理屋2軒に中華食材屋2軒というのはいくら大都市池袋でも高密度だ。しかも、どれも日本人はあまり相手にしていないっぽい雰囲気。池袋では中国系移民が多く生活しているのだろうか(中には不法滞在や就学ビザでの就労もあるだろう)。

知音食堂の営業時間

知音食堂の営業時間を示す看板。

フォントが、日本っぽくないんだよね。基本的には明朝体なんだけど、日本のフォントではありそうでない字体だ。逆に言うと日本人の好みではない、ということだけど。

面白いのは、年中無休だけど曜日によって営業時間が違うということだ。

水-日は素晴らしい事に中休み無しで大絶賛営業中。以前は中休みがあったっぽい余白が気になるが、何らかの事情で通し営業にしたのだろう。しかし、それじゃ従業員が過労死しちゃう、と思ったのか、月・火だけは夜のみの営業になっていた。ご苦労様です。

午前3時までの営業かぁ。よくやるなあ。でも、山手線の始発が動き始める時間までまだ時間があるわけで、微妙な時間に営業をストップするもんだな。この界隈に夜まで勤めていて、なおかつこの界隈に住んでいる中国人向けだろうか?

台車で運び込まれる食材

参加者全員の集合を待っている間に、従業員さんが食材の搬入を始めていた。

段ボールにいろいろな見慣れない食材が入っている。

あんまりジロジロのぞき込むとドロボーに思われるので遠くから眺めるに留めたが、一つ気になったのは「ウサギ在中」と段ボールに書かれていた事だ。

ウサギ!

中華料理ってウサギ食べるんですか。バニーちゃん食べちゃうんですか。知らなかった。まあ、カエルを食べる国だから、ウサギなんて当然食べるだろう。でも意外だったな。

メニューに「兎」と書かれているものがあるのは、事前にwebでメニューチェックをやったときに気がついていた。しかし、「まあ、中国では豚の事を『猪』って書くし、何か別の肉の事だろう。鳥肉の事かな?」くらいにしか思っていなかった。ところが、本当にウサギ肉を食べるとは。

そういえば、北朝鮮が食糧難だから、ドイツから食用ウサギを買い付けたという話をこの前テレビで見たなあ。ウサギって食用だったんだな、とようやく今になって実感した。

日本では全く食されないどころか見向きもされないということは、あんまりおいしくないのだろうか。カエル肉は「グロテスクだからイヤ」という人が多いので理解できるが、ウサギだったら別に支障はあるまい。「可愛いウサちゃんを食べるのは残酷」なんて言う人はほんのわずかだろう。

ウサギかぁ。今回は食べる予定が無いが、いずれ食べてみたいものだ。

知音食堂店内

今回の参加者は自分を入れて合計4名。全員がそろっていざ入店、という段階になって店の明かりが一部消えたので一瞬営業終了かと焦ったが、問題なく入店できた。

このお店は繁盛店として知られているらしく、常にお客さんがいっぱいらしい。しかし今回は18:30開始とやや早めだったこともあり、お客さんの入りは8割程度。幸い、広めのテーブルを確保することができた。

店の内装はいかにも中華風。いや、どの辺が、と言われても困るけど、なんとなくそんな感じ。しかし、気になるのは天井からぶら下げられた唐辛子の飾り付け。まるでクリスマスツリーの電飾みたいだ。辛いもの食らわせてやるぜ、という感じがひしひしと伝わってきて、辛味大好きなわれわれはゾクゾクせずにはおれなかった。

青島ビール

まずは青島麦酒。店員さんが中国人なので、日本語が確実に伝わらない。3本だ、と言ったのに5本で伝わってしまった。「いや、違う違う」と訂正しようとするakeさんを制止し、「いや、5本で良いです」とそのままオーダーを通した。なーにどうせ小瓶だ、1本目なんて乾杯の一口で飲み干してくれるわ。

しばらくして到着しました青島麦酒。1本280円。オフィシャルサイトのメニューには「210円」と書かれているけど、あれは間違いなのでご注意を。ギリギリの現金でこのお店に飛び込んで、青島麦酒の値段が予想より高かった!こうなったら無銭飲食で逃亡するしか!なんてことにならないように。

それにしても5本そろうと壮観だな。良い眺めだ。これだけ頼んでも1,400円しかかかっていないのだから気分は上々。

天然椰子汁

お酒が飲めないやっさんが注文したのは「天然椰子汁」と書かれたドリンク。缶でそのまま出てくるあたり、ざっくばらんでよろしい。ストローで飲め、ということだ。もちろん、頼めばグラスは出てくる。

おや、ここにも「正宗」の字が。偽物が横行しているのだろうか?

メニュー選びには悩まされる

メニュー選びに頭を悩ます。

メニューには、辛さ表示として唐辛子マークがついている。最高が3つで、辛くないものには唐辛子マークは無い。

今回は
「スパイシーナイツである以上、唐辛子マークがついていない料理は注文禁止。強制はしないが、唐辛子マーク二つ以上の料理を推奨」
と事前におかでんから厳かにルールが指定されているので、選べるメニューには限りがある・・・のだが、それでも唐辛子マークの料理が多い。有限の胃袋を考慮し、どれを選ぶべきか全員ビールそっちのけで悩む。
やはり辛い料理は肉料理に多いようだ。野菜で辛いものはメニュー上少ない。だからといって、肉ばかり注文していたのではバランスが大変に悪い。他人が何を注文するのか、様子を見つつ、けん制しつつ、注文を決めていった。

「一人2品ずつね!」

という話にしておいたが、結局注文されたのは5品だった。このお店は注文してから料理が出てくるまでが早いので、あまり一度に頼むとテーブルが料理ラッシュアワーになってしまう。テーブルの交通整理をしつつ、胃袋と気力の状態を確認しつつ、追加注文をしていくこととした。

麻辣胚絲

宮保蹄筋

料理が届き始めた

上:「冷菜類」の「麻辣胚絲」(牛の胃袋の山椒入り四川風辛ソース合え)。唐辛子マーク2つ。

歯ごたえが良く、ピリ辛風味が大変によろしい。普通においしい。「唐辛子マーク2つ」なので警戒したのだが、これだったら普通の人でも「ちょっと辛いかな」と言いつつぱくぱく食べられるレベルだ。

下:宮保蹄筋(揚げアキレスけんの辛味あんかけ)。唐辛子マークは最高の3つ。

アキレス腱ってどんな味なのかと思ったら、ゼラチンっぽいものだった。あ、なるほど、牛すじと同じと考えれば納得だ。

・・・なんて余裕な事を言っているが、これまた普通においしいんである。

「おい、これがこのお店最高レベルの辛さなの?納得いかないなあ」

美味いんだけど不満の声を思わずあげてしまう。

毛血旺

麻辣鶏心

上:毛血旺(豚の血入り鍋)。唐辛子マーク3つ。

先ほどのアキレス腱同様、「唐辛子マーク3つ料理」を選んだのはおかでん自身だ。辛いものを食わせろ、というやる気満々。

出てきたものは、唐辛子が収まりきらずにぴょこぴょこ器から突き出ているような、そんな汁たくさん具たくさん料理だった。1,780円と高額だが、このボリューム感なら納得だ。このお店は一人でひょっこり訪れるようなお店ではない、ということだ。

食べてみたけど、何が豚の血なのかわからない。スープは豚の血ではなさそうだし、具は内臓肉などが・・・あ、あった。レバーみたいにぷよぷよと固められた状態で具として入っていた。

「うん、今まで食べた中で一番これがおいしい」

という声が上がるほどの好評だった。しかし、そんな「おいしい」という声が上がるくらいということは、辛さが物足りないということに他ならない。うーむ、どうしたものか。

ふと隣のテーブルを見ると、例の歌楽山辣子鶏を食べ終えた状態で放置されてあった。座っていたお客さんが食べたのだろう。

「なんだ、あの唐辛子の山は!?」

初めてこの光景を見る人たちは驚きの声を上げる。

「いや、あれは食べ残しじゃなくて、ああいう食べ方をするらしいですよ。中の鳥肉を中心に食べて、唐辛子は食べるもんじゃないって。だから、食べ終えたらああいう風に唐辛子がお皿の上に山積みされて残るわけです」

そこで気がついたのだが、われわれが辛くない、辛くないと言っているこの豚の血入り鍋、唐辛子をかじりながら食べるとどうなんだろう。

「ああ、辛くなった」

なるほど、唐辛子を一緒に食べることで、辛さ調節せいということか。唐辛子を避けつつ食べたら唐辛子マーク1つがいいところだけど、唐辛子と一緒に食べたらマークを0.5個くらい増やしてもいいや。

下:麻辣鶏心(鳥の心臓山椒入り四川風ソース合え)。唐辛子マーク2つ。

これも同じ。唐辛子と一緒に食べればなんとか辛くはなるんだけど、料理自体はそんなに辛くない。そもそも山椒入りというから、シビレまくることを期待していたんだけど、全然シビレなかった。

怪味鶏

冷菜類に属するのに最後に出てきた、怪味鶏(バンバンジー)。唐辛子マーク2つ。

日本でバンバンジーを漢字で書けば、棒々鶏となるのだが、地域によって漢字の書き方が違うらしい。それにしても怪しい味の鶏って一体なんだ。

一般的なバンバンジーとは全然違う。ありふれたバンバンジーとは、蒸し鶏にキュウリが添えられていて、ごまだれがかかっているものと思っていたのだがこれはそうではない。あら万能ネギさんコンニチハ、という風情だ。タレはごまだれのまったり感とは違う、「辛いぞ!」という赤色をしている。

おいしかった。しかし、何でかなあ?舌が麻痺していたのだろうか、それとも店内で繰り広げられている、排水溝から水が逆流して店員が水をくみ出しているのに気をとられたからだろうか、あまり辛く感じないんだなこれも。

「スパイシーナイツ」としてはやや物足りない、パンチの弱い5種類の料理だった。

コーラ

スーパードライ中瓶

お酒が飲めないやっさんはコーラに切り替えた。120円。安い。・・・ん?自動販売機で買う値段と一緒だぞ。

大手スーパーで売られている激安コーラではないかと疑ったが、出てきたのはちゃんとしたコカコーラだ。なんだか手品を見ているようだ。

手品はまだ続く。スーパードライ中瓶、350円。飲食店で出す値段としては格安。うーん、このお店、ビール飲むためだけに訪れても良いくらいだ。でも料理の量が多いんだよなぁ、一人で訪れるのはキツい。

そういえば周囲は日本語があまり聞こえてこない。店員は当然のこと、お客さんも中国語(だと思う)をしゃべっている。異国情緒溢れる、というのか、異次元ワールドへようこそというべきか。

そんなお店だが、かき入れ時なのにお客さんが全然やってこない。繁盛店のはずなのに一体どうしたのだろう。

そんなとき、トイレに行こうとした三分一本勝負さんが首を振ってすぐに戻ってきた。「トイレ使えないから、外のトイレを使え、って」

なんじゃそりゃあ。トイレが使えない飲食店じゃ駄目じゃん。幸い、池袋北口の地下通路入口に公衆トイレがあるので、そこまで歩けば問題はないが、なんともひどいありさまだ。

でも、ひどいのは店内の状況もまたしかり。店の中央にある床の排水溝から水が逆流しているのだが、最初はモップで拭き取っていたのだがそれではきりがないと思ったらしく、ちりとりで水をバケツに移し始めた。それくらい水が逆流していたということだ。

外のお手洗いに行っていた三分さんが戻ってきて報告してくれた。「シャッター、半分閉まっていたよ」

なるほど、もう今日は営業終了ということか。あ、わかった!われわれが店に入る直前、店頭の電気が消えたのは「もう営業終わり」の意思表示だったんだ。われわれはギリギリ店に入っちゃったんでOKだったんだな。よかったあ、ラッキーだったわけだ。

自分もお手洗いに行ってきたが、行きの際は半分閉まったシャッターをくぐり抜け、帰りは完全に閉まっていたシャッターをガラガラと開けて中に入るというありさまだ。今いるお客さんが出て行けば、もう今日は終了というつもりらしい。

そういえば、先ほどまでコック帽をかぶっていたおにーさん、帽子を外して客席で談笑してるし。

早い段階でまったりムード

さて店の事情はともかくとして、スパイシーナイツなわれわれの方はというと。これがもう箸が動かないんである。なんとなく、おなかいっぱいになってしまった。まだ胃袋には余裕があるんだけど、これ以上はもういいや、って感じだ。なぜだろう。

「どれも辣油を使っているので、それで味にうんざりしたんじゃないか?」という推測も出たが、本当かどうかはわからない。

いずれにせよ、5品でおしまいなのはつまらんので、あともう一品だけ頼んで終わりにしようということにした。すいませーん、と従業員を呼んだら、「もう注文は受け付けていない」んだそうで。あらら。そういえば、さっきオーダーを聞いていた中国人女性、私服に着替えて店を後にしてたなあ。あの時点でオーダーストップだったんだ。それならそうと言えよ、と思うが、そういう気が利かないところが本場流・・・なのだろうか。

シャッターをくぐり抜けてお店の外へ

店には他のお客さんが居なくなり、われわれだけになった。われわれもおいとましよう。

お会計を済ませ、階段を上り外に出る。シャッターをガラガラと開けながら。

知音食品

知音食堂から歩いてすぐのビルに「知音中国食品店」という看板が見える。酔っ払うほど飲んでないし、激辛でもう早く家に帰りたいです、というほど衰弱しているわけでもないので、あそこに行ってみることにしよう。

実はこのビルの地下一階にも知音食品はあり、狭い店内でいろいろな食材が取り扱われていた。だから、4階の壁面にさも「このフロアにお店がありますよ」という表示が出ているのは不思議で仕方がない。

半信半疑で行ってみると、驚いた!巨大フロアの中国食品店があるではないか。じゃあ地下1階の店はなんだったんだ。謎だ。

ちなみにこのビルの2階は同系列の書店と旅行代理店が入っている。まさに中国人向けビルといえる。一階は天丼屋だけど。

怪しいものがいっぱい売られている

鯉とコンニチハ

店内はあらゆる料理用食材が売られていた。辣油だけで一体何十種類あるんだ?というくらいの品そろえ。何かの生き物が網で拘束されていると思ったらスッポンがいるし、大豆で作った豆腐麺なんてのも売られている。料理好きにはたまらない一角だ。

写真上:豚の血。なるほど、こういう形で売られているんだな。鮮度が求められる食材だと思うが、これだけ売っているということは結構需要があるんだろうなあ。

写真下:いけすに大きな鯉が泳いでいた!なんだこりゃ。まさか観賞用ではあるまい。こんな生きたやつ、どうやって家に持って帰るんだろう。ここの従業員さんがさばいてくれるわけはないだろうし、こんなデカいのが暴れたら大変なことになりそう。

おかでんは「宮廷プーアル茶」と「竹の子の辣油漬け」を購入。他のメンバーも、めいめい気になる珍しいものを購入していた。

最後は楽しいお買い物ツアーとなってしまったが、肝心のスパイシーナイツというと「やや不発」な状態でお開きとなった。このお店のポテンシャル自体はものすごく感じる。あ、知音食品の方じゃないぞ、知音食堂の話だぞ。紛らわしいので注釈つけとく。・・・ええと、ポテンシャルは感じるし、実際おかでんを2日間苦しめたような激辛料理だって存在するわけだ。たまたまこの日は「水が逆流する一大事」ということで厨房が浮き足立ったのか、それとも僕らのセレクトが悪かったのか、あまり辛いとは思わなかった。非常に惜しい。「非常に残念である」とは言わない。敢えて「惜しい」という表現をこのお店に贈ろう。

個人的にはまだまだ気になるお店なので、池袋に寄る機会があったらこのお店に再挑戦してみたい。しかし、多分料理のボリュームがあるので、「辛そうなやつ一品+ビール」の組み合わせで終わりだろうな。それで辛くなかったらとても悲しいし、本当にしゃれにならん辛さだったら生き地獄だし。難しいところだ。