ナポリピッツァ五番勝負

短期集中食べ歩きマニアックス(その7)

最近、本格的なナポリピッツァを食べさせるお店が都内に増えてきているという話を聞いた。ピザ、といえば、多くの日本人にとって「冷凍ピザ」であり「宅配ピザ」ということになる。それらはもっぱらアメリカを経由したピザ文化であり、イタリアのピザというものについては実はあまり知らない、という現実がある。

僕自身、あまりナポリピッツァといってもピンとこなかった。そうえいば以前、ナポリピッツァを食べるイベントに参加したことがあったっけ、と遠い記憶をさかのぼってみたが、「具がシンプル」という程度しか認識がなかった。こりゃいかんな、実際に食べてみないと。無知は罪なり、と思っている僕は、この際ナポリピッツァを食べ歩いてみることにした。

【01軒目】 アンティーカ・ピッツェリア・ダ・ミケーレ(恵比寿)

ミケーレ外観

恵比寿駅の近くにある「ダ・ミケーレ」はピッツェリアを標榜するお店で、ナポリピッツァを主に扱っている。さすがにこういうところに一人で入ろう、という気はこれまでなかったな。道理で、宅配ピザばっかり喰ってたわけだデブの俺。

だって楽じゃん。ネットで注文できるので、ブヒブヒ言いながらどもり声で注文して、電話口の店員さんに「は?もう一度お願いします」とか聞き返されないし。しかも宅配ピザって、やり過ぎ感ありまくりな割引クーポンを配りまくっているし。

一時のドミノピザは、ネット注文時にクイズゲームを楽しむことができ、その問題を正答すればピザが半額となるクーポンを得ることができた。半額だぞ半額。しかも、それに「30分以内にお届けできなくてすいませんっした500円引クーポン」なんかを組み合わせると、1,000円以下で宅配ピザが頼めてしまうという有様だった。しかも半額クーポンは有効期限が2週間だったので、

クーポンが切れる前にピザを頼む→次の半額クーポンをゲットする→また二週間後にピザ

という生活を繰り返していた。確実に僕の寿命はこの生活を送っていた時、縮んだと思う。今はさすがにもうやってないけど。

店頭のメニュー

このお店、ピッツェリアを名乗っているけど、扱っているピザはものすごくシンプルで2種類しかないので驚きだ。マルゲリータと、マリナーラ。どうやら、ナポリピッツァを高らかに謳う店は、こういうシンプルな取り扱いということがよくあるようだ。

その他の料理は、アンティパストはあるものの、その他のメインとなるパスタとか肉料理とか、そういうものは置いていない。ピザ食えピザ、というわけだ。

マルゲリータのサイズは、「ドッピア(1,800円)」と「ノルマーレ(1,450円)」という2種類。ドッピア、の方がナポリでは通常のサイズだという。これをナポリでは一人一枚ぺろりと食べるというのだが、さてどれくらいのサイズなのか。具がシンプルな分、生地は相当でかいと噂には聞いているが。

ミケーレ店内

店内はシンプルな内装で、むしろ居心地がいい。

恵比寿という場所柄からか、気取った人がお客さんに多い。夜の早い時間帯だったので、客は少なかったがピーク時になるとかなり混むお店らしい。カップルとか女性同士とかが殺到するのか。こういうところで男一人がピザ食ってると居心地が悪いかもしれん、早く食べて退散しよう。

マルゲリータ

マルゲリータ(ノルマーレ)(1,450円)

で、これがマルゲリータのノルマーレ。トマトソース、モツァレラチーズ、バジルというシンプルな構成。「ピザでこの大きさで1,450円!安い!」と一瞬思うが、でもこれだけ具がシンプルならまあありえる話だ、と納得させられるビジュアルではある。

手のひらより遙かに大きい

これを一人で食べるってか。半分お持ち帰りにしてもいいぞ。でも、こんなのは焼きたてを食べてこそのうまさだ。家に持って帰って、電子レンジで温めたって魅力は薄い。それ、冷める前に食べ尽くせ。

・・・後半、さすがにだれた。でも、やはり宅配ピザにはない、「焼きたて!」のピザの魅力というのは異常。こりゃうまい。わざわざ食べ歩きをしようと思った甲斐があるってもんだ。

サイズ的には二人で食べるくらいがちょうどいいだろうな。で、アンティパストを数品頼んで、お酒飲んで会話を楽しむってのが素敵。

(2013.11.07)

【02軒目】 聖林館(中目黒)

聖林館外観

中目黒に、有名なナポリピッツァのお店があると聞いたので行ってみた。いかにもイタリアな店名かと思ったのだが、意外なことに「聖林館」という。なんか、語学学校っぽいけど多分まったく関係ないと思う。

お店の外観は、スチールパイプが檻のように組まれていて独特なソリッド感がある。なんかかっちょええ。こういうの、男は好きだよな。女性はこういうデザインはどうなんだろう。

聖林館店内

らせん階段が特徴的

お店はさほど広くない。フロアを移動するときは、これまた相当にかっちょええらせん階段を上っていくことになる。らせんの外周には、らせんを支える支柱が一切ない。階段は、真ん中の大黒柱だけで支えられている。この手の技術はロストテクノロジーだと思っていたが、できるんだな(当たり前だ)。ヨーロッパの中世の建物で、これと同じ構造のらせん階段があって、「当時の技術ではあり得ない建造物」として未だに語り継がれているはずだが。

なんでも、このお店を作るとき、始めにらせん階段構想ありきで、そこからインテリアとか間取りが決まっていったらしい。そこまで気合いが入っているだけあって、納得のインパクトだ。ただし、高所恐怖症の人はこの階段は無理だ。結構高度感がある。

メニューはシンプル

このお店もメニューはシンプル。マルゲリータとマリナーラの二種類のピザ。メニュー紙は白い部分の方が多い。

マリナーラ

マリナーラ(1,500円)

「ダ・ミケーレ」でマルゲリータを頼んだので、今回はマリナーラを注文。マリナーラ、というのは宅配ピザニストからすると馴染みがないメニューだが、ナポリではマルゲリータと並ぶ両巨塔なんだそうで。メニューにも書いてあったが、基本、生地にトマトソースを塗ったもの、ということだが、ニンニクやオレガノが入ることも多いとか。つまり、チーズが入っていないので、これ以上シンプルにしようがないピザだ。日本人がご飯に醤油をかけて食べる、というレベルか。

さすがにこれだけモサモサと食べてお昼ご飯終了、というのはどうよという気がする。サラダくらいは付け合わせにしたいところだ。後で何かフルーツジュースでも飲んでおくかな。

(2013.11.12)

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