ゴビ砂漠羊スペアリブ、1,680円。
「劉備が愛した」とか「張飛が」とかいろいろ三国志にちなんだ大げさなネーミングを使うお店だけど、「ゴビ砂漠」という地名まで冠してくるとは。もちろん、砂漠に羊は多分住めないので、ゴビ砂漠産の羊肉使用、というわけではないと思う。
出てきた料理を見て、一同「ああ」と納得。
パン粉らしき細かい粉が大量にふりかけてある。なるほど、これをゴビ砂漠と見立てたらしい。
スペアリブと、フライドポテトとの組み合わせ。面白い。それぞれの食材自体は珍しくないけれど、こうやって組み合わさって出てくる料理というのは珍しい。
羊水餃子。6個で760円。
最近思うんだが、羊肉って「独特の臭みというか、癖」が魅力の食べ物だ。だから、塊肉もいいけれどひき肉状態になっているのが一番癖をダイレクトに感じられるんじゃないか?と。
いや違う、ひき肉だと加熱調理する際に風味が抜けるんだ、という意見もあるかもしれない。塊肉をもぐもぐやっているときこそ至福、と。
どっちが正しいのかまだ僕はわからない。今後経験を積んでいきたい。
でもいずれにせよ、ひき肉状態の羊肉というのはうまい。普段スーパーなどでは羊のひき肉が売られていないから珍しさもあるのだろう。
お酒が飲める人たちは、ビールを飲んだり紹興酒を飲んだりしている。一方お酒が飲めない僕はどうしたものかと考えてしまう。
古い人間だからか、烏龍茶をはじめとする「お茶」のたぐいにお金を払いたいとは思わない。かといって、グレープフルーツジュースとかは甘い。せめて辛口のウィルキンソンジンジャーエールがあれば、と思うのだけど、ジンジャーエールを頼んでみたら甘ったるいカナダドライだったりする。
そんな中、このお店は謎の「酸梅湯」なる飲み物があったので、頼んでみた。謎、というか名前のまんまだけど。
すると、メイソンジャーみたいな瓶に取っ手がついたカップが出てきて、そこにお湯が注がれていた。味は確かに酸っぱい。そりゃそうだ、「酸梅湯」だもの。以上おしまい、って感じ。そんなに美味いもんではないけれど、170円と安いから素敵。
羊サソリサクサク麺、1,380円。
なんで「サソリ」なのだろう。羊肉とサソリ肉を一緒に調理しているのか?と身構えてしまうけど、確か羊の背骨がサソリに見えるだかなんだか、そういう解説がメニューに書いてあったと思う。
そんな羊肉と、揚げそばがセットになった料理。羊肉はこういう添え物があることによって、旨さが増すと思う。羊肉に限った話じゃなくてどの肉でもそうだけど、特徴的な味の羊ならなおさらだ。
曹操が愛した羊炒め、1,180円。
三国志の時代、こんな立派な食べるものがあるものか!とか言ってはいかん。
この手のネーミングは冗談だと笑っていられる心の広さが必要だ。僕らももちろん、そういうつもりだけど、ついつい「そこまで言うなら、じゃあ頼んでみよう」と料理の名前だけでこの料理をチョイスしてしまっている。まんまとお店の狙い通りだ。
お店の誘導のまんま注文しちゃっているのは、これもそう。「張飛が愛した黒酢酢羊」1,280円。
この手の料理は通常の豚肉で十分にうまいので、羊肉にわざわざしなくて良いのではないか?という気もする。羊肉と豚肉が同じお値段ならまだしも、羊のほうがずいぶん高くつくわけだから。いや、うまいんすよ?羊肉にするとうまいんスよ?でも、そこまでの贅沢はしなくてよいのではないか、という気がちらっとするわけで。
そういう時、大人数のみんなでわっとシェアするこの会は素敵。なにせ、一人あたり200円くらいでこの料理を食べることができるのだから。
石焼き羊肉麻婆豆腐。
これもひき肉料理なので、羊肉の癖が料理全体にまんべんなく行き渡って、しみじみとうまい。
なんだよ、さっきからずっと「うまい」ばっかり言ってて、全然気の利いた話を書けていないじゃないか。
この日はみなさん、暴飲暴食とはならずにしっとりと大人の会話を楽しんだ。それぞれの話に耳を傾けながら、グラスを傾け、そして羊肉料理を食べるという場だった。こういうのもいいものだ。このサイトのオフ会というのは、大量の料理を前に「ブヒー!うまそう!うひょー!」とカメラを手に大興奮して大騒ぎしているような印象があるかもしれないが、大人な世界でもありしみじみとたのしい会であることは強調しておきたい。いい会だった。
帰りは、池袋まで一駅歩いて帰った。羊肉の残り香を鼻腔に感じながら。
(2019.10.23)
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