「テクノに合わせて踊る代わりにうどんを踏んでみたらどうだろう?」という発想で生まれた企画、それがテクノうどん。
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この話を聞いたとき、即座に「それいい。やる」と決めた。「どうだろう?」って、そりゃ「いい」に決まってる。
しかもこのイベント、朝7時開場で8時スタートだという。うどんを打つからには早朝でなければ、というわけだ。さすがだ。「DJによるダンスチューンをガンガンにかけるから」という理由で、ド深夜にやったら面白くない。「うどん」があくまでも主で、従としてダンスがある、というのが本末転倒っぽくて面白い発想だ。
場所は表参道スパイラルの地下一階。EATS and MEETS Cayというお店。レストランバー、という位置づけになるのだろう。もちろん、朝7時からなんて営業はしていないのだが、この日は特別ということで朝からオープンしている。
いわゆるディスコやクラブといった場所を今回はつかうことができない。なぜなら、「うどんをゆでないといけない」からだ。言うまでもないことだが、クラブにはうどんをゆで続けるだけの火力を持つキッチンなどない。
ある程度のハコであり、なおかつ厨房も備えている場所、としてここが選ばれたのだろう。
お店の看板には、「テクノうどん東京公演」と書かれた紙が張ってあった。そうか、「東京公演」なのか。ちなみにこの翌日は、「大阪公演」が予定されている。
このイベントは、午後までだらだらと行われている。好きなタイミングでうどんを踏みにきて、うどんを食べて、そして帰ればいい。なので、朝寝坊してからの来訪でも問題はなかった。しかし、折角こういうばかばかしいイベントに参加するのだから、無駄に朝イチから参加してくなるのが人情だ。8時スタートの前、7時半過ぎには表参道に到着し、「東京公演」開始までの雰囲気も楽しむことにした。
お会計は前売2,000円、当日2,300円。
てっきりこれだけのお金で済むのかとおもったが、これとは別に1ドリンク+1うどんのお金がかかった。いくらだったかは忘れたが、両方あわせて1,000円くらいだったか?
1ドリンクはこの手の会場なら別料金で当然だとは思うが、「1うどん」も別料金というのはちょっと意外だった。うどんありきのイベントなんだから、うどん代金は最初からインクルードしておいて欲しいものだ。
しかし、よくよく考えると、中には「私はうどんは食べない。音楽だけ楽しめれば」という、早朝クラブイベントを純粋に楽しみたい人もいるかもしれない。また、「おいどんはうどん1杯では足りんですたい。2杯3杯、食べさせろ」という人がいるかもしれない。そう考えると、うどん代別途、というのは案外理にかなっているのかもしれない。
受付でお会計を済ませると、引き換えにいくつか渡された。二重にジップロックにくるまれたうどん生地と、チラシ。そして、1ドリンク用のメダル。
中に入ると、そこはちょうちんが吊り下げられた薄暗い空間だった。Cayというお店を利用したことはないが、さすがにこれが元からあったとは思えない。この「テクノうどん」用にどこかから持ってきたものなのだろう。
うどんとちょうちん、というのは「和のテイスト」という点では共通だが、それでもやっぱり変な組み合わせだ。さらにそこにクラブ系の音楽が流れるのだから、カオスの域だ。
ステージが前方にはあり、DJブースが用意されていた。そして、ステージからみてSS席に相当する部分にはブルーシートが敷かれていた。
なるほど、もうこれだけで今後自分がどこで何をすべきか、というのがお察しできる。あのブルーシートの上でうどんを踏め、ということだな。
わくわくさせられるじゃないかこのやろう。
朝から腕が鳴るぜ。いや、足が鳴るぜ。僕はこの日に備えて体重を太らせてきたんだ。踏むぞー。
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