ジビエを食らう夜

この日のために用意されたジビエ料理の数々。

何しろ人数が多いので、食材の調達には苦労したと思う。これが安定して毎日需要があるならともかく、この日限りのイベントだったわけだし。

鹿すね肉の煮込み

鹿スネ肉の煮込み イカ墨とスパイスの香り。

器はさすがに使い捨て容器を使っているので、その点の色っぽさはない。しかし、中に入っているのは鹿肉、しかもそのすね肉という稀少部位。鹿のような細い足のスネ肉なんて、一体一匹からどれだけ取れるというのか。四本足の動物だから、結構とれまっせ!というほどのものでもあるまい。

この料理を監修したのがフレンチ畑の料理人なので、調理法は和風ではない。「煮込み」といっても、イカ墨とスパイスで煮込むというのが珍しい。スパイスを使わないと肉が臭いのかどうかは不明。ナツメグとカルダモンが入っているそうだ。

鹿肉のシチュー

鹿肉のシチュー。

先ほどの煮込みもそうだけど、鹿肉の味がよくわからない濃い味付けとなっている。折角だからシンプルに鹿ステーキとか鹿たたきとか食べてみたかったけど、あまりおいしくないものなのだろうか。

鹿は脂肪分が少ない赤身肉だが、それゆえに火を通しすぎるとぱさぱさになる。「シンプルにステーキ」というのは案外難しいのかもしれない。野生の生き物だから、肉が堅かったり筋が多かったりするのかもしれないし。そういうのを想像しながら食べると、楽しい。

信州ジビエ鹿肉バーガー

信州ジビエ鹿肉バーガー。

この料理だけわざわざ「ジビエ」という言葉が混じっているのは、これがJR東日本系列の軽食店「ベッカーズ」で提供されたものだからだ。今年、ベッカーズはジビエをメニューに取り入れようということで、このメニューを開発したのだという。2013年11月だけの期間限定商品だったが、値段が高いにもかかわらずとても好評だったという。確かに、お店でこれを売っていたらついつい買ってしまうと思う。

猪ピタサンド

猪ピタサンド。

ここから猪料理。猪バージョンの青椒肉絲をピタパンに詰めたもの。豚よりも癖がありガツンとくる肉である猪が、うまいこと調和された一品。

猪とピーマンのポモドーロ

猪とピーマンのポモドーロ オイスター風味。

ペンネに猪の挽肉を混ぜたもの。猪は日本でも馴染みが結構ある冬の味覚。「ぼたん鍋」をはじめとして、全国各地ほそぼそとあちこちで食べることができる。その脂身のうまさ、豚肉と似てるけど味わい深い風味はまさに冬のごちそう。パスタとともに頂くなんてのは初めての経験だが、何やっても旨いな猪って。

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