自宅でイタリアントマトを再現しよう

以前、群馬県前橋市にある「パンプキン」という飲食店に行った事がある。100円の「ミニサラダ」を頼んだのに、山盛りの野菜が威風堂々と登場したり、巨大なパンをくりぬいてスパゲティを詰め込んだ豪快料理「イタリアントマト」があったりと、とにかく面白いお店だ。

このときの訪問記は、「美貌の盛り」に書いた。

パンプキン
『ミニサラダ、イタリアントマト レギュラー』 (群馬県前橋市元総社町)群馬県は小麦の生産が盛んということもあり、うどんがよく食...

ここで食べた「イタリアントマト」は、完全再現は難しいまでも似たようなものなら家でも作れそうだ。以前からそう思っていたので、記憶を頼りに実際に作ってみることにした。バーンと作って、ガツーンと食べてやろうじゃないか。

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自宅でのイタリアントマト再現は、休みの日のお昼に行われた。朝ごはんに食べるには重たすぎるし、夕ご飯にするにはちょっと物足りないからだ。

そもそも、このイタリアントマト再現計画を提案したのはカツだった。ちょうど二人で、正月特番のテレビ番組「大食い世界一決定戦」を見ていたので、それで気持ちが昂ぶったらしい。でも、自身はそこまで強靭な胃袋を持っていないので、「じゃあおかでんさんやりなさい」と。「私は、パンの上の部分だけ食べます」と。

ホームベーカーリーで焼いたパン

とりあえずホームベーカリーでパンを1斤焼いてみた。目分量でドライイーストを入れたので、やたらと背高のっぽのパンになた。イギリスの衛兵さんの帽子みたいだ。

出来立てでふわふわした状態だと、食べる際に崩壊するかもしれん。粗熱を十分にとるため、しばらく放置。

上の部分を切り取る

数時間野ざらしにしたのち、調理開始。

まずは、パンの上の烏帽子部分を切り取る。「これが私のお昼ごはんです」とカツが言う。逆にその下が僕の分なのか。1斤とはいえさすがにデカいな。「パンプキン」で食べた量よりは少ないけど。

「大丈夫です、中をくりぬきますから、実際の量は少ないです」

いやでも、そのくりぬいたところにスパゲティが入るんでスけど。

中を切り取る

で、実際にパンの中身をくりぬいていく。

うっかりザクザクとやったら、パンを突き破ってしまい「器」としての役割を果たさなくなってしまう。慎重に発掘が進められた。

くりぬく

で、中身をくりぬいたところ。

「あー」

カツが中を覗き込んで言う。

「穴が開いてます、底に」

なるほど、ホームベーカリーで焼いたパンなので、生地をこねるための羽根の形で穴が開いているのだった。

「こうしておきますね」

といって、カツは先ほどくりぬいたパンをこより状に丸め、穴に埋め込んだ。器用なものだ。

スパゲティをつめる

スパゲティは、せっかくだからギッチギチに詰めてやろうと思っていた。スーパーで300グラムなり500グラムなりの乾麺を買ってきて、そいつをグラグラ寸胴で茹でてやるつもりだった。しかし、冷凍庫に冷凍パスタがあるというので、在庫処分市も兼ねてそいつを使うことにした。

冷凍パスタは二つあるという。ミートソースと、明太子。じゃあ、二つとも入れて、途中で味が変わるというオリジナル料理を作ろう。

「いやでも、明太子パスタは私も食べたいです」

カツが抵抗する。ミートソースひとつを使えばいいじゃないか、と。全部食べなくてもいいじゃないか、と。まあ、1個でいいか。

半分しか埋まらなかった

ありゃ。

冷凍ミートソーススパゲティを1袋入れたんだけど、予想以上にパンに隙間ができた。

大盛りなのに

先ほどゴミ箱に捨てた、スパゲティの袋を引っ張り出して確認する。「大盛りミートソース」という商品名と、「360g」という記述が見える。

360gを入れても、まだずいぶん余裕があるのがパン1斤の実力ッ!これは恐るべき。

それを思えば、パンプキンで食べた「イタリアントマト」って、中にどれだけのスパゲティが入っていたんだ?パンのサイズは今回のものより1.5倍は大きいし、その中にみっちりと入っていた。1kgくらい入っていたんじゃなかろうか。

ホワイトクリームソース

「イタリアントマト」は、パンとスパゲティの上にフタをするようにホワイトソースがかかっている料理だ。ちょうど家にホワイトクリームソースの素があったので、これを使ってみることにした。牛乳を混ぜて軽く煮詰めれば出来上がりだ。

ソースをつめる

あんまりシャバシャバさせると、パンがズブズブになって崩壊しかねない。とろみは強めにして、パンに注ぐ。

どぼどぼとパンに吸い込まれていくホワイトソース。おかしいな、ホンモノは「パンの上からあふれている」という構図になっているのに。

まだ埋まらなかった

ホワイトソースが全部かかったところ。ありゃ、ぜんぜん1斤のパンを満たせなかった。パンって意外と体積があるものだな。

ホンモノのイタリアントマトは、この後オーブンで焼きを入れている。しかしそこまでやらなくていいかな、と思ったので省略。ホワイトソースにとろけるチーズが載っていたかどうかは覚えていないので、これも省略。

コーラフロートを作ろう

「せっかくだから、飲み物も量が多いといいと思います」

カツはウキウキしながら容赦ないことを言う。

喫茶OBみたいに、量が多い紅茶とかどうですか?」
「なるほど、ではドンブリに入れてみるかなあ・・・」
「スターバックスのグラスドリッパーがあるので、それに入れるのはどうですか」

ああ、あれだと1リットル近くは入りそうな気配はある。

「アイスを浮かべて、コーラフロートにするのはどうでしょう?」

絶対カツは僕を殺しにきていると思う。ようやく正月太りから回復して元の体重に戻った、という話をしていたのに、悪魔の提案だ。面白い、その話にのったらぁ。

で、買ってきたのは1.5リットルのコーラと、バニラアイス。さすがにハーゲンダッツにするほどの贅沢はやめた。

カツから、レディーボーデンのような大きな容器に入ったアイスを投入するべし!なんていわれるのではないかと思ったが、さすがにそこまで無茶は言わなかった。でもそれは単に、冷凍庫が現在パンパンで余ったアイスを収容する余地がないからだ。

コーラフロート作成中

最初、アイスを半分くらい入れればいいかな・・・と思っていたのだけど、結局全部入れたった。

本日のお昼ご飯

というわけで、本日の昼食。「イタリアントマトオマージュ」は、家に転がっていた「アワレみ隊フラッグ」を突き刺してみた。お子様ランチみたいだ。

右隣にあるコーラフロートがかなり巨大なので、パンがさほど大きく見えないという恐怖。

ホワイトソースが真っ白で、見た目が若干さびしかった。だから、ちょうどキッチンにあった「日光名物・しそ巻き唐辛子」を刻んだものをぱらぱらとトッピングしてみた。粉末パセリがなかったのでこれでいいやと。ずいぶん強引だな。

コーラフロート

一方、グラスドリッパーに入れたコーラフロートが凶悪な様相。

「これはカロリーが高そうだ」

怖気つく僕に対し、カツが

「そんなことないですよ。コーラはゼロカロリーのものですし、アイスを1個食べるだけですよ」

と正論を言う。ああ、確かにその通りだ。しかし、こんなモノを飲み食いして、健康に良いとは思えない。こういう無茶ができる今の体調に感謝だ。で、それをわかった上で「いいぞもっとやれ、とそそのかす」カツが身近にいることにも感謝だ。

フタの部分はこうなった

そのカツは、冷蔵庫からラム肉を発見。「これ、ちょっといただいてききますね」といってフライパンで炒め始めた。で、できたのがこれ。

パンのてっぺんを切ったものの上にキャベツ、ラム肉。そしてオーロラソースで味付け。これはこれでかなりうまそうだ。

イタリアントマトもどきを食べる

お昼ごはん開始。

イタリアントマトを早速食べる。うん、これはスパゲティですね。そしてパンですね。

あまりにもパンが「単なる器」として機能してしまっている。もっと暴力的にスパゲティが詰まっていないと、パンと渾然一体とはならないのだった。

フォークでスパゲティを引っ張り出し、食べる。その後、周囲のパンをちぎって、もぐもぐ食べる。その繰り返しだ。

この料理がうまいのはもちろんだ。そりゃそうだ、単品同士は味に間違いがないんだから。

半分食べたところ

ようやく「イタリアントマト」っぽくなったのは、食事も後半戦に入ったところ。

ようやく周囲のパンがスパゲティの高さと並んできたところ。ここから先は、パンとスパゲティを同時に食べ進めることができる。

スパゲティ崩壊

で、案の定ぐちゃーっとスパゲティがなだれをうって出てきたところ。ああ、見た見た、前橋のお店でもこの光景は見たよー。

とはいえ、お店のときはもっと凶悪な、とどまるところを知らない重力の暴力、といった感じがした。その点こちらはずいぶんおとなしく、「あ、ちょっと漏れちゃった(汗)」という恥じらいを感じさせるこぼれ落ち方。

まあ、ご家庭用料理としてはこれくらいがちょうど良いとは思う。

フロートを飲む

コーラフロートを飲む。フロート用の長細いスプーンなんて持っていないので、普通にカレースプーンを使ってみたんだけど、毎度毎度グラスの底に落ちる。もう面倒なので、グラスをジョッキ代わりにして、そのまま液体も固形物も喉に流し込んだ。

もぐもぐ

そろそろ食べ終わり。

さすがにこれだけのコーラフロートを飲むと、体が冷え込む。イタリアントマト自体は特に体を温めてはくれないので、寒くてしかたがない。なので、おいしい食事中なのにやたらと険しい顔になっている。

食べ終わり

食べ終わり。うん、面白かったしおいしかった。

しかし、つくづく驚くのは、「パンプキン」のコストパフォーマンスだ。お店で「イタリアントマト」を頼むと980円だったが、いざ類似品を自宅で作ってみて、あの量であの値段というのはすごいな、と思う。パンにスパゲティというのはさほど原価がかからないかもしれないが、とにかく量がすごい。

また機会があれば作ってみたい。作ること自体はとても簡単だからだ。今度は、めいっぱいスパゲティを詰めてみたいし、やるからには違う味・・・そうだな、ペンネアラビアータとかにしてみるのもよさそうだ。

(2017.01.08)

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