高尾山縦走計画を以前から立てていた。
誰しもが知る、標高599mの山である高尾山から先、山の尾根は連なっていて、中央道の渋滞のメッカとして知られる小仏トンネルの上を通り、陣場山までの縦走ルートが知られている。標高が低い山々ではあるけれど、完走するには6時間程度を要する、結構長いルートだ。
このため、「早朝からお出かけ」は必須となるのだが、なにしろ行き先は高尾山だ。ついつい油断してしまい、前日遅くまで残業をしてしまったり、平日の疲労が抜けきれずに朝寝をしてしまったり、ズルズルと「陣場山⇒高尾山縦走計画」は延期になっていた。
これではいかん、ということで意を決し、自分を追い詰めるためにオフ会形式にもした。仲間と一緒に行くとなれば、完全に腹が据わるからだ。
陣馬山の麓からスタートして、陣馬山を経由しながら高尾山に向けて縦走していく。このルートの素晴らしいところは、道中に茶店がいくつかあり、そこで「名物」とされるものを食することができることだ。それを知り、僕は「食い倒れ縦走」という新しい概念を持ち込んだ。
もうこうなれば、逃げ場はない。さあ、いよいよ縦走だ!・・・と覚悟を決めたのだが、よりによって当日はあいにくの雨。天気ばかりはどうにもならない。天を仰いで自分の運の無さを嘆くしかなかった。
しかし、この縦走企画のうち、一部分だけは今回なんとしても開催しておきたいことがあった。それは、「高尾山にゴールした際に、打ち上げとしてビアマウントで宴会!」ということだ。
ビアマウント。高尾山の中腹にある展望台周辺が、夏の間だけビアガーデンになる。「ガーデン(庭)」ではなく、「山」なのでビアマウント。風変わりな名前だ。そのビアマウントが、2017年シーズンは10月15日で営業終了するのだという。ああそうか、もう秋だもんな。
なので、縦走企画そのものは雨天延期にしたとしても、ビアマウントだけはやっておきたかった。山は逃げも隠れもしないけど、ビアマウントは逃げる。いや、「逃げる」んじゃなくて「終わる」だ。
そんなわけで、夕方になってから縦走予定だったメンバーが高尾山に集まった。ビアマウントで宴会をするためだけのために。
2017年10月14日(土)
高尾山の山麓、清滝駅。ここからケーブルカーまたはリフトで、山の中腹にあるビアマウントに向かう。もちろん徒歩でも良いのだけど、歩くとそれなりに時間がかかるので今回はパスとした。
天気は、時折ぱらっと雨が降るけれど、本格的には降っていない。これなら、屋外で宴会をやっても持ちこたえそうだ。
高尾山ビアマウントのポスターがお出迎え。2017年は6月15日から10月15日の営業だそうだ。「500mの高さで味わう至福のひととき。」というキャッチコピーがそそられる。
もう死語になっているけど、昔はお酒を飲む量が多いことを、「メートルが上がる」といったものだ。500mともなれば、さぞや痛快に酔えそうだ。
今回ご一緒しているまゆみさん、相方さんの夫婦は、シーズン期間中毎月このビアマウントを訪れ、大いに飲み食いしているそうだ。このお二人は千葉県に在住なのに、わざわざ片道2時間近く?かけての訪問。それだけ魅力がある、ということだ。
とはいえ、さすがに「痛快に酔う」というのは難しいかもしれない。なにしろ家路が長い。気を確かに保ちながら帰宅しようとすると、ベロンベロンには酔っていられない。
ビアマウントって、場所が場所だけに「みんな泥酔するほどお酒を飲まない」から、お店としての利益率は高いかもしれない・・・とふと、思った。しかし、よく考えると、平日にはお客さんがガクンと減るだろうし、食材などを山の中腹まで運び上げるのに随分手間がかかるし、バイトを雇うのだって大変だ。ここはここで運営を続けるのは大変だと思う。
そんなビアマウントには、僕は一度だけお邪魔したことがある。このサイトのオフ会として、だ。
2005年の話だから、もう12年前のこと。どんな料理があったとか、店のシステムとか、今となってはほとんど覚えていない。なので、今回は初めて行くお店のごとくワクワクしている。
よーし、飲むぞォォォォ!
いやダメだってば。僕は2005年の頃と違って、もうお酒は飲まないんだから。でも、まゆみさんからの情報によると、ビアマウントにはノンアルコールビールの取り扱いもあるという。それはいい!ノンアルコールビールをしこたま飲むぞーーー!
甘いジュースは料理にあまりあわないし、お茶はなんだかお金を払って飲み放題にしてもお得感がない。やっぱり、ノンアルコールビールがあるとがぜんテンションがあがるよな。
ケーブルカーで、山の中腹へ。
「ようこそ高尾山へ」という看板がお出迎え。カールおじさんの絵が描かれていて、涙をさそう。2017年8月をもって、東日本エリアで「カール」の販売は終了してしまった。売上不振だったからだ。しかし、まだこの看板は生き残っている。おそらく年間契約をしていて、契約満了までまだ時間があるのだろう。
これだけ知名度があるお菓子なのに、売上不振だとは・・・。本当に食品業界は浮き沈みが激しい。でも、言われてみれば僕自身カールを最後に食べたのはいつだっけ。覚えていない。道理で売上不振なわけだ。
ケーブルカーの駅を出てすぐ目の前が、高尾山ビアマウントだ。駅徒歩1分!素晴らしい立地!と感心してしまうが、そもそもここが高尾山だということを忘れてはいかん。ここに辿り着くまでに随分と時間がかかっている。
敷地入口のところに、ドリンクメニューの一覧が出ている。12年前に訪れた時もびっくりしたのだけど、ここのビール取り扱いの多様さは驚きを通り越して呆れる。なにしろ、こんな有様だ。
ザ・プレミアム・モルツ
ザ・プレミアム・モルツ 香るエール
一番搾り
一番搾りフローズン
スーパードライ
スーパードライブラック
アサヒ樽詰生
黒ラベル
ハイネケン
ハートランド
オリオンビールこそないものの、国内主要4メーカーのビールが勢揃いしている。こんなお店、めったにおめにかかれない。普通なら、どこかのメーカーの営業攻勢を受け、一社独占提供となる。そのかわりに、冷蔵庫とかジョッキとかをメーカーが無償提供してくれる。
それがこのビアマウントでは4メーカー全部だし、しかも「適当に見繕いました」感がない。わざわざ面倒な「一番搾りフローズン」を用意したり、原価が割高なプレモルやハートランドを用意するところかして、ここの経営者は相当なビール好きだと思われる。
ビールだけでも10種類だぞ?ビール好きなら、ぜひここで全種類制覇をやっていただきたい。飲んでるうちに、きっと自分のお好みの銘柄が見つかるはずだ。飲み比べができるからこその特権だ。
手書きのビアマウント案内図。
ビアマウントは予約席を除けば全席自由。ガーデンと呼ばれる屋外やスラブと呼ばれる展望台屋内などいろいろある。
おっと、鍋バイキングを9月からやっているんだな。それはぜひ食べないと。
ビアマウント会場入口。
この階段を登った先が、ビアマウント。
オリジナルドリンクをお好みで!!と書かれたのぼり。
どうやら、いろんなソフトドリンクを自由に混ぜて飲み給え、ということらしい。
コカ・コーラとカルピスは全く系列が違うメーカーなわけだが、呉越同舟で一つののぼりに収まっているのはどうしたんだろう?どこが作ったのぼりだろうか?
階段には行列ができている。
階段の先に、小さな小屋があり、そこが料金所になっているからだ。
2時間バイキングで、大人は3,500円。
さあ、お金を払ったら突撃だ。なにせ2時間。セルフサービスのビュッフェ形式、しかも広い屋外型店舗ともなれば時間の経過はあっという間だ。
「なんだよ、ったく。2時間じゃ短すぎて満腹にならなかったよ。」
ってボヤけるくらい健啖家であり続けたいものだな。
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