編集後記2020年05月

新型コロナウイルスでドタバタしていた5月。「巣ごもり需要が増えるから、このサイトのアクセスも増えるかも!記事をしっかりと書いて更新していこう!」と便乗商法ばりの欲を夢見た僕だった。

しかし実際のところは更新がはかどらず、生煮えな一か月だった。なんのことはない、むしろこれまでよりも多忙になってしまったからだ。

在宅勤務が増えたので時間に余裕ができたと思いきや、朝8時からミーティングがあったり、残業が増えたり。僕にとっては、過去3年くらいの間でもっとも残業時間が多い一か月になった。なにしろ、アフターコロナのガイドラインを作るとか、テレワークの利便性向上に向けたツール導入の検討とか、そういうのをやっていたので。

旬な仕事に携わったので良かったけれど、「社員の安心安全」と「会社の利益」というのは相反する部分があるので、そこをどう折り合いをつけるのかはむつかしいことだった。

今回のコロナは、人命だけじゃなくて経済にも大きなダメージを与えた。「転んでもただでは起きない」という言葉があるように、これをきっかけに新しい技術や文化、政治経済のあり方が変わって行ければよいと思う。日本人は、黒船が襲来しないとなかなか物事を変えようとしない。でも、いざ黒船が襲来すると、案外あっけなく新しい方向に向けて動き出す。今回もそれを期待している。

とはいえ、「ああ、新しい行動様式とかいってるけど、結局まろやかな変化しか生まれないのかなあ」という予感が現時点ではしているのだけれど。

「新しいことをやろうぜ!」というスクラップ&ビルドの仕組みよりも、「今までのことをなんとか暫定対処でしのげないか?」という発想の方が強い印象を世の中から受ける。それが惜しい。

僕が4月の記事でZoom飲み会のことを2回にわけて記事にしたのは、そこに新しい可能性を感じたからだ。何も「スクラップ」はしていないけど、確実な「ビルド」は感じられた。こういうのがあっちこっちでボコボコと発生し、新しいビジネスが立ち上がり、世の中が変革していってほしい。

「パソコンがわからない人を切り捨てるのか!」などという声に斟酌する必要はないと思う。そういう人は別途救済すればいい。今、イノベーションに追随できない人に対して配慮をしすぎて、ITに対する変化がトロすぎる。管理国家にしろとか言いたいんじゃない、ITファーストで世の中を再構築し、その社会についていけない人に限り書面とか対面で対応するようにしていけばいい。最初っから、IT推進を躊躇する必要はない。

いずれにせよ、このコロナ状況下というのは、いろいろな思考実験ができる場となっている。一体どのようなサービスがこれから起きるのか?今目の前で起きていることは何なのか?命の選別について、医療現場任せでよいのか?命だけでなく、経済においてもトリアージは必要なのではないか?

現在進行形で起こっていることだし、世界規模で直面しているから誰も正解を知らない。だからこそ、インテリたちだけの議論ではなく、僕ら庶民もあれこれ考える余地がある。歴史の教科書に今後登場するであろうこの状況を、一人称であれこれ考えられるというのは貴重な体験だ。

そして、今残したい文化や風習をこれからの世代に引き継げるのかどうなのか、というのも僕らの判断次第だ。演劇を残したいと思う人、近所の飲食店を残したいと思う人、いろいろいると思う。それぞれの「大事なもの」を、大事にしていこう。

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記事を書いている時間がなかったため、ちょこちょこと文章を書くために立ち上げた連載。本当は2-3日で終わると思っていたのだけど、結局10日くらいは連載が続いてしまった。

自炊話を中心に書くつもりだったけど、近所の飲食店でテイクアウトしてきたお弁当の話も混ざってしまい、ボリュームが増えた。

あと、本当に時間が足りなくて、わずかな時間で記事を書いていたので内容が雑だ。

「アワレみ隊OnTheWeb」は、アワレみ隊をはじめとする仲間たちの旅行記がメインだ。しかしこの旅行記を書くのは案外手間で、「なぜ旅を始めるに至ったのか」という連載冒頭部の文章を書くのが気分的に重たい。「よっこいしょ」という感じになる。それが面倒なので、こういうライトな文章に逃げたというのは事実だ。

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数年前の旅行記を平気で書いているような、遅筆の僕。それでも、このサイトのそもそもの趣旨である「アワレみ隊の旅行記を記録として留める」ことは優先してやりたいと思っている。

しかし、この「東京アート・アンティーク」は後手に回っていて、掲載まで1年のタイムラグができた。そして2019年12月末にアワレみ隊が勢ぞろいした「ますゐ詣で」の記事が先に載った。

それもこれも、この「東京アート・アンティーク」は記事として書きづらかったからだ。一つ一つの画廊や古美術商について思い入れはないし、イベントに参加しているお店を完全制覇だ!ともいかなかった。ただ単にだらだらとお店の店頭写真を掲載していくことになるのが目に見えていたからだ。

じゃあ、ばしっと文章を省略して、「こういうことをやりました。まる。」というまとめ方にしてもよかったのだけど、それだと本当に「ばばろあと二人で古美術商をたくさんめぐりました。写真数枚で雰囲気をご紹介します。以上おしまい」になってしまう。それだと切ない。

というより、「だらだらと連載を進める」のと、「要約して書く」のはどっちが大変なのか、というと「要約する」ほうだ。だから僕はだらだらと連載を続けている。

昔ならICレコーダーで当時の様子を録音し、それをテープ起こししていたと思う。「だりー、やってらんねー」とだんだんテンションが落ちていく様子を生々しく再現した文章になったと思う。でも最近はそれをやっていない。

テープ起こしはGoogleで音声認識をさせるなどして、ハードルが一気に下がった。でも、それを文章化するかどうかはまた別の話で、手間がかかるのはかわりない。

今の僕は結婚したということもあり、このサイトを更新する時間が殆ど確保できていない。優先順位の最上位がパートナーと過ごす時間であり、サイト更新はその次の順位になっているからだ。もちろん、この二つの間に「お仕事」も挟まる。

サイト更新というのは、ここまで記事数が多く歴史があるサイトともなると大変だ。常に何らかのリンク切れが発生してエラー警告が出るので、そのリンク切れ修正に時間を取られる。あと、「爆発した芸術を散歩する」コーナー向けの、2018年-2019年当時の記事の移植作業とメンテナンスがある。ほかにも、世の中の技術トレンドに合わせたサイト微調整は常に行われている。気づく人は殆どいないと思うが、このサイトのレイアウトがちょっとずつ変更しているのは、トライ&エラーを繰り返し、計測し、検証を繰り返しているからだ。そういうのを裏でやっているだけで、毎日それなりの時間がかかる。文章だけ書いてりゃいい、っていうものでもないのですよ、サイト運営って。

今一番欲しいのは、「まとまってこのサイトのメンテと記事を書く時間!」と言える。そしてそれは、気力体力がある程度ないとできないので、単に時間があればよいというものではない。眠たくないとか、家事が溜まっていないとか、いろいろな要素が重なるものだ。今は、なかなかそれが難しい。

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膨大な数の旅行記が未掲載のまま放置されている。そして、旅行記ではないけれど、単発イベントで記事にするつもりだったものもたくさん残されている。

今後何年かけてもそれらを記事にしきれる気がしない、という問題はあるけれど、なによりもコロナ禍の下において「昔の、何事もなかったときの記事」を書くことに意味を感じられなくなった。だから、掲載準備済みだったけど文章を書くのはやめた、というイベント・旅行記を大量発生させた。

  • 雲見温泉@西伊豆1泊
  • 阿字ヶ浦@茨城1泊
  • 納涼船
  • 醤遊王国遠足
  • キッテ水玉市
  • 東大五月祭

は現時点で掲載をやめた。ほかにも、5~6ほどの旅行記を諦める計画がある。それでもまだ17回分くらいの旅行記が掲載待ちなのだから、ほとほとあきれる。

「へべれけ紀行」の記事は、「hebereke0100.html」などと4桁の数字でURLがナンバリングされている。これまで連番で管理されてきたけど、これからはブチブチと数字に欠番がでてくることになるだろう。

で、今回の「朝顔市」の記事だけど、これも「コロナ前の平凡な日常」を書いた記事だ。僕が何かスペシャルな体験をし、それに驚き興奮しているならば「コロナ前の日常」を記事にしても良いと思っている。しかし、不肖おかでん、歳とともにそういう無邪気な喜怒哀楽は減ってきていて、最近の記事は淡々とした内容になっている。自虐的に言えば、単なる日記だ。

アフターコロナ時代において、「ビフォーコロナの単なる日記」はあまり書きたいとは思えなくなってきた。セピア色の思い出、みたいで。なので、ワクワクした旅行記・・・特に、登山やキャンプを中心に記事を書いていくことになると思っている。

じゃあなんで朝顔市は記事になったのか。試しに、「ビフォーコロナ」のイベント体験記事を書いてみようと思ったからだ。そのかわり、記事量は1/2にした。記事では、早朝に朝顔市に行って豆腐を食べた、ということにフォーカスを当てているけど、本当は前日夜にも朝顔市に行き、夜の屋台を巡ったという話と対になっている出来事だ。そこは省略した。

しかし改めて思ったけど、こういう「飲食店でご飯を食べました」記事は、今更僕が書くことじゃないな。20年前なら「へえ、そんなお店があるのか!」と喜んでもらえたけど、今じゃSNSもグルメブログもたくさんある。わざわざ僕が書く必然性がない。

実はアワレみ隊OnTheWebが立ち上がったのが2000年6月1日。
それから20年の月日が経過しました。

読者あってのこのサイト、と社交辞令を言いたい気持ちがないとは言わないけれど、よくやったオレ、という気持ちの方が強い。オフ会やメールなどで読者の方との交流はあったけど、もっぱら孤独な作業がずっと続いていたからだ。

webサイトの維持運用というのはサグラダファミリアと同じで、完成がない。2000年に運用を開始したときはHTML4.0で作られていて、それからXHTML、HTML5と記述文法に変化があった。

それだけではない。数年おきにサイトデザインは変更され、その都度年単位で新デザインへの移植作業が行われていた。当時を知る人ならわかってくれると思うが、本当に「年単位」で移植に時間がかかっていた。写真の貼り付けなおし、記事の体裁のやりなおし、そういうのを数千ページ、数十万枚の写真に対して行っているからだ。これが数年おきに発生するのだからたまらない。

個人的趣味でいじっているわけじゃない。僕だって楽できるなら楽をしたい。しかし、webの技術だとかPC環境というのはこの20年で大幅に進歩した。特に解像度の向上は著しく、それに追随するために写真サイズやフォントサイズ、レイアウトに何度も抜本的手直しが出た。

昔は横幅300ピクセルほどの写真を使っていたが、今では横幅800ピクセルが標準になっている。ここに至るまで、500ピクセルのとき、640ピクセルのときと変遷を経ている。その都度、全部写真をやり直している。すげえつらい。作業量が尋常じゃない。

もし、昔のまんま300ピクセルの写真を掲載していたら、画像が小さすぎて見づらいだろう。PCやスマホの画面性能が上がったので、それにあわせてwebサイトに掲載する写真サイズも大きくなっていく。もうこれ以上大きくすることはない、と思いたいけれど、いずれは横幅1,024ピクセルの写真が当たり前の時期が来るのかもしれない。だとすると困る。

なお、写真サイズを大きくすると、「昔は写真が小さすぎて気にならなかった情報が見えるようになっちゃう」ということも起きる。車のナンバープレートとか、書類に書かれた本名とか。だから、無造作に写真を置換するだけでなく、問題がないかチェックし手直しを入れるというのも作業としてある。

こういう作業だとか、「爆発した芸術を散歩する」コーナーのメンテナンスは外注したいくらいだ。パートナーが専業主婦ならお願いできるんだけど、共働きだし難しい。全部自分ひとりでやらないといけない。これからもそうだ。

現在進行形で、写真がリンク切れを起こしているよ!表示されていないよ!という警告が毎日数件~20件ほど通知される。今日も明日もその対処にいそしむのであった。リンク切れ警告を貯めこむと、後日対処するのがますます億劫になるので素早く対処している。でもその結果、新しい記事の執筆と掲載が後手になっている。

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ビフォーコロナの旅行記の一つ。3年も前の話で、特に山場があるわけでもないので記事にはしないでおこう、とも考えた。特にハタケの話は、マメヒコという外部組織の話がかかわってくる。文章のさじ加減が難しい。2014年のハタケ話は驚きの連続だったので、あれこれ細かく書いた。でも、やっぱりいろいろな人が参画しているので、あんまり詳細にディティールを書いたり、僕なりに感じたことを書くのは難しいと思った。特に僕はひねくれものなので、ひねくれたものの見方で書くと誤解が生まれそうだ。「ひねくれた見方」を文章化する時点で誤解されてしょうがないんだけれど。

ということで連載をパスしようかと思ったけど、ここでの話はこの後「羊蹄山編」につながってきて、登山記と絡む導入編となる。だから記事として書いてみた。

今後の予定

「へべれけ紀行」を中心に書いていくつもり。登山とキャンプの話を中心にしたい。

「羊肉の会」などオフ会をぼちぼち再開したいと思ってはいるのだけれど、

  • 今後の社会情勢が見通せない
  • お店の営業見通しがよくわからない
  • そもそも自分の仕事が忙しくなりそうな予感

ということで、様子見状態だ。

お店が営業していたって、じゃあ密を避けられる状態なのかというのは不明だし、人が集まって密を避けつつオフ会ができるのかどうかもわからない。できたとして、状況が把握できている馴染みのお店に行くくらいだ。オフ会で新規店舗開拓というのは当面難しいと思っている。個人的にやるならともかく、「オフ会」ならなおさら。

(2020.05.31)

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