屯田兵に帰れ【北海道ハタケ遠足】

渋谷と三軒茶屋にお店を構える「カフエマメヒコ」。お茶をするというよりも、もっぱら各種イベントに顔を出している場所だ。それでも、酒飲みだった僕が「サ店でお茶をしばく」ことを教えてくれた、そんな方向転換を示してくれたお店でもある。

2014年には、マメヒコが北海道に構える自家農場の手伝いとして3度ほど北の大地に乗り込んだ。そのときの模様はこの「へべれけ紀行」でも記事になっている。

そもそも渋谷が僕のテリトリーではないため、2015年頃からマメヒコと関わる機会が少なくなったのだけど、2017年にはまた渋谷界隈をうろちょろするようになった。それに伴って、北海道のハタケにも満を持して再登場となった。

農作業の場合、男手があるに越したことはない。特にマメを中心に植えるマメヒコのハタケは、つるが巻き付くための手竹を地面に突き刺すなど、地味な力仕事がある。

頼られる、というのはいいもんだ。誘われたんだか、自分から名乗り出たのかは忘れたけれど、2017年の春の訪れとともに、僕はふたたび北の大地に戻ってきた。

2017年5月21日(土) 1日目

3年ぶりの北海道。今回も、土日の一泊二日だ。

「北海道にハタケの手伝いに行くんだ」

と知人や職場の同僚に言うと、一様に皆、驚く。そして、その一泊二日はほぼずっと農作業であり、そのまま東京にトンボ返りしているということを言うと、さらに驚く。我ながら、なんで一泊二日なんだろう?と今更ながら不思議だ。

前後の金曜日や月曜日は仕事の打ち合わせがよく入っているからだが、それ以外にも根底に「北海道旅行=贅沢」という意識があり、旅程を短くしようという気持ちが働くのだと思う。

でもそれって変な話で、どうせ行き帰りの飛行機代はかかるんだし、北海道まで遠征するからには二泊三泊していけばいいんだ。次はそうしよう。特に、土日ではない平日ならば飛行機代は値下がりするわけだし。

今回も、成田空港を出るLCCを使って北海道を目指す。

搭乗時間の制約が厳しいLCCに乗るのはドキドキさせられるが、値段の安さは圧倒的魅力だ。なにせ、片道1万円もしないのだから。・・・って、往復で2万円近くか。「飛行機にしては安い!」というのは事実だけど、よく考えると結構な出費だ。いや、わかってはいたけれど。

この日は、JR武蔵野線の東松戸駅から京成線に乗って成田空港を目指す。いわゆる「アクセス特急」というやつだ。

京成電鉄といえば、特急「スカイライナー」のイメージがあるけれど、殆ど使ったことがない。「特急」(京成本線経由)や「アクセス特急」(北総線経由)だって十分にビュンビュンと速いからだ。

どんなにスピードが速くたって、成田という場所自体がそもそも遠いんだ。そしてその後、はるか彼方に旅立つんだから、少々ここで時間短縮したって大差はないぜ、という気がする。

まあ、どんなにカッコつけても、結局は「単に特急料金が惜しい」からなんだけど。

成田空港に到着。

前回北海道のハタケに行ったのは2014年。そのときもLCCのバニラエアとジェットスターを使ったので、成田空港を利用した。今回もそう。

ただ、前回と今回とで異なるのは、2015年からLCC専用の「第3ターミナル」ができた、ということだ。2014年のときは、第2ターミナルの一角に、違和感まるだしでチェックインカウンターがあったっけ。

JRにしろ京成線にしろ、「成田空港第3ターミナル」という駅は存在しない。第2ターミナル駅で下車し、そこから延々歩くか無料巡回シャトルバスに乗ることになる。

しかしシャトルバスは時計回りに運行されていて、第三ターミナルから一旦遠ざかる道を通ってぐるっと回り込む。直線で移動できればあっという間なのに、むしろバスに乗ると遠回りで時間がかかる。バスの到着を待ち、乗ってから出発までしばらく待機し、そして動き始めてもぐるっと大周りする。よっっぽど歩いたほうが早い。(2015年当時。その後バスのルートはショートカットされるようになり、所要時間は短くなった)

第3ターミナルまで630メートルの表示。分足80メートルで歩けるとしても、約8分だ。そもそもこの表示がある地上に出るまで、駅の地下ホームから随分歩いてきた。結局、駅に到着してからチェックインカウンターまで、なんやかや20分近くかかることになる。

先ほど、「LCCはドキドキ」と書いたのはまさにこのことで、飛行機にたどり着くまでの道中が長ければ長いだけ、予想外のことが起こりうる。630メートル歩いているうちに足をくじいたらどうしよう、とか落とし穴が掘られていたらどうしよう、なんて、心配性の人はたまらない時間帯を過ごすことになる。

落とし穴は大げさだとしても、成田空港を利用するお客さんで大きなキャリーカートをガラガラと引きずっている人は多い。そんな人は到底「分足80m」では歩けないので、もっともっと時間に余裕をもたせておかないといけない。

幸い僕は、2015年に第3ターミナルを見に行ったことがあるので土地勘があった。結構距離があるぜ、ということもわかっていた。だから安心して時間を見積もっている。でも毎年何人も、いや、何十人も、「飛行機に間に合わなかったー!」という旅行客が出てきているはずだ。

ちなみに2015年の記事はこれ。

成田空港B滑走路を塞ぐ、謎の「東峰神社」を見に行って職務質問されそうになった、という話だ。

一泊二日の旅行とはいえ、農作業をするための身支度をしているので荷物はそれなりにある。しかもふかふかの地面に足を踏み入れるので、ハイカットの重たい登山靴を履いている。正直言って、足取りは重たい。

それでも歩け歩け。

第3ターミナルに到着。

やっぱり、電車を降り立ってからだいたい15分かかっている。

第1、第2、第3ターミナルそれぞれの配置。全部いびつな形をしている。ツギハギだらけだというのがよくわかる。

僕が子供の頃、写真図鑑で成田空港を見たときは「ヒョウ、かっこいい!と口笛を吹きたくなるようなクールなフォルムだった。当時は第1ターミナルしか存在せず、きれいなブーメラン型をしていたものだ。

それが今や、ブーメランの長さは不均衡となり、変な棒が突き出るようになっている。できるだけ多くの飛行機をターミナルにじかづけできるようにするための苦肉の策だけど、ウキウキするかっこよさではない。

空港は新しいほうがかっこいいけど、今更「イチから作り直そうぜ」とは言えないので、これはこれで仕方がない。

で、LCC専用の第3ターミナルは正方形に近いシルエットの建物になっている。安くあげようという意図が姿かたちだけでもよくわかる。要するに、飛行機に乗りたけりゃ連絡バスに乗って、沖止めしてある飛行機に乗ってくれ、というわけだ。ターミナルから直接ボーディングブリッジ経由で飛行機に乗れるなんて甘く思うなよ、と。

正確に言うと76番、77番搭乗口の2つがターミナル直結なんだけど、ここから乗れる人は運が良いと思う。

第3ターミナル内部。

国内線、国際線が入り混じっている。

空港のチェックインカウンターがある空間というのは、「だだっ広くて、天井が高い」という印象があるけれど、ここは「天井が低くて、ゴチャゴチャしている」印象がある。これぞLCC向けのローコストターミナルの醍醐味だ。

天井の配管はむき出し。

(つづく)

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