基地を後にした我々だが、基地訪問5回目にして初めてのことがあった。それは、「案外へばっていない」ということだ。
この日の気温があまり上がらなかったため、比較的まだ余力がある。毎年、基地から横須賀中央駅への道中はトボトボとした足取りになるのに。
「じゃあ、せっかくだから」ということで、我々は初めて横須賀観光をしてみることにした。ちょうど、駅に向かう途中に有名な「どぶ板通り」があるからだ。
これまではどぶ板通りはずっと素通りしてきていたけど、今年ようやく見ることができる。
どぶ板通りは通称で、正式名称は「本町商店会」。300メートルほどの道の両側に、米軍基地の人向けのいろいろなお店が並んでいるという。そういえば僕ら、基地の中ばかりに気を取られていたけど、基地の外にもそういうお店があるよな。
どぶ板通りに入ってすぐのところに、マイクロブルワリーがあった。「どぶ板ビール」というビールを醸造しているらしい。
店頭に長机を置いて簡易な屋台を作り、道行く人にビールを売っている。
面白いのは、缶ビールが売られていることだ。「BEER TO GO」とラベルが貼ってある。店員さんに聞いてみたら、何種類かあるビールのうちお好みのものを選び、この缶に詰めてお持ち帰りすることができるのだそうだ。
950mlで1,200円+TAX。
当然、大手メーカーのビールと比べると非常に高いが、「ここでしか飲めないビール」を持ち帰ることができる、ということが楽しい。興味があるひとはぜひどうぞ。
「どぶ板ハッピー・ペールエール」とか「横須賀フォレストジンジャー・ジンジャーエール」など何種類かビールが売られている。
お酒が飲めない僕は、「おっ、ジンジャーエール?」と気になったが、これは「エール」と名前がついている通り本当のお酒だ。間違っても飲むなよ?
ガラス張りの部屋の中では、今まさにビールが醸造されていた。
マイクロブルワリーは、全国的な大手ビールメーカーが作っているものと同じ、ピルスナーを作っても勝ち目はない。売価が違いすぎるからだ。なので、いろいろなビールを醸造しているのだけど、それがいちいち面白い。醸造センスだけでなく、美的センスも備わっていないとこの手の商売はやっていけないので、ポスターやらラベルのデザインがかっこいいのは当然の世界だ。
このブルワリーの奥には、レストランも併設しているそうだ。
あっきさんは、ビールを1杯ここで飲んだ。
アメリカ人向けのお店が比較的多いとされるどぶ板通りだけど、蕎麦屋もあったりする。
不動産屋の値段を見てみたが、案外・・・というか、かなり値段が高い印象だった。
大して広くない間取り、築年数がいっている物件でも「あれっ?」という強気の値付け。東京都民からしたら、横須賀というのは「随分遠い場所」という印象だ。だから安くて当然、という思い込みがあるのだが、横須賀に住む人からしたら「東京?関係ないよ、あんな場所」と思っているのだろう。多分、横須賀には横須賀の重力圏があって、横須賀ならではの物価感覚があるはずだ。
基地勤めの兵隊さんが、「相部屋の官舎はウンザリなので週末は外に部屋を借りて過ごす」というのはよくある、と聞いたことがある。そういう人向けの不動産なのかもしれない。
どぶ板通り。
基地の人混みを尻目に、ここはそこまで混んでいない。
とはいえ、日本人と米国人がほどよくミックスされた人通りだ。
「ヨコスカネイビーバーガー TSUNAMI CURRY & GRILLL」というお店がある。
トランプバーガー、オバマバーガー、ジョージワシントンバーガーといった歴代大統領の名前を冠したバーガーが売られている。
なんかすげえな、ハンバーガーの写真には見えないぞ。「うちの子が、食べ物をぎゅっと握りつぶしちゃいました。」という写真のようだ。そもそも、ハンバーガーをグラム表示しているところがすごい。トランプバーガーが700g、オバマバーガーが450g。重たいのかどうか、さっぱり想像がつかない。ハンバーガーの重さなんて、意識をしたことがないから。
どうやって食べればいいのかさっぱりわからないトランプバーガーの中身はこうなっている。
ピーナッツバター、目玉焼き、厚切りベーコン2枚、スラッピージョー、チェダーチーズ2枚、パテ、レタス、トマト、オニオン、Rバンズ
「おかでんさん、食べていけば?」と仲間から水を向けられたが、さすがに今から食べるというのは無理だろう?何を言うのかね君たちは。
何しろ、「今、胃袋に空きがあるかどうか?」ということだけではない。僕の場合、両手と背中に食材がいっぱいだ。肉、ピザ、スナック。その他もろもろ。そういえばグミもラーメンも買ってたっけ。
これらを今日から一週間であらかた食べきらないといけないので、大変だ。なにせ、一週間後にはお盆の帰省が待っている。しばらく家を留守にするので、食材の整理はそれまでにしておかないと。
「冷凍庫があるじゃないか!」
と言われればその通りなのだが、その甘い言葉につられて、既に冷凍庫は一杯なんだよ!四次元ポケットじゃないんだよ、冷凍庫は!限りあるサイズなんだよ!
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