ああ、そうか!
どぶ板通りでは、ミリタリーグッズを売るお店もあった。
そういえば、基地内の屋台では、部隊のロゴをあしらったグッズはたくさん売られていたけど、迷彩服を売るお店はなかったな。さすがにそれは「官給品の横流し」になってしまうのでまずい、というわけだ。
米海軍が現在採用しているユニフォームは、デジカモと呼ばれているモザイク状の細かい四角い模様が入った迷彩服だ。海軍だけあって、青い。
海軍が迷彩服を着ることに意味があるのかどうか、よくわからない。でも、「海軍=海の上の人たち」とは限らず、海軍所属の飛行部隊もあるし、地上部隊もいる。なんかトータル的に意味があるんだと思う。多分。
サバゲーをたしなんでいた僕にとって、この迷彩では全く意味をなさないと思う。茂みに隠れても、隠れきれないはずだ。
「実物ユニフォーム」と札には書いてある。隊員が、小銭稼ぎのために官給品を横流しにしたのだろうか?
「おおお!?」
思わず僕が声をあげてしまったのが、この迷彩服。
「ゴアテックス」と書いてあるからだ。マジで?米軍って、迷彩服にゴアテックスを導入してるの?
にわかには信じられない。登山をやっている人ならおなじみの防水透湿素材「ゴアテックス」。とても性能が高く、値段が高いレインウェアには必ずといっていいほど使われている。水ははじくけど、内側からの湿気は通過させるという特殊素材なので、雨天時に運動をしてもムレない。ただし、びっくりするくらい値段が高い。
そんな素材を、贅沢に兵隊さん向けの服に採用?まじで?
「本物だろうか、これ?」
大変に疑わしい目で商品を眺めてしまう。「本物か?」というのは、これが米海軍で使われているのかどうか?というのと、本当にゴアテックス製なのか?という2つの意味で。
後で調べてみたが、実際に米海軍ではゴアテックス製のウェアを制式採用していることがわかった。なんて金持ちなんだ。日本じゃ多分ムリ。だって、このウェア一着、上着だけで2万円はすると思うぞ?一括大量発注だったとしても。多分、単なる迷彩柄というだけでなく、熱光学迷彩などいろいろ加工が施されているはずだから。
後日談だが、日本のアウトドアブランド「mont-bell(モンベル)」から、迷彩服が発売されていたのを知ってびっくりした。何を作ってるんだ一体?と思ったら、野鳥観察などを趣味にする人用なんだそうな。なるほど。もちろんそれはゴアテックス製だ。
ゴアテックスとかモンベルとか、アウトドアがらみの話題の最中に発見したもの。
「パタゴニアビール」。
ロゴを見ると、アウトドアブランドの「パタゴニア」そのものだ。知らなかった、パタゴニアってビールも出していたとは。473mlで1,000円と、かなりお高い。うっかり「うひゃぁー、喉がかわいたぁぁぁぁ」といってぐいっと飲んでしまったら、1,000円があっという間だ。涼しいところで、チビチビと飲もう。
「大将ミシンししゅう店」を名乗るお店。
「警務隊」とか「監視員」と刺繍が施された腕章などが売られている。ああそうだ、どぶ板通りって「スカジャン」発祥の地なのだった。
TOM & JACK、という名前のお店。看板に星条旗の柄が施され、USA!USA!感が半端ない。
で、謎なのが、「TOM」という入口と「JACK」という入口、2つに分かれているということだ。あ、「TOM&JACK」という一つのお店ではなく、2つのお店だったのか?
どう違うのだろう?微妙に扱っている料理や酒の種類が違うとか?
酒といえば、このあたりの米兵さん向けのお店の多くが「ビール」のほかに「チューハイ」を扱っていた。店頭の看板に「チューハイ」と書いてあるのが多くて、ぎょっとさせられた。
酎ハイって、その名の通りジャパニーズトラディショナルリカー、「焼酎」を使ったお酒だ。まさか米兵さんが焼酎を夜な夜な飲んでいるとは思わなかった。きっと、安く酔えるからだろう。「大五郎」とか「大樹氷」をジュースなどで割って酔っ払っている光景、見てみたいものだ。
どぶ板通りの突き当りに、グラッチェガーデンズがあった。大きく、「ピッツァ食べ放題セット」と看板が出ている。
「せっかくだからピザ食べ放題、やっていきます?」
水を向けられた。もちろん僕が両手に巨大なピザの箱を持っているからだ。食べ放題?いらん!1,299円で安いといえば安いけども。
先ほどからピザを持つ手がどうも落ち着かない。右手で持ったり両手で持ったり、時には頭の上に乗せてみたり。大きすぎてバランスが悪いからだ。いい加減ウンザリ。
どぶ板通りの最果てまで行ったので、折り返す。同じ道を歩くのは面白くないので、敢えて一本裏道に入ってみる。
知らない街の裏道を歩くのは大好きだ。表通りは観光客向けにパリッとしていても、裏はすっかり油断しきっていることがあるからだ。そのギャップが、愛しい。
裏通りにも、場末感ある飲み屋があったりする。夜に来るとこのあたりも賑わっているのだろうか?昼間の今は、とても静かだ。
アパートの入口には、英語の張り紙がこれでもか、とばかりに貼ってあった。どうやらここの住人は米軍基地に関係している人が住んでいるらしい。
張り紙は、「ゴミの分別をちゃんとしてください」「ゴミを散らかさないでください」というものだった。アメリカ人にとって、「曜日によってゴミの収集日が違う」というのはいまいちよく理解できないらしい。
迷彩パウンドケーキ!この発想はなかった。
店頭の張り紙。
「断面はもちろん迷彩柄!」
と書いてあるのだけど、どうも迷彩には見えない・・・。
本当に迷彩柄のお菓子が出来たら、それはかなりすごいことだと思う。
横須賀中央駅に向かう商店街を歩く。
アーケードではなく、長ーい建物の中にこの商店街はある。なので、通り全体が空調がほどよく効いて、ほっと一息つくことができる。ああ、今年もアメリカ旅行は終わりだな、と感じさせるひととき。
いろいろ変化があった2017年のフレンドシップデー。毎年ちょっとずつ、新しい発見があるからやめられない。2018年もまたこの地を訪れたい。そのためには、健啖であり続けるための健康維持に気をつけなくちゃ。
(この項おわり)
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