灼熱からの逃避【ヨコスカフレンドシップデー2016】

毎年、僕の「夏の風物詩」となっているヨコスカフレンドシップデー。米海軍横須賀基地の基地開きだ。

2013年から通い始めて過去3回。今年も、当然のように訪れる予定だ。

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日本にいるのに、まるっきりアメリカというその世界は驚きと興奮に満ちていた。そして、腹いっぱい食べても何も罪悪感を覚えず、むしろ誇らしい気持ちになるというのが心地よかった。

既に惰性となりつつあるけど、まだまだ夏になると訪れたくなる場所だ。遠路はるばる、早朝から横須賀を目指す。そんなミニ海外旅行。

昨年、一昨年と途中リタイア者を出してしまった、「死の行軍」企画でもある。なにしろだだっ広い基地の中は太陽の直射日光をさえぎる場所に乏しく、あっという間に熱射病に仕上がってしまう。暑さをしのぐ対策を万全にするのは当然として、用事がすんだらとっとと退却する、逃げ足の速さも重要だ。ダラダラしていたら、体調を崩す。

いい加減、一年で一番暑い8月アタマの開催はやめればいいのに・・・と思う。あまりに過酷過ぎる。同日、横須賀の花火大会が開催されるのでそれとタイミングを揃えているのだろうが、いつ死人が出てもおかしくない状況だ。それだけ、日本の夏は暑い。暑すぎる。

今年も相変わらず、「早く現地入りして、早く退却する」という作戦で現地に挑む。午後からだと、夜の花火大会もセットで楽しめるけど、その分人が多くなる。基地に入る前の行列時点で倒れてしまうかもしれん。それは最悪だ。せめて倒れるなら、基地の中に入って、うまいもんを食べた後にしたい。

「昔は『朝から基地で夜まで滞在、花火を見て帰る』なんて初々しいことを言っていたものだ」と遠い目をしてつぶやく。今じゃ、そんな無謀なことをしようとは全く思わない。命を危険にさらす、に近いことだからだ。または、かなりの苦行だ。

例年通りオフ会イベントとして、このサイト上で参加者を募った。しかしエントリーしたのは毎度おなじみのよこさんとおーまさんだけで、ほかの人は手を挙げなかった。さすがに企画内容が過酷だったか。

2016年08月06日(土)

横須賀中央駅

朝9時前、京浜急行の横須賀中央駅に降り立つ。

毎年、この時点の混雑で「今年はどれだけ基地ゲートで並ぶかな・・・」ということを予測するものだ。今年は相変わらずの多さらしい。

おーまさんの帽子

駅前の「スカレー」像前で3人集合。

各自、熱中症対策に余念はない。おーまさんは帽子を持参していたのだけど、値札がまだついたままだった。どうだ、とばかりに取り出した帽子だったが、「あっ」といってあわてて値札を引きちぎっていた。

このように、「普段は帽子をかぶらないような人」であっても帽子は必須アイテム、というのが今回の企画。僕も、年に数回しかかぶらない帽子をこの日ばかりはきっちりかぶる。そしてサングラス装着だ。

お店

今日も暑くなりそうだ。

「いやあ・・・先が長くなりそうだなあ」

空を見上げながら嘆息する一同。

駅前に、24時間営業の「磯丸水産」(居酒屋チェーン)がある。

「いっそのこと、あそこで酒飲んで帰る?」

冗談とも本気ともつかない言葉が、思わず口をついて出る。あそこなら、確実に、心地よく冷房が効いているだろう。でもわれわれがこれから向かうところは、当然ながら冷房なんてないし、涼風すら期待できない。せいぜい、熱風が吹くくらいだ。

しかも基地は海に面している(海軍だから当たり前だ)。塩分を含んだ熱風は、肌がべたつくのでますます居心地が悪い。

駅前

さあ、気合を入れていくか。

駅前の陸橋を歩きはじめたが、今回は基地への誘導用プラカードを持って立っている人が見当たらない。

「おやー?今日は人が少ないのかな?」
「まだ時間が早かったんですかねぇ?」

初めてこの地を訪れた2013年。プラカードにしたがって歩いていったら、基地からはるかに離れたところに導かれた記憶がある。それだけ、入場待ちの行列が長かったということだ。

今年はそういう誘導がなされていない。ということは、おとなしく基地の入り口である三笠公園に向かえばよさそうだ。

三笠公園

「そろそろ、このあたりで行列が見えるはずだぞ」
「まだ見えませんねえ」
「おやぁ?」
「さすがにもうそろそろ」
「いや、まだ見えない」

そうこう言っているうちに、三笠公園にたどり着いてしまった。おかしい。そんなバカな。例年、公園手前で大行列ができているのに。

どうやら、ゲートが既にオープンされているらしい。

がらがら

戦艦三笠が停泊している、三笠公園。

この脇から横須賀基地へ入っていく。その手前には、パイロンがずらりと並び、行列をつづら折れで並べるようになっていた。しかし、今はそのつづら折れが機能しておらず、完全にスルーして歩いていくことができた。

基地に向かうほかの人はみんな疑心暗鬼らしい。何故かみんな早歩きだ。いつこんな「夢のような、行列がない状況」が消滅するかわからないからか、足早にこのエリアを立ち去っていた。

そんなわけで、あっという間でパイロンゾーンを通過。

テント

戦艦三笠の脇には、昨年までなかった白いテントが設置されている。

長い行列中、気分を悪くする人がでてくる恐れがあるので救護所を設けたのだろうか?

まだ時間がはやいからか、テントには人がいなかった。

冷却用

暑さ対策のために、お守り程度の意味合いで「シャツクール・ストロング」を買って持ってきたぞ。

これそのものに熱射病予防効果はないけど、気休めにはなる。

衣類に吹きかけると、アルコールの蒸散と、ハッカのような成分のせいでスーッとした感覚を味わえる。あくまでも「味わえる」程度だけど。過信していると本当に熱射病になってしまうので、表面的な涼しさにだまされないように。

とりあえず、目の前にいたおーまさんの背中にこいつをシュッとひとふき。

「うわっ」

悲鳴が聞こえた。

三笠公園

「おやぁ?」
「おやおやおやぁ?」

まだ我々の「これまでとは違うぞ?」感が続く。スルスルと進んでいく、入場の列。その先には、金属探知と手荷物検査がある保安検査場が待ち構えている・・・はずなのに、見えない。それどころか、迷彩服を着たガードマンすら、いない。

本来、「ここから先、保安検査場界隈で写真撮影は禁止!」と立ちふさがる存在なのに。

どうしちゃったんだ?

基地の中に移転したのだろうか?

「いや、基地の中に入ってよいかどうかの検査だから、中で手荷物検査をしたのでは遅い」

うーん?

三笠公園

昨年まで、保安検査場があった場所。がらーんとしている。何もない。

そのかわり、この写真の左手のほうに新たに保安検査場が設けられていた。何か警備上の都合で移転したらしい。

初の快挙だ、保安検査場まで行列、なし!

基地に入るまで2時間以上待つことはザラだというのに、なんなのこの人の少なさは。

本来10時からフレンドシップデーはスタートなのだけど、前倒しでゲートオープンしたらしい。しかもかなり早い時間に、だ。9時にはゲートをあけたんじゃなかろうか。

今年は、パスポートではなくマイナンバーカードを持参していた。身分証明書を見せろ、といわれたらこれを出すつもりだったが、疑いを持たれることはなかった。三脚が怪しい、これはひょっとしたら偽装したライフル銃ではないか?または特殊警棒ではないか?とか調べられないかヒヤヒヤする毎年だけど、警備員さんは全くそんなことに興味を持ってくれない。

ここから米国

「毎年暑すぎるんだよ、ここまで暑いと、敬遠する人も出てくると思うんだ。だから参加者が減ってきているんじゃないかな?」

独自の理論を展開する。そうでないと説明がつかないくらい、人が少ない。

さあ、保安検査場を過ぎればあともう少しでアメリカ入国だ。さようなら日本、そしてこハローアメリカ。