そろそろ退却モードに入りつつある我々ご一行様。
「さあ、何か買い忘れはないか?今買っておかないと次は一年後だよ!」
とお互い声をかけあい、挑発しあっている。他人が「エーイ買っちゃえ!」と奮発するのを見るのは楽しい。だから、牽制なんて一切なしで、どんどんハッパをかけている状況。
そんな中、よこさんが「ルートビアを飲みにいこうー!」と言う。フードコートに「A&W」があるので、そこでルートビアを飲もうではないか、というわけだ。
ルートビア。
以前僕がサンフランシスコに旅行した際、初めて遭遇して仰天したドリンク。「サロンパスを飲んでいるような味」という表現が決して誇張ではないことを思い知らされた。
甘いジュースしか知らなかった当時は、究極のゲテモノドリンクとしか認識できなかったけど今なら違う。きっと、「ああ、案外おいしいね」と飲めそうな気がする。
よこさんの提案をふまえ、3人揃ってA&Wへと向かった。
A&Wは大行列。空調が効いた室内にいられる、というだけでも客足3割アップといった感じだろうか。店員さんはてんてこまいだ。
「えっ、Lサイズにするの!?」
僕より先にオーダーをしていたよこさんに驚く。
「しかも、フロート!!!」
よりによって、ルートビアの上にアイスクリームが乗っかる、「ルートビアフロート」を「Lサイズ」でご注文遊ばしていらっしゃった。カロリーについては考えたくない。考えちゃダメだ。そんな真面目なことを計算したら、人生つまらない。
Lサイズルートビアフロートを目の前で注文され、動揺したおーまさんも同じものを注文していた。えっ、アナタもですか?
僕は動揺しつつも、フロートなしのルートビアを注文するに留まった。ただし、Lサイズだ。おなかいっぱいになるぞ、このドリンクだけで。
届いたカップを見て、苦笑するしかない。なんだこのサイズは。
どれくらいの容量が入っているのかはわからないけど、カップの側面には「32oz.」と書いてあった。調べて見たら、オンスというのは重量の単位で、32オンスは907グラムだった。
ありえねぇ。なんで900グラム近くもドリンクを飲むんだよ。馬みたいじゃないか。
ルートビアのカロリーは100グラムあたり41kcalだそうで。ということは・・・まあいいや、そのあたりはいいっこなしで。
飲んでみたら結構うまかった。あれっ、昔はあれだけ嫌悪感を持っていた味だったのに、歳を経て随分まろやかになったものだな。
子供がわさびやセロリ、紫蘇といったクセの強い食べ物を嫌うのと一緒だ。歳を重ねるうちに、そういうのがだんだん好きになってくる。ルートビアも一緒なのかもしれない。大人の味・・・
なわけ、ないよなさすがに。
「900グラムも飲めるかよ、馬じゃあるまいし」
と思っていたのに、あっけなく飲み干してしまった。それもこれも、酷暑の中を歩き回ったせいだろう。熱射病予防のためにも、水分補給は大事。
今日は900mlのゲータレードを2本飲んで、さらに500mlのミネラルウォーターを飲んで、さらに900mlのルートビアを今飲み干した。3リットル以上の水分を摂取しているわけで、よく考えるとすごいことだ。
で、さらに、フードコート内にあるソーダサーバに目がいく。
アメリカのファーストフード店の多くがそうであるように、ここも基本はフリードリンクだ。店のカウンターでお金を払ってドリンクのカップを受け取ると、あとは勝手に自分で飲み物を注ぐスタイルになっている。もちろんおかわりは自由。退店間際に、テイクアウト用にさらにもう一杯詰めて帰るのもOK。
左から、ペプシ、ダイエットペプシ、レモネード、紅茶、水、マウンテンデュー、マグ(ルートビア)、ペプシチェリーコークと並んでいる。
さらにルートビアのおかわりを・・・いや、もうそろそろやめておこう。これ以上荷物を増やすのは困る。このあと、横須賀駅まで延々と歩くんだ。デカいピザをぶら下げながら。
片手にピザ、背中のリュックには重たいターキーレッグなどを詰めた状態で帰路に就く。
いつもの出口ではなく、三笠公園ゲートが今年の出口。みんな、入口と同じ場所へと向かって歩いて行く。
朝イチではなかったポールが通路には立てられている。
入場者用レーンと出場者用レーンにわかれている。
相変わらず入場者は続々とやってきているけど、既に出て行く人の数の方が多い気配。ちなみに現在の時刻は14時過ぎ。
「こりゃあ、今年は全然混んでいないのかもしれない」
入ってくる人たちの余裕な顔付きを見て、そう感じる。本来、昼時になると2時間待ちくらいにはなるだろうに。
「ありゃあ!」
三笠公園に出てみて、思わず叫び声を上げる。
仰々しく作られていた、「長い行列をさばくためのつづら折れレーン」に誰一人として並んでいないからだ。
つまり、行列、ゼロ。
全く並ばずに保安検査場にたどり着けて、そしてそのまま基地の中に入ることができるのだった。
例年こんな感じなのだろうか?
毎年、出口は入口と別の場所にあるので、この時間帯の混雑を直接見たことはない。しかし、まさかこんなにガラガラとは全く想像していなかった。
なんだ、早い時間に敢えて突撃しなくてもいいんじゃないか?これだと。我々は昼間の混雑を避けるために敢えて朝早く横須賀に到着していたのだけど。
とはいえ、この時間帯は一番暑い。アスファルトは灼熱だし、基地内には日差しを遮るものは少ない。今から基地に入って、散策するというのは結構な修行となる。夜の花火大会目当てでなければ、従来通り早い時間に基地に入る方が良さそうだ。涼しいうちに買い物は済ませておきたい。
行列を誘導するためのプラカード。
すっかり役目を終え、三笠公園の片隅にまとめて置いてあった。
基地を出るまでが遠足じゃない。少なくとも、横須賀中央駅に辿り着くまでが遠足だ。
なにしろ、基地から駅まで20分以上かかるからだ。
「もうそろそろ限界」となってから退却を開始したのでは遅い。駅に向かう途中で体力が尽きて遭難してしまう。余力を残した状態で引き上げないと。
救われるのが、基地から駅までの間に商店街があるということ。
アーケードというより、建物の中にあるといった感じで、当然空調がきいている。なので、お店の売り物を眺めつつ、クールダウンもできる。
2016年ヨコスカフレンドシップデー。今年も暑かったが、相変わらず楽しいひとときだった。来年もできる限り訪問したいものだ。余力ができてきたので、次は同日に開放している海上自衛隊の基地とセットかな・・・とも思うが、欲張ると危ない。ほどほどにしておかないと。
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