しもさか

2001年11月02日
【店舗数:094】【そば食:178】
長野県茅野市蓼科高原

せいろ、そばがき、しるこ、嘉美心純米

しもさか

この日、われわれは「アワレみ隊日本分断作戦-国道152号線完全縦走-」という企画をやっていた。道中に、フォッサマグナの影響でトンネルを掘ることができず、途中でただの山道になってしまう国道152号線青崩峠がある。日本に残された数少ない階段国道だ。この国道152号は、上田からスタートして、大門峠から白樺湖に入り、蓼科、茅野、高遠を通過して最後は浜松に到達する。この日、朝上田駅を出発したわれわれは、お昼ころには蓼科に到着していた。頃合いはちょうどお昼ご飯。ならば、ということでたてしなでは著名な蕎麦屋である、「しもさか」を訪問してみることにした。

途中、ビーナスライン沿いにある大きな蕎麦屋さんを何軒も素通りしながら、しもさかを目指す。しもさかは、林の中に隠れるように建てられたお店であり、うっかりすると見落としてしまうらしい。カーナビに住所を指定してみたが、正確な場所を表示させることはできなかった。あとは、車に乗っている人間全員が目を皿にしてお店を探すしかない。

「見つけにくい」という事を強く意識したせいもあり、あっけなくお店は発見された。「ふじおか」のような、営業する気あんのか、というくらいマニアックな場所ではない。でも、何となく蕎麦屋の傾向と対策はふじおかチックではある。

「ドライブで蓼科を走っていて、おなかがすいたのでこのお店にやってきました」という人は絶対にいないだろう。「今日はしもさかでお蕎麦」と最初から目標を立てていた人だけが、来店すると思われる。その割には、駐車場には結構な車の数があった。車がないと訪問できない場所だから、1グループあたり1台以上の車で来店することになる。なるほど、それを考えればそれなりの駐車場を確保しないと、営業できないなこのお店は。

いくら蓼科の雑木林の中にたたずむ店舗とはいえ、仙人じゃないわけで、ちゃんとお客さんに来て貰ってお金を払って貰わないといけない。営業を考える上では駐車場スペースの確保は死活問題だな。

しもさかの構え

大きな窓から店内がよく見える。開放感ある作りだ。店の脇には小川が流れ、こんなところを別荘地にするとさぞや気持ちいいだろうなあ、と思わせる。

お品書き1

お品書き2

お品書きは至ってシンプル。飲み物以外は、「せいろ」「(せいろの)おかわり」「せいろ大盛り」「そばがき」「しるこ」だけ。暖かいそばなんて、提供していない。ただ黙ってせいろそばを食べなさい、というわけだ。
「ほーう」

われわれ一同、ちょっと感心する。なぜなら、お店の方向性がそのまんま「ふじおか」だからだ。偶然だとは思うが、お品書きの構成がまったく一緒。そして、林の中にひっそりとたたずむ立地条件も一緒。

「蕎麦屋が究極にシンプルになったら、そば、そばがき、しるこという構成になるんかね?」
「いや、でもは『ざる』と『田舎』だぞ。サイドメニューなんて存在しない」

しばらく、「蕎麦屋論」を仲間内で戦わせる。

「それにしても、ふじおかと同じメニューだから、ふじおかと比べられちゃうね」

誰かがそんなことを言った。むむ、確かにそうだ。既に、お値段という点でわれわれの中では比較が始まっていた。せいろ一枚につき1,600円。相当に高い。対ふじおか、という観点に限らず、それなりのものを食べさせてくれないと不満は爆発しそうだ。

嘉美心

お酒は、岡山の嘉美心という銘柄の純米酒を。

突き出しが、もろきゅうというのが面白い。

そばがき

そばがき(1,200円)。

蒸しパンかと思った。なるほど、いろいろなそばがきが世の中にはあるもんだな。

海苔と、大根おろしが添えられている。うーむ、この大根おろしはどのようにして使えばいいのだろう、と少しだけ考えてしまった。

味、香りともにそこそこ。

せいろ

本日のメインディッシュ、せいろ(1,600円)。

ここまでお値段が張るそばを見るのは初めてだ。一般的なそばの価格からすると、倍になる。十割そばだから若干値段が高めだと勘案しても、それでも1.5倍近く高い。

こだわり抜いたそばなのだろう、きっと。

しかし、われわれ凡人の前では、値段に隠された「品質へのこだわり」なんて消し飛んでしまい、「高い!」という認識しか与えてくれなかった。

「ふじおかだって蕎麦を食べるのに1,500円するんだし(2000年当時)」と助け船を出したが、よく考えるとふじおかは「季節の野菜盛り合わせ」「漬け物盛り合わせ」がふんだんについて、そのお値段だった。蕎麦単体でみると、せいぜい800円-1,000円程度の価格になる。

「うわ、それを考えると高い!」

同行していた人よりも、相当に遅れ気味で驚くおかでん。

お値段が高いだけあって、盛りは結構良い感じ。では、肝心の味は・・・?

・・・うーん。うまい。

うまいんだけど、ねぇ。お値段がちらついちゃって・・・。

しるこ

最後、しるこ(1,000円)。

これで1,000円もするのか。まあ、中に入っているのがお餅ではなくそばがきなので、そばがきが1,200円するからにはそれなりのお値段にならざるを得ないというのはわかる。

今回、そばがきとしるこは3人でシェアしたが、これを一人一品ずつ、「フルコース」で頼んだ場合いくらのお支払いになるか。

お一人様、3,800円。ひゃー。

こうなってくると、作る方も道楽ならば食べる方も道楽じゃなくちゃ、対処できん。お店を後にしたわれわれは、相当にご立腹だった。「まあおいしかったからいいじゃーん」という、財布のひもが緩みまくりのおかでんを除くと、あとの二人は「あの値段はあんまりだ」「ふじおかの方が」と口々に不満を述べていた。結局、われわれ長野県外から遠路はるばる訪れる観光客にしてみれば、蓼科で蕎麦を食べるのも、黒姫高原で蕎麦を食べるのも距離としては大差はないのであった。だったら、ふじおかの方がいいじゃん、ということになる。

しもさか、ロケーションは良いし、お店の雰囲気も悪くない。お蕎麦もそれなりのものだ。しかし、お値段だけがネガティブインパクトを与えてしまうという、非常に惜しいお店だと思った。

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