2002年02月10日
【店舗数:119】【そば食:213】
長野県北安曇郡美麻村
もりそば、煮込み、冷や奴、地酒、そばうすやき 、そばがき

アワレみ隊の信州蕎麦食べ歩き紀行第五弾は、二日目を迎えた。振り返ってみると、昨日は5軒もの蕎麦屋をハシゴしていたことに気がついた。いくらなんでもやりすぎだ。さすがは、信州蕎麦食べ歩きの最終回、と銘打っているだけある。食べ方も半端じゃない。
蕎麦だからこそ、できるんだよなあ・・・としみじみと考える。これがうどんだったりラーメンだったら、こうはいかない。
初日の夜は、安曇野泉郷に素泊まり一泊し、夕食・朝食ともに形だけの簡単なものにとどめておいた。蕎麦屋ハシゴのおまけではしご酒になっていたせいもあり、二日目の僕の顔は絶好調にむくんでおります。体張ってるなあ、と鏡を見て感心する。
さて二日目は、さらに北上を続ける予定になっている。今日の予定は美麻からスタートして、更埴界隈→信州中野界隈→渋温泉で泊、というルートをとるつもりだ。で、本日一軒目は美麻村にある「山品」というお店。美麻村といえば、このアワレみ隊メンバーではなく別の人と「美郷」というお店に行ったことがある。このお店はとてもおいしい蕎麦を提供してくれたのだが、今回は美麻村にある数軒の蕎麦屋のうち、別のお店に行ってみることにした。
幹線道から離れ、雪原のなかをずんどこ走ると、カーナビが示した場所にはなにやら民宿っぽい建物が見えてきた。しかし、ちゃんと「手打ちそば」というのれんが下がっている。おお、これが目指す蕎麦屋か。

入り口に、限定メニューと称してホワイトボードにお品書きがいくつか書いてあった。何が書いてあったかは忘れた。
普通の民家のように、玄関からあがって、お座敷に入る。この雪の中だというのにお客さんは結構多く、ひっきりなしに出入りしていた。感心させられたが、シーズンになると行列ができるほどの繁盛となるらしい。そりゃすごい。民家的外観からは想像できない。
しかし、店内には芸能人らしきサイン色紙がびっしりと張り巡らされ、なるほどこのお店が有名人気店であることが伺えた。料理が出てくるまでの待ち時間、色紙を書いた人が誰なのか推理するのは格好の時間つぶしになる。
このお店、昨日訪れた「仲仙寺正心庵」のお品書きに匹敵するくらい潔い、大きな字でどかんと料理が記載されていた。しかもゴシック体の文字。非常に読みやすい。
ええと、「当店おすすめ名物そば」として、ちょっと他のメニューとは距離をあけて、「もりそば」と記載されている。よっぽどこいつを食べて欲しいのだろう。まずはもりそばを食って蕎麦の美味さを味わえ、という自信のあらわれだ。いいね、潔いね。
注釈には、「大盛りはありません」と書かれていた。このあたりも潔い。
ここで、あえて「えーと、にしんそば、大盛りで」なんて注文してみたい気がムラムラとわき上がったが、ぐっっと我慢だ。

何しろ、壁には「山品のそばをうまく食べる七ヶ条」なんて張り紙があるんだもんなー。ざっくばらんとした店構え、そしてインテリアの割には、結構こだわりがあるようだ。「いいから黙って食え」という高飛車なお店なのかと一瞬警戒してしまうが、いやいやどう考えてもこのお店はそうじゃないぞ。高飛車ではないけど、美味い蕎麦を食べて欲しいという事なんだろう。でも大盛りは出さないよ、と。面白いね。
・お茶を少なめにのむべし
・そば前(酒)を少したしなむべし(ただし運転手は除く)
・出てきたそばはすぐ食べるべし
・追加の注文で間をあかさず一度に注文すべし
・食べる時は言をつつしむべし
・音をたててすすりこむべし
・栄養のあるそば湯で腹をあたためるべし
だ、そうで。中には、「言いたいことはごもっともだけど、それを言うと高慢に見えちゃうよ・・・」という内容も含まれているが、それでもこの店内ののほほん感が中和してくれているのでオッケーだろう。ピシィッと引き締まった、清廉なイメージの蕎麦屋にこんな張り紙がしてあったら、ビビってしまいお客はおいしく蕎麦を食べることができないだろう。
それにしても、そば前を少したしなむべし、はうれしいじゃないの。じゃあ、さっそく蕎麦前を注文しましょうか。

ってなわけでそば前。
野沢菜を肴に、まずはぐいっと。ああ、ええのぅ。雪見酒じゃのぅ。

限定メニューだった、煮込み。
やっぱり寒いと、こういう料理があるとうれしい。

同じく、限定メニューだったということもあって誰かが冷や奴を注文していた。
何だか居酒屋っぽくなってきたぞ、熱燗、煮込み、冷や奴だなんて。

困った困った

煮込み皿で遊ぶのはほどほどにして。もりそば到着。
なかなかに見目麗しい蕎麦が出てきましたよ。さすがは推奨するだけある。
ずずずいと食べると、ああこりゃウマイや、と。うんちくをたれるだけあるね、と。

蕎麦を食べている最中にそばうすやきとそばがきが到着した。
ここのそばがき、なんとつゆの中に使っているタイプのものだった。これは初めてみた。
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