自作手打ち蕎麦(03)

2002年12月31日
【店舗数:—】【そば食:237】
岡山県某所

かけそば

今年も年越し蕎麦を

ぬおおお。年末、きたーっ。

「翌年の事を言えば鬼が笑う」というコトバが古来から日本にあるが、「昨年の事を言えばおかでんが泣く」。1年前といえば、年越し蕎麦を自前で作る事にして、おぼつかない手つきで蕎麦を打った事が思い出される。しかし、お手製こま板のせいもあって(相変わらず器具のせいにする)、なかなかイマイチな蕎麦ができあがってしまったのであった。味は素晴らしいのに、口あたりが悪い。

何しろ、年越し蕎麦は近くの蕎麦屋「あずみ」に既に注文してあり、それを敢えてドタキャンした上で取り組んだおかでん製手打ち蕎麦だ。家族に食べてもらっているときは、針のむしろの心境だった。

もう、ああいう「審判を受ける」ような状況はいやだ。「旨いんだから黙って食え」と胸を張って、堂々と構えていたい。もっと、腕を磨かないと。しかし、蕎麦打ちができるのは実家に帰省している時だけ。ならば、しょうがない、しばらくは試練の時とわきまえて、家族を実験台として蕎麦を打たせてもらおう。

と、いうわけで。昨年のカタキを1年越しではらすぞ、ということで2002年の年越し蕎麦も自分で打つことにしたのであった。もうこうなると、おかでん家の年間行事として定着するまで続けてやる。「まずいからヤメレ」と家族からタオルが投入されるまで続けてやる。

とはいっても、蕎麦打ちなんて昨年末の年越し蕎麦以来だ。腕が上達しているわけがない。逆にますますなまっているくらいだ。こうなったら、やはり蕎麦粉に頼るしかないわけであり、今年もお願いしますよ古川製粉さん。

蕎麦粉を注文する際、「昨年御社の蕎麦粉を使って蕎麦をうったら、非常に好評でした」とコメントを書いておいた。すると、注文を承りましたという返事メールとともに、「ありがとうございます」というお礼のコトバが添えられてあった。こういうやりとりがあるというのも、ちょっとうれしい。

特上そば粉

今回も、もちろん「特上そば粉」を調達。カネにあかせて最上級の蕎麦粉を調達するのは馬鹿丸出しなのだが、少しでも蕎麦粉で「腕の悪さを誤魔化す」事が至上命題。成金趣味みたいだが、ぐっと自尊心を抑えて、特上で勝負だぁ。

パジャマで蕎麦打ち中

今回は、蕎麦粉450g、割粉150gの配合で合計600gを打つことにした。「初心者が陥りやすい罠:つい多めに打とうとして、失敗する」という、指南書に書いてあった注意事項が頭をちらついたがまあいいや。

しかし、こっちは「まあいいや」でも、こね鉢の方がよろしくなかった。水回ししているうちに、粉が鉢から逃げよう、逃げようと必死だ。「待て、待てっ!」と粉を叱責しながら、粉をふにふにと混ぜていく。

水回し

水回し最中の蕎麦粉。

徐々にまとまってきたかな・・・。

まとまってきた蕎麦粉

一苦労して、ようやくこんな感じにまとまった。

雪だるまを作ってみようとか、だんご三兄弟を作ってみようというおふざけをする気にもならなかった。

伸ばし

今度は伸ばしだ。

おお?さすがにデカいぞ。

テーブルの大きさに限界がある

まだまだ薄くしなくちゃいけないんだけど、そろそろテーブルから溢れるよー。

テーブルからあふれた

あー。やっぱり。

テーブルからはみ出してしまった。

テーブルから垂れ下がった部分を救済しようと、その対角線から生地を引っ張ってみる。・・・危ない!危ない!ちぎれるぞ、このままだと。

べりっと破れてしまっては元も子もない。これでは、角出しどころの状態ではない。四角く生地を整形するのはそこそこにしておいて、生地を畳むことにした。

折りたたんだ蕎麦

おお!?

なんとなくそれっぽくなってきたぞ。きれいに折り畳む事ができた。これぞ、蕎麦って感じがする!上達したぞ、俺!

・・・と、自己満足に浸る。たぶん、非常にレベルの低いところで大喜びしているんだろうが。

さて、その脇には、ついに登場こま板Ver.3。今度こそ、東急ハンズで買ってきた本物だ。

さすがに、本物は違う。軽い、表面がつるつるしている、そして包丁を添える部分が適当な高さがある。これで、包丁がブレにくい。なるほど、Ver2までは、この包丁を添える部分が低すぎたんだ。

こま板を使う

さっそく、こま板Ver.3を使って麺切りをしてみる。

おおお!?これは使いやすいぞ!?

昨年までの「蕎麦粉でうどん風の麺を作ろう」企画まがいとは違い、きっちりと麺が切れるではないか。

これは、どこからみても蕎麦だ。蕎麦以外何に見える?凄い!上達したぞ、俺!

・・・と、またもや自己満足に浸る。

いかんいかん、自己満足は自分のココロの中に留めておかなくては。こうやってweb上でさらすと、本当に 「井の中の蛙、大海を知らず」って事がバレてしまう。

切り終えた蕎麦

打ち上がった蕎麦。ほらー。昨年の蕎麦と全然太さが違う。やはり、こま板Ver.3の威力って事か。昨年蕎麦を打った時から丸一年、全然練習していなかったにもかかわらずこの差だからなあ。こま板のおかげと判断しても間違いじゃないんではないか?

・・・待て!待て!こま板のおかげにしちゃ、こっちが自己満足できんだろうが。

すべては、俺様のテクのおかげに決まっているだろうが。えへん、えへん。

・・・虚しくなってきた。

なるとが乗っている蕎麦とな

今回はおとなしくかけそばに仕上げてみた。しかし、何かが乗っていないと家族が納得できないようだったので、冷蔵庫に残っていた青葱となると(!)を添えてみた。あれー、見栄え悪いや。やっぱりなるとは失敗だったか。

あと、つゆが思ったよりも不足してしまい、麺がつゆを覆いきれていない。ちょっと分量を間違えた。

で、こうやってみるとなにやら色気のない蕎麦のようだが、実際はかけそばにしてみてもきっちりと蕎麦の香りはするし、味もしっかりするしで十分満足いく蕎麦に仕上がっていた。今回も、古川製粉所大活躍。いやあ、少々蕎麦打ちの腕が悪くても、ごまかしが利く蕎麦粉ってぇのがありがたい。2年連続で救われた。おいしく頂戴いたしました。

温かい蕎麦というのは、作った本人も気楽に食べられるから楽だ。というのは、もりそばにすると「ああっ、せっかくの蕎麦なんだから、つゆにどぶんと漬けるのはヤメロ!」とか「わさびを最初からつゆに溶かすなぁ!」ってハラハラしっぱなし。その点、かけそばになっていれば、後は自由に食べやがれコノヤローって事で。

ずるずるずる。おいしく頂戴しました。今年も一年、ありがとう。来年もいい年でありますように。

蕎麦粉、1kg購入していたのだが半分余ってしまった。半年蕎麦粉がもつとは思えないが、お盆に帰省した際にはもう一度蕎麦を打ってみるかね。半年放置された蕎麦粉がどれだけダメダメになっているかが見物だ。今度は、蕎麦粉の旨さに頼らないで、自分の腕前で、何とか。

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