手打蕎麦 ぐらの(14)

2004年11月14日
【店舗数:---】【そば食:325】
埼玉県入間郡大井町

そば膳、清酒4種類

みよしそばの里からスタートした「新蕎麦紀行in彩の国」ツアーのメインイベントとして、ぐらのに移動だ。蕎麦ってぇ食べ物は、大盛りにしない限りはあまり胃袋にインパクトを与えない。だから、おかでんに限らず誰でも2軒くらいはハシゴできちゃうところが良い。これがラーメンだったらそうはいかない。ハシゴしたくても、おなかいっぱいでもういいや、って気分になるだろうし、それ以前にカロリー取りすぎだ。

蕎麦喰い人種の連載を始めた理由は、ここに記載の通りだが、実はその伏線として「ラーメン屋3軒行脚して、翌日体重激増・顔がぱんぱんにむくむ事件があり恐怖した、というでき事があった。そう、最初はラーメン屋行脚記にするつもりだったのだ。しかし、体に与えるインパクトがでかすぎたため、体に優しいであろう蕎麦屋に変更した、という経緯があるわけだ。そして、今に至る。うーん、人生ってラビリンス。

話が逸れた。ぐらのに視点を戻そう。

みよしそばの里からぐらのまでは車で5分ちょっと。しかし、そのままお店に向かうのではなく、例のごとくぐらのから徒歩15分の日帰り入浴施設「真名井の湯」に車を駐車。参加者ともども、全員でぞろぞろとお店まで腹ごなしウォーキング。さあ酒を飲むぞ、というやる気満々な姿勢を満天下に示しておきました。

お店に到着したのは15時前。昼下がりということで、お客さんはいるもののゆるやかな時間が店内に流れていた。そういえば、過去13回このお店を訪れているが、昼間に来るのは初めてだ。自然の光が店内に差し込んで、木造作りの店内はとても明るく、清々しく見えた。夜とは雰囲気が変わって、とても良い。

初めて訪れた、同行者たちは「ほえー」「へぇー」と感嘆の声を挙げながら、高い天井を見上げていた。このお店の場合、やはり誰しもがその天井に目が行ってしまうらしい。

今日の注文は至ってシンプル。3人ともそば膳をオーダー。あとはお酒をちょいちょいと注文すれば良い。

そば膳は、次から次へと「これでもか!」と料理がでてくるので、絶対にお勧めなのだが、それは注文した人が「お得感」「満足感」を得るから、というのとは別に、勧めたおかでん側が、そば膳を注文した人のオドロキ、興奮を目の当たりにするのが楽しいからでもある。

ほら、まずそばがきが出てきた。自分で蕎麦粉からそばがきを作るタイプだ。楽しそうに、箸を握りしめてぐりぐりと蕎麦粉を練っている同行者。それを酒肴にしながら、お酒をぐびり。うむ、良いですな。

その後も、料理がでてくるたびに同行者たちは「ほぅ」「ははーん」と声をあげつつ、喜びつつ、舌鼓をうっていた。

そうこうしているうちに、お店の人がお酒を1本持ってきた。「先日、台風の日にお越しになって、お店が閉まっていたと思います。お詫びということでこちら1本差し入れさせて頂きます」だ、そうで。いやいや、台風の日は隣の安楽亭で肉焼きながらビール飲んで楽しかったんでいいんですよ、そんなお心遣いは無用ですから、と主張したのだが、「そうおっしゃらずに」と押し切られ、お酒を1本頂戴してしまった。ありがとうございます。

参加者一同、

「ここで、頂いたお酒を飲んで、満足してしまうとお店の売上にならない。それでは申し訳ないので、頂戴したお酒は頂くけど、それに加えて予定通りちゃんと自腹でお酒を飲んで、お店に迷惑をかけないようにしよう」

という、たんなる酒好きの言い訳っぽい誓いをたてて、ありがたく差し入れのお酒を飲ませて頂いた。うん、おいしい。

差し入れ酒の他にも、自腹酒も追加注文しつつ、そば膳を楽しんだ。蕎麦屋のぴりっとした雰囲気が、お酒を飲んで気分が高揚しても馬鹿騒ぎにさせない。テンションを抑制しつつ、お酒と料理と仲間達の会話を楽しめるというのは、非常に心地よい。

そうこうしているうちに、ぐらののご主人がわれわれのところにあいさつにいらっしゃった。なぜか、手にはお酒が一本。そ、それは何デスカ。何でも、先日福井に行って来たそうで、そのとき買ってきたお土産だという。ぜひ飲んで欲しい、と言う。恐縮しながら、お土産を頂戴した。結局、今日はお酒を2本も頂戴してしまった。

あんまり飲み過ぎると、最後のお蕎麦の味がわからなくなってしまう。だから、お土産のお酒は味を確認する程度にとどめ、せいろそばを頂いた。ずるずる。「いやあ、いいですなあ」と酒臭い息で嘆息しながら、そばを頂いた。みよしそばの里とはまた性格の違う、蕎麦。どちらかといえば、みよしそばの里の方が野趣っぽい味で、ぐらのの方は上品な味わい。どっちも美味い。

大満足して、ぐらのを後にした。「どうだった?」と参加者に聞いてみたら、「いやあ、良かったわぁ。家から近ければいいんだけどな」というコメント。でも、これ以上至便なところにあったら、店が混雑しちゃうので痛し痒しだ。

この後、われわれはまた15分歩いて真名井の湯に戻り、サウナとジャグジーに半日をかけ、アルコールを抜いて帰路についた。いや、大満足の一日でした。

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