たつ吉(02)

2007年01月19日
【店舗数:—】【そば食:388】
広島県広島市猫屋町

天ぷらおろし

たつ吉

「ふくべ三」で蕎麦前と蕎麦を楽しんだ後、大人しく帰宅するつもり・・・だったが、大人しくそのまま帰宅できるわけがなかった。

正直、今年に入ってから食が細くなってきているので、蕎麦屋ハシゴなんてもっての他ではあった。しかし、帰宅ルート上に都合良く、ぽんぽんと蕎麦屋があるんだから困ったもんだ。

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当初は、「ふくべ三」の後、己斐の「はっぴ」に行くという二軒のコースを想定していた。しかし、ふくべ三で脳内にアルコール給油が行われたら、ふと「そうだ、猫屋町にたつ吉があるではないか」という、思い出さなけりゃある意味幸せなことを思い出してしまった。

「やめろっと言われてもー♪」と歌いながら南下することしばし、たつ吉に到着した。広島は、体力が人並みにあれば街の中心部をひととおりウロチョロできる規模の都市なので大変に暮らしやすい。食べ物屋のハシゴなんて、ほらご覧の通り余裕でできちゃう。

とはいっても、ちょっとだけお店の場所を探してしまった。相変わらずわかりにくいところにあるお店だ、偶然このお店を発見するなんてことはまずあり得ない。「えっと、この通り・・・じゃないか。じゃあ隣の通りだったっけ?」なんてきょろきょろしつつうろついていたら、あったあった、外観は普通の民家なれど、不自然に家の前に車が駐車されている場所が。あれがたつ吉。

たつ吉外観

さりげない外観だよなあ。

通りの遠くからでも分かるような、目印になる看板はどこにもない。店の正面に来て、初めて暖簾と、「たつ吉」というさりげない看板に気づく。さきほどの「ふくべ三」もさりげないが、商店街の中にあるだけまだ商売っ気がある。こっちのお店の場合、住宅地の中にあるので「よくぞ商売が成り立ったな」と感心する。その蕎麦の味に惹かれて、立地条件の悪さを乗り越えてお客さんが訪れるのだろう。

前回このお店に訪問したのは、「蕎麦喰い人種」連載開始直後の2000年2月。関西風のだしと万能ネギの薬味に激しく困惑した記憶がある。さて、それから早7年近くが経過したわけだが、一体自分自身はどう変化したのだろう。このお店を触媒として、自分の変化を見てみたいと思う。

有料産地蕎麦

以前、店の前には「幌加内産蕎麦粉使用」などと、本日の蕎麦粉の産地が書かれていたと記憶している。

しかし、この日は北海道の地図は勇ましいが、その下に「優良産地蕎麦」とだけ書かれていた。どうやら、産地はイマイチ特定しづらいらしい。どうしちゃったんだろう。ちょっと面白い表現で、ついつい写真を撮ってしまった。

たつ吉お品書き

12時50分の店内はお客さんでほぼ満席。立地条件も何のその、繁盛していた。ただ、よく見ると料理を待っている人の数が圧倒的に多く、食べている人が少ない。どうやら、ご主人と奥さんとおぼしき人の2名でお店を切り盛りしているので、どうしても効率よくお客さんをさばけていないようだ。

客層は、外回り途中のサラリーマンと工務員風の人、近所のリタイア後の老夫婦、そしておばちゃんなど。年齢が幅広い。よく見ると、それらの多くの人は同じ物を食べていた。何だろう、と思って、図解付きお品書きと見比べてみたら、どうやら「たつ吉ざる1,300円也」を食しているらしい。これは、ざる、さけごはん、天ぷら、一品料理のセットになったものだ。値段はちょっと張るが、なかなかのお得感があるセットといえる。やはり広島の人は、蕎麦だけじゃ物足りなくってご飯を欲するのだろうか?

たつ吉お品書き(文字だけ)

「ふくべ三」で飲み食いした後なので、ここでも清酒を一献、という行為には及ばなかった。「小ふぐの天ぷら550円」を肴にしてちょと飲ろうかしらん、という気もしたのだが、お酒のお品書きを見ると「冷酒」と「ビール」、「燗酒」というざっくりとした3種類しかお品書きになかったので、ちょっと食指が動かなかった。ここは大人しく蕎麦だけ食ってろ、って神のお告げにちげぇねぇだ、と判断し、蕎麦を注文。

ただ、何となく天ぷらが食べたい気分だったので、「天ぷらおろし1,250円」を注文。

えっと、天ざると天ぷらおろしの違いって何だ?値段は一緒なんだけど・・・。図解お品書きに、両方のメニュー共に絵があったのだが、なんだかさっぱりよくわからん。この絵、カラフルで可愛らしいが、実はよくわからなかった。

天ぷらおろし

厨房内はてんてこまい。ご主人は天ぷらを揚げたり、蕎麦をゆでたり大変だ。20分くらい待って、ようやく自分のところにも料理が運ばれてきた。

天ぷらおろし。

あー。

出てきて、ようやく理解した。そうか、おろしそばといえばぶっかけだよなあ。すっかり忘れてた。過去何度か同様のミスをしたことがあったっけ。いまだに学習していない。

えび天2本

えび天2本が、箸のようにそそり立っている。海老好きにはたまらない天ぷらだ。

その下には、青々とした蕎麦がたたずんでいた。うわ、これはいい蕎麦だぞ。遠目で他人が食べている蕎麦を見たとき、「あれっ、いい色してるな・・・」と思ったのだが、間近でそれを再確認。見ただけで、「これは絶対に美味い」と確信できる蕎麦だった。あー、こういうときに限ってぶっかけを選んでしまったのは不幸だったなあ。

早速蕎麦だけ食べてみる。ああ、これは素晴らしい。新蕎麦の香りが口と鼻に突き抜ける。昨年秋、新蕎麦を食べる暇も精神的ゆとりもなく食べそびれていた悔しさを今ここで払拭できそうな気がする。

ではもう一口・・・

と思ったら、天ぷらに蕎麦が引っかかった。ほぐしながらもう一口ずるるっといったが、天ぷら油の香ばしさが移ってしまい、味がわからなくなってしまった。ああ、しまった。

蕎麦単独を楽しむのは断念して、つゆをぶっかけて食べてみた。ううむ、やはり関西風のつゆには違和感を強く感じるのでした。ああ、この蕎麦を関東風のつゆで食べたい、と改めて思った次第。やはり、慣れというのは味覚をも支配する。関東風の濃い、辛いつゆに慣れてしまったら、関西風の優しい感じのつゆにはなじめない。

そんな自分に悔しく思いつつ、長くて立派な海老をばりばりと食べたのであった。

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