手打蕎麦 ぐらの(19)

2009年10月17日
【店舗数:—】【そば食:429】
埼玉県ふじみ野市大井町

そば膳、ヱビス樽生、清酒2種類

このサイトの読者の方で、何度かオフ会でご一緒したことがある方から「ぐらので今度の土曜日酒呑んでるので良かったら来い」という挑発を当サイトの掲示板で受けた。当方はこれを宣戦布告と見なし、正規の防衛行為として出撃することにした。

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ただし、丸腰で。

おかでん自宅からは結構遠いお店なので、長距離爆撃機となる車はぜひ欲しいところ。だが、お店で「酒を飲む」というなら車で行くわけにもいかない。よって、今回は電車と徒歩で現地へと向かった。

昔だって、ぐらのでお酒は飲んでいた。その代わり、映画館で映画を見たり、スーパー銭湯で時間を潰したり、タクシーを利用したり他人の車に便乗したり、一手間二手間をかけて帰路についたものだ。

しかし、昨今の飲酒運転の厳罰化と、社会的制裁の強さを考慮すると、車でのこのこ行くのはバカとしかいいようがない。自分の人生、そんなに薄っぺらいんか、と。

また、昔は一人で飲んでいたので酒量は知れていたが、今回は相手がいて、さしつさされつ状態になったら酒量が増える可能性あり。そうなれば、少々の酒抜きをしたって、抜けきる訳がない。

そんなわけで、電車を乗り継いで最寄り駅の鶴瀬駅(東武東上線)へ。そこから徒歩で店がある川越街道へと向かうのだが、区画整理がうまくできていない地区のために途中で道を間違え、大回りしてしまった。結局到着までに徒歩30分かかった。

こりゃ、お店に行くには車しかないなあ、お店で一献、なんてまず無理じゃん、と思ったが、後で「駅からバスが出ている」事を教えてもらった。あっ、バスのこと、すっかり忘れていた。Googleマップを見ていると、バスという公共機関の事をすっかり失念してしまうんだよな。

そばがき

大幅に予定時刻から遅れてお店に到着したら、発起人の読者の方は一人で鴨せいろを食べていた。もう食事が終わろう、という段階。そもそも、「俺は一人でぐらので飲み食いしている。良かったら合流しておいで」というスタンスで発案されたものだったので、誰もこなけりゃ一人で食べて帰ろう、というつもりだったのだろう。

遅れてきた事を相手に詫びつつ、自分も注文を検討する。

えーと。前回来たのが今年の冬、お昼に訪れたんだっけ。その前は・・・覚えてないくらい間隔が空いている。さて、久しぶりのぐらので何を食べよう。

ただ、そうなるとぐらの名物の「そば膳」がどうしても目についてしまう。第一回訪問時からお世話になっているコース料理で、そのお得感と「酒肴オールスターズ」的なラインナップは他の追随を許さない。こいつのおかげで、何度「他の料理も食べてみたいんだけどなあ」とぼやきつつ「すいません、そば膳お願いします」と注文したことか。単品料理キラー、とも言える。

今回も、「またやられた」とうめきつつ、「そば膳」を注文。久々の訪問なら、このコースを頼んでおけば一応各界の食材の皆様にひととおりご挨拶ができる。

料理を運んできてくれたおかみさんに「以前当店のご利用、ございますよね?」と聞かれてびっくり。今年の2月にはお会いしていないので、かれこれ4年は会っていない事になる。それでも顔を覚えていたとは。よっぽどキモい奴で印象深かったのだろうか。「私、お客様の顔は覚えているんです。」と仰る。商売柄とはいえ、凄いもんだ。刑事(デカ)あがりだろうか?

さて、そば膳のオープニングは椀がきからスタートする。自分でそばがきをつくるか、お店にお任せするかの二択だが、ここはぜひ自分でやっておきたい。

ヱビスの樽生を飲みつつ、気合いを入れる。

蕎麦粉

蕎麦粉を捏ねるとそばがき

粘土細工を作るかのような楽しさがある、「自分でつくる椀がき」。お子様の夏休みの自由研究が行き詰まったらぜひぐらのへどうぞ。この楽しいのは、自分の好みの堅さに仕上げられるだけではない。うりゃうりゃと混ぜている最中、蕎麦が優雅に香るからだ。日本には古来から「香道」というたしなみがあるが、白檀などの香りの中にこの「蕎麦」というのもぜひ加えて欲しいものだ。

練って練って、ざらついた感触が無くなれば完成。あまり練りすぎるとぐちゃぐちゃになるし、混ぜているんだか、綿菓子のように箸に巻き付かせているんだかわからなくなる。やりすぎ注意。

食すと、やや粉っぽく感じる。そりゃそうだ、蕎麦生地を作ったのと同じ状態であり、「麺ゆで」に相当する行程がない。生麺を食べているのに等しい。ただ、その粉っぽいキシキシした感じも楽しい。

おすすめ地酒

相変わらず定期的に入れ替わる、清酒が用意されている。お酒の説明が詳細に記されているのがうれしいが、大抵お酒飲んでいるときにそれを読むため、中身を覚えていたためしがない。

ビールは一杯でやめにして、清酒に切り替える。おすすめ地酒である、日高見をば。

三種盛り

そば屋の酒肴といえばこれだろう、どうだ、という三種盛りが到着。

玉子焼き、板わさ、蕎麦味噌。

出し巻きの味つけは自分好みで大変によろしゅうございまして、これは酒のみで良かったと思う瞬間。逆に、お酒を飲まない人はこれをどうやって食べるのだろう。ご飯がないとちょっとしんどいのではないか。

グラスに注がれる清酒

「おや」

お酒は、一升瓶を持ってきたおかみさんが目の前でグラスに注いでくれるスタイル。これは以前から変わりない。しかし、グラスの受け皿が変更になっていた。以前は升だったのだが、今は平皿。升だと、ついつい「おっとっと」と溢れさせることを客に期待されてしまい、お店の運営上よろしくないと思ったのかもしれない。

ふわふわ豆腐

ふわふわ豆腐。

毎度の事ながら、おかみさんに「まずは何も付けずにお召し上がりください」と言われる。そしてその後、お塩で食べよ、と。

そういえば、蕎麦の食べ方についてはあれこれ言われないけど、豆腐だけは指定があるというのは面白いな。天ぷらでさえ、「お塩で」なんて言われないくらいなのに。

車海老と野菜の天ぷら

車海老と野菜の天ぷら。

普通、これだけのボリュームがある天ぷらを蕎麦屋で注文したら、700円から1,000円近くはするんではないか。それが、しれっとこの2,400円のコースの中に組み込まれているんだから、この店はクレイジーだ。未来に生きているぜ、ぐらの。ドンキホーテの激安ジーンズなんて目じゃねぇ。

当然、天つゆをつけていただくわけだが、ふと思ったが「お塩で」と指定してくる蕎麦屋ってあるのだろうか?天つゆも蕎麦屋ならではの味であり、つゆにつけていただく天ぷらこそ蕎麦屋の天ぷらぞ、と思っているかもしれない。

それにしても悔しいかな、車エビが一本入っているだけで随分見栄えが良くなるんだよな、天ぷら盛りあわせって。海老が入っている天ぷらって基本的に高くなるので、そんなの食べるかよ、精進天ぷらで十分じゃバーカと思いがちだ。しかし、いざこうやって海老が入っているのを見ると、ああお海老様って偉大だなあと思う。愛知県民が愛するのも理解できる。名古屋城の天守閣の屋根についているのも、海老だったっけ?

せいろ

せいろアップ

最後はせいろでシメだ。

さすがに今まで大盤振る舞いしてきたこともあって、蕎麦は「小」サイズ。普通盛りもしくは大盛りにしたければ追加料金でどうぞー。これは、値段的なものもあるけど、それ以上に「ここまでたどり着くまでにおなかいっぱい」になる人が多いからだろう。本当に、シメという位置づけで蕎麦が出てくる。とはいっても、量が少ない某有名店なんかよりかははるかに量が多いが。

つゆは関東風の、濃くで塩っ辛いもの。真っ黒だ。つい先日、松本そば祭りでもっと薄めのつゆをたくさん頂いてきたので、その違いに改めて驚いた。ああ、東京風蕎麦ってこんなに濃かったんだ、と。

久々のぐらの、大満足でした。帰りは、ご一緒した方に車で駅まで送ってもらった。その方は、結局家から歩いてくるのが面倒になって(お店から比較的近いところにお住まいらしい)、車で来店したのだった。その代わり、お酒は飲まず、ノンアルコールビールだった。車だと、駅まで近いんだがなあ・・・。そうすると、お酒飲めないしなあ。

このお店でお酒飲んでほっこりしようと思ったら、なかなかにハードルが高い。白手袋をはめたお抱え運転手でも雇えるような身分になれれば良いのだが。

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