2012年12月10日
【店舗数:328】【そば食:552】
東京都中央区築地
辛味大根おろしそば
本日二軒目の蕎麦屋。先ほど訪れた「成冨」からそれほど遠くないところに「築地布恒更科」がある。言うまでもなく、本店は大井にある「布恒更科」。そこのご主人の息子さんがのれん分けで築地に店を構えたのがこちら。
14時近い時間ということもあって、お客さんはおかでんとあともう一人だけ。BGMは無く、空調の音だけ聞こえてくる。こういう静かな店は結構好きだ。
その「もう一人」のお客さんは、湯豆腐をつまみにしてビールを飲んでいた。その人と店員さんとの会話をそれとなく聞いていたら、「おせちの季節だから忙しくって」なんて言ってる。忙しいのに昼間から酒飲んでるのはなぜ?と思ったが、よく考えると、そうだここは「築地」なんだった。早朝から昼まで働いた人が、仕事上がりで蕎麦屋で一献、というわけだな。そういえば「成冨」も昼酒を楽しんでいる人が何人かいたが、これも築地界隈で働いている人なのだろう。
外二のもりそば(880円)を頼もうかと思ったが、ここは一丁、気分転換に辛味辛味大根おろしそば(1,170円)を頼むことに決めた。1,000円超えの蕎麦は正直財布に厳しいが、もりそばを大盛りにしたと思えば(+220円)、まあ許せるかなと。ちなみにこのお店で一番高い蕎麦は「厚切鴨南ばん」で2,670円。ひゃー、こんなお値段の蕎麦、頼む人っているんだろうか?でも、「厚切り」には惹かれるよな。
蕎麦ができあがるまでしばし待つ。ふと気がついたのだが、テーブルが面白い。よしずのようなものが張ってあるからだ。よしずだったら隙間ができて、そこに食べかすやゴミが挟まったら取り除くのが困難だろうに・・・と思って触ってみたら、みっちりと隙間無く葦が埋め込まれていた。これなら大丈夫だ。
辛味大根おろしそば到着。中太の蕎麦は角がシャキッとしたできばえで、食感がよい。香りは相当に強く、喉の奥、鼻の奥に良い刺激。そして鼻の先に香ばしさが余韻として残る。これ、相当においしい。つゆは色も味も両方とも濃い。でも、こういうのがおかでんの好み。
これが辛味大根おろし。かぼすと海苔が添えられているので、写真では大根おろしの姿がほとんど見えないが、結構な量だ。
つゆの中に大根おろしを入れるが、水気を絞ってある大根おろしなのでつゆを激しく吸う。つゆを何度も徳利から注ぎ足し、対応。こうなると、「蕎麦をつゆに浸して手繰る」ことは難しくなり、蕎麦をつゆを含んだ大根おろしにどっぷり絡ませながら食べる事になる。これはこれでおいしい。
以前、どこかのお店で辛味大根おろしそばを食べた時、辛味大根があまりに辛くて蕎麦の味が全く分からなくなってしまった事がある。それを踏まえて今回は警戒していたのだが、蕎麦の風味が殺されずに最後までおいしく食べることができたのは良かった。
余った辛味大根おろしは蕎麦湯に投入。すると、さっきまで辛かった辛味大根がうそのように甘くなった。熱が加わったからだが、これで「辛い大根」と「甘い大根」の二つの味を楽しめた。蕎麦を食べている時に辛味大根おろしは全部使い切るのではなく、1/3くらいは蕎麦湯用に取っておくとよさそうだ。
とてもおいしい蕎麦だった。良かった良かった。
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