手打ち蕎麦 信濃

2013年01月14日
【店舗数:343】【そば食:573】
東京都杉並区高円寺南

十割そば

雪の高円寺駅

JR中央線沿線の有名処蕎麦屋は随分行ったと思っていたのだが、高円寺駅近くにまだ未訪問のお店があるという情報をキャッチ、さっそく行ってみることにした。

家を出てみてびっくりしたのは、東京にしては珍しく大雪が降っていたということ。おっかしいなあ、天気予報だと雨とのことだったんだが。道理で朝起きた時寒かったわけだ。

こんな日は遠征なんてしないで、家で大人しくしておくに限るのだが、何も考えずに蕎麦屋に突撃してしまった。その結果、家に帰る際に、都心の交通網が完全に麻痺してしるのに出くわしてしまった。おかげで家にたどり着くまでえらい目に遭うことになる。

信濃

お目当ての店は「信濃」という。昨日「木曽路」というお店に行ったばかりなので、何かの縁を感じる。こうなったらこの次に行くお店は「信州」とか「甲信越」というもっとスケールのでかい店名のところに行かないとどうも落ち着かないぞ。

店名からは特に何かそそられるものは感じない。たとえおかでんが高円寺在住だったとしても、お店の外観、店名を踏まえ、店内に足を踏み入れる事は無かったと思う。それだけ、正直言って色気がない。そんなお店にこれから足を踏み入れようとしているわけだから、口コミ情報って偉大だ。20世紀における「食べ歩き」と、21世紀のそれとは全く性質が異なるということをまざまざと見せつけられた感あり。

信濃店内

雪が降っているからか、お客さんはおかでん以外誰もいなかった。店内はBGMがない上に、外では雪がしんしんと降り積もって騒音を吸収している。なんとも静かなひとときが貴方の元へ。

店内には灯油ストーブが置いてあった。もちろんストーブの上にはやかんが乗っている。いいよな、灯油ストーブって。暖房機能は当然として、加湿器や煮物調理にも使えるし、簡単なものなら炙る事だってできる。でも、ファンヒーターの強力な火力を一度体験すると、なかなか普通の灯油ストーブに戻る事ができなくなるんだよな。おかでん実家においても、レガシー灯油ストーブはファンヒーターによって駆逐されてしまった。

それはともかく。

大雪の屋外から急に温かい店内に入ったので、デジカメが結露して参った。しばらくの間はデジカメがつかいものにならなかったのには困った。

お品書き

壁にはお品書きの木札が貼り付けてあった。お品書きはシンプルにこれだけ。あれっ、一品料理やお酒は?と飲み助のおかでんはすぐに気がついたが、その回答は張り紙に記されてあった。
夜は日本酒・焼酎あります。[お酒の品書]あるので声をかけてください

へぇー、お昼はお酒を出さないんだ。すぱっと割り切っていて潔いな。お酒を飲む客の方がお店にたくさんのお金を落とすから、お店にとってはありがたいだろうに。でも、あえてお酒をお昼に出さないということは、昼時は繁盛して混雑しているのかもしれない。あいにく今日は客、おかでんただ一人だけど。

「お酒の品書きあるので声をかけてください」という書き方も面白い。最初からテーブルにお酒のお品書きが置いてあるわけではなく、店員さんに頼めばようやくお品書きを見る事ができる、という仕組み。昼夜問わず、お店としてはあんまりお酒売りたくないのかな?

酒肴は扱っているのだろうか?張り紙を正直に解釈すると「お酒(だけ)のお品書き」が出てきそうだが。気になる!昼にこの店を訪れたのは作戦失敗だったかな?

こんな雪が降っている天気の中、ストイックに冷たいざるそば(650円)を食べるのはマゾ的ではある。寒中水泳やっているみたいな感覚。温かい蕎麦を食べるのが吉だ。とはいえ、初訪問のお店なんだし、せっかくだから蕎麦の味がシンプルに分かるものを食べたいところだ。そんなわけで、妥協案(?)として選んだのが「十割そば」(750円)だった。これなら誰しも文句はあるまい。

お酒が飲めるんだったら、野菜天ざるそば(1,300円)でも良かったのだが、お酒取り扱ってないしねぇ。お店の人に「今日は客がいないわけだし、この天気だし、ここは一発、お酒の熱いのを持ってきちゃってくださいよ」とおねだりする事も考えたが、「駄目っす」と言われた時、自分自身どんな顔をすれば良いのか分かりかねたのでやめた。

十割そば
十割そばアップ

出てまいりました、十割そば。

蕎麦は幅広麺。麺の長さは十割ということもあってあまり長くないが、しっかりとした噛み応えがある麺なので、すするというよりももぐもぐ噛みしめる食べ方となり、さほど問題ではない。

蕎麦を噛むと、香りが口腔内から鼻腔に抜けていくのがよく分かる。それと同時に甘みを感じ、唾液がよく分泌される。うん、いいね。「噛む蕎麦」は、食べていて楽しい。

量は結構多い。750円でこのクオリティでこの量のものが食べられるんだったら御の字だ。「量が少ないので大盛りにしました」とか「蕎麦はなんだか食べた気がしなくってね、あまり好きじゃないんだ」という人でも多分安心・・・かな。ちなみに大盛りは150円増し。

高円寺の駅近くにこういう店が潜んでいるんだから、中央線沿線は侮れない。そういえば西荻窪の「鞍馬」も駅からすぐの場所だったな。

さて、このお店での食事はここまで。この後、隣駅の阿佐ヶ谷まで歩いて行き、これまた駅近くにある蕎麦屋を訪問するつもり。大雪なんて知ったことか。

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