蕎麦遊膳 松鈴 SHOURIN(02)

2017年12月03日
【店舗数:—】【そば食:687】
東京都足立区南花畑

鴨南蛮

松鈴

今年のおかでん家の年越し蕎麦は「鴨南蛮」とすでに決まっている。なので、「プロの鴨南蛮の味ってどうだったけ?」ということを事前に予習することができるのが2017年の師走だった。

昔は、蕎麦打ち教室に足繁く通って蕎麦打ち技術の上達に余念がなかったものだが、いつしかダレまくってしまい、今やフンコロガシがフンを転がしているのか、おかでんが蕎麦生地を捏ねているのかわからない有様だ。

だからこそ、今年は明確な目標ができて、久々にやる気が出ている。

「おかでんはスタンプラリー系のものが大好き」というのは内外ともに認める性分だけど、別にスタンプラリーそのものが好き、というわけではない。そういう「縛り」がないと、怠惰な自分はダラダラ過ごしてしまい、何もしないだろう・・・という自己不信があるからこそ、ケツを叩く何かがあった方がいいと思っている。

で、今回に関しては、「鴨南蛮が食べたいわ」というママンからのリクエスト。これが「おかでんのケツをスパンキング」しているというわけだ。愛の鞭だね、ママン!

前日、「足立さらしなの里」で食べたすぐ次の日に、別の蕎麦屋で鴨南蛮だ。

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ちょうど、足立さらしなの里からの帰り道、「あっ!松鈴っていうお店が、同じ足立区にあったよな!」と思い出したからだ。かれこれ2年前に訪れたことがあったっけ。すっかりその存在を忘れかけていた。

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「うまい蕎麦だ」と評したお店なのに、なかなか再訪できていなかった。思い出したが百年目、こういう機会だからこそ、食べに行きたい松鈴へ。

日曜日のお昼、このお店を久しぶりに訪問した。

お品書き2

13時半すぎの到着。このお店は中休みがないので、お昼の遅い時間に到着しても大丈夫だ。

せっかくここまで来たんだし、なにかつまみでも頼んでもいいな・・・と思う。ノンアルコールビールじゃどうもメリハリがつかないけど、まあ今回はそれでもいいか。

しかし、肝心のノンアルコールビールがなかったので、完全に方向性を見失ってしまった。さすがにウーロン茶を飲みながら、天ぷらとか板わさを食べるというわけにはいくまい。

「いくまい。」もなにも、本人が良いと思えばやればいい。でも、さすがに自分の中での納得感が得られなかった。残念ながら、パス。

このお店は酒肴が結構豊富だ。お酒も、品揃えがそこそこある。冠婚葬祭に使えるようなお店なだけあって、飲食のラインナップはさすが。宴会コースでは、1万円を超えるものも用意されているくらいだ。

こういうメニューを眺めながら、「もし自分がここでお酒を飲んだら?」ということを考えてみる。

ぞっとした。

確実に、昼酒返り咲きだ。だって、昼下がりの蕎麦屋酒、絶対に気持ちいいから。で、一度それを復活させると、ずるずると、毎週のように昼酒を飲むようになるだろう。目に見える。

やっぱり、自分はもうお酒は飲めないな、と諦めがついた。「余命1年」と医者に宣告されてから、飲むのを再開しよう。今、まだ壮年期のおかでんが飲酒生活を再開させたら、確実に寿命が縮まる。

お品書き1

いきなり大本命の鴨南蛮にいっちゃうのもなあ、と思う。

もう少し、前口上を述べてくれるような軽妙な一品がないものか。探してみたけど、見つからなかった。

「季節野菜の天ぷら」というのが大変に惹かれたのだけど、お値段は1,000円。うーん、揚げたて天ぷらはすごく食べたいのだが、1,000円というのはちょっと。お酒を飲むわけでもないのだし、あまり財布の紐を緩めているわけにはいかない。

さんざん悩んだ結果、鴨南蛮単品勝負に出た。お値段、1,350円。昨日の「足立さらしなの里」が1,780円だから、430円も値段が違う。

鴨南蛮

松鈴の鴨南蛮。

やはりどのお店も、鴨ロースと鴨つくね、縦に切ったネギというのが定番だな。あと、刻んだネギが別皿で用意されている。この別皿のネギが、実はいい仕事をしている。つゆに煮込まれた、甘みを引き立てるネギとは違う、しゃきっとした存在と薬味としての存在が蕎麦を引き締める。これは僕が作るときも是非導入したい。

足立さらしなの里もそうだったけど、つくねはおそらく炙っておらず、煮込まれている。鴨のだしをつゆに移すためのものだろう。一方ロースは、焦げ目がつかない程度に炒めてある。

鴨南蛮というのは、鴨のだしがつゆにしみこんでモウ!という食べ物だと思い込んでいたけど、今あらためて食べてみると、そこまで鴨だし!つゆにギュンギュン!うはあ!というものではなかった。最近、プロの鴨南蛮を食べていなかったので、勝手な妄想を膨らませていたらしい。

じゃあこのつゆは面白くないのかというと、そうではない。やっぱり、うまいんだよな。江戸前の辛汁だからというのもあるけど、凜とした辛さ、でもとげとげしくない、というバランスがとても蕎麦と合う。

蕎麦も、歯ごたえをきっちり残して、噛むとぱつん!と切れるのがいい。若干輪郭が崩れかかっているような蕎麦はだめだな、ちゃんと四角い蕎麦の断面がわかるくらいの茹で加減でないと。

うーん。

年末に向けて、何かヒントになることがあったか?というと、「さすがプロの蕎麦はうまいな」という小学生並みの感想しか出てこない。でも、食べておいて良かった、と思う。さて、家に帰ってつゆについて調べてみなくちゃ。

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