今年も、のっとれ!松代城の季節がやってきた。
5年連続5回目の参加。いい加減やめたら?とは少しも考えたことがない。もう、3月の風物詩として自分の歳時記に組み込まれてしまっている。




イチから「のっとれ!」の説明をするのはタルいので、過去記事を漁ってください。今回はいきなり当日から話をスタートさせる。
淡々と12月に「のっとれ!」にエントリーし、12月中に入金し、2月には越後まつだい幕府からエントリー完了の連絡を受け取り、宿の手配を済ませ、総決起集会を開き、そして当日。
我ながら、これら一連の動作がルーティンワーク化していることに驚く。
2018年03月10日(土) 1日目

2018年の「のっとれ!松代城」にチームアワレみとして参加するのは、昨年と全く同じメンツ。たっぴぃさん、よこさん、おーまさん、おかでん。そしてレースには参加しないものの、たっぴぃさんの奥さんであるおやびんの5名。
元々、アワレみ隊OnTheWebのオフ会常連だったけど、もはや全員が「当然、のっとれ!に参加する戦友」になっている。
あと、昨年同様現地でもぐさんと合流予定。今年も昨年同様、レースには5名体制で臨む。
「何年チャレンジしても、ハワイ遠島の刑が当たらない。ならば、人数を増やせば誰か当たるだろう」
という発想で毎年人を増やしてきたが、今年は限界になってしまった。これ以上、人は増やせなかった。周囲に声はかけるんだけど、みんな一様に「いやァ・・・」と苦笑して黙ってしまうからだ。そんなにイヤっすかね?このイベント。
「僕なんて歩いてるけど、ちゃんと制限時間内にゴールできますよ」
と、実は相当恥ずかしい事を臆面もなく語り説明するのだけど、それでも賛同者は現れなかった。「寒い」「遠い」「しんどい」というところで、どうにも敬遠されてしまう。僕がもし、まだ20代の若者だったら、きっともっと仲間は集まっただろう。でも僕も立派な40代、知人友人も同じく40代だったり、もっと上の世代だ。そりゃ、なかなか参加する気にはなれないよな。僕だって他人から誘われたらどう思うことか。

5年連続5度目の、まつだい行きが始まる。
今年は、例年よりも新幹線の便を1本早めた。今回、宿がちょっとだけ遠いところにあるからだ。
本来なら、新潟県十日町市でこんな愉快なイベントが開催されていることに経緯を表し、十日町市内の宿に泊まりたい。十日町市にお金を落としたい。・・・でも、昨年は六日町市の宿に泊まることになったし、今年はよりによって十日町市を素通りして、上越市(!)の宿になった。なんてこった。
「のっとれ!」が有名になり、募集定員が400名から500名に増えたこともあってか、今や十日町市が誇る温泉街・松之山温泉の予約が取りにくくなってしまった。高い宿なら空きがあるのかもしれないけど、レースが目的の旅行で、高級宿でまったりする精神的時間的余裕がない。
あと、十日町市には、古民家を一棟貸ししてくれる宿もある。囲炉裏が切ってあって、薪をくべて調理ができたりするらしい。「それ、素敵!」とワクワクしたのだけど、「一棟貸し」ということはすなわち1組しか泊まれない、という現実に直面した。「のっとれ!」当日に予約なんて取れっこなかった。
そんなわけで、チームアワレみの一員、よこさんの友達の知人がつい最近始めたという農家を改築した宿が上越市にあるというので、そこを今回の宿にした。上越市って、日本海側じゃないか!と思うが、実は案外山深くまで領土がある。イベントが開催される松代はすっげえ山奥だけど、実は松代からさほど遠くないところに、その宿がある。すまん十日町市、今年も宿泊でお金を地元に落とすことができなかった。

新潟行きの上越新幹線が東京駅のホームにやってきた。
僕は上野駅から新幹線に乗った方がラクなところに住んでいる。僕に限らず、おーまさんを除く4名がみんな、そうだ。東京都東北部に住んでいるからだ。
それでも、東京駅にみんなが集結するのは、「始発駅から乗車するのって、旅情だよね」と思っているからだ。列車が発車するまでの間の、数分間の「停止している電車」って、ワクワクするよな。そして動き出した瞬間の「うおー!」感って、絶対あるよな。
お酒を飲む人ならば、電車が動き始めるまでは乾杯は自粛。着席するやいなや飲み食いを始めるのは、ちょっと惜しい気がする。

そんなわけで、電車が動き始めてからきっちり5名で乾杯。今後の旅の無事を祈念して。

みんながめいめい酒のつまみを東京駅の構内で買い込んでいたら、同じものを買ってしまうという好例。でもうまいから許す。この玉子焼きは、味もさることながら、つまみやすいので便利なのだよ。

お酒をのみつつ、つまみを食べつつ今回のレースの話をする。
毎回、このメンツで会う度に同じ話をするのだけど、飽きないものだ。今度のレースでハワイを当てる人は果たしているのか?とか、歌舞伎者として、あの常連さんは今年も出場するのかどうか?とか。
もっぱら僕らの注目は、歌舞伎者の中でも特に衝撃的だった「ちんころ」だった。一昨年が初登場で、ちんころ一人と女子マネージャーという組み合わせだった。それが昨年はちんころは男女ペアになっていた。我々は、「あの様子だと、今年はもっと増殖して『ちんころ軍団』になっているぞ」なんて話題で盛り上がる。
おやびんは「わたしも白塗りになりたい!」なんて言いだした。この人、齢50を超えているのに気持ちが本当に若い。少女のようにワクワクすることができる人で、会うたびに感心させられる。しかし、いざ喋ってみると、自分の人生経験をもとにしみじみと語ることもできる、振り幅の広い人だ。
毎年、レース前に大盛り上がりとなる「ハワイ遠島の刑、今年は当選するか?」の話題については、もう苦笑するしかなかった。4年連続、ハワイどころかちっちゃな賞でさえ、全く当たらないからだ。もう、何か賞が貰える気が全くしない。
500名がレース定員。実際にレースに出て、完走するのはもう少し少なくなって480名とか470名といったところだろう。そのうちの5名!つまり100人に一人がハワイなんだぞ。そして我々は、(後で合流予定のもぐさんを入れて)5名も陣容を固めているんだ。グループ5名のうち誰かがハワイに当たるのは、1/20の確率、ということになる。
それでも当たらない。何一つ、あたらない。
これまでは、冗談交じりで「これだけ当たらない、ということはどんどん確率が高まっているんだよ。今度こそハワイだよ」なんて慰め合っていた。でも、今年はもう誰一人として、「ハワイ、当たるといいね」なんて言わなくなってしまった。当たる気がしないからだ。
毎回、「きっと当たる、当たるはずだ」と手を合わせて抽選会に臨んで、その都度ガッカリして肩を落として帰宅する、というのはもう疲れた。なので、「もう今年は当たらない!当たりっこない!ということで気楽にいきましょう!」と叫び、完全に開き直っている有様。

そんなわけで、新幹線車中での宴会は「総決起集会」と名乗っている割には、「ハワイを勝ち取るぞ!」「せめて、芝峠温泉一泊の『釜ゆでの刑』は欲しい!」なんて話は出ず。単なる朝酒をひっかけるだけの宴会で一旦おしまいとなった。
越後湯沢駅に降り立つと、東京とは全く違う、湿度が低くてピリッと寒い空気が肌を突き刺す。これだこれだ、これぞ雪国の雰囲気だ。
まだ冬将軍は越後の大地にどっかと腰をおろしているようだ。

越後湯沢は東京からあっという間だ。本格的に飲むには、時間が足りない。
いや、それ以前に「朝からしこたま飲む」輩がこのメンツにはいない。(おーまさんを除き)酒好きが揃っているメンツなのだけど、酒好きの割にはぐいぐい飲むようなことをしない。
越後湯沢駅の「ぽん酒館」に着いても、名物である越後地酒の利き酒はやらない、と皆一様に口を揃えて言う。
「今のうちから酔ったら、この後の活動に支障が出るから」
まあ、そりゃそうか。清酒で酔って眠たくなったら、せっかく新潟までやってきたのに寝ておしまいになってしまう。
僕がお酒を飲んでいた頃は、「旅行だ!」ともなれば朝からガンガンお酒を飲んでいたものだ。だから、彼らの言動には物足りなさを感じる。・・・ああ、でもそうやって「朝から酒を飲む」から、僕は今後一生断酒せざるをえなくなったのか。何事も「ほどほどに」が大事だ。僕の仲間たちは、その「ほどほどに」を今まさに実行中。

それでも「ぽん酒館」に立ち寄るのは、女性陣2名が愛してやまない笹だんごを、今のうちに確保しておくためだ。生クリーム入り笹だんご「笹子」を、今のうちに店員さんにお願いしてお取り置きしてもらっていた。
(要冷蔵品なので、今買ってしまうと傷む。なので、帰りの新幹線に乗る直前に受け取ることにしている)
さすが新潟、笹だんごは本当にたくさんの種類が売られている。いろいろ食べ比べて、自分の好みを見つけるというのもよさそうだ。どうせ毎年「のっとれ!」に参加するわけだし、毎回1種類ずつ買っていけば、いずれは・・・いや、きりがないからそれはやめよう。

「ぽん酒館」のマスコットとして、館内のあちこちでひっくり返っていたり直立不動になっている「酔っ払いサラリーマン」。
今年は定位置に姿が見えない。以前、「いたずらをしないでください」みたいな張り紙が貼ってあったので、どうやら悪い奴らに蹴られたり馬乗りにされたりしたのだろう。インスタ映えを古くから実践しているようなキャラクターなので、こうなるのも時間の問題だったか。
そんなサラリーマンよフォーエバー、ということでミニチュアのフィギュアが売られていた。灰色のスーツを着ているので、一瞬「井之頭五郎?(漫画「孤独のグルメ」の主人公)」と思ってしまうが、井之頭五郎は下戸というキャラ設定だ。一升瓶を持っているなんてことはありえない。
こんなストラップが欲しいか、と言われると・・・うーん、いらない。

ぽん酒館の商品を見て回っていると、本当にいろいろな「米を使った食べ物」が売られている。ここまで徹底して品揃えが豊富だと、何か買わないと損をした気分になる。
かといって荷物が増えて重たくなるのも困るので、今回は「こしひかり米カステラ」を1つ購入した。米粉っていろいろ使い道があるものだなあ。まさかカステラにもなるとは。
それだったら、米粉を使ったパスタなんて可能だよな?と思ったが、よく考えたらそれはビーフンではないのか?ということに気がついて、そっと自分の考えを胸の奥にしまった。

この米カステラが素晴らしいのは、小麦粉を全く使っていないことだ。「申し訳程度に米粉が入っています」というのではなく、しっかり米で生地を作っている。へえええ。ただし、成分表を見ると、米粉は一番最後に書いてある。卵よりも砂糖よりも少ない米粉。それでもこうやってカステラって形になるものなのだな。へえええ。
よくスーパーのレジ横とかドン・キホーテとかで、「1個70円程度」のどら焼きが売られているものだが、あの成分表を見るとびっくりさせられる。成分表の先頭に「砂糖」と書いてあるのだから。えっ、どら焼きの生地に使う小麦粉よりも、あんこに使う小麦粉よりも、砂糖の方が多く使っているの!?
成分表って面白いよな。

ぽん酒館では、「極上吉野川」の試飲をやっていた。
僕は当然お酒を飲まないので、傍らにいたよこさんをけしかけ、試飲してもらった。
僕は、人が試飲して「うーん、これは先ほどのと比べてすっきりしていて飲みやすい」なんてコメントをしているのを聞くのが大好きだ。へえ、そうなのか!なんて感心する。だから、試飲コーナーがあると、むやみに周囲の仲間をけしかけるのた常だ。そして、「ねえねえ、どう違う?さっきと比べてどう?」としつこく聞いて回る。
逆に、うまいとわかっている酒を仲間がひたすら飲んでいる、というのに僕は興味がない。そりゃそうだ、僕には関係のない話だから。

あ、酔っ払いサラリーマンが一カ所に集まっていた。
昔は施設内のあちこちに散らばっていたと記憶しているのだけど、「類は友を呼ぶ」で集まってきたらしい。そのかわりここを撮影スポットと認定し、ご自由にどうぞ、という扱いになっていた。

利き酒大会はやらなかったけど、おやびんと越後銘酒のラベルをセットで記念撮影。
ここ数年のおやびんは、カメラを向けると「すしざんまい!」と叫んですしざんまいの社長のポーズを取るのがお約束。
それにしても、年々清酒のラベルというのは進化を遂げていて面白いものだ。ネーミングも今風になってきているし、色や絵柄も今風になってきている。これまでの歴史と伝統が、なんて言っていないで、ガンガンお酒は進化していってほしいものだ。大衆迎合と言われたっていいじゃないか。消費者が手に取りやすく、気軽に楽しく飲んで貰えることの方が今は大事だと思う。
「ぽん酒館」のロゴの右側に、「越後武士(えちござむらい)」のラベルが見える。我々を震撼させた、ウイスキーよりも度数がキツい清酒だ。ここは一般客でも予約なしで蔵の見学ができるので、いつか行こう行こうと思っている。でも未だに行けていないし、今年も行けない。ちょっと越後湯沢からは遠いからだ。
ちなみに今年は、昨年に引き続いて八海山雪室に行く予定。あそこのクオリティはやばいな。周囲の観光施設殺しといっていいレベルだ。
(つづく)
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