登場人物(1名)
おかでん:週末の過ごし方をどう有意義にするか、悩める青年。
2001年06月02日(土)
[行程]
06:03小田急新宿駅→(小田急線急行)→07:10渋沢駅07:18→(神奈交バス)→07:30大倉07:35→09:10塔ノ岳09:25→10:19丹沢岳10:28→12:50蛭ヶ岳13:30→16:29上野田17:10→(津久井神奈交バス)→17:50JR藤野駅18:00→18:20JR高尾駅

朝、小田急線渋沢駅前。塔ノ岳登山口の一つ、大倉に向かうバスが停車している。
中には登山客がてんこ盛り。大盛り1.5倍状態。
「このバスを爆破すれば、日本の登山人口の100万分の1くらいは減るかも・・・」
あまりの混雑に、よからぬ妄想を抱いた瞬間。

大倉登山口にて記念撮影。お遍路から戻ってきてまだ1カ月しか経っていないため、頭髪は坊主のまま。
今日は、普通1泊2日の行程とされている塔ノ岳~丹たくさん~蛭ヶ岳を1日で踏破する予定。今シーズン初登山ということもあって、気合いが入る。
「その割には格好が全然やる気無いんですけど・・・」
登山口から一気に登り始める。20分ものぼれば、ほらこんなに眺めがよくなりましたー。
同じバスに乗ってきた登山客と行動を共にしたくないので、急ピッチで登る。

登山開始からしばらく登ったところにあった山小屋「見晴小屋」。
登山口からどんなにゆっくり登ってきても1時間はかからない場所にある山小屋なので、一体誰が宿泊するのか謎だが・・・。週末のみの営業らしく、土曜日の朝である今はまだ誰もいなかった。
恐らく、土曜日の夜は気心しれた常連さんのたまり場になるんだろう。

さあ、丹沢名物「馬鹿尾根」の始まりだい。大倉から塔ノ岳は、ずっと稜線沿いに登山道が延びているのだがこれがひたすら上りっぱなしの道。もう少しアップダウンがあるとかメリハリ付けてもいいだろうに、という呆れ50%疲労度50%って感じで「馬鹿尾根」と名付けられている。
しかも、途中から見晴らしの良い尾根道になるらしく(=遮るものがない)、夏にこのルートを辿ると「背中に火鉢を背負っているかのような」灼熱地獄になるらしい。わくわく。

途中あった山小屋「駒止茶屋」。
やっぱりここも宿泊ができるようだけど、週末のみの営業らしい。この時点では営業しておらず。

次から次へと山小屋が出てくるありさまは、まるで富士山登山のようだ。
交通の便の良い丹沢でもこれだけ山小屋があるということは、それだけニーズがあるということなのか、それとも交通の便が悪かった時代の「名残」としてなんとか残っているだけなのか。
ここは「堀山ノ家」という山小屋。やっぱり開店していなかったが、入り口に値段表が出ていたのが参考になった。宿泊料:(素泊)3,000円、(食事付)5,000円。北アルプスの山小屋が1泊2食付きで8,700円という相場であることを考えると、めっぽう安い。しかし、一体どんな食事が出てくるのだろう?カレーか?
ちなみに缶ビールは450円也。

快足で、同じバスに乗っていた人たちの群れを後方に追いやったはよかったが、今度は1つ前のバスに乗ってきた人たちの群れに突入してしまった。おかげで、オーバーテイクするのに必死で休むタイミングを失ってしまった。
ちょっと疲れたので、とりあえず休憩。新緑がきれいだ。

延々と登りは続くよどこまでも。
よく整備された道で、カネかけてるなあとは思うが登山者からすると、階段状になっている登山道は非常に登りにくいのでちょっと困る。あと、石畳というのも膝に負担がくるので、あまり歓迎はできない。

周りに背の高い木々が無くなってきた。今日は曇りだったから助かったが、炎天下だと確かにこれはキビシい。
馬鹿尾根の本領発揮、ホントひたすら登る登る登る。
普通、ひたすら登るパターンの登山道ってのは「つづら折れ」になっているのに、この登山道はひたすらまっすぐに登る。もう馬鹿かと。アホかと。

まっすぐに登り続けるということはどういう事かというと、休憩ポイントを見つけにくいという事だ。普通の登山道なら、つづれ折れでUターンするところが格好の休憩場所になるのに。
汗まみれになりながら、ひたすら登る。

ひたすら登っている途中にあった、「花立山荘」。ここで大休止。さすがに疲れた。
眺めは最高に良い。晴れていれば遠くまで見渡せてとても気持ちいいだろう。
・・・いや、前言撤回。晴れていたら暑くてかなわん。やっぱり曇り空でいいです。

遠くに、最初の目的地であると思われる塔ノ岳らしき山が見えてきた。てっぺんに、山小屋らしき人工建造物が見える。おそらく、あれが山頂にある尊仏山荘だろう。
周囲は、登山客が多すぎるせいか土地が荒れている。おかげで登山道は木道になっているのだが、これがまた歩きにくいったらありゃしない。疲労感UP。

ちょうどツツジの季節でした。
丹沢のあっちこっちで咲き乱れておりました。
たまには汗くさい写真だけでなく、こういう写真をお楽しみください。

さああともう少しで塔ノ岳山頂だ!と喜び勇んでラストスパートをかけたら・・・
ああっ、遠くから見えていた「人工建造物」、これは廃墟ではないか。がーん。
山頂はまだ先だったか・・・。

と思ったら、廃墟の向こう側に塔ノ岳山頂はあった。ほっと一安心。
安心ついでに記念撮影。

この写真だとはっきり写っていないが、富士山がぱこーんと見えます。もの凄く大きい富士山で、塔ノ岳登頂記念としてはビッグなご褒美。ただ、かすんであまりよく見えないので、冬にくると良いだろう。

「び、ビール・・・」
コースタイム大幅短縮なるも、馬鹿尾根で激しく馬鹿同士が共鳴しあったせいか疲労困憊。とりあえず健康麦芽飲料を補充すべく尊仏山荘へ。
2食付宿泊5,500円、素泊3,500円、ビール500円。さっきの駒止茶屋と比べて、500円づつ値上がりしている。

尊仏山荘をバックに、ビールをぐびり。
「ぐはー」
山に登って疲れると、ビールを飲むときも「ぷはぁ」という音ではなくて「ぐはぁ」という感じになる。特に、スーパードライのような辛口を飲むと、その刺激が喉に突き刺さって痛い。
しかし、事前にビールを買いだししていれば、230円で済んだものを・・・わざわざ500円払って山頂でビールを買い求めるとは、リッチというか無駄金というかアル中というか。

塔ノ岳山頂を遠巻きでみるとこんな感じ。
完全に人工建造物に乗っ取られてしまったという感じ。コンクリートブロックや石畳で山頂一帯が覆われている。波による浸食を防ぐのに必死な沖ノ鳥島を思いだしてしまった。
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