屯田兵に帰れ【北海道ハタケ遠足】

2017年05月22日(日) 2日目

05:53
朝5時過ぎに起床。枕元の目覚ましが鳴ったとき、「もう起きるのか!」と思わず笑ってしまったくらいだ。

昨晩は21時過ぎに解散、22時前にホテルチェックインだった。そこまで睡眠不足というわけではないのだけれど、なにせ北海道にまでやってきた疲労感はある。ああそうだ、ハタケ仕事もやったんだっけ。それで5時起き、というのは自分の常識をゆさぶるビックリさ加減で、どうしても笑ってしまう。

だって考えてもみてよ、「北海道は大きいからね!今日はどーんと遠くまで移動するよ!だから早起きだよ!美味しいもの食べるよ!」というならまだしも、これからやることといったら、「朝7時からたんぽぽを摘むよ!」だもんな。

この地味なことといったら。

でも、そんな地味なことを、大真面目に北海道でやる、というのがむしろ面白い。普通に旅行を計画してれば、こんな体験は絶対にしない。思いつきもしない。

ただその結果、ホテルご自慢の朝食バイキングは食べ損なった。ホテルのフロントマンから、「ご返金はできませんが・・・」と残念そうな顔をされたけど、うん、僕も残念。でもいかなくちゃ。だってたんぽぽが待ってるんだもの。(若干バイキングに未練はあるけれど)

05:54
それにしても北海道の朝は早いなー。そして空が広いなー。千歳市街地なのに、この空の広いことよ。正面のありふれた道でさえ、このまま地平線にまでつながっているんじゃないかという気にさせられるくらい、空が広い。

千歳駅南口側にはホテルがパラパラと並んでいて、そこにハタケの仲間たちは分宿している。一旦全員集合して、それでハタケから迎えに来た車に乗る計画になっている。

05:58
案の定、みんな「朝が早いですねえ」と苦笑している。「屈託のない苦笑」、とはこのことだ。不満なんて誰一人ない。でも、目がしょぼしょぼする。

お迎えの車が来るまでの間、みんな(他の仲間は女性)と「宿泊ホテルを選ぶ条件」について話あった。僕のように大浴場がついているのがいい!という人もいるし、値段重視の人もいる。あと、「その日着た服は夜のうちに洗って乾かして、また次の日に着たいのでそういうことが部屋でできるかどうか」を重視する人もいた。なるほどねぇ。

僕は、「ホテルで服を洗うけれど、結局朝になっても半乾きで、服が雑巾臭くなる」という失敗を繰り返している。「翌朝までにしっかり衣類を乾かす」ためには、そういう速乾素材であることが重要だし、服をどこで干せるかという場所も重要だ。

あと、言うまでもないけど、洗面所にあるハンドソープなんぞで服を洗うと、服がやたらと香料臭くなるので嫌だ。そして水キレが悪いので、やっぱり専用の洗剤を持参しなくては。

余談だが、僕のパートナー(この時点ではまだ知り合っていない)は、オーストラリア一週間旅行に行く際に、僕の登山用25リットルザックを借りてそれだけで出国していった。冗談だろうと思ったら、本当に25リットルで荷物が入りきったので恐れ入った。そのかわり服は殆どモンベルとかの速乾性で防臭加工でコンパクトに畳めるやつばかり、現地洗濯前提、その他暇つぶし用の本とか余計なものは一切持っていかず。割り切りがすげえ。

07:14
で、ハタケについたら、予告通りマジでたんぽぽを摘み始める一同。

そういえば、ハタケ周辺にはたんぽぽがいっぱい咲いていたっけ。これをひたすら、しゃがみこんで摘んでいく。

とはいっても、根こそぎ摘むというわけではなく、「花がちょうど開いているもので、できるだけ大きな花」を狙って、花の部分だけを摘むように頼まれた。

朝7時ということで、朝寝坊のたんぽぽはまだ花びらが開いていない。そういうのは、一旦スルーだ。

07:23
「路傍の雑草」とはいえ、これだけ大量にたんぽぽが群生していれば、これはもう立派なたんぽぽ畑だ。一同、ひたすら夢中になってたんぽぽを摘む。

時間が遅くなると、ありがたんぽぽの蜜を狙って花びらの隙間に潜り込むらしいので急がなくては。

08:56
一方、僕らの本業であるハタケ。まだこの時点では整地されているだけで、作業が始まっていない。本当はここに作物を植えるのが今回の目的。

08:57
トラクターがエンジンの唸り声を上げて動き始めた。

ハタケの隅から隅まで、丹念に土を掘り返している。

種まきはこのトラクターが通過した直後に行わなければならないのだそうだ。掘り返された土が湿気を帯びて黒っぽいうちに種を蒔く。乾燥して、淡い茶色になってしまったら、発芽しづらくなるとのこと。時間との勝負だ。

09:00
こちらは昨晩のうちに豆用の手竹を組んだ場所。

数年の間に、耕作地が少しずつ増えている。開墾とはまさにこのことだ。

遊びでやっているわけでなく、収穫量が商売を左右する。農業を生業にしていないとしても、お店で使うための食材なので、原価率の計算は大事だ。だから、ハタケのギリギリまで手竹を埋めて、種を蒔く。

09:01
ずらりと並んだ手竹。

3本の竹を、上でゴムバンドを使って結わえる。等間隔になるよう、定規のような棒で距離を測りながら、竹を埋めていく。

そして種は、この手竹の根本に埋める。

3本の竹を結わえてみると、案外バランスが悪くなっていたりする。そういうのを放置すると、風が吹いたり雨が降ったりすると倒れるので、もう一度地中深くに埋め直したりする。

09:02
こちらも、ハタケ。まだ作業はこれからだ。

(つづく)

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