2014年から毎年参戦している、新潟県十日町市の「雪中鉄人レース・のっとれ!松代城」。さすがに毎年欠かさず参加していると、だんだんダレてくるものだけど、2020年もエントリーをしっかり済ませた。
たっぴぃさんが「高所恐怖症なので、改めて障害を越えるのが怖いと思った。もう今年限りにしたい」と2019年のレース前に行われた総決起集会で語っていたけど、無事今年も参加する運びとなった。
https://awaremi-tai.com/hebereke0132.html
たっぴぃさん曰く、2019年のレースでは比較的怖いと感じないようになっていた、とのこと。
たっぴぃさんを恐れさせた障害物は、「騎馬止め」だった。アスレチックのように、綱で作られたネットの壁をよじのぼり、高さ4メートルくらいを乗り越えていく。登り降りをするだけならさほど怖くはないのだけど、てっぺんにたどり着いたときが怖い。
上り用のネットと下り用のネットは別になっていて、その間に数十センチの幅がある板が渡してある。これをまたぎながら、体の向きを180度変えるとき、恐怖を覚える人は多いようだ。なにしろ、手すりがない。自分が中空にニョッキリと突き出た状態であり、周囲に何も支えがないというのは本能的に怖いものだ。
しかし、たっぴぃさんは、2019年はちょっと楽だった、という。綱の張り具合とか、土台がどれだけ雪に埋もれた状態か、によって感覚が変わるのだと思う。土台の雪の量次第で、この障害物の高さは結構変わる。たっぴぃさんに言われて、毎年の「騎馬止め」の写真を見比べてみたら、確かに年によって高さが違って見えた。
あと、おやびんはイベント会場の屋台「上町家」がすっかり気に入って、今年もそこで酒盛りをすることをとても楽しみにしていた。
そして僕だけど、のっとれ!松代城の前日にお隣の津南町で開催される「つなん雪まつり」に興味津々。夜空に数千ものランタンを打ち上げるということなので、ぜひ打ち上げたい。
つなん雪まつりが開催される「ニュー・グリーンピア津南」は駐車場が限られているため、津南市街地の臨時駐車場含めて完全予約・抽選制になっている。このため、ダメもとでニュー・グリーンピア津南そのものの駐車場の抽選に申し込んだところ、偶然にも当選しちゃった。これは幸先が良い。というか、遠島の刑に処せられる運をここで使い切ってしまった気がする。大丈夫か、僕ら。
でも、このおかげでみんなでランランを打ち上げよう!という幻想的な旅が今回は計画された。
宿は、十日町市街にある古民家一棟貸し出しの宿、「百年の館」。これも毎年狙っていたけど、予約が取れなくて困っていたところ、今年は偶然予約が取れた。なんというラッキーだ。囲炉裏があるので、そこで薪をくべ、たき火にあたりながらちょっとしたものを炙ったり焼いたりして食べられれば幸せだ。
あと、これまでメンバーが固定化していた「チームアワレみ」だけど、今年は1名追加になった。おかでんのパートナー、いしだ。メンバーの中で一番若いので、順位にも期待ができる。
マンネリ化しつつあった「のっとれ!」だけど、これでシャキッとした感じがする。2020年の新潟行きは、過去にない展開になりそうだ。
2020年の計画について、おかでんから参加メンバーであるおやびん、たっぴぃ、よこさん、おーま、いしの5名に次の大号令がかけられた。
今回は過去にない行動パターンなので、どんなスケジュールになるのかざっくり行程を組んでみました。この通りにいかなくてももちろん構わないんですが、素案として。
とはいってもスケジュールの制約事項としては、
★1日目:15時過ぎには百年の館にいったんチェックイン
★1日目:つなん雪まつりは交通規制が厳しくなるので17時ころまでに会場入りが望ましいらしい
★1日目:スカイランタンの受取は19:00-19:30限定
★2日目:10時までにはのっとれ!戦士エントリー
★2日目:だいたい18:30までにはレンタカー返却
というのがあります。
■1日目(3月14日)
10:50 とき313号で越後湯沢駅に到着
<11:00~12:00 ぽんしゅ館で越後銘酒利き酒会2020+買い出し>
https://www.ponshukan.com/
12:00 レンタカー借受
↓40分
<13:00~14:30 八海醸造魚沼の里>
https://www.uonuma-no-sato.jp/
↓30分
15:00 百年の館(チェックインと、備品の確認)
http://www.100nennoyakata.com/
↓25分
15:45 苗場酒造
https://www.naebasan.com/
↓20分
16:30 ニューグリーンピア津南
<つなん雪まつり。 19:00以降スカイランタン打ち上げ>
https://snowfes.info/
↓30分
原信 十日町店(最寄りのスーパー)
※21時閉店。21時以降に帰着の場合は、近くに22時閉店のイオン十日町店がある
↓5分
時刻未定 百年の館(泊)
■2日目(3月15日)
08:00頃 起床?
09:10 百年の館
↓25分
09:35 十日町市松代支所
<10:00~15:30 越後まつだい冬の陣 のっとれ!松代城>
https://fuyunojin.matsudai.jp/
16:00 十日町市松代支所
※途中温泉など立ち寄り可
↓60分
18:30までには 越後湯沢駅
19:01 とき342号乗車
ここまで検討を進めていた我々だけど、「あれっ」という事態になったのは、2月のことだった。
おかでんが「のっとれ!松代城」に参戦するようになった1年目、つまり2014年からずっと苦楽を共にしてきた盟友・よこさんが膝の負傷により参戦が不可能になってしまった。野沢温泉でスノーボードをやっている最中、バランスを崩して倒れたのだけどその際に曲がってはいけない方向に足が曲がってしまったらしい。半月板損傷、ということで入院・手術を伴う大怪我となってしまった。
それと時期を前後して、現地からは雪不足を伝える声がちらほら聞こえてきていた。越後松代幕府もこの点は非常に危惧しており、なんと会場をこれまでの十日町市松代総合体育館脇のグラウンドではなく、「まつだい雪国農耕文化村センター「農舞台」」でやる、という大方針転換を余儀なくされた。これにはびっくりした。だって、「農舞台」って、松代城がある山の直下だぞ?
越後松代幕府から封書が届いたので、「ゼッケン番号が書かれた参加票が入っているのかな」と思って開けてみたら、そんなことが書いてあるからびっくりですよもう。
しかも、「雪が少ないため、障害物が減るかもしれない」「今ならキャンセル・返金に応じるので、2月末までに連絡をしてほしい」と書いてあった。これはすごい、かなり深刻な状況らしい。「キャンセルに応じる」と主催者に言わしめるほど、レースがショボくなることが見込まれるわけだ。
実際問題、「農舞台」からヨーイドンしてお城を目指すなら、例年のコースの半分程度の距離になってしまう。短距離レースもいいとこだ。そして、これまでは500人規模の戦士が集まり、着替え、事前ブリーフィングを受けるための体育館があったけど、農舞台だとそういう場所がない。一体どういう想定なのだろうか。
ゼッケンの送付は3月5日ころを予定している、とも書面には書いてあった。つまり、2月末のキャンセル状況を見極めて、あらためてゼッケン番号を割り振りし直すという運用だろう。それだけ、ゴッソリ欠員が出ることを想定している、ということだ。こりゃあ大変だ。
いずれにせよ、よこさんが足を負傷して参戦できない、という事態においてはこれ幸いとキャンセルする機会に恵まれたのでラッキーではある。とはいえ、「一体どうしたものか・・・」と不安にさせられた。
2020年02月17日(月)

「のっとれ!松代城」を開催する前は、毎年チームアワレみは「総決起集会」を開催する。「遠島の刑が抽選であたったらどうする?」なんていう取らぬ狸の皮算用をする場なのだけど、主旨としては「新幹線のチケットを手渡すため」だ。当日各自バラバラなところからJRの電車に乗り込むので、それまでに新幹線チケットを渡しておく必要があるからだ。
毎年、僕が新幹線チケットを予約確保している。今年も、そう。JR東日本管轄の新幹線チケットは、ネット予約サイト「えきねっと」で手配すると早割で最大35%引きで購入することができる。しかし、一部の便にしかえきねっと早得の設定がない上に席数に限りがあるため、1ヶ月前の午前10時にヨーイドンすることになる。35%引きなら、金券ショップで回数券を買うよりも遥かに安いからだ。
で、僕は2月14日、15日の午前10時にヨーイドンをやって、まんまと2日ともにえきねっと早得のゲットに失敗。あーあーあー。それでも、チケットそのものは手配して、総決起集会に臨んだ。
この日は本郷三丁目にある、よこさん馴染みの店「36番倉庫」で宴席となった。話題はもっぱら、今年ののっとれ!旅行はいろいろなことが起きるぞ、という話だった。よこさんは膝の手術が日時未定だけど、杖をついてでも馳せ参じる悲壮なる覚悟。レースに出ないとはいえ雪の上を歩くのは難儀だろうけど、気合が素晴らしい。
ただ、この頃から新型コロナウィルスの流行が話題になりはじめていて、「事態が事態だけに、参加を諦めるというのもありですよ」と僕はみんなに水を向けてみた。しかしこの時点では誰一人「じゃあ、念の為にやめておきます」という人はいなかった。
・・・
しかし、それから事態はグイグイと急展開を迎えていった。中国だけにとどまらず、日本でも新型コロナウィルスの感染者が発生。日本でも他人事ではなくなり、店頭からマスクが消え、学校は休校になったり会社も自宅勤務を推奨するなど、世の中は変化していった。
のっとれ!も例外ではなかった。
2月の終わりには、さる情報筋から「のっとれ!は中止の方向で検討されているらしい」という噂は入ってきていた。まさかそんなことが、と思っていたら、本当に中止の連絡がきた。えっ、中止!?規模縮小ではなくて、中止?
【第33回越後まつだい冬の陣開催中止のお知らせ】
3月14日(土)、15日(日)に開催を予定していた「第33回越後まつだい冬の陣」に関して、日本国内において新型コロナウイルスの感染例が相次いで発生し、政府からイベントの中止・延期の要請を受け、参加者及び関係者の健康・安全面を第一に考慮した結果、実行委員会ではイベントの開催中止を決定いたしました。
イベントへの出場ならびに参加を楽しみにされていた皆様におかれましては、大変残念なお知らせとなりますが、何卒ご理解いただきますよう、よろしくお願いいたします。
ああ、雪不足じゃなくてコロナなのか。やっぱり駄目だったか、屋外イベントでも例外なく。
せっかくののっとれ!が中止とは悔しい。でも僕らには「つなん雪まつり」でランタンを打ち上げる、という夢がある。なかなか当選しないといわれている駐車場の権利を得て、お金も支払い済みだ。せめてここで盛大に楽しんで、十日町市の古民家で囲炉裏を囲みたい。
・・・と思ったら、つなん雪まつりも後を追うように中止の通知がきた。なんてこった。
これは困った。どうしよう、もう、古民家にこもってひたすら宴会でもやっていようか。八海山の醸造所でもある「魚沼の里」で雪室見たり社員食堂でご飯を食べたりした後に、どっぷりと。
・・・えっ、魚沼の里まで閉鎖?うそォ?
だって、建物は広大な敷地に分散してあるし、人が密集する場所なんてないよ?それでも閉鎖なのか。厳しい。これは厳しい。
古民家泊だけのために新幹線に乗っていくのはさすがに無理筋だった。情報が入ってきていないだけで、その他いろいろな現地施設が閉鎖になっている可能性もあり、何もできない可能性はたかい。
結局、今年ののっとれ!、そしてそれに付随するいろいろな企画は全部中止ということになった。これは初めてのことで、とても残念だ。ランタン、せっかく当選したのに。苗場酒造の限定酒を買って、囲炉裏で盃を酌み交わす予定だったのに。
2020年03月06日(金)
そんなわけで、改めてチームアワレみが結集。「のっとれ!残念会」という名目だ。
今度は、前回配布した新幹線チケットを回収しなくちゃいけなかった。どうやら新幹線チケットは、コロナが理由である旅行の中止の場合、払戻手数料なしで払い戻しに応じてくれるらしい。これはありがたい措置だ。しかし、指定席が3月14日に設定されているので、それまでに払い戻し手続きをしなくちゃいけない。
旅行キャンセルが確定したらすぐに、この「残念会」の開催を調整した。

場所は、銀座コリドー通りにある「我歩」というお店。
負傷して杖をついているよこさんを元気づけるために、彼女の好物であるエビ料理を出してくれるお店が選ばれた。見よ、ステンレスバケツの上に乗せられたエビたちを。
写真映えする光景だけど、肝心のバケツの中は黒い石が敷き詰められていた。そりゃそうか、このバケツの中にどっさりとエビが入っていたら、一体お値段おいくらになっていたことやら。

新型コロナウィルス対策とかで仕事が多忙になっていたたっぴぃさんが遅れて合流。「いやあ、残念でしたねえ」とお互いを慰め合い、「しょうがないよね」と肩をすくめあった。
あんまり外出しちゃいけない、ということで家に閉じこもりがちなおやびんは、暇を持て余してYouTubeで恐怖映像とかを見まくり、一人で寝るのがキビシい状態になっているのだという。聞くと、「あかん、そんな映像は見たらトラウマになる」という内容の衝撃映像だった。映像のシチュエーションを解説されただけで、こっちまでトラウマになりそうな内容だった。
それはともかく、ことがことだけに返金はどこも100%応じてくれた。それは良かった。しかし、すでにすべての旅程を予約済みだったので、僕はキャンセル手続きに追われることになった。
【キャンセル対象】
(1)レンタカー
(2)つなん雪まつり駐車場入場券
(3)「百年の館」宿泊
(4)のっとれ!松代城エントリー
(5)新幹線チケット往復
ただ、返金があってとりあえずノーダメージだった僕らとは違い、「越後まつだい冬の陣」や「つなん雪まつり」の主催者、関係者、そして宿泊やレンタカーといった様々な業界に経済的損失が発生している。早くこの禍が落ち着くことを願ってやまない。
来年はまた、まつだい城をのっとりに行きたいものだ。
コメント