2020年7月/コロナ時代の甲府で療養する

ホテルのチェックアウトをする。

ドーミーインに限ったことではないが、チェックアウトは完全自動化されているホテルは結構ある。精算が発生しないことが多いからだろう。昔の旅館みたいに、部屋に備え付けの冷蔵庫の中に入っているビールやらジュースを飲んだら課金、というしくみは殆どなくなった。

これができるんだから、チェックインだって自動化は可能だろう。宿帳に記帳させるところが、旅館業法あたりでいろいろ制約があるのかもしれないけれど、このご時世なんだし制度改正しても良いんじゃないかと思う。

そういえば、H.I.S.が運営する「変なホテル」はロボットがチェックインカウンターにいて無人だったっけ。

今の制度でも、やろうと思えばできるんだろうな。あとはコストの問題と、セキュリティとか万が一のときの対応をどうするか、ということか。

11時のチェックアウト時間ギリギリまでホテルにいたので、時はもうお昼ごはんの雰囲気。でも、さすがに朝食をあれだけ食べたのでは、食欲がわかない。

通りすがりの、甲府市役所の中にある「オープンカフェ」に立ち寄ってみることにした。

http://yamanashi-plaza.com/floor/cafe.html

ここは、甲府の物産を扱っているだけでなく、カフェで飲食が楽しめる。

面白いのが、昼間っから堂々とワインを飲むことができるということだ。さすがに周囲を見渡しても、午前中からワインを飲んでいる人はいなかったけれど。

いや、そもそもお客さんがまばらだ。

「ジェラートがありますよ!食べましょうよ」

といしが目を輝かせる。2種類のジェラートを組み合わせて420円。

面白いのが、「晩生ソルダム(すもも)」や「桑の葉」といった食材が使われていることだ。

ジェラートはすぐに溶けてしまうので、店内のカフェスペースで食べていくことにした。

お店の端っこの席に案内される。

おそらく、できるだけ客同士の距離を空けるようにするための配慮なのだろう。

ついたて

そして、別のところからアクリル板を持ってきて、テーブルの上についたてとして立てた。なるほど、夫婦であっても関係なく、複数名で着席したら無条件でアクリル板なんだな。

いちいち「お二人のご関係は?」なんて入店時に聞いていられない。家族だろうが友人だろうが赤の他人だろうが、アクリル板を置くという運用にせざるをえない。

フードメニューを頼んだ人限定ではあるけれど、1,000円で60分間ワインが飲み放題になるそうだ。これはお得としかいいようがない。19:30までということなので、仕事が早く終わればここで一杯、ということもできる。

ただし、あくまでもカフェであって居酒屋ではないので、しっとりとお酒を嗜む人向けだと思う。そもそもアクリル板が目の前にあるし。

ソルダムと桑の実のジェラート、そしてレーズンサンド。

レーズンサンドは何種類かあったけど、レーズンバターではない「単にレーズンが入っているだけのもの」を頼んでみた。食べたことがありそうでないパターン。これはこれで案外よかった。バターのまったり感に支配されない、ぶどうの素直な味が楽しめた気がする。

で、アクリル板ですよ。

目の前にそびえ立つアクリル板越しに、会話をするシュールさ。

これ、当然毎回お客さんが帰る都度、板面を拭いているのだろう。店員さんの手間が増えて大変だ。

アクリル板を真正面に見据えて、接見のように会話をするのはちょっとむつかしい。声が聞き取りづらくなるからだ。

なので、身体を半分アクリル板からずらし、机に片肘をつきながら顔の向きはアクリル板方面、という姿勢に自然となっていった。相手に目線をあわせない。別に普段から一緒にいる間柄なので今更気にすることじゃないんだけど、アクリル板をわざわざ設置してくれたのだからそれに敬意を払い、エアロゾル対策をしてみた。

カフェ内にあった自販機。山梨弁が漫画とともに描かれていて、楽しい。楽しいというか、意味不明だ。「ささらほうさらじゃん」というのはなんだろう?

(つづく)

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