まん防は食べない【ばんや:2022年01月】

「まん延防止等重点措置」、通称「まん防」が適用された2022年1月の首都圏。

それに倣って、僕らもばんやでマンボウを食べるのは面白い。しかし、本日のメニューにはマンボウはなかった。

過去、マンボウがメニューにあるのを見かけたのは1回限りだ。そのときたまたま、捕獲されたのだろう。

あわせて読みたい
ばんや紀行写真集(2) 【保田漁港・ばんやの魅力(その4)】 ばんや紀行、数えること何回目だろう。昨年秋の訪問以来となり、久しぶりだ。 今回は、当サイトのBBSで参加者を募集し、都合4名で押...

ばんやでは様々な魚を食べてきたけれど、もっとも衝撃的で印象に残っている魚といえる。水っぽくて、全然美味しくなかったからだ。人生で唯一のマンボウ刺しを食べた機会だったけど、もう二度目はいいや、という気にさせる微妙な味だった。

ホヤを人生初めて食べたときも「うわっ!」と顔をしかめたものだが、まだ「ひょっとすると鮮度とか調理法次第で美味しくなるのかも?」という気がして諦めの境地には至らなかったものだ。でも、マンボウ刺し、お前はダメだ。多分どうやってもうまくならない。

後日、「マンボウのナゲット」を食べる機会があったが、これは普通に食べられた。

あわせて読みたい
町イチ!村イチ!2015@東京国際フォーラム 全国各地の自治体がブースを連ね、食品を中心とした物産を紹介するイベント。 飲食屋台も多くならび、全国各地のご当地グルメが楽しめるというもの。 毎年1月、東京ドー...

でも、敢えてマンボウでナゲットを作る必然性は感じなかったけど。

そんなわけで、「まん防」期間中とはいえ、ダジャレでも「マンボウ」は食べない。粛々と、注文を進めていく。

卓上にある紙メニューは、全然ワクワクしないんだよな。「はあ、そうですか」という感想しか持たない。頭に入ってこないし、ここからなにかを選ぼうという気にもなりづらい。

昔の、ずらーっと並んだ文字メニューの情報量こそがワクワクの源泉だったからだ。今これを見て、ワクワクはしない。

もうね、いっそのこと卓上タブレットにしてくれないかな。メニュー。

注文も、相変わらずのペンと紙に書いて店員さんに渡すんじゃなくて、タブレットで完結させればいいから。

でも、ばんやというのは地元の雇用創出という側面もあるので、なんでもかんでもIT化すればいいってもんじゃないのだろう。

とはいっても、「刺身」のジャンルでメニューを見ても、ここには「定番商品」しか載っていない。他にも、ホワイトボードに書かれたメニュー、壁に貼り出されたメニューが別にある。そういうのを見比べないと全体を俯瞰できないのは面倒この上ない。

このメニュー、大きな文字の料理名と小さな文字の料理名が混在しているのだけど、違いはなんだろうか。文字が大きいほうがオススメ、なのだろうか。

ちなみに文字は小さいけど、「イカかきあげ丼」はおすすめだよ。ここのイカかきあげは柔らかくて、玉ねぎの甘みが引き出されていて、おいしいから。そのかわりこれを食べたらゲームオーバーだよ。他のものが全く食べられないくらいに満腹になるからねー。

周囲のお客さんを見渡すと、「丼ものとか寿司とか頼んで、ざっと食べてお食事終了」という回転の早いお客さんはやや少なく感じた。このお店は両極端だ。僕らみたいにあれこれ頼んで、酒の有無を問わず大宴会状態になるグループと、「少ない皿数で満腹になって、すぐに席を立つ」グループの二極化がある。

たぶん今は冬のオフシーズンなので、「このあと次の観光地に行くよ!」と予定が詰まっている人があまりいないのだと思う。のんびりと食べている感じ。

おっと、メニューに「クジラ竜田揚げ」がある。「偶然捕獲されたら提供される」というものではなく、安定供給があるからこそ紙メニューになっているのだろう。

このお店でかま焼き、またはあら煮を頼むのは正義だ。とにかくデカい。デカいと、その分可食部分が多く、箸でゴッソリとこそげ落とせる。「労多くして益少し」なカマが多い世の中だけど、ばんやのカマならきっと不満げな貴方をも満足させることだろう。

メニューはざっとこんな感じ。

さて、思いつく限りを頼むか。

食べたいものを列記していったら、つい揚物が多くなってしまったけど、まあいいや。

店員さんから、「量が多いですけど大丈夫ですか?」と念を押された。これは僕らにとって褒め言葉と捉えよう。いい歳こいて、「大丈夫?」と聞かれるなんて、いい意味で若気の至りじゃないか。嬉しいね。

「大丈夫です、3人いますから!」

と答える。いや、でもそのうち1名は0歳児なので全く戦力にならないのだけれど。

最近の僕は、ばんやで必ず頼むことにしているものがある。ミックスフライ。

アジ、イカ、タチウオ、シイラ、サバ、ワラサ。

アジとかイカとかサバなんて、今更ばんやでフライを食べなくてもいいのでは・・・と思われそうだが、いやいや、ばんやでアジフライを食べるのも良いものですよ。フワッとしている。安い弁当に入っているアジフライは薄っぺらくて硬いけど、いいアジフライはふわっとしているものなのですよ。

それにしても、あれこれ料理をオーダーして、真っ先にテーブルに届けられる料理が「フライ」というのがばんやの面白いところだ。

ばんやの厨房は超人的オペレーションになっていて、とにかく出てくるのが早い。ちなみにこのフライ、オーダーしてから出てくるまでわずか数分だ。他にもドカッと開店直後のオーダーが立て込んでいたはずなのに。

あら煮。

1,000円。これは一体何匹のお魚が使われているんだ?目があちこちでギョロッとこちらを見ている。

これを頼んだからこそ、店員さんは「大丈夫ですか?」と念を押してきたわけだ。

うん、でも大丈夫。僕らはこれにまったく箸をつけなかった。そのままお持ち帰りだ。

ばんやの素晴らしいところは、ナマモノでなければお持ち帰りを認めていることだ。なので、食べきれない量をわざと頼んで、持ち帰って今晩のオカズにできる。おかでん家は、このあら煮が今日のお土産だ。

魚卵煮、400円。

「魚卵煮なんてあるんだ!珍しい!」ということで脊髄反射的に頼んだ料理。

以前このお店で食べたことがあるような気もするし、ないような気もする。覚えていない。

プチプチした食感、甘辛い味付けがたまらん。

今回の僕らは、お腹いっぱい魚を食べる決意があったのでご飯物を一切頼んでいない。でも、こういう味つけはご飯が欲しくなるんだよな。満腹になってもいいから、白飯を頼んでおけばよかったか?

鯵くらべ、1,500円。

初めて見るメニューだ。鯵の刺身、たたき、なめろうという三変化を一皿で楽しめるナイスな料理。

でもこうやって食べ比べてみると、たたきって微妙な位置づけだな。刺身となめろうの間の中途半端さが目立つ。単品で食べると美味しいんだけど、こうやって3種類並ぶと分が悪い。

結論。なめろうや鯵の刺身があるお店なら、たたきは頼まなくてもいいや。

刺身三点盛り、800円。

刺身の盛り合わせは、うっかりすると鯵が混じってしまう。鯵は既に「鯵くらべ」で食べているので回避したい。そういうわけで、3点盛りになった。

ワラサ、タチウオ、スズキ。

タチウオのお刺身を食べる機会は滅多にないので、面白い。タチウオって、だいたい塩焼きで食べる印象だ。アニサキスがいる魚だし、鮮度が落ちやすい魚でもある。なので、刺身で食べられるというのは貴重だ。

この写真だと、右の細かく刻まれたものがタチウオ。アニサキスを断ち切る意味があるのかもしれないし、硬い皮を持つタチウオでも食べやすくするための工夫なのかもしれない。

ただいずれにせよ、よく言えば繊細な味わいで、悪く言えば同時にあれこれ食べている僕らの印象に残りづらい食材だった。

(つづく)

1 2 3

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください