麻辣民俗に、なろう。老四川を舐め尽くせ

別に二匹目のどじょうを狙っているわけじゃない。

そりゃ、確かに「ますゐ全メニュー制覇プロジェクト」は初参加の方や遠方の方も巻き込んだ、アワレみ隊企画としては規模の大きなものになった。

メニューを一つ一つ制覇していく高揚感、何度にも渡る店側の妨害(故意ではない)に落胆し、「またやられた!」というドM心のゆさぶり。最後の一品を捕獲したときの達成感というのは、ちょっと非日常的だった。

その模様を振り返ったエッセイは10週に渡る新聞連載記事にもなった。

ある意味「成功体験」だ。

人間、成功体験を下手に得てしまうと、その後の発想や行動が保守的になる。「もっと面白い事を」と考えなくなる。それではダメだと、成功体験をしたからこそ自らを律しなければならないと思う。

で、今回だ。

二匹目のどじょう、と冒頭に揶揄したのは、今回の企画が「老四川」というお店の「全メニュー制覇」ということで、またもや全メニュー制覇モノだということだ。でも、ますゐの時とは企画発案経緯が大きく異なっている。

ますゐ全メニュー制覇の時は、ますゐを愛するがあまり、「いつも定番のメニューばかり食べているのは悔しい。全部のメニューを見てみたいし、食べるきっかけが欲しい」というものだった。、ますゐは広島、おかでんは普段東京在住。年末年始とお盆の年2回しか最大でも食べるチャンスはない。そのため、食べるのは大体相場が決まってしまっていた。これは広島以外に在住しますゐを同様に愛するアワレみ隊隊員も同じ悩み。その悩みを解決し、かつ企画っぽくしたのが「ますゐ全メニュー制覇」の生い立ちだ。

転じて今回の「老四川を舐め尽くせ」企画だが、生い立ちを語る前にお店そのものを紹介しよう。

老四川。名の通り、四川料理の店だ。この名前でホットドッグ屋だったりしたらずっこけるが、そういう意外性はない。ますゐ同様広島市内にあり、JR山陽本線横川駅から歩いていける場所にさりげなく立地している。

広島市は「平成の大合併」のはるか昔から政令指定都市(=100万人以上)であり、中四国地方では最大規模の市街地を持っている。当然飲食店も数多あるのだが、地方都市故か、案外保守的な印象を僕は持っている。まあ、普段住んでいる東京と比較してしまいがちなので、非常にバイアスがかかっているが。たとえば、以前、帰省時に「薬膳中華を食べたい」と思ってネットで検索してみたが、本格的な薬膳コースを出すお店は一軒も見つからず驚いたことがある。

そんな中、老四川は「あんまり日本人好みにシフトしていない、本場っぽい料理を出す」という珍しい店だ。唐辛子てんこもりの料理も平気で出てくる。日本人は辛さに弱い食文化の民俗なので、こんなに辛くして客は来るのか?と思うくらいだ。アワレみ隊の料理長ばばろあも「なぜこんな店が広島にあるのか?」と首をひねったくらいだ。

まあ、過剰な期待を持たせないように言っておくと、さすがに本場よりは辛さは控えめ。シビレる花椒(ホアジャオ。中国山椒。四川料理の特徴で口が痺れる)の量も少なめだ。とはいっても、町の中華料理屋で食べる「四川風麻婆豆腐」や陳健一のお店「四川飯店」の「日本向けアレンジ四川料理」に慣れていると「おお!」と、その別次元に驚くこと請け合いだ。一般的な日本人の味覚では辛すぎて食べられない料理もいくつかある。

この記事を書いている今でこそ、東京・池袋で「知音食堂」というお店を発掘し(「スパイシーな夜を、貴方に。」参照)、より本場チックな四川料理を味わう事ができるようになった。しかし、この企画を立ち上げた当時は知音食堂の事を知らず、老四川の本格っぽさ漂うメニュー構成と料理におかでんは相当シビレたのだった。この「シビレた」は二重の意味がかかっているぞ、念のため。

これは全部のメニューを食べてみたい。

もともと「スパイシーナイツ」なんてオフ会企画をやるくらいの辛いモノ好きのおかでん。当然四川料理は大好きだ。辛いモノかかってこい。中国では「四川人は(料理が)辛くない事を恐れる」という格言?があるというが、まさにその心境。

ますゐ全メニュー制覇企画が「ますゐへの愛」ならば、今回の老四川全メニュー制覇企画は「四川料理への愛」ということになる。だから、「うおおおお、ますゐソース!」みたいな以前の盛り上がりはないイベントになると思われる。そのかわり、辛さに耐性が無い人が紛れ込んで、「辛い!こんなの食べられない!」と絶叫するのを愛でつつ自分は食べ続ける、という展開が想定される。

今まだ連載をはじめたばかりだけど、断言しとく。これは盛り上がらない。単に老四川のメニューを写真入りで紹介、というようなページになるかもしれん。読んでいて面白くなくても許せ。個人的趣味の世界だ。

企画主旨説明は、「アワレみ隊OnTheBBS」に書き込まれた内容をそのまま転記。

01: 名前:アワレみ隊隊長投稿日:2007/08/11(土) 00:09

老四川(楠木町店)
広島県広島市西区楠木町1-9-11
広島にある四川料理のお店です。
四川省にある「老四川」というお店の日本支店、という位置づけになります。

四川料理屋を標榜する中国料理店は数多ありますが、その大半は日本人の味覚にあわせた味付けとなっており、辛さもシビレ具合も今ひとつという事が多いです。

その点、この「老四川」は良くも悪くも日本人にあまり媚びない味付けであり、一般受けはしづらいものの一部ファンにはたまらないお店となっています。

激辛メニューからやさしい味付けのメニューまで多数あり、メニューの頁数も相当なものです。
四文字熟語のオンパレードで、何が何だかわからないものもたくさんあります。

そんなわけで、「ますゐ全メニュー制覇プロジェクト」終了後、次の目標としてこの老四川で四川料理の神髄を隅々まで見極めようじゃないか、というわけです。

基本的にお盆前後と年末年始の年2回、開催します。
果たして何回で全ての料理たちと出会うことができるでしょうか?

02: 名前:おかでん投稿日:2007/08/11(土) 00:13

老四川は広島に3店舗あります。
・楠木町店
・横川店 →2007年秋頃五日市に移転の予定らしい。現在閉店中
・稲荷町店(麺館)

対象となるのは、楠木町にあるお店となります。

注文する際、「現地と同じ味付けにしてください」と注文することをルールとします。
最近、日本人寄りの味付けに傾きつつあるという実感があるので。

ですから、辛いものは真剣に辛いです。
辛いモノが苦手な人は、(辛口)と書かれていないメニューを選択すれば大丈夫。

当初、「仲間でシェアしながら何皿も味わう」事を考えていました。
しかし、参加者が予想をはるかに上回る数になりそうなので、座席配置の関係からも一皿シェアは難しいです。
「ますゐ全メニュー制覇」の時同様、「自分が食べたいもの」を自分で注文してください。
もちろん、隣の人と結託して、シェアするなど自由に食べて構いません。

お酒を飲む・飲まないは自由です。飲めない人や未成年の参加も歓迎。

03: 名前:おかでん投稿日:2007/08/11(土) 00:16

参加者の方にお願いがあります。
今回、スパイシーナイツ01の記事を書くにあたって、メニューと写真がどうしても一致せず、大変に苦労しました。実際にメニュー勘違いもありました。

そこで、料理を注文した人は、

・必ず自分が注文した料理の名前(もしくは菜譜番号)を覚えておく。
・自分が注文した料理を確実に店員さんから受け取る。(他人に頼らない)
・料理到着直後に、必ずおかでんが料理の写真を撮影する。
・料理の写真を撮影する際は、お皿の横に菜譜番号を書いたメモを添える
ので、写真撮影に協力する。

ということをお願いします。
「わー、料理が来た!うまそう!いただきます!」と箸をすぐつけるのはやめてー。
ご協力をお願いします。

04: 名前:おかでん投稿日:2007/08/11(土) 00:21

■第01回 老四川全メニュー制覇プロジェクト
[開催条件]
・8月18日(土曜日) 19:00-22:00

・8月10日参加者確定 7名:
クレイジーピエロ、ゴルファー、しぶちょお、とほお、ひび、みづい、おかでん

・全メニュー制覇が主目的なので、辛いもの好きである必要はありません。

・「全メニュー制覇」といっても、既に制覇されたものを重複注文する事は構いません。
食べたいものを、食べたいように食べる。自然体でいきましょう。

・栄えある第一回目となる「老四川全メニュー制覇」企画。第一回目はぜひ
参加したい!という人は参加必須な回。

・8月10日(金)いっぱいで募集は締め切りました。7名で楽しんできます。

・人数が多いことから、座席予約はしておこうと思っています。
飛び入り参加しても、座席が離れる場合ありますのでご了承ください。

2007年08月17日

メニュー番号のためのリスト

開催当日。

午前中、せっせと紙を小さく切り、そこに数字を書き込んでいるおかでんの姿があった。

今晩の全メニュー制覇用に使うためだ。

数字?何のため?くじでもするのか?

いや、違う。メニュー管理のためだ。

老四川には直近では2007年5月(この企画開催の3カ月前)に「スパイシーナイツ1」として訪問しているのだが、その時に「全メニュー制覇」企画が近日中に勃発することを目で、舌で悟っていたのだった。だから、来るべき日に向けて参考になるよう、お店のメニューを全部写真撮影。それによると、このお店は1から始まるナンバリングでメニューを管理している事が判明した。

老四川全メニュー制覇企画で想定される事態:
「おー、料理が来たぞー」「待て、写真を撮影する」カシャ
「よーし食べよう」「うおおおお」
後日・・・写真を見ながら頭を抱えるおかでん。「この料理、何だぁ?」
絶対そうなるに決まってる。ますゐの時は、「ああこれはハンバーグ」「こいつはオムライス」と、見た目で判別可能なものが多かった。後日文章化しようとしても比較的これは楽。

しかし、四川料理・・・特に普段なじみのない料理群がずらりと並んだ日には、どれがどの料理だか全くわからない。そうなったが最後、「全メニュー制覇」の根幹が崩れてしまうではないか。最悪の事態だ。

そうならないように、この小さな札をお手製で作ったわけだ。料理撮影の際には数字札をお皿の脇に添えて一緒に写るようにしておく。これで、後日「この料理は食べた・・・これはまだだ」と整理整頓できるようにしよう、という魂胆だ。おお、頭いいぜ。過去の経験が活きてるぜ。その割には、作った札は非常にショボいが。

老四川外観

準備ができたので、いざ出撃。開始予定時刻の19時からさかのぼること数時間前には最寄り駅である横川駅に到着していた。気合い入りまくりだ。

駅に併設されたカフェでコーヒーを飲みつつこのサイトの文章執筆をして過ごす。タイピングに熱がこもって調子づいた頃にしぶちょおからTELがあり、「もうみんなお店にそろってるぞ」との連絡。ええ?まだ開始時刻まで20分以上あるんですが。

自分が一番気合いが入っていると思っていたら、気合い空回り。他のメンバーの方が気合い入ってた。やめろよー、せっかく短冊札作ったんだからー。自分が一番気合い入っていたいじゃないかー。

慌ててノートパソコンを畳み、現地に向かう。

結局、定刻ちょい前に到着のおかでんが一番遅い到着。集合場所となっていた店頭には既に誰もいなかった。おかでんを待たずして店の中に入っていたのだった。今回、アワレみ隊企画のオフ会で初参加のメンバーが1名いたが、無事合流できたようだ。

アワレみ隊OnTheWebのオフ会は毎回非常に不親切で、「参加者は○○(特定の雑誌や案内の紙等)を持った人を目印に合流」などというユーザーフレンドリーな事をしない。「おかでんを目印にしろ」のみの指令が毎度のルールだ。このサイトを見ている人なら顔くらい知ってるだろ、オレが目印だ、ということだ。随分傲慢なルールのようだが、別に傲慢なわけでもなんでもなく単に「目印」を作らなくちゃいけないおかでんが面倒がっているだけだ。

今回の場合、良い意味で想定外だったのは既におかでん以外にしぶちょおやひびさんといったアワレみ隊メンツの顔に知名度があったということだ。初参加であるみづいさんは、問題なく合流できたようだ。

このみづいさんだが、住まいは福岡県。わざわざ、この企画(及び翌日のますゐお食事会オフ)のために単身福岡から突撃してきたのだった。しかも女性。良い意味で「アワレみバカ」がここにも一名。企画発案者としてはありがたいやら、「このような企画ごときに」と申し訳ないやら。だって、オンリーワンの店であるますゐのオフならともかく、福岡でも探せばあるであろう四川料理店のメニューを食べるだけの企画ですぜ?

普通、「広島観光のついでにオフにも参加します」となるもんだ。しかしこのみづいさんは強者で、オフがメインで観光はサブ扱い。でもさすがに生粋のバカではなかったので、「せっかく広島に行くんだから観光もしておきたい」というごく普通人的発想に至ったようだ。その結果、福岡から新幹線で広島入りし、お昼はアワレみ隊BBSで地元読者から情報収集した「お奨めのお好み焼き店」(これが駅から遠いんだわ)に行き、慌てて宮島に渡り、わっせわっせと宮島観光したあとその足で老四川直行となった。原爆ドームは翌日のますゐオフ後、帰りの新幹線までのわずかな間でこなした。

「すいません、遅くなりました」

全員勢そろいしているテーブルに一番最後に着席。幸い、「おかでん抜きでとりあえず好きなモノ注文しちゃおうぜ」という薄情者の集いではなかったので、おかでんの到着まで待機してくれていた。恐縮です。

では、遅くなりましたが(とはいっても定刻通りなのだが。・・・いや、そもそも幹事が開始時刻ぎりぎりに現地到着している時点でダメじゃん。言い訳無用)、老四川の料理を隅から隅まで食べ尽くそうではないか。

「すいません、お店にある料理全部持ってきてください」

いや、さすがにそれはありえんな。ますゐの時よりもメニューが多いんだから。落ち着け。とりあえずまずはメニューをじっくりと吟味し、四川の美味美食を厳選しようではないか。

メニューをがばっと開く。

老四川のメニューは以下の通り。

(A)前菜

A1 青椒皮蛋 ピータン \400(小) \750(大)
A2 皮蛋豆腐 ピータンと豆腐の和え物 \500(小) \950(大)
A3 金針菇拌黄瓜 えのきとキュウリの和え物 \500(小) \950(大)
A4 涼拌三絲(辛口) 春雨・湯葉・塩くらげの和え物 \500(小) \950(大)
A5 怪味鶏 鳥の甘・酢・辛・香等の和え物 \650(小) \1,180(大)
A6 雲白肉(辛口) 豚肉薄切りのニンニク辛みソース掛け \700(小) \1,280(大)
A7 千層猪耳(辛口) 豚耳の辛みソース掛け \700(小) \1,280(大)
A8 葱絲猪耳 白葱と豚耳の和え物 \800(小) \1,480(大)
A9 夫妻肺片(辛口) 豚タン・ヤサキ・牛のはちのす・四川風味ソース掛け \980(小) \1,780(大)
A10 醤牛肉(醤油味or辛口) 漢方醤油の牛肉煮込み \800(小) \1,480(大)
A11 麻辣肚条 四川風豚胃袋の和え物 \700(小) \1,280(大)

(B)魚介料理

B1 魚翅蛋餅 フカヒレ玉子焼き \700(小) \1,280(大)
B2 三鮮鍋巴 五目おこげ料理 \800(小) \1,280(大)
B3 干焼蝦仁 エビチリソース掛け \980(小) \1,780(大)
B4 翡翠蝦仁 エビとセロリ・キュウリの炒め \980(小) \1,780(大)
B5 宮爆蝦仁(辛口) エビとピーナツ・カシューナッツの炒め \980(小) \1,780(大)
B6 干鍋蝦(辛口) エビと唐辛子・山椒の炒め \1,380(小) \2,480(大)
B7 藍花尤魚 イカとブロッコリーの唐納豆炒め \700(小) \1,280(大)
B8 青椒炒尤絲 イカと青ピーマンの炒め \700(小) \1,280(大)
B9 檸檬瓦片魚 特性レモン味噌と魚の炒め \900(小) \1,680(大)
B10 水煮魚(辛口) 魚と野菜の豆瓣醤の煮込み \900(小) \1,580(大)
B11 豆花魚(辛口) おぼろ豆腐と魚の煮込み \880(小) \1,580(大)
B12 辣子魚丁(辛口) 唐辛子・山椒と魚の炒め \880(小) \1,580(大)

(C)肉料理

C1 毛氏紅焼肉(醤油味or辛口) 豚の角煮 \980(小) \1,780(大)
C2 回鍋肉(辛口) 煮た豚肉と野菜の炒め \700(小) \1,280(大)
C3 青椒肉絲 青ピーマンと豚肉千切りの炒め \700(小) \1,280(大)
C4 古老肉 酢豚 \700(小) \1,280(大)
C5 溜肉片 豚肉と野菜炒め \800(小) \1,480(大)
C6 羅卜絲炒絲(塩味or辛口) 大根と豚肉千切りの炒め \700(小) \1,280(大)
C7 水煮肉片 豚肉と野菜の激辛煮 \800(小) \1,480(大)
C8 焼白 豚肉と四川高菜の蒸し \950(小) \1,780(大)
C9 魚香肉絲(辛口) 豚肉千切りと四川風漬物の炒め \800(小) \1,480(大)
C10 糖醋排骨 スベアリプ・甘酢風味 \980(小) \1,780(大)
C11 孜然排骨 スベアリプ・カレー風味 \980(小) \1,780(大)
C12 紅焼肥腸(辛口) 豚ホルモンの豆瓣醤の煮込み \700(小) \1,280(大)
C13 青椒肥腸 豚ホルモンと青ピーマン炒め \700(小) \1,280(大)
C14 干鍋肥腸(辛口) 豚ホルモンと唐辛子・山椒のいため \1,280(2-3人)
C15 爆炒肚条(辛口) 豚胃袋のビリ辛炒め \700(小) \1,280(大)
C16 豆花牛肉(辛口) おぼろ豆腐と牛肉の激辛煮 \900(小) \1,680(大)
C17 水煮牛肉(辛口) 牛肉と野菜の激辛煮 \900(小) \1,680(大)
C18 蠔油牛肉 牛肉のオイスターソース炒め \880(小) \1,580(大)
C19 糯米鶏 鶏肉もち揚げ \800(小) \1,480(大)
C20 炸鶏 から揚げ \700(小) \1,280(大)
C21 宮爆鶏丁(辛口) 鶏肉とピーナツ・カシューナツの炒め \700(小) \1,280(大)
C22 辣仔鶏(辛口) 鶏肉と唐辛子・山椒の炒め \800(小) \1,480(大)
C23 雪花鶏閙 鶏肉すり身とたまご白身のおぼろ炒め \800(小) \1,480(大)

(D)玉子・豆腐・野菜料理

D1 搾醤鶏蛋 肉ミソ入り玉子焼き \600(小) \1,100(大)
D2 藩茄炒鶏蛋 トマトと卵の炒め \700(小) \1,280(大)
D3 肉沫芙蓉蛋 豚肉ミンチ入り玉子蒸し \880(小) \1,480(大)
D4 麻婆豆腐(辛口) マーボ豆腐 \600(小) \1,100(大)
D5 家常豆腐(辛口) 厚揚げ豆腐と野菜の炒め) \700(小) \1,280(大)
D6 菜豆花(辛口) おぼろ豆腐と野菜の煮る) \700(小) \1,280(大)
D7 清炒時菜 旬の野菜の炒め物 \700(小) \1,280(大)
D8 炸茄盒 豚肉ミンチ入りナスの揚げ物 \800(小) \1,480(大)
D9 香甜茄盒(甘口) あん入り茄子の揚げ物 \800(小) \1,480(大)
D10 麻婆茄子(辛口) マーボナス \700(小) \1,280(大)
D11 魚香茄子(辛口) ナスと四川風辛味煮 \700(小) \1,280(大)
D12 麻婆粉絲(辛口) マーボ春雨 \700(小) \1,280(大)
D13 生煎土豆餅 ジャガイモのバイの焼き目つき \800(小) \1,480(大)
D14 青椒土豆絲 青ピーマンとジャガイモの炒め \700(小) \1,280(大)
D15 八宝菜 ハッポウサイ \800(小) \1,480(大)
D16 酢辣白菜(辛口) 白菜のピリカラ炒め・酢風味 \700(小) \1,280(大)
D17 香炸苹果環(甘口) りんごの揚げ物 \800(小) \1,480(大)
D18 香炸香蕉球(甘口) バナナーの揚げ物 \700(小) \1,280(大)

(E)スープ

E1 蔬菜粉絲湯 野菜と春雨のスープ \700(小) \1,280(大)
E2 藩茄蛋湯 トマトと玉子スープ \700(小) \1,200(大)
E3 魚翅湯 フカヒレスープ \700(小) \1,280(大)
E4 酸辣湯(辛口) ビリ辛スープ \800(小) \1,480(大)
E5 髪菜豆腐湯 野菜と豆腐のスープ \800(小) \1,480(大)
E6 蔬菜肚条湯 野菜と豚胃袋のスープ \700(小) \1,280(大)
E7 西湖牛肉羹 牛肉・豆腐・玉子の白身スープ \700(小) \1,280(大)

(F)麺・餃子・ご飯・デザート

F1 湯麺 ラーメン \650(並) \850(大)
F2 酸辣小麺(辛口) 酢・辛ラーメン \480(小) \680(並)
\880(大)
F3 担々麺(辛口) タンタン麺 \480(小) \780(並)
\980(大)
F4 四川涼麺(辛口) 四川風冷麺 \800
F5 炒麺 焼そば \780(並) \980(大)
F6 煎餃 焼きギョウザ \480(8個)
F7 水餃 水ギョウザ \520(8個)
F8 春巻 春巻き \780
F9 肉包子 肉まん(2個より) \150(1個)
F10 肉焼売 肉シュウマイ \480(4個)
F11 蒸蝦餃 蒸しエビ餃子 \680(3個)
F12 乳黄包 ミルクパン(2個より) \100(1個)
F13 炒飯 チャーハン \520(並) \720(大)
F14 芽菜炒飯 四川風高菜入りチャーハン \680(並) \880(大)
F15 棕香排骨 スベアリプ入りチマキ \300(1個)
F16 天津飯 テンシンハン \680(並) \880(大)
F17 麻婆丼 マーボ丼 \680(並) \880(大)
F18 中華丼 チュウカ丼 \680(並) \880(大)
F19 白飯 しろごはん \180(並) \250(大)
F20 杏仁豆腐 アンニン豆腐 \300(1人前)
F21 芝麻球 ゴマ団子 \300(2個)
F22 湯圓 ゆで餡団子 \300(2個)

コース・セット料理

ファシリアコース (4-5人様) \9800 一人増える毎にプラス\1,500
ペアース (お2人様) \4,800
コース料理(1) お3様より \2,000 (お1人様)
コース料理(2) お3様より \3,000 (お1人様)
コース料理(3) お4様より \4,000 (お1人様)
お得な火鍋セット お2人様 \5,200
3名より \2,400 (お1人様)
6名より \2,200 (お1人様)
火鍋コース お4様より \3,000 (お1人様)

お飲み物

生ビール \480
瓶ビール(中) \480
紹興酒 ショット(3年陳・約105ml) \420
キープ3年陳(640ml) \2,100
キープ5年陳(600ml) \2,600
キープ10年陳(500ml) \3,150
五糧液52° ショット \630
キープ \8,400
二鍋頭 キープ \2,500
桂花陳酒・杏露酒 ショット・ロック \420
ソーダ割り \480
キープ(500ml) \2,100
日本酒 (一合) \420
焼酎(麦orいも) 水割り \380
お湯割り \380
ロック \380
ウーロンハイ \420
チューハイレモンサワー \420
チューハイライムサワー \420
燃島(いも) (900ml) \4,000
ネリヤカナヤ (720ml) \3,800
龍宝(いも)25° (720ml) \3,500
薩摩の風(いも)25° (720ml) \3,500
古の千鶴(いも) (720ml) \3,300
つくし 黒ラベル (720ml) \3,300
閻魔 麦25° (720ml) \3,300
いいちこ (720ml) \2,500
二階堂 麦 (900ml) \2,500
ウーロン茶 \200
コカコーラ \200
オレンジジュース \200

あっれえ。5月訪問時とメニューが変わっている。以前はメニューの先頭から通番で料理に番号が付与されていたのだが、今日目にするメニューはジャンル毎に番号が振られている。

朝一生懸命作っていた札、使えないじゃん。あの労力は一体・・・。

がっくりすると同時に、「やばい、これでは料理の写真を撮影しても、料理名と一致しなくなるぞ」という危機感に行き当たった。どうしたもんかな。

やばさ濃縮還元100%状態のおかでんに、参加者の一人であるクレイジーピエロさんが手をさしのべた。

「これ、もしよかったら使ってください」

渡されたのは二穴ファイル。ご丁寧に表紙にはテプラで「老四川全メニュー制覇プロジェクト アワレみ隊」と貼ってある。妙に分厚い。何事かと思って中をのぞいてみると、1料理A4用紙1枚使ったメニュー一覧だ。しかも、最新メニュー表に対応したもの。料理No.、料理中国語名、料理日本語名が書かれているし、メニューに写真が掲載されている料理については、その写真まで転写されている念の入れよう。

「料理が来たら、これを皿の下に敷いて写真撮影すれば、後で料理名がわからなくなることないでしょう?」

確かにそうだ。料理No.だけだったらメニューと対比して料理名を特定しなければならないが、この「皿敷きメニュー」があれば料理が写っている写真そのものに料理名まで写っているという便利さだ。

コース、飲み物を除く93品に対応しているので、要するにこれで93ページ。道理でファイルが分厚いわけだ。聞くと、事前にこの店に下見に来て、最新のメニューを確認したらしい。その労力に頭が下がる。下見に行くだけならともかく、メニューを93ページに展開する手間暇は考えただけで恐れ入る。

助けられた。「既に食べたメニューはなんだったっけ?」「んー、覚えてない」

という最悪の事態は防げた。感謝。

老四川全メニュー一覧

それだけではなかった。このファイルには、参加者一人一人用の「オーダー表」まで用意されていたのだった。この表は、料理No.が全メニュー分ずらりと並び、その横にチェック欄が用意されている。だから、「私はC12を注文しますよ」となれば、C12の欄に○なりレなりの印をつけておけばよい、というわけだ。最後に参加者全員のオーダー表を集め、別の1枚を「全体集計表」として転記すれば現状把握も簡単。なんて気が利いているんだ。

このオーダー表、「名前」記入欄があったり「開催日」記入欄も用意されているという周到さ。ファイリングして保存にも適した作りになっていた。かゆいところに手が届く、とはこのことだ。

ありがたく使わせて貰うことにする。早速オーダー表を全員に配り、さあ注文メニューの検討、各自開始。

何を頼むかを決めるのは、案外難しい。前菜やスープ、デザートなど幅広いからだ。できるだけバランス良く注文したいところだ。理想は、プリフィクススタイルのコース料理っぽく品そろえすることだろう。でも、逆転の発想で「スープ全種類注文、僕の注文は以上これだけ!なんてやったら英雄だな」という悪魔のささやきも頭をよぎる。

おかでんの嗜好を最優先すると、「注文は辛口もしくは激辛とかかれている料理で統一」という「辛口一色」という役でツモあがりしたい。しかし、初回からそんなことやっていたら、この企画の回を重ねていくにつれて辛口料理が激減し、最後のほうになると物足りなくなってしまうのではないかと懸念される。少子高齢化社会の到来、ではなく小辛甘口化メニューだ。辛口という「有限の資源」を大切に使いつつ、次世代に残していかなければ。

何品頼むのが良いのか、というのも難しいところだ。大食い選手権じゃないんだから、せいぜい3品程度が妥当だろうか?んー、でもオーダーにスープや点心、デザートを混ぜるとややこしいことになる。

各メニューには(小)と(大)の2通りがあり、どちらか一品を注文すればその料理はクリアという扱いだ。だから、当然(小)を注文することになる。とはいっても、メニューによると「(小)1-2人分、(大)3-4人分」という記述がある。「1-2人分」という表現が悩ましい。どっちなんだ。それによって注文する皿数は全然かわってくるぞ。

第一回目ということもあり、勝手が分からず苦悶。さんざん時間をかけ、おかでんは4品を選択。その他のメンバーもうんうんうなりながら手元のオーダー表に注文を書き込んでいった。

全員自分が何を注文するかほぼ決めたところで、お互いの「取引」がはじまった。この企画はあくまでも「自分が食べたいものを注文する。たとえ同時に別の人が同じ物を注文していても、既に制覇済みのメニューであっても構わない。」という趣旨ではある。だから、他人の注文なんて気にする必要はない。とはいっても、共同歩調をとれるものはとって、効率よくメニュー制覇を進めていくにこしたことはない。そもそも、なんだかよくわからない味の想像ができないようなメニューがずらりと並んでいる状況において、各自とも「絶対これだけは食べたい!他人には譲れない!」というこだわりの一品はない。どんどん足並みをそろえていこうじゃありませんか腹ぺこ諸君。

そんなわけで、ビール党のおかでんとひびさんは「瓶ビールはひびさんが担当、生ビールはおかでんが担当」と仲良く棲み分けとなった。ならばと、同じく酒飲みのクレイジーピエロ氏は中華料理店だけど「日本酒」をオーダー。同様に、下戸党に所属するしぶちょおとみづいさんは仲良くソフトドリンクを分担した。どこぞの国の国境問題みたいに軍事力でモノを言わせることはない。空腹だけど、至って平和だ。むしろ、料理が到着しはじめてからが戦場。次々やってくる料理をいちいち撮影しないといけないからだ。慌ただしいったらありゃしない。

そういうすりあわせをやっている時、しぶちょおのオーダー表が特異であることに気がついた。注文は「A7」「B7」「C7」とラッキー7そろい。「全部7でそろえてみた」としぶちょお。なるほど、その手もあったか。うんうんうなった末よく分からない料理を注文して「あれ?こんな料理だったんだ」と思う労力の無駄を考えれば、こういう機械的なオーダーの方がはるかに効率的だ。一同感心。

「じゃあ私も」といって、みづいさんもC2-F2と、2そろいでオーダー表にマーキングをしていた。

店員さんを呼んで、オーダーをひととおりする。一つも重複がなく、全員が別々のメニューを数品注文するわけだからその数は相当なものだ。店員さん、最初はにこやかに伝票を書いていたが、だんだん「まだ注文するのか」という顔に変わっていった。すんません、まだ注文します。結局、伝票が足りなくなったので追加の用紙を持ってくる羽目になりつつも、全メニュー注文終了。

今考えると、厨房はこのオーダーを見て仰天しただろうな。少量多品種生産。製造業においてはもっとも効率の悪いパターンだ。調理師からすると、オーダーSPAMといったところか。「嫌がらせか?」と思ったかもしれない。申し訳ない。嫌がらせでもなんでもなく、注文した人は至って正気であり、食べる気満々だ。「だって、どれもおいしそうなんだもん。」という一言で、許してください。

福岡みやげのにかわせんべい

福岡から強行軍で参加したみづいさんだが、律儀にも福岡土産を買ってくる気の利きよう。バッグから取り出したのは、「博多二○加(にわか、と読む)煎餅」。

二○加、とはなにかというと・・・

お面をかぶろう

このようなお面をかぶって踊るのが二○加。博多の名物だ。

「シャア・アズナブルがかぶっているマスクも、二○加だな」
「それは違うと思う」

このお面、煎餅とセットになっている。福岡から来ましたー、というご挨拶がてらこの煎餅を差し出すと福岡の話題で盛り上がること請け合いだな。

しかもこの煎餅のパッケージには、特徴的な福岡弁と標準語との対比表がついていてこれまた一興。

ふうたんぬるか…動作がおそい
ほんなごと…本当のこと
もやい…いっしょにする
やりそこのうとる…失敗してる
といった、宇宙人語?の翻訳がずらり。「せっかく福岡からみづいさんが来てくださったんだ、これからは福岡弁で会話をしよう」という提案がおかでんからなされ、料理がくるまでの間、一同この福岡弁を覚えようと必至になった。

しかし、案外福岡弁はクセが強く、覚えようと思ってもそう簡単に覚えられるものじゃない。結局、誰しもがすんなりと覚えられたのは

いやらしか…エッチ
だけだった。思い出すなあ、中学1年の時、新しく手に入れた英和辞典・和英辞典でいやらしか言葉を探し当てては一人ニヤニヤしていた事を。

それはともかく、結果的に、会話のはしばしに「いやらしかー」「いやらしかー」の連呼。脈略なんて関係ない。相づち代わりに「いやらしかー」だ。なんだこの集団は。変態の集いになっているではないか。

せいぜい、カタコトで言えたのは「あたき(私)、じょうもん(美人)、すいとう(好きです)」という程度。で、言った直後に一斉に周囲から「いやらしかー」の呼応。福岡でこんなことやってたらバカにされるな。いや、広島でもバカにされるか。

ドリンク各種ずらり

そんなしょーもないことをやっている間に、まずは飲み物がやってきた。

飲み物だけでも多種多様。

瓶ビール、生ビール、ウーロン茶、コーラ、日本酒。

壮観だな、こりゃ。これを見ると「最初のいっぱいはとりあえずビール」という概念が覆るな。人それぞれ。

各自バラバラに飲み物を飲む

では、各自バラバラの飲み物で整合性も統一性も全くないが、とりあえず乾杯。老四川全メニュー制覇への第一歩は液体から開始となった。

コーラを飲むしぶちょおとグラスに注いだ瓶ビールを飲むひびさんのペア。体格からすると、飲み物が逆じゃないかと思ってしまうがこれがアワレみ隊のアワレみ隊たるゆえん。しぶちょおが下戸だからこそ企画が円滑に進む(=おかでんが心おきなく飲める)ことができる。

マーボ豆腐

あれだけ多くの種類のオーダーが入ったら、一体何が真っ先に厨房では調理されるのだろう。やはり前菜に集中砲火を浴びせてくるのだろうか?

わくわくして待っていたら、一品目がテーブルに到着。

麻婆豆腐。

これは意外だった。先陣を切って厨房から出撃したのはアナタでしたか。でもなぜ?とりわけ調理が楽、というわけではあるまい。

まずは、四川料理として日本人にとってもっともポピュラーな料理でご挨拶、といったところだろうか。

クレイジーピエロ氏が用意してくれた台紙の上に料理皿を載せ、写真撮影。しかる後に「じゃ、食べよう」とめいめいお皿に取り分けた。

後になって気付いたのだが、本来この企画は「自分が食べるものを自分で頼む」というものだった。ますゐの時もそうだった。シェアをするという事は前提にしていなかった。しかし、この麻婆豆腐は誰も気がつく事無く、ごく自然に自分の取り皿によそい、そして食べられていた。

中華料理はシェアするのがごく普通であること、そして写真撮影のためにテーブル中央にお皿を置いたのも「ごく自然に取り分けた」理由だろう。店の人も、取り分けることを前提としているらしく「○○(料理名)ご注文の方?」と料理を運んで来なかった。全ての料理はテーブルの中央。

こうなると、なんのためにさっきまで「どの料理を注文しようか」と各自悶々としていたのかということになる。結局シェアすることになるんじゃ、悩む必要は無かった。でも、シェアするって良いことだ。全ての料理を、少しずつ食べることができる。「ますゐ全メニュー制覇」の時は、「全メニュー制覇」といっても誰かが全品食べたわけではない。会に参加した人全員で分担しながら全品食べただけだ。まぁ、ますゐの場合料理のサイズや形状上大人数でシェアするのには向かない事がおおかったので当然の対処だ。

白葱と豚耳の和え物

2番目に到着したメニューは「葱絲猪耳」、即ち白葱と豚耳の和え物だった。これぞ前菜。前菜を意味するメニューナンバー「A」が付与されている。

この料理を目の前にするにつけ、「なぜ麻婆豆腐が先頭に?」とますます不思議になる。

麻婆豆腐で既に各自の胃と舌は戦闘モードに突入していたのだが、この前菜で「まあ落ち着けや、物事には順序ってもんがある。そう焦るな」と言われたかんじ。

いや、後から出てきたアンタに言われても。

豚耳の辛みソース掛け

おっと、引き続きもう一品届けられたぞ。

「千層猪耳 (辛口)」、日本名「豚耳の辛みソース掛け」。

中国語では豚の事を猪、と呼ぶのだな。では日本で言うところのイノシシはどういう漢字を書くのだろう。日本とは真逆で「豚」だったら相当驚きだ。きっと違うけど。

先ほど出てきたメニューが豚の耳だったので、豚の耳繋がりでこの料理を作ったと思われる。

厨房、大忙しだ。大量のオーダーを見ながら、どれとどれを同時に調理すれば効率よいか、ということをパズルゲームのように考えているに違いない。「あの食材はこっちの料理にも使えるから同時に下ごしらえして、この料理はあの料理と同時に火にかけて・・・」なんてやっているのだろう。

豚肉と野菜の激辛煮

このまま前菜王国がテーブル上に形成されるのかと思ったが、そこは裏をかいてきた。次に出てきたのは「水煮肉片」、「豚肉と野菜の激辛煮」だ。

「先ほどの料理と豚繋がり・・・かな?」

「そんな馬鹿な、一頭丸ごと店で買い取って、オーダーの都度肉をさばいているわけでもあるまい」

まあ、結局は調理師さんの気まぐれということか。そりゃそうだよな、料理でしりとりをやっているわけじゃないんだから。

この料理、四川料理では定番に入るものだと思うが、普通の「中華料理屋」ではお目にかからない。「水煮」という名前から、知らない人は水炊きのような料理を想定してしまうが実物は全然違う。味付けをどう形容して良いのかどうかちょっと難しいのだが、日本名の通り激辛だ。そして、花椒が入っているのでシビレる。「ポン酢でもつけて食べる料理でしょ?」とヌルい考えでいると痛い目にあう。

・・・まあ、普通、メニューには日本語訳がついているし「これは辛いよ」マークなんぞがついている。現実的に痛い目にあうことはないと思うが。

喜んだのはおかでんを筆頭とする左党の連中。のっけから「辛口」とメニューに記された料理が数多く出てくる。競馬で、まだ第一コーナーなのに馬にムチをくれてやるようなものだ。さあ飲め、もっといけといわんばかりだ。

青椒肉絲

続いては「青椒肉絲」。これはわざわざ日本語訳をつける必要はないだろう。チンジャオロースーだ。日本で五本の指に入るメジャー中国料理ではなかろうか。

・・・5本の指に入るかな?ええと、餃子、炒飯、野菜炒め、八宝菜、酢豚、麻婆豆腐、おっとすでに5本を越えている。とりあえず両手両足20本の指には入るであろう、という表現に訂正。

とはいっても、われわれが「中国料理」と思っているものの中には実際中国に存在しないものもあるので要注意だ。有名なところでは日本の「ラーメン」はあくまでも日本料理であり、中国の「拉麵」とは全然違う。

他にも、天津飯や中華丼なども中国には存在しない料理だ。以前、知人の中国人に「中国にも中華丼ってあるんでしょ?」と聞いたら「あるわけないデショ」と一刀両断された。「日本に『日本丼』ってある?ないでしょ?それと一緒」だそうで。

あれ、この店のメニューをよくを見ると天津飯も中華丼もあるぞ。日和ったな、さては。

さてこの青椒肉絲が四川料理かというと、多分そうではないと思う。というか、確実に違う。でも、だからといって「四川料理純血主義」を唱えていてははじまらない。四川の人だって青椒肉絲は食べるだろうし、パンだってスシだって食べるだろう。とはいっても、メニューにチンジャオロースや焼き餃子、中華丼などが入っているのは明らかに「日本人向けに迎合した」結果だと思う。純血路線で行ったら、商売として成り立たない。店の人は別に四川文化を広島に伝承するボランティアではないわけで、まずは食っていけるだけの収入がないとやっていけない。そのためには「中華の定番」メニューはマストアイテムなのだと思う。

前菜からいきなり主菜クラスの料理にジャンプしたが、「豚」繋がりであることにはかわりない。調理師さんは「とりあえず豚皆殺し作戦」に出たのだろうか?

紹興酒ボトル

紹興酒をロックで

本来なら「ビール、もう一杯!」と行きたいところだが、制覇メニュー数を稼ぐことも重要。ビールのおかわりはやめにして、紹興酒をオーダーすることにした。3年陳。

この3年陳酒、厳密に言うとメニュー上では「ショット」と「キープ(ボトル1本のことを指すらしい)」の2種類に分かれている。とはいっても、「キープ」もグラスに注いでしまえばショットと全く一緒だ。このような場合、「キープ」か「ショット」のどちらかを制覇すれば、両方制覇したと見なすことにした。今決めた。

同様に、焼酎などにおいては「水割り」「お湯割り」「ロック」と同じお酒が3変化するメニュー構成になっているが、これも「どれか一種類を制覇すれば、その焼酎は全パターンクリアしたものとみなす」ということにした。お酒の派生形に振り回されるときりがない。

というわけで、本当は3年陳酒を注文する際は「ショット」で頼むのが一番効率が良い。にもかかわらず、なんとなく「紹興酒飲もーぜ」って話になって、「飲む人ー」「はーい」「じゃあ、グラス4つで」なんていう勢いでキープをオーダーしてしまった。

紹興酒で乾杯

紹興酒ロックのグラスが各自の手元に届いたところで、なぜか二度目の乾杯。乾杯する必然性は無いのだけど、ただなんとなく。先ほどは全員バラバラの飲み物での乾杯だったので、一体感が無く「乾杯」した気がしなかった、ということにしておこうか。

といっても、今回も一人だけグラスの色が違う人が居る。ソフトドリンク部門ならオレに任せろ、のしぶちょお。一人孤高のオレンジジュース。これにてこのお店のソフトドリンクは完全制覇した。制覇、といっても3種類しかソフトドリンクは存在しないのだが。

鶏の唐揚げ

乾杯直後に次の一皿が来た。炸鶏、すなわち鶏の唐揚げだ。

「わっ、料理だ!」

乾杯による祝賀ムードは一気に消えうせ、また卓上は戦場に戻った。食べかけの皿やグラス、氷、紹興酒のボトルを隅に寄せ、その間に該当メニューの名前が記された「下敷き」をファイルから引っ張り出し、アングルを決めて撮影をして、ようやく「お待たせしました、さあどうぞ」。

散発で料理が来るなら良いのだけど、場合によっては立て続けに料理が攻めてくることがある。こうなると「撮影渋滞」発生。順番待ちのお皿は、繁忙期に、羽田空港滑走路が混雑しているために着陸できずに東京湾をぐるぐる回っている飛行機と一緒。早くランディングして撮影して、しかるべき駐機スポットに向かうべきなんだけど撮影が追いつかない。厨房の調理スピードに負けるな、オレたち。

それにしても鶏の唐揚げって、中国語で「炸鶏」と書くのだな。まあ、「天ぷら」を「日本揚げ(もしくはポルトガル揚げ)」と言わないのと一緒か。「炸」という漢字は馴染みがないが、どこかで見たことがあると思ったら「炸裂」の「炸」なのね。鶏が炸裂したものが唐揚げか。なんだか壮絶な、散り散りになったような料理を想像してしまう。

ビールによくあう料理だけど、既にわれわれは紹興酒にシフト済み。残念。でも、鶏の唐揚げって調理に時間がかかるんだよな。多量のオーダーの中、この順番で出てきたことにちょっと意外感あり。

調理に時間がかかることを証明しようと思ったら、中華料理屋でラーメンと餃子と唐揚げを注文してみるとよい。最初にラーメン、次に餃子、最後に唐揚げが出てくるはずだ。

豚ホルモンと青ピーマン炒め

次の料理は青椒肥腸。豚ホルモンと青ピーマン炒めという和名がつけられている。ホルモンをピーマンと一緒に炒めるというのは発想の転換というか、ありそうでなかった料理だ。

それにしてもホルモンのことを「肥腸」と書くのね。ぷりぷりした触感から「肥えている」と形容されたのだろうか。まさか、中国の豚はフランスのフォアグラ鴨のように強引に餌を食わされ、太らされ、その結果肥大したホルモンができあがる・・・わけないよな。

皮蛋

皮蛋。漢字で書くとよくわからんが、カタカナで書くと誰でも知ってるピータン。すごいぞATOK2007。「ぴーたん」で漢字変換するとちゃんと「皮蛋」と変換してくれるぞ。先ほどの青椒肉絲も見事変換。WindowsOS付属のMS-IMEにはできない芸当だ。これだから金払っても漢字変換ソフトは買うべきなんだよな。

話が逸れたが、メニューを見ると単なるピータンではなく「チンジャオピータン」になっていた。その心は?と皿を見やると、奇麗に花形に並べられたピータンの真ん中にピーマンの細切り炒めが載っていた。なるほど、だからチンジャオピータンなわけだな。ピーマンとピータン、名前が似ているからとりあえずのっけてみよう、という発想だろうか。あ、それはないな、中国語でピーマンを「ぴーまん」と発音するとは思えないから。日本限定駄しゃれ。

料理の脈略を振り返ってみると、唐揚げが途中挟まったものの、「青椒」と名の付く料理が3つ出てきたことになる。厨房ではピーマンを重点的に切って切って刻みまくる事を優先させたらしい。

煮た豚肉と野菜の炒め

チンジャオが出尽くしたらしい。今度はキャベツに中華包丁の刃先が向かい、回鍋肉(ホイコーロー)の完成。

・・・いや待て、よく見るとホイコーローの中にピーマンが入っている。この際だからピーマンを使う料理は総ざらいにする気だな、さては。

ホイコーローの日本語訳は「煮た豚肉と野菜の炒め」なのだな。やべえ、自宅で作るときは豚肉そのまま炒めちゃってた。

後でwikipediaで「回鍋肉」の項目を確認してみると、

回鍋とは、鍋を回転させることではなく、一度調理したものを再び鍋に戻して調理することである。

と記されていた。豚肉は下ゆでし、野菜は油通ししたものをあわせて炒めるのが回鍋肉なんだと。ということは、今まで我流でやってきたホイコーローは「野菜炒め・味噌味バージョン」に過ぎなかったということか。




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