首の痛さに耐えかねて、すがるように通販生活の「メディカル枕」を買う

2024年1月は、僕のボディケア欲求がずいぶん高まった一ヶ月だった。

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会社から源泉徴収票が送られてくる時期だし、自分が住む自治体に、息子を保育園に通わせるための「就労証明書」を提出しなければいけない時期だった。そういう資料に書かれている自分の収入や労働時間を見ると、「随分働いたな」と感じるし、時間外労働が増えたせいで年収が上がったこともわかる。

なるほど、自分の体が悲鳴を上げるのはもっともだと思うし、だからこそ体のケアに少々お金をかけさせて欲しい、頼むホンマ、と切実に思う。その分の稼ぎは会社からいただいているわけだし。

パートナーのいしは、僕のボディケアについてはとても寛容だ。1万円を遥かに超える「かっさ」の施術も許してくれたし、僕が必要だと思ったものならばお金をかけて良いと言ってくれている。

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パーソナルトレーナーについてストレッチやトレーニングを受けても良いのではないか、とまで言ってくれるのだが、さすがにそれは家計に与える影響が大きすぎるので僕が尻込みしているくらいだ。

ちなみに僕が一番好きなボディケアは、足踏みマッサージだ。施術師が天井に取り付けられたバーからぶら下がり、ベッドに寝ている僕の背中をグイグイと押す。下手くそがやると単に呼吸が苦しくなるだけだけど、うまい人がやるとかなりの強もみで爽快感が他のマッサージとは全然違う。ただし、改善効果が持続しないのは他のリラクゼーション系マッサージと一緒だ。

足踏みマッサージをやガッツリやってくれるお店は東京でも多くなく、貴重だ。

皮肉なことに、体の凝り、とくに首の凝りがひどくなったのは、テレワーク環境をかなり快適に整備したせいだ。

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デスクの前に23.8インチの大型ディスプレイを置いたことによって、作業効率はとても上がった。とても快適だ。しかし、ずっとディスプレイから目を離さないようになってしまい、首は硬直した。

バーライトをディスプレイの上に設置したのも、首の凝りを助長したような気がする。

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部屋の明かりを消し、机の上だけ明るく照らして作業をしていると、ますます視界が狭くなって周囲に目線を向けなくなる。首は硬直する一方だ。ただし、パソコン作業をやるのにはとても向いている。

そして、実は首にとって一番イカンと思うのが、高いお金を出して買ったオフィスチェアだ。エルゴヒューマン製のチェアはたしかに快適だが、それは「イイカンジの姿勢を維持し続けるため」のものだ。人間、どんなに良い姿勢であっても同じポーズだと体が痛くなってくる。エルゴヒューマンには、「時々、姿勢を崩してリラックスしましょう」という機能は備わっていないので、仕事に集中しているときは数時間もおなじ姿勢のままになってしまう。

この手の椅子は、どっしりと座れる座面があって、肘掛けがあって、ハイバックの背もたれとネックピローがついている。悪い言い方をすれば、これらパーツは僕を身動きさせないようにする拘束具でもある。

実は背もたれが低い椅子のほうが、首肩腰の凝りには良い気がする。グーッと背もたれに体重を預けて背中をそらし、背骨をバキバキ言わせるのはとても心地よい。でも最近の僕はそういう経験がなくなってしまった。自宅にあるその他の椅子も全部ハイバックだからだ。ああ、これを書いていて、やたらと背中をぐいぐい反らせたくなってきた。

いっとき、深夜残業続きで椅子に座り続けたため、さすがにエルゴヒューマンに座っていてもケツが痛くてたまらなくなってきた。そのため、かなり分厚い低反発クッションを尻に敷いた。

このクッションを椅子に敷いたことにより座高がかなり高くなってしまい、椅子と机の高さ調整がちょっと手間だったが、馴染むと快適だった。長時間座ってもケツが痛くなりづらくなったのは狙い通りだった。

で、その結果長く座ってしまい、ますます首肩が凝った。

ダメだ、デスクワーク環境を対処療法で快適にすればするだけ、結果的にますます首肩が凝る。


昼間に首肩が凝っているだけならよいのだけど、夜に寝ている最中、強い背中の凝りで目が覚めることが多いのは本当に困る。夜中、真っ暗な部屋の中で凝りを緩和するためのストレッチを10分くらいやらないと、再度眠りにつくことができない。この症状は昔からあることで、古くは十数年前から僕を悩ませてきている。

僕の場合、仰向けで寝ることが苦手だ。子どもの頃から、反り腰ということもあってうつ伏せが基本スタイルで、それだと呼吸が苦しいので、横寝も組み合わっている。

こういう人にとってぴったりくる枕、というのは案外無いものだ。低反発枕だとうつぶせ寝のときに窒息しそうになるし、うつぶせ寝用を謳う枕だと横寝のときに高さが足りない。どんな寝相にもオールラウンドで対応できますよ!と謳う枕は、まるでスノーボードのハーフパイプのような窪みがあって、「仰向け寝のときは真ん中のくぼんでいるところで寝て、横寝のときは両脇の高さがある場所で寝てくださいね」という趣旨らしいが、人間そう簡単に寝ている最中に枕のベスポジを探り当てられない。使いこなせる気がしない。

話は横道に逸れるが、僕は昔、快適な枕を求めて、ナショナル(現:パナソニック)製の電動形状自動調節まくらを持っていたことがある。今思えば、なんでこんなものを高いお金を払って買ったんだ?と笑ってしまう。

https://panasonic.jp/other-health/p-db/EU2510.html

この形状自動調整まくらはとても巨大で、とても重たかった。枕かコントローラーが有線接続されていて、自分が仰向けになった状態でコントローラーのスイッチを押すと、ブーン、プシューという音とともに頭の位置や形を計測し、頭の形に即した凹凸を枕に作ってくれるという代物だった。おそらく枕の中には多くのチューブが入っていて、頭の形に応じてそのチューブに空気を入れたり空気を抜いたりしていたのだろう。

それだけを聞くと、「すごい!自宅でオーダーメイドまくらのようなものが瞬時にできるのか!」と思うだろう。実際そうなのだが、思ったようにはいかないのが現状だ。

そもそも、ポンプでエアを枕に送り込むのに莫大な電力を消耗するため、コントローラーに入れた電池はたった数回の使用で電池切れになった。当時は電池が格安で大量に買えるような時代ではなかったため、かなりの出費にげっそりした。

そして、計測する際の頭の位置、顎の角度など、今夜一晩を過ごすのにあたって何がベストなのかが自分でもわからない。顎を引くか、引かないかでも後頭部の角度は随分変わってくる。枕が、「あなたに合った枕の形状はこれ。少々フィットしなくても、矯正の意味でこれで寝てください」というならまだしも、不調を感じている首や頭を追認する形で枕の形を設定するのは果たして良いのかどうか、疑問だ。

そうやって計測してジャストフィットっぽい枕の形状ができたとしても、実際に寝る僕は、おやすみなさいをしてから間髪入れずに寝返りを打ち始める。なんなら、値落ちする前にも寝返りをうつ。そうすると、仰向け寝に最適化された枕は、とたんに使い心地が悪くなる。そもそも僕は仰向け寝がほとんどできないので、仰向けの状態を計測して枕の形を合わせることにほとんど意味がなかった。

本当に理想を追求するなら、リアルタイムで頭の形状や向きをスキャンし、リアルタイムでそのとき必要な高さと位置にチェンジする枕がいい。僕が横を向いたら、枕は肩幅くらいまで高くなり、仰向けになったら頚椎のカーブをサポートするように凹凸がメリハリある形になり、うつ伏せなら窒息しないように、そして顎が上がって首が凝らないようにサポートしてほしい。ついでに、SpO2や心拍数を計測して、寝ている人が深い呼吸を続けられるように枕を微調整し続ける、そんな機能があると嬉しい。

ただし、そういう変幻自在の枕を作るとなると大変なことだし、可変する際にナショナルの枕のようにプシュー、ブーンという音を立てていると目が覚める。できるだけ無音で素早く形が変化するとなると、相当技術力がいると思う。

しかも枕は、うつぶせ寝のひとは特に「時には抱きまくらのように抱きかかえて、呼吸のしやすさを確保する」というツールでもある。メカ満載でやたらと重いと、寝ていて無意識の間に枕を抱き寄せることができなくなってしまう。なので、軽量化も大事だ。

ということで、ここまで書いて、こんなのは技術的には多分無理だし、できたとしてもとんでもなく高いし、さらにその枕が実際に寝心地が良いかどうかは謎、という身も蓋もない結論に至った。やっぱり枕って難しい。


2024年1月、いしの勧めもあって、新しい枕を物色しはじめた。僕は数ヶ月ごとに、家にある硬い枕や柔らかい枕4種類をローテーションしているのだが、いよいよそのいずれも僕にピッタリこなくなってしまったからだ。これまで使ってきたIKEAの枕「KLUBBSPORRE クルッブスポッレ」は、冷静になって、「よくこんな高さのある枕を使ってきたものだな」と思う。

https://www.ikea.com/jp/ja/p/klubbsporre-ergonomic-pillow-side-back-sleeper-70450259/

でも、いっときはこの枕がとても自分にあっていた時期があった。枕に関しては、どの商品であっても、ある時を境に魔法が解けたように自分にしっくり来なくなるときがあるから、よくわけがわからない。

そんなわけで、ひとの口コミなんてのは大してあてにならないし、僕自身がお店に行っていろいろな枕を試してみて感じた印象も、まったくあてにならない。

ニトリに行けば、かなりの数の枕をベッドの上で試してみることができる。しかし、枕の評価ができるのは、一晩を共に過ごし、翌朝起きてみてからだ。わずか数十秒、ベッドの上で試してみたからって、なんにもわからない。

ネットでは「整体師監修」などと枕に箔を付けた商品が数多い。僕はその手の枕にも手を出したことがあるが、「さすがだ」と唸っったことは一度もない。でもそれは整体師が悪いんじゃない。ひとの寝相は十人十色で、全員の入眠から気象までの全寝相をフォローできる枕なんてなかなか難しいってことだ。・・・だとすると、安易に「整体師監修」だのなんだの言って枕を売っているメーカーは誠実なのかどうか、というのが気になる。

ネットの口コミもあてにならない。「硬い」と書いた口コミのすぐ下には「柔らかすぎる」という別の人の口コミがあったり、「高すぎる」「低すぎる」と全く見解が違うのはザラだ。結局この枕はどうなのか、というのは自分が試してみるしかない。

話はざっと飛ぶが、結局僕が買うことにしたのは、カタログハウス社が出している有名な雑誌「通販生活」で売られている「メディカル枕」というものだった。

僕は通販生活なんて一度も読んだことがないし、今後もたぶん読む機会はないだろう。でも、今ではその雑誌で紹介されている商品がネットで買うことができる。メディカル枕もそう。

僕はこの枕のことを全く知らなかったのだけど、ネットであれこれ枕について調べていたら、この「メディカル枕」とニトリの「ホテルスタイル枕」が良い、という意見が多いことに気がついた。

ニトリの枕はひとまず全種類試していはずなのでいったん保留にして、これまで知らなかった「メディカル枕」が気になった。

口コミをあれこれ調べてみると、数年間使って枕がへたったら、またおなじ商品をリピート買いする人が結構いるようだった。全体の何割かはわからないけれど、そういう口コミがあること自体驚いた。僕の人生で、おなじ枕を買い直したことなんて一度もないからだ。「もっと良い枕があるのではないか?」という枕ジャーニーを延々と続けているからだ。

頭にあわなかったら10日以内なら返品無料だということなので、おそるおそる試してみることにした。お値段は送料を入れるとだいたい11,000円ちょっと。1万円を超える枕を買うなんて、先ほどのナショナル製枕以来だ。かなり勇気がいる。

返品無料だから気軽に試せる!と安易に思えないのは、返送する際の送料は自己負担だからだ。

このメディカル枕はアホみたいにデカく、縦45×横75×厚さ14cmもある。未開封時は真空圧縮されてコンパクトになっているけれど、一旦開封してしまうと元のサイズには戻らない。なので、通販生活から送られてきた箱ではない、もっと大きな箱を自分で用意して返送しなければならない。そしてお金は自分持ち。一体いくらかかるんだろう?

だから、買ったからには返品前提ではなく、この枕を今後も使っていく覚悟だ。

巨大な箱に入っていた枕を取り出しているところ。枕カバーが2枚入っているが、もはや布団のシーツみたいなサイズだ。

圧縮されているので、小さい。・・・いや、小さくないぞ、この時点で相当デカい。

開封してから本来のサイズに膨らむまで24時間必要だという。待てないので数時間でさっそく使っちゃったけど。

シーツ、じゃなかった、枕カバーをかぶせたので、見た目はなんの印象もない。地味だ。

巨大な枕なので、よくある市販の枕カバーは使えない。バスタオルを巻きつけるなど、工夫が必要。付属の枕カバーは真っ白なので、汚れがすぐに目立つだろう。

昔使っていた、ニトリの枕との対比。メディカル枕がかなり大きいことがわかる。

大抵のシングルベッドは横幅が90cmなので、幅75cmのこの枕を置いたらほぼ横幅がいっぱいになる。また、ダブルベッドは140cmなので、この枕を2つ並べるとはみ出てしまう。それくらい、巨大だ。

この枕を、寝ている間に抱き枕として用途変更しようとするのは多分無理だ。クジラを素手で捕まえようとしているようなものだ。

巨大な枕の中には、独特の形をしたウレタンフォームが入っているらしい。枕の外から触っても、このウレタンがゴツゴツ当たることはない。

そんなわけで、いざ寝てみても、特に特徴を感じない、マイルドな枕だった。包み込むようでもないし、グンと体を支えている感覚もない。無個性だな、というのが僕の印象だ。それでいて、夜中に目が覚めて枕ポジションを変更するということは起きない。つまり、とても自然に僕の頭には馴染んでいるようだ。

正直、面白みのない枕だ。もっとトリッキーな、目を見張るような睡眠体験をさせて欲しいのだが、静かに僕の体はこの枕を受け入れようとしている。

まだ使い始めて10日が経過していないし、この枕が良かった・悪かったを言う段階にはない。でも、「しまった、こんなデカい枕を買ったのに返品だ!」と慌てなくて済んだのは、ひとまず成功だったと思う。

僕の睡眠への探究心はまだまだ続く。

(2024.01.26)

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